10連休をブチ抜いて、イタリアとポーランドに行ってきました。メインの目的は、ベネチアから100キロほど北東にあるウディネという町で開催される「ウディネ・ファーイースト映画祭」に参加することだったのですが、経由地がベネチアということで、せっかくだからベネチアにも何泊かしようと。さらに、エアラインがポーランド航空なので、帰りはポーランドにも何泊かしようと。かくして、平成→令和にまたがる13日間の旅が始まりました。
ガイドブックやWebをあたっていると、ベネチア本島から少し離れた島にある「ロカンダ・チプリアーニ」という宿が気になりました。「6室しかない」「セレブ御用達」「宿泊料がそれほど高くない」ふむふむ。文豪ヘミングウェイやエリザベス女王、ダイアナ妃も宿泊したそうです。
しかし、ヘミングウェイは世界中どこにでも現れていますね。キューバにもヘミングウェイの定宿や銅像を見たし、パリのホテルリッツもそうだし、行ったことないけどフロリダのキーウェストもゆかりの地ですよね。
4月26日・27日の2泊、ロカンダ・チプリアーニの予約が取れました。ベネチア空港からロカンダ・チプリアーニに行くには、水上バスを乗り継いで行くか、水上タクシーで行くかの二択です。
到着便が18:20、ホテルのレストランの予約が20:00だったので、迷わず水上タクシーに。しかし、これの運賃が驚きの160ユーロ(約2万円)!
ベネチアの本島との位置関係がこれ。地図の北東にある「TORCELLO」という島がそれです。
空港からのトランスポーテーションで2万円だなんて、ちょっと記憶にないレベル。昔、バブルの頃に仕事で成田空港から銀座まで乗って以来だよ。
ベネチア上陸前にして、すでに「キング・オブ・観光地」ベネチアの洗礼を受けたような感じです。この旅行、いったいいくらかかるんだ?
水上タクシーは、こんな小ぶりなボートでした。海上を駆け抜け、最後は幅5メートルほどの水路を通って、トルチェッロ島にあるホテル、ロカンダ・チプリアーニに到着します。
19:00ぐらいに着いて驚いたことには、この島には人の気配がほとんど感じられないこと。
夕食も、ホテル内のレストラン一択です。予約しておいてよかった。
壁には、英国王室セレブの写真がいっぱい飾ってありますが、ロカンダ・チプリアーニは、それほど宿泊費が高いわけではありません(ハイシーズンはバカ高いという話も)。部屋は修道院みたいなシンプルな仕様で、6室しかないのに、ちゃんと経営できるんでしょうか?
……できるんです。
次の日の朝、このホテルのビジネスモデルが判明しました。
朝食を摂りにレストランにおりて行くと、スタッフたちが庭で忙しそうにテーブルをセッティングしています。
あっという間に、庭の通路がテーブル&チェアで埋まってしまった。私たちが朝食を摂るテーブルは別のところにあります。
「これ、全部お客さんが座るの? 結婚式か何か?」
「いやいや、ランチの準備だよ。今日は予約だけで100人入ってるんだ」
ロカンダ・チプリアーニの、庭園を見ながら楽しむ素敵なアウトドアランチは大人気なんだそうです。
「離島」というのは大げさで、ベネチア本島からボートで小一時間ぐらい。トルチェッロ島にある唯一のホテルがロカンダ・チプリアーニでした。そのビジネスモデルは、島に観光に訪れる人たちのランチ。周辺にもレストランはいくつかあるのですが、夕方5時ぐらいにはすべて閉店してしまいます。
つまり、島で夜にひと気があるのは、このホテルだけ。島の人口も50人とかそんなレベルみたい。
朝の散歩なんかはとても清々しくて気持ちいい。ひと気はないけど、不気味な感じは一切なし。
運河にかかるこの橋(手すりがないので有名)が、人気の観光名所だってのもナイスです。のどか過ぎるよ。まるで「ロード・オブ・ザ・リング」のホビット庄だな。
2日目の夕方、ホテルの前の橋の上で(上の橋とは別)、「オーソレミーヨ」をソロで熱唱する白人の紳士がいました。フルコーラス歌い終えると、周辺の観光客が「ブラボー!」「パチパチパチ」
ホテルが静か過ぎて実感がありませんでしたが、「ああ、イタリアに来たんだな」と痛感した瞬間です。そこら辺のオッサン、歌が上手すぎですw
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