2018年11月13日火曜日

別府でアニシュ・カプーア展&地獄めぐり

それにしても今年は、フェルメールが8点も展示されてたり、ムンクの「叫び」が初来日したりと、日本のアート界隈にあっては大騒ぎなのではないでしょうか。

そんな芸術の秋ですが、個人的にはこれが一番大事だよねってことで、大分県別府市まで行ってきました。


「アニシュ・カプーア in 別府」です。2015年にヴェルサイユ宮殿で見たカプーア展以来、3年ぶりの邂逅です。その前は、確かシドニーで、その前がムンバイで、個人的に4度目のカプーア展見物です。

今回、場所は別府公園。入場料は1200円。順路に沿って歩いて行きましょう。

まずは「Void Pavillion V」という作品。撮影はNGなので、入れ物だけ。


この箱の中に、「世界でもっとも黒い塗料」を使った作品が展示されています。作品自体の撮影はNGです。観客は、まず手前の扉から入って展示を見たら、次は背後の扉から入って、また別の対になっている展示を見学します。ブラックホールのような真っ黒な球体は、見つめ続けていると暗黒面に堕ちていきそうな気分になります。

Casa BRUTUSの記事に現物の写真が載っているので、最後にリンク置いておきます。

次がこれ「コンセプト・オブ・ハピネス」という展示が行われている建物。住宅展示場みたいな感じですね。


この中も撮影NGでしたが、シリコンとガーゼを使ったスカルプチャーが4〜5点展示されています。そしてその奥では、カプーア作品の制作課程を描いたビデオの上映が行われていました。これがなかなか面白かった。

かつてより、カプーアの作品は「どこで作っているのか?」というのが私にとって非常に大きな疑問でした。

ヴェルサイユで見たこれとか、全長30メートルぐらいととにかくデカいので、普通のアトリエとかスタジオなんかじゃ絶対に無理。


答え(のひとつ)は「造船所」でした。ふだん船を作っている作業員の人たちが、カプーアの芸術作品を作ってたんです。面白いわ〜。

住宅展示場(笑)の外に出ると、公演の松林をバックに「スカイミラー」が無造作に置いてあります。これはタダで見られるやつ。

周りには、カップルとか親子が芝生に寝そべってリラックスしています。


残念なのは、スカイミラーの周囲が白いヒモで囲ってあること。「作品に触れるな」ってメッセージでしょうが、こんな身も蓋もない処置はないよね。カプーアが見たら怒るよね。

ところで、「インドで育って英国に渡る」パターンといえば、かのフレディ・マーキュリーがそうでした。さらに私のご贔屓ミュージシャン、ニティン・ソウニーもそうです。あとアクラム・カーンもいるな。才能の宝庫だな。

別府のカプーア展(2018年)は、11月25日まで開催中。さすがに、カプーア見るためだけに別府ってのもアレなので、地獄めぐりも是非パッケージしてみてください。


東京から大分へのフライトは、JAL、ANAに加えて、成田からLCCも飛んでまっせ。

▼アニッシュ・カプーアの作品が別府に出没中!(Casa BRUTUS)
https://casabrutus.com/art/88246
▼ ヴェルサイユでアニシュ・カプーア展 禍々しすぎる渦に慄然とするの巻

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