サン・セバスチャン(車をピックアップしたのはビアリッツ)からボルドー、ロワールを経て、長駆800キロの道のり。3日がかりで、ついにやって来ましたヴェルサイユ宮殿へ。
実は今回、フランスに4泊する中で、トップ・プライオリティーがこのヴェルサイユ宮殿でした。といっても、宮殿そのものに興味はありません。ヴェルサイユ宮殿の外、庭園で開催されている、アニシュ・カプーアの展覧会が見たかったんです。
ちなみに、アニシュ・カプーアは、インド系イギリス人で彫刻系アーティストです。彫刻系つか、変態系アーティストですね。
このカプーア展は、今年(2015年)の6月から11月まで行われるもので、メインの作品の1つをカプーアが「これは、女王の女性器だ」と語ったことでネットで炎上するなど、物議を醸していることでも話題。
どれどれ、早速庭園に出て、作品を見てまわることにしましょう。
あ、そうそう。ヴェルサイユでは、セルフィー棒の使用はNGですよ。
宮殿のエントランス・ゲートにはこんな看板が貼り出されており、中国人の皆さんが次々に注意されていました。
ヴェルサイユのカプーア展、展示作品は全部で6点。うち1点は宮殿の外にあり、それだけは早じまい(18時まで)だったため、見ることができませんでした。
では、今回鑑賞することができた5点を紹介していきましょう。
実は今回のカプーア展、写真撮り放題です。いつもカプーアは撮影NGなので、これは驚きです。まあ屋外展示なので、撮るなつっても無理ですけど。
まずは「Sky Mirror」という作品。これ、2013年にシドニーで見ました。ここでは、ヴェルサイユの鏡の間に向けてあります。なるほどね。
お次、「C-Curve 2007」これも鏡。これはムンバイで見たかな。裏っかわ(凹面側)に回ると、人間が上下逆さに写ってます。
次が、例の女王様の性器。「Sectional Body preparing for Monadic Singularity」。
実はこの作品、スプレーで落書きされちゃいました。本体下部、ならびに周辺の岩をご覧ください。カプーアは、落書き上等!って感じで落書きされたそのままの状態で展示を続行することを望んだみたいです。が、ヴェルサイユ側がそのままじゃアカンってことで、カプーアと話し合った結果、白い落書きの上に金箔を貼って展示を続行するってことで決着したみたいです。
この作品、後ろに回るとこんなに長いパイプのような器官が伸びてます。こりゃ、屋内での展示は無理だよね。
次、「Dirty Corner」。立方体です。穴が空いてます。
インスタのフィルターで空の色をいじると、ヒプノシスのアルバムジャケットみたいになるよね。
横からのショット。こちらの穴は、上に向かって抜けています。
中はこんなん。穴と穴が結ばれてます。
そして、この展示で私がもっとも驚愕したのはこれ。「Descension」。下降って意味ですね。
そして、この展示で私がもっとも驚愕したのはこれ。「Descension」。下降って意味ですね。
ヴェルサイユの庭の、池と池の間にあります。人工の渦巻きです。
地獄の底に通じるかのような、実に禍々しい音を立てて、ゴボゴボゴボゴボと渦が回っています。動画を貼っておきましょう。8秒。
カプーアの作品は、美術館の壁や床や天井に、穴を開けたり掘ったりしないと設営できないものが多いんです。だから、美術館はとっても嫌がる。
今回は、ヴェルサイユの庭に穴を掘っちゃったわけですね。
凄い。凄すぎるよカプーア。変態の中の変態ですね。マリー・アントワネットもビックリだよ。
展示会が終了したら、穴を埋めて元に戻すんでしょうか。……恐らくそうでしょうねえ。
6個目の作品は、「テニスコートの誓い」で有名なヴェルサイユの球戯場で行われていたのですが、ここは18時で展示が終了しており、私たちは行くことができませんでした。残念。
あ、そうそう。ヴェルサイユ宮殿の入場は、18時が最終入館時間なのですが、その時間ギリギリに入ると、誰もいない鏡の間を見学することができますよ。
ほうら。
そして鏡の間からは、1番目のカプーアの作品が見えますよ。
こんな感じでね。
いやいや。カプーア展、堪能しました。想像以上。何つったって、渦が凄かった。明日はいよいよパリに入城し、フリーメイソン博物館に行きます。何だか怪しすぎる旅になってきた。
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