10年前の今日(12月26日)は、スマトラ沖大地震による津波が、スリランカやインド、東南アジア各地を襲った日です。なので当日は、スリランカ各地でも慰霊の式典が行われるという情報が朝のニュースで流れています。
我々は今日、その津波が襲った沿岸部のゴール(Galle)という町に向けて車で移動します。旅行会社によると、およそ270キロで7時間のドライブとのこと。
ここ数日、朝方は雨が少ない日が多いという情報に基づき、前日の朝はシギリヤ・ロックの頂上を攻略した私たちですが、今日は朝からザンザン降り。朝起きた時点では「今日は象にでも乗るか!」って余裕カマしてたんですが、ドライバーのカヴィちゃんに打診すると、空を凝視しながら複雑なリアクション(「マジすか? この雨の中、象乗るんですか?」的な)を見せたので、ここは空気を読んで「真っ直ぐ目的地に向かおう!」と方向転換しました。
それもそのはずで、朝のカヴィちゃん情報によると、私たちがいるダンブッラから南に向かうルートはおもに2本あって、そのうちの一方が冠水して通れなくなったらしいとのこと。もう一方の遠回りルートを行くしかありません。
また、私たちが2日前にいた紅茶の産地ヌワラエリヤ地域は、外からそこにアクセスする道路が3本しかないんですが、それがすべて冠水してしまい、孤立してしまったとのこと。
ガーン! 予定がちょっとズレていたら、我々がそこで孤立していたかも知れない。事態は想像以上にシリアスなようです。
確かに雨はザンザン降ってます。しかし、日本における台風やゲリラ豪雨の勢いまではいきません。傘さしていれば歩けるレベル。だけど絶え間なく降り続いているので、道路が水没し、土砂崩れが起きている。
カヴィちゃんは、携帯電話を3台持っているんですが、運転中は電話かけまくり&かかりまくりで必死に情報収集です。
尋常ならざる雰囲気に、我々もツイッターなどで情報収集。スリランカ中部では、大勢の人たちが避難していて、死者も何人か出ている模様。
道路も冠水箇所がちょくちょく現れて、渡河渋滞が起こります。
いくつかの地点では水たまりに強行突入し、いくつかの地点では突入を断念し、デコボコの山道に迂回して先へと進んでいきました。
結果的に、11時間かかって海辺の町ゴール(Galle)にたどり着きました。朝9時に出て、着いたのが夜8時。昼飯以外は何にもしてません。
Google mapでルート検索すると、3時間45分。ツアー会社の旅程では、7時間と見積もられてました。結果的に11時間……。
ホテルついたら、もうみんなヘトヘト。
この大雨の被害については、気になっていたので後から調べたら……。
[産経]大雨被害で30人死亡 交通網遮断110万人に影響 スリランカ http://t.co/1DGxPZiDKc 大雨の被害が拡大しているスリランカの災害当局によると、29日までに土砂崩れや洪水で計30人が死亡、6人が行方不明となった。自宅から避難するなど全土で約110万人に…
— 5newspaper (@5newspaper_) 2014, 12月 29
なんと、死者30人、行方不明6人、スリランカ全土で110万人に影響という大変な災害でした。
それにしても、我々日本人の感覚では、そんな大惨事になるような大雨には思えないんです。足摺岬の台風中継に比べれば、スリランカの雨なんて小雨と言っていい。
こんな甚大な災害になってしまう原因は、道路インフラが貧弱なことに尽きるかなあと。
道中、山肌が柔らかくてもろいところが多いのに、擁壁工事は行われておらず、土砂崩れしている箇所をたくさん見ました。
当然、道が崩れた土砂に覆われるので、片側一車線になったりで渋滞します。反対車線にまで土砂が流れると、当然通行止めになります。
「だけどねえ。雨は悪いことばかりじゃないんだ」って、カヴィちゃんが言ってました。
アラブから旅行に来た人たちは、雨が降ると大喜びなんだって。砂漠の民は、雨が珍しいんだね。
とにかく、何とかゴールに着きました。今日のホテルは、またしてもジェフリー・バワの傑作建築、ジェットウィング・ライトハウスです。
ループ状のエントランスに沿って、一大民族史的な立体アートが展開していて、雰囲気抜群です。
だけどこの日は、夕食摂って寝るだけでした。自分で運転していないのに、車に10時間あまりってけっこうダメージでかい。東京〜コロンボ直行便が、所要時間9時間55分だそうなので、それより長いというね。
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