2019年1月16日水曜日

「秘境」ってほどじゃないけど、カックー遺跡は必見よ

インレー湖のボートツアーで顔が日焼けし身体が冷えた翌日、朝食を摂りにホテルの屋上レストランに行くと、インレー湖は霧に覆われていました。


昨日の朝、ヤンゴンからの飛行機が遅れた原因はこれだったんですね。納得納得。

朝9時に専用車が迎えにきて、我々はニャウンシェのホテルを後にしました。嬉しいことに、今日はボートに乗る予定はありません。前日のボートツアーは、楽しかったけど強い日差しと寒さに耐える修業系ツアーでしたからね。


まずは近郊のマーケットを散策。ニャウンシェにはスーパーマーケットみたいなお店はなくて、こういう露店が集合したマーケットで食材や日用品が売買されています。


これは刃物屋さんですかね。色んな長さのナタやハサミが並べられています。


マーケットに続いてはワイナリーに突撃。これは、我々のリクエストで立ち寄ってもらいました。ミャンマーにはワイナリーが2つあるんです。我々が行ったのは、レッドマウンテン・エステートです。


ソービニヨンブラン、マスカット、ピノ・ノワール、シラーの4種類がテイスティングできて、お値段は5000チャット(約350円)。安い!


ジャケットはこんなデザイン。ミャンマーの国のシルエットが描かれています。左側に見えるシラーが一番美味しかった。

朝からワインでほろ酔い加減、そこからの道中は車内で爆睡です。単調な田舎道を、我々を乗せた右ハンドルの中古車がひた走る。

ワイナリーから1時間半ほど走ったあたりでしょうか、眠い目をこすって車の外を眺めていると、「それ」は忽然と現れました。


夥しい数の、林立する仏塔(ストゥーパ)。みっしりと立ち並んでいます。手前にゲートが見えます。観光バスもたくさん来てる。

何なんだ、この光景。もっと寄ってみましょう。


青い空に、きちんと整列したストゥーパ。一大スペクタクルですねえ。クラクラします。

およそ2500基のストゥーパが立つカックー遺跡は、2000年になって外国人に公開されるようになったんだそうです。


我々のガイド、ソウさんは、ヤンゴンから通しで案内してくれていますが、ソウさんによれば、カックーはかつてパオ族の管理下にあり、パオ族のガイドを雇わないと観光できなかった。今は、パオ族が同伴しなくても大丈夫になったとのこと。


ソウさんは、こんなフォトジェニックな写真が撮れる撮影ポイントも教えてくれます。

これ、大きな湖の湖面に映っているのかと思いきや、実は単なる貯水池でっせ。


ほうら。人工のため池。最初にここで写真撮った人、超エライw

ストゥーパの先っぽに、風鈴がついていて、シャランシャランと気持ちのいい音を鳴らしています。


カックーは「ミャンマーの秘境」って呼ばれているみたいですが、車さえチャーターすれば、案外簡単に来られる所です。「秘境」は大げさですね。

しかしその光景は圧巻で、ミャンマーに行くんなら是非とも訪れたい場所のひとつだと思います。

私は、イタリアのアルベロベッロを思い出してました。アルベロベッロの家々とカックーのストゥーパのテクスチャー、それに建造物が林立しているさまがシンクロしたんだな。

のどかな田舎の原っぱに立ち並ぶストゥーパは、最近、中国人の寄進で作られるものも増えているんだとか。


こんな中国語のプレートもたくさん見かけます。

遺跡の向かい側にあるレストランで、少し遅めのランチを食べた後は、ヘーホー空港へと向かいます。


昨日の朝と同じATR72の機体で、サンセットを横目にニャウンウー空港へのフライト。ミャンマーは「ニャウン〜」って地名が多いよね。

いよいよ、バガンへと突入です。


2019年1月15日火曜日

ミャンマーのインレー湖でボートに乗る。顔は暑いが身体が寒い

朝7時45分に出発するはずのKBZ航空ヘーホー行きは、当地が霧だそうで、ヤンゴン空港で1時間ほど待たされる模様。


久々にプロペラ機に乗ります。これ「ATR72」という機材で、イタリアとフランスの合弁会社の製造だそうです。初めて乗るかもだな。


驚いたことに、ヤンゴン空港のターミナル連絡バスも日本の中古車バスで、社内の日本語表示「この席は高くなっており〜」もそのまま残っているし、ウィンカーに連動して日本語アナウンスが「右に曲がります」と流れるし、日本そのまんま仕様。何だか嬉しくなります。

およそ1時間半遅れで、ヘーホー(Heho)という聞いたこともない空港に到着しました。そこから、専用車でインレー湖観光の拠点となるニャウンシェという町へと移動。ヤンゴンからだいぶ北に位置する町なので、気温もヤンゴンより5度ほど低い。

ニャウンシェの運河に到着しました。井の頭公園のボートの、幅はそのままに長さを2倍に伸ばしたようなボートに乗船し、インレー湖周遊ツアーが始まります。ボートはエンジンつきです。


天気は雲ひとつないドピーカン。ボートには屋根がないので、太陽がジリジリと肌をあぶります。しかし、ボートはけっこうなスピードで風を切って進むので、顔以外の部分はキンキンに冷える。

何だこの症状? 頭寒足熱? いや、体寒顔熱か。

とにかく、厚着をした上に顔をプロテクトするという南極犬そり隊みたいな装備が必要なツアーです。そんなことどこにも書いてなかったよ。ちなみに、気温は20度前後なんですが。


ニャウンシェからの長い長い水路(運河)を抜けると、ようやく湖が広がります。

円錐状の網を使った独特の漁をするオニイさんが、観光客向けにポーズを取ってくれます。


オニイさん、めっちゃカメラ目線です。これ、実際に漁をしているワケじゃなくて、地元の観光協会から給料もらってポーズを見せているんだと思われますw

湖上にある機織り工房や、銀細工のお店などに立ち寄ります。何も買わなくてゴメン。

水上レストランでランチを食べた後、寺院見学。


金箔の貼りすぎで、仏像がダルマ状態になってしまったというファウンドーウー・パゴダとか。


4〜5メートルぐらいの高さの、小型のパゴダが点在するインディン遺跡を見学します。ボートに乗っていない時は、基本、かなり暑い。汗が出るレベル。

そうこうしているうちに、だいぶ日も落ちてきたかな。ボートツアーは帰路に向かいます。


水辺に農作物が植わっています。トマトとか、ヒョウタンが多いみたい。

住民は、この川の中で、洗濯をしたり、身体を洗ったりしています。この水を使って煮炊きもするんだとか。

以前、南インドのケララ州でバックウォーターのボートツアーを体験したことがあるのですが、その時の体験にけっこう近い。

ただし、南インドは水上都市ではなくて、家は川の横の土手に建っていました。

インレー湖では、住居も工場も商店も、川に足場を組んで建てています。


こんな、粗末な橋をいくつもくぐって船は進みます。船の先っぽにチョコンと座っているのは、我々の船をヒッチハイクしたオバさんです。途中の集落の小さな桟橋で、ヒョイっと船を降りて行きました。


黄金の寺院が川面に映って、インスタ映えな景色を醸し出しています。


ちょうどサンセットの頃、ボートツアーは終了。顔は日焼けし、身体が凍えるハードコアな船旅でした。


それにしても、インレー湖やニャウンシェの町はけっこう寒い。ヤンゴンと違って、長袖が必須です。ちょっと情報不足でしたわ。 

2019年1月9日水曜日

ヤンゴンで寺院巡り。しかし、あの寺もこの寺も工事中

ミャンマーにやって来ました。まずはヤンゴンに2泊します。初日の夕刻、ベルモンド・ガバナーズ・レジデンスという小洒落た宿で旅装を解き、2日目の日中がヤンゴン観光にあてられます。


しかしこのホテルがあまりにも快適すぎて、外出したくなくなるという問題が……。

心を鬼にして、お迎えの車に乗ります。

ヤンゴン滞在中、我々の足になってくれたのは、トヨタのクラウンです。日本から輸入された中古車で、クラウンはミャンマーにおいては相当にステイタスの高い車です。「いつかはクラウン」って日本ではとっくに死語ですが、ミャンマーでしっかり生きてました。


ミャンマーでは、車は日本と逆の右側通行。そこに、右ハンドルの日本車の中古がワンサカ走ってる。ヤンゴンを走る車の90%が、右ハンドルの日本車なんです。面白いですよ。こんな光景見たことない。

このままではさすがに交通事故のリスクが高いと思ったか、ミャンマー政府は2018年から、新車も中古車も、左ハンドル以外輸入しちゃダメって法律を作ったそうです。

さあ、クラウンに乗って、ヤンゴン最大の寺院「シュエダゴン・パゴダ」に行ってみましょう。

入り口で靴を脱いで裸足になって、長いエスカレーターを乗り継いで進みます。

そして、境内に出ると……。


あれー、もしかして工事中ですか? 塔の上の部分が足場で覆われています。

「あれは、金箔を貼り替える作業を行っています。ミャンマーの新年は4月です。それまで作業は続くでしょう」

ガイドのソウさんが、悪びれることなど一切なく説明してくれました。

2019年のミャンマーの新年は4月17日で、その日や、その少し手前にあるお祭りをめがけて国中のパゴダはキンキラに装飾し直すということのようです。つまり、冬場はなかなかクリーンな姿を拝めない。


その代わり、寺院の中に、クリーンな状態の写真が飾ってありますw

しかしこのシュエダゴン・パゴダは、老若男女あまねく集っていて、毎日が初詣みたいなところですね。デートのカップルとかも普通にいるし。もの凄い人出です。


そして皆、ちゃんとお祈りしています。

帰り道、エスカレーターを下って行きますが、裸足でエスカレーターに乗るのは、指を挟まれそうでけっこう怖い。


これ、絶対ケガ人出てるよね。エスカレーターの乗り降りで、こんなに緊張したことはかつてないレベル。この子ども、大丈夫かな。

ふ〜、怖かった。さて、次の寺。

寝釈迦で有名な、チャウッタージー・パゴダです。

しかーし。


ここも見事に工事中……。なんという足場の密度……。

我らがガイドのソウさんが、寝ている仏陀には2種類あって、その「寝釈迦像」と「涅槃像」の違いについて教えてくれました。

「寝釈迦像」は南枕で、仏陀は寝ている状態です。足の裏に絵が描いてある場合が多い。
「涅槃像」は北枕で、こちらは仏陀が死んだ状態を表すと。

ふむふむ。

基本的に、ミャンマーの仏像は「キレイな状態で参拝してもらう」のがデフォルトなので、キンキラの状態が多いんですね。参拝者も、寺の売店で金箔を買って仏像に貼り貼りしながら拝んでいます。

日本の寺院とは思想が違うよね。日本の仏像は、信仰の対象というよりは、鑑賞の対象って感じだもんなあ。


しかし、仏像の光背がチャイナ製の電飾なのは、数年前に訪れたスリランカと同じだわ。これも思想の違いやね。

寺院を後にし、ヤンゴン市内のマーケットなど冷やかしつつ、快適なホテルに戻ります。


ビルマの竪琴による演奏がお出迎え。このホテル、1週間ぐらい滞在したいわ。


しかし明日チェックアウトです。早朝5時にホテルを出発し、飛行機でインレー湖へと移動なんです。名残惜しい……。

2019年1月8日火曜日

初ミャンマー、まずはヤンゴン空港で激安SIMフリー

年末の旅行はミャンマーになりました。ANAの直行便が成田から毎日運行しているし、2018年の10月から日本人はビザが不要になったりと、いま注目を集めるデスティネーション。発展著しい東南アジアにあって、まだまだ未開発な感じのエリアが多いというのもグッドです。


12月22日成田発ヤンゴン着、12月29日ヤンゴン発成田着(+1日)の、7泊9日の旅程を組みました。ヤンゴン → インレー湖 → バガン → ヤンゴンと周遊しますが、この間は現地発着のサラ・トラベルのツアーを利用します。ANA便利用の日本人のためのプライベートツアーで、宿泊3泊、国内線のフライト3便に、全行程専用ドライバーと日本語ガイドがついて、ひとり1232ドルとけっこう安い。ケツにリンクを置いときます。


さて、ヤンゴンの空港に着きました。まずすることは、現地のSIMカードをゲットすることです。実はここ数年、海外ではどこの国でもGoogle FiのSIMを使っていたのですが、ミャンマーは通話&パケット代が異常に安いという情報をかぎつけ、現地空港でのSIM購入となりました。

到着ロビーに、携帯キャリアの出店が3軒並んでいます。一番左のTelenorというキャリアのショップに突撃。

30日間有効で、データ1GBのSIMが3500チャット(約250円)、3GBだと5500チャット(約3900円)、5GBで7500チャット(約530円)と激安です。1チャットは約0.7円で換算(以下同)。

5GBのSIMを選び、お兄さんに設定してもらいます。珍しいことに、支払いはクレジットカードでもOKでした。通常、空港でSIM買うときは、キャッシュオンリーなんですけどね。


7泊の旅程中、5GBのデータがショートすることはありませんでしたが、一応「*124#」で通話残高、「*124*1#」でデータ残高を調べられるようです。また、SIMは4G対応をうたっていますが、田舎の方では3GとかEとか、極低速になることもしばしばありました。

このSIMの少し困ったところは、キャリアからのテキストメッセージがちょくちょく届くところ。まあ、といっても1日に1件ぐらいですが。


ミャンマー語なので、何が書いているか分からないのが残念ですが、私のミャンマー滞在中は、完全シカトで問題ありませんでした。

あと、テザリングができるのはありがたかった。ミャンマーのホテルは、WiFiが遅い(あるいは繋がらない)ところがあって、ちょいちょいテザリング使ってPCのメールチェックとかしてました。


それから、ヤンゴン空港ではATMで現地のお金(チャット)を調達できます。外貨の調達は、円やドルからの両替ではなく、クレジットカードでのキャッシングが一番レートが良いのでオススメ(どの国でも)。ミャンマーでは、キャッシュがないと旅行は無理ですが、その代わり、ATMは町中にあります。寺院にも普通にあります。

決定版・ANA便向けツアー!まるごとミャンマー7日間【現地催行】

2018年12月20日木曜日

Kindle Paperwhiteが地味に進化。これで、お風呂で読書だな

前回のエントリでは、新しくなったiPad Pro 12.9インチをご紹介しましたが、このiPad、私にとっての唯一の不満は、デカすぎるので飛行機内での読書に適さないということ。

じゃあ、機内用にKindle専用機も新調しようじゃないのということで、最近新しくなったKindle Paperwhiteも購入しました。


iPhone Xs Maxと並べてみましたが、面積はあんまり変わらない感じもします。

ウチの奥さんが使っている、旧型のPaperwhiteと並べてみましょう。


左の黒い方が新型。画面は一緒ですが、ガワは微妙に小さいですね。重さ量ったら、新型は205グラム、旧型は183グラム。軽い!

ボトムはこんな感じです。黒い新型の方は、USBソケットの周辺がフラットになってスッキリしました。


そして今回のアップデートの最大の特長は、防水機能です。水深2メートルで、60分耐えられるそうです。


そう、お風呂で読書できる。いいじゃないですか。今度、スーパー銭湯に持ち込んでみよう。ジロジロ見られそうだけど。

お値段は、広告つき8GBモデルが1万3980円、同じく32GBモデルが1万5980円です。広告なし32GBだと1万7980円。いずれもWiFiモデル。

もちろん、バックライトはついています。フライト中や、ベッドでの読書にも好都合。

地味に、いいガジェットだと思いますよ。初心忘るべからずって感じ。

2018年12月19日水曜日

新しいiPad Proが、かなりスッキリ&快適になった件

1カ月ほど前になりますが、新しいiPad Proを買いました。12.9インチ版です。いちばんデカいやつ。


ベゼルが狭くなり、Homeボタンも撤去されて、かなりのスッキリ感があります。


旧バージョンのiPad Pro12.9インチと並べてみました。左が新しいヤツです。


重ねてみると、小さくなった感がより分かりやすいですね。天地が劇的に縮まった。


エッジのビューはこんな感じ。左が新しいiPad Proです。エッジからRが取れました。iPhone 4やiPhone 5を思い出すなあ。


10.5インチのiPad(旧タイプ)を重ねてみました。画面サイズがだいぶ違います。ちなみに、10.5インチiPadよりも大きい、11インチのiPadも新たに発売されています。


キーボードつきケースも、デザインが変わりました。左が新タイプ。ケース表面の段々がありません。だいぶスッキリした反面……。


裏側がヘビーになりました。右側の旧タイプは、側面でカチっと止まっていましたが、新タイプのケースは、裏側まですっぽりカバーされる仕様。

重量を量ってみたら、iPad Pro 12.9の旧タイプは720グラムで、新タイプは632グラムと、およそ90グラムも軽い。しかし、カバーが旧タイプの334グラムに対し、397グラムと大幅増。カバーつけちゃうと、MacBook(912グラム)よりも重たい!


その代わり、リクライニング位置は2カ所が設定されました。うーん、あんまり意味ネw


この度のiPad Proにおける最大の驚きは、ACアダプタが(プラグ部分が脱着できる)ユニバーサルタイプではなく、アメリカ、日本、中国などで標準のAタイプになったこと。これが何気にサプライズでした。ケーブルはUSB-Cです。


Face IDのカメラは、横位置の場合の左のベゼルに2個仕込まれています。写真の「電卓+」アプリの左側の黒いところに。

iPhone XでFace IDに慣れてしまっているので、iPadでもホームボタンを押さなくて済むのは大変快適。もうタッチIDには戻れないですね。

1カ月ほど使っていますが、サイズが小さくなったのと、Face IDだけでも大満足。出張や海外旅行でもPCがわりに持参することを画策しています。このサイズでこの大画面は何ものにも代え難い。

問題は、飛行機の中での読書だな。飛行機の中ではさすがにデカくて重すぎる。そうだ、Kindleも新しいのが出てたっけ。そちらのレビューはまた次回。