2018年11月28日水曜日

ムンク展→フェルメール展とハシゴしたら、スタッフの「叫び」がうるさかった件

3連休明けの11月26日月曜日、朝から上野でムンク展とフェルメール展をハシゴしてきました。


どっちも大混雑しているのは承知の上で、できるだけ混雑の間隙をぬってハシゴする作戦です。まず、「3連休明けの平日」は狙い目だろうと。そして、世界共通で美術館は月曜に休館日が多いのですが、ムンク展の公式を見たら「月曜休室。ただし、11月26日、12月10日、24日、1月14日は開室」と出てたので、この4日はいずれも狙い目だろうと。ちなみに、フェルメール展は12月13日のみ休館だそうです。ほぼ休みなし。スタッフの皆さん、ご苦労さまです。

フェルメール展のチケットはネットで購入し、セブンイレブンで発券済み。ムンク展のチケットは、ローソンのLoppiで購入してあります。当日、美術館でチケット売り場に並ぶのは避けたいもんね。


当日、朝10時過ぎ、まずは東京都美術館でムンク展。有名な「叫び」は初来日だそうです。私たちは10時半ぐらいに入場しましたが、まずまずの人出でした。それほど混雑しているわけではないが、快適に作品を見られるわけでもない。

意外だったことには、ムンク作品、数がかなり多い。公式みたら、およそ100点。しかもすべてムンク作品で構成されている展覧会なんだそうです。ほえ〜。

とはいえ知ってる作品も多くないので、人が溜まっているエリアはちょくちょくスキップして、ご本尊「叫び」を目指します。

しかしねえ。「叫び」にたどりつくとねえ……。


「立ち止まらないでください!」「前の人との距離を空けないでください!」「ゆっくり見る人は列から離れてください!」etc.

美術館スタッフの「叫び」がうるさいというね。興ざめすること請け合いです。

ところで、「叫び」で頭を抱えて身体をくねらせている人物の背景に描かれているのは、ノルウェーのフィヨルドに沈む夕日なのだそうです。ならば、やはり本作のホームタウン、ノルウェーのオスロにあるムンク美術館でこの絵に再見するのが筋でしょう。「フィヨルドに沈む夕日」というのが、旅情をかき立てますねえ。

ムンク作品、この他にも気になるものがたくさんありました。「マドンナ」とか「接吻」とか、あと、家族の「死」について描いたものとか。ホラー映画のモチーフになりそうな不気味でカワイイ絵もいくつかあって、ちょっとした発見でしたね。ノルウェーに行く用事ができたな。

およそ45分ほどでムンク展を切り上げて、11時30分頃に上野の森美術館のフェルメール展に突入します。ネットで買ったチケットは、「11時から12時30分の間に入場せよ」というものです。同じ時間のチケットを持つ人が長い列を作っていて、「現在、入場まで30分ほどかかります」「12時を過ぎれば、ほぼ列はなくなります」「12時半までにお入りになれば大丈夫です」という、係員の案内が聞こえます。それにしても、どこの美術館でも係員はしゃべり通しですねえ。


列に並んで15分ほどで入場できましたが、館内はかなりの混雑。ムンク展よりも遙かに人口密度が高い。

手荷物とコートをロッカーに預けなかったことを後悔しつつ、入り口でもらったブックレットを見ると、No.1からNo.39までは、フェルメール以外のオランダ絵画であることが分かりました。そして、No.40からラストのNo.49までがフェルメール(No.41「取り持ち女」は2019年1月9日に追加)であることも判明。このブックレット、気が効いてる。


そうと分かれば、No.40まで一気にショートカットです。その他のオランダ絵画には申し訳ないが、私たちはフェルメールが見られればOK。

その展示室は、フェルメールのみ8点が飾ってある、なんとも潔い部屋でした。

展覧会の看板には、デーンと「8/35」の表記が見えます。「現存するフェルメールの絵画35点のうち、8点がここに結集しましたよ」と。

「マルタとマリアの家のキリスト」
「牛乳を注ぐ女」*
「ワイングラス」
「リュートを調弦する女」*
「真珠の首飾りの女」
「手紙を書く女」
「赤い帽子の女」
「手紙を書く婦人と召使い」*

この8点のうち「*」のついた3点は、私が過去に見たことのある作品でした。今回の展示を見て、個人的にはフェルメール作品のうち、25/35まで辿り着いたことが分かりました。あと10点でコンプリートです。

しかし……。

フェルメールの絵って、あまりにも有名すぎて、いつどこでどの現物を見たのかまったく思い出せないんです。

しかも、日本でのフェルメール展って、超絶混み合っているので、ゆっくり絵と対峙するなんてまず無理。「鑑賞」じゃなくて「確認」ですよね。スタンプラリーと一緒。

絵画は、アウェイではなく、その絵が常設されているホームの美術館で見たい。やっぱアムスとデン・ハーグ行かなきゃダメだよなってことを痛感した次第。モナリザを、ルーブル以外の場所で見たとして、それがモナリザに見えるんでしょうか?って感じ。

「名画はホームで鑑賞すべし」。次にムンクを見るのはノルウェーで、次にフェルメールを見るならオランダで。それがミッションに加わった次第です。

以上、東京の上野からお伝えしました。

これからムンク展、フェルメール展を見に行かれる方は、もしも私のようにハシゴするんなら、12月10日が最大のチャンスだと思います。12月24日、1月14日の各月曜日も営業していますが、いずれも祭日で大混雑が予想されます。

なお、ムンク展においては「絶対に避けた方がいい日」があって、それは12月19日と19年1月16日の各水曜日です。「シニア無料の日」なので大変なことになる。シニアの方も、この日は止めた方がいいです。タダで見たいなら止めませんが。


なお、フェルメール展の会場、上野の森美術館の前にある庭に桜の花が咲いているのをお見逃しなく。春だけでなく、冬も咲く種類の桜みたいです。


もう一つ。上野の有名なとんかつ屋「ぽん多」は月曜日が定休日です。 

2018年11月15日木曜日

台湾、高雄で訪れたいお洒落スポット

今回の旅のメインは日月潭でしたが、フライトが高雄便だったので、せっかくだから高雄もちょろっと観光しようとなりました。

目指したのは、「駁二芸術特区」というエリアです。かつての倉庫街をリノベした、カフェやレストランやショップなどがたくさんあります。


屋上のオブジェが特徴的な「ARTCO」はビストロ&バーです。


建物もこんな感じでデコられていますが、グラフィティではなくて、ちゃんと時間かけて塗ったやつですね。


この小便小僧は、局部から水道の蛇口が生えていて激しく水を噴き上げています。

私たちが訪れたのは日曜日で、たくさんの若者や家族連れで賑わっていました。


駁二芸術特区には、「高雄ライトレール」というトラムが走っています。軌道敷が芝生に覆われている、エコな感じの電車ですね。

このライトレールに乗って、「MLD台鋁」に移動しましょう。日本統治時代にはアルミ工場だったエリアをリノベして、ショッピングモールにした施設です。


映画館もありますね。「MLDシネマ」といって、10スクリーンあるシネコンです。

私たちが訪れた10月上旬には「ヴェノム」が公開されたばかりで、連日10回以上の上映が行われていました。「猛毒」という台湾題がそれ。


そして「一屍到底」という映画が1日8回上映と、2番目に回数が多い。

なんとこれ、「カメラを止めるな!」でした。記念に台湾バージョンのポスター写真を取りたかったのですが、ポスター・チラシの類は一切なくて、ちょっと残念な感じでしたね。

それと「サーチ」は「人肉捜索」ってタイトルなのか! 恐ろし過ぎる。

映画館の他にも、お洒落な書店とか、オーガニック食品のスーパーとか、レストランとかいろいろあって、こちらも老若男女で大人気。


駐車場には、テスラの充電施設があります。こんなにたくさんの電気自動車用充電器が並んでいるの、見たことがありません。

……しかし充電中のテスラは1台もいないのよ。

ここにずらりとテスラが並ぶ日は、果たしてやってくるのでしょうか?


テスラ、高雄で1台だけ目撃しましたよ。ナンバープレートに「電動車」って書いてありました。なんて分かりやすい。


高雄は、台北に比べると遙かにのんびりした町ですね。人口270万人ぐらいだそうで、トロントと同じ規模。治安も問題なさそうで、住みやすそうな町ですね。


いつかまた来よう。

2018年11月14日水曜日

台湾、日月潭の極上リゾートに行ってみた

一カ月ほど前に台湾に行って来ました。成田からのフライトで向かったのは、台北でなく高雄。高雄って、日本人は「たかお」って呼びますが、英語では「Kaohsiung」。空港コードは「KHH」です。


ファイナルデスティネーションは「日月潭(Sun Moon Lake)」。高雄で1泊したのち、日月潭湖畔にあるリゾートホテル「ザ・ラルー(涵碧樓)」に2泊します。


高雄から日月潭へ。高鉄弁当で駅弁を買って、左営(Zuoying)という駅から高鉄(新幹線)に乗り、台中を目指します。台中までの運賃は790元、ビジネスクラスだと1250元です。


ボリューミーな排骨弁当(100元。約370円)を食べながら小一時間、台中駅に到着。


日月潭へは路線バスで1時間半。遊覧船とか、ロープウェイとかいろいろ乗れる、こんなチケットを台中のバス乗り場で730元払って買いました。


蒋介石の別荘をリノベーションしたラルーは、アマンの創業者エイドリアン・ゼッカが創業したGHMグループの経営するホテルです。


全室スイートでレイクビュー、「ミニマリズム」と「禅」が建築コンセプトだそうです。


プールはもちろんインフィニティ。プールサイドには、カフェとヨガのエリアがあります。


日月潭は、かなり賑やかな観光地ですが、背後の山並みがなかなかの風情。遊覧船はひっきりなしに運航しています。


私たちも、バスのチケットにパッケージされていたチケットを使って、船に乗ったりロープウェイに乗りましたが、基本、マストビジットな観光地はありません。

ラルーに泊まるのなら、ホテルでゆっくり過ごすのがベストでしょう。


SPAもハイレベルだし、レストランも美味しいし、ティーハウスで飲むお茶も極上。特に、日本統治時代に生産が始まったという紅茶が美味しかったですね。ホテル内には、図書館もあります。

このホテルは、また訪れる可能性が高いんじゃないかな。台北からでも新幹線を使えば2時間半ぐらいで訪問可能。


往路、台中駅からラルーまではバスで1時間半かかりましたが、復路はホテルのシャトルサービスを予約しました。料金は900元と少し上がりますが、50分で台中に到着します。頑張れば(=お金使えば)台北から2時間で行ける。

今回は2泊だけでしたが、次回はもっと長めに滞在したいものです。台湾なら冬でもけっこう暖かいので、年末年始をここで過ごすのも楽しそう。でもWebサイトを見たら、年末年始はすでに満室でした。


そう言えば、来年は台中に星野リゾートがホテルを作るんですよね。台湾、面白くなりますね。 

2018年11月13日火曜日

別府でアニシュ・カプーア展&地獄めぐり

それにしても今年は、フェルメールが8点も展示されてたり、ムンクの「叫び」が初来日したりと、日本のアート界隈にあっては大騒ぎなのではないでしょうか。

そんな芸術の秋ですが、個人的にはこれが一番大事だよねってことで、大分県別府市まで行ってきました。


「アニシュ・カプーア in 別府」です。2015年にヴェルサイユ宮殿で見たカプーア展以来、3年ぶりの邂逅です。その前は、確かシドニーで、その前がムンバイで、個人的に4度目のカプーア展見物です。

今回、場所は別府公園。入場料は1200円。順路に沿って歩いて行きましょう。

まずは「Void Pavillion V」という作品。撮影はNGなので、入れ物だけ。


この箱の中に、「世界でもっとも黒い塗料」を使った作品が展示されています。作品自体の撮影はNGです。観客は、まず手前の扉から入って展示を見たら、次は背後の扉から入って、また別の対になっている展示を見学します。ブラックホールのような真っ黒な球体は、見つめ続けていると暗黒面に堕ちていきそうな気分になります。

Casa BRUTUSの記事に現物の写真が載っているので、最後にリンク置いておきます。

次がこれ「コンセプト・オブ・ハピネス」という展示が行われている建物。住宅展示場みたいな感じですね。


この中も撮影NGでしたが、シリコンとガーゼを使ったスカルプチャーが4〜5点展示されています。そしてその奥では、カプーア作品の制作課程を描いたビデオの上映が行われていました。これがなかなか面白かった。

かつてより、カプーアの作品は「どこで作っているのか?」というのが私にとって非常に大きな疑問でした。

ヴェルサイユで見たこれとか、全長30メートルぐらいととにかくデカいので、普通のアトリエとかスタジオなんかじゃ絶対に無理。


答え(のひとつ)は「造船所」でした。ふだん船を作っている作業員の人たちが、カプーアの芸術作品を作ってたんです。面白いわ〜。

住宅展示場(笑)の外に出ると、公演の松林をバックに「スカイミラー」が無造作に置いてあります。これはタダで見られるやつ。

周りには、カップルとか親子が芝生に寝そべってリラックスしています。


残念なのは、スカイミラーの周囲が白いヒモで囲ってあること。「作品に触れるな」ってメッセージでしょうが、こんな身も蓋もない処置はないよね。カプーアが見たら怒るよね。

ところで、「インドで育って英国に渡る」パターンといえば、かのフレディ・マーキュリーがそうでした。さらに私のご贔屓ミュージシャン、ニティン・ソウニーもそうです。あとアクラム・カーンもいるな。才能の宝庫だな。

別府のカプーア展(2018年)は、11月25日まで開催中。さすがに、カプーア見るためだけに別府ってのもアレなので、地獄めぐりも是非パッケージしてみてください。


東京から大分へのフライトは、JAL、ANAに加えて、成田からLCCも飛んでまっせ。

▼アニッシュ・カプーアの作品が別府に出没中!(Casa BRUTUS)
https://casabrutus.com/art/88246
▼ ヴェルサイユでアニシュ・カプーア展 禍々しすぎる渦に慄然とするの巻

2018年11月7日水曜日

今度はハーバード医学教授の健康本。コーヒー、ビタミンD、運動、ナッツ、瞑想!

9月に書いた「シリコンバレー式もダメ、グルテンフリーも無意味、『究極の食事』とは?」というエントリが意外に反響が大きく、最近は知人に会うと、食事と健康の話題について語り合うことが非常に多くなってきました。

そんな中で、勧められた本が「ハーバード医学教授が教える健康の正解」(ダイヤモンド社・刊)です。


「究極の食事」はUCLAの助教授・津川友介氏が書いた本でしたが、今回のはハーバードメディカルスクールの教授サンジブ・チョプラによる著書です。

原題は「The Big FIVE」というもので、ズバリ健康にいい「5つの習慣」について紹介しています。

1 コーヒーを飲む
2 ビタミンDを摂取する
3 運動する
4 ナッツを食べる
5 瞑想をする

たったこれだけです。毎日コーヒーを飲む人は少なくないでしょう。運動も、毎日とは言わないまでも週に2〜3回程度行う人はたくさんいると思います。そう、実践にあたってのハードルが低い。

もうちょっと具体的に、本の中身を紹介しましょう。

「コーヒー」は脳や心臓から歯にまでいい
・1日2〜6杯のコーヒーを飲む人は、飲まない人に比べて、全死因死亡率が男性の場合は約10%、女性は約15%低かった。
・カフェインは脂肪燃焼を促すことがわかっている数少ない天然物質のひとつで、肥満の人の脂肪燃焼率を10%、やせている人では29%も高めることが報告されている。
・ブラックコーヒーを飲む人は、虫歯の発生率が有意に低かった。


「ビタミンD」で頭から骨まで変わる
・ビタミンDはがんと診断されるリスクを下げるだけでなく、がん患者の生存率も高めるというエビデンスもある。
・減塩よりもビタミンDを補充するほうが、血圧を下げる効果が大きかった。

ちなみに、ビタミンDを摂取するのにもっとも簡単な方法は、日光(紫外線)を浴びることです。

「運動」と「ナッツ」に関しては、説明を割愛しますが、一点だけ。
・3週間のピスタチオ食をED患者に実施したところ、勃起機能の指標に有意な改善が見られた。

「瞑想」でストレスと病気から解放される
・集中と自律神経系の制御をつかさどる脳の神経構造が、瞑想によって活性化される。
・瞑想による自己統制感の高まりとネガティブな感情の減少が、テロメアの長さと免疫細胞の寿命に影響をおよぼすテロメラーゼ活性の上昇に寄与した。

瞑想の項には、デビッド・リンチも登場します。

「初めて瞑想したとき、このうえない喜びを感じ、幸福感が押し寄せてきた。『そうだ、これだ』と思った。まさに待ち望んでいたことだった。それからすべてがどんどんよくなっていった。何をやっても前よりずっと楽しく、ずっとうれしくなった。怒りを抑える必要もないーー怒り自体が消えたのだから」


アップルやグーグルなどの大手をはじめ多くの企業が、従業員に瞑想を教え、仕事のストレスを発散するための時間と静かな場所を提供している。瞑想の支持者から最もよく聞かれる声は、瞑想をすると気分がいいということだろう。瞑想をすると全体的な充実感と幸福感が高まる。ABCニュースも2011年に報じている。

「瞑想をする人は幸福感が高まり、ストレスが減り、そのうえ人に優しくなるという研究結果がある」

「ビッグファイブ」、そんなに健康にいいなら、実践してみたくなりますよね。

私は、5年ほど前から毎朝15分間の瞑想を行っています。コーヒーは1日1杯飲んでいましたが、この本を読んでからは、3杯飲むようになりました。ナッツは朝食でフルーツやヨーグルトと一緒に食べています。

あとは運動とビタミンDですね。

最近、天気のいい日は、自転車(シェアバイク)で通勤するようにしています。日陰をできるだけ避け、日向を走ります。ビタミンDを生成できるので。

以前紹介した「究極の食事」と、今回の「ビッグファイブ」の内容をまとめると、次のようになります。

「食事は、魚、野菜、果物、茶色い炭水化物、オリーブオイル、ナッツを中心に」
「毎日、コーヒーを2〜3杯のみ、日光に当たり、運動し、瞑想する」

果たして、これで本当に健康になるのか? ここ数日、コーヒー飲みすぎで腹がガボガボしてます。


Kindle版も存在します。健康コンシャスな方は必読。

▼ シリコンバレー式もダメ、グルテンフリーも無意味、「究極の食事」とは?