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2011年5月3日火曜日

日産リーフで山梨へ PART3。リーフ、良い点と悪い点

前日のエントリから続く;

リーフのエンジンルームを開けたところ。エンジンみたいな物体がありますが、もちろんエンジンではありません。エンジンルーム(という呼び方も実はオカシイ)はスカスカです。普通のガソリン車と同じような液体式のバッテリーも見えますね。


これがモーター&インバーター。リーフの心臓部です。


最高出力は、80kW/2730〜9800rpm、最大トルクは280N・m/0〜2730rpm。レンタカー屋のお兄さんは、ECOモードでマーチと同等、Dモードでシルフィと同等のパワーだと言ってたような記憶があります。

では、たったの3日乗っただけではありますが、リーフに関する感想をまとめてみました。

良い点

1.究極のエコ気分。電力だけで走れる
例えば、プリウスって何かハンパですよね。低速では静かに走るんだけど、アクセル踏み込んじゃうとエンジンが普通に回っちゃってちっともエコじゃない。その点リーフは100%電気だけ。ガソリンを使わない、排ガスが出ないというのはやはり画期的です。

2.加速が凄い。侮れない性能
アクセル全開したときのリーフの加速は衝撃的です。ギュワーンという加速のフィーリングが病みつきになって、リーフにまた乗りたくなるんですよ。エコだけどとてつもなくパワフル。あと、コーナリングのフィーリングも悪くない。

3.室内は静か&スペイシャス
EVっていうと、車体が小さくて室内も狭そうってイメージがありますが、リーフはとてもデカい。全幅1770ミリ、全長4445ミリ。大人5人、余裕で乗れます。もちろん、エンジンがないから室内は静かですよ。


4.IT機能が充実、サポートも24時間
カーナビはリーフ専用機種で、到達可能エリアが表示されたり、電費の様子がリアルタイムで表示されたりと、プリウスのナビよりも高機能です。あと、24時間日産タンにコールしてサポートを受けられる機能もあって、これはちょっと驚きました。全国に巡らされた日産のネットワークの中で走っていて、いざとなったらすぐに対応してもらえる安心感。新しい。

5.無料で充電できる施設が多い
これ、24時間サポートとも共通する話なんですが、全国の主要な日産ディーラーに充電器が敷設されてる。「リーフ乗ってて、電欠になりそうな時は日産に駆け込んでください」的なコンセプトなんでしょうかね。これもネットワーク施策。現在、日産での充電は期間限定で無料のようですが、いずれ有料になる模様。また関東圏内には、各自治体の施設を中心に、無料で充電できる施設がけっこうたくさんあります。市や区が燃料代を払ってくれるわけですね。


悪い点

1.走行距離が短かすぎ
当たり前ですが、リーフ最大のウィークポイント。はっきり言って「不便」以外の何ものでもありません。満電で180キロしか走れない。しかも180キロというのは大甘で、この度の経験から言えば100キロでも厳しい時がある。ずっと上り坂なら50キロでアウトでしょう。この辺は、蓄電技術の進化につれて伸びていくことを期待しましょう。

2.充電ステーションがまだまだ少ない
この4月から、東名高速は全サービスエリアに充電器が設置されたようです。中央道や、それ以外の高速にも早く設置していただきたいですね。もちろん、高速道路以外にももっとたくさん。


3.充電のたびに30分のヒマつぶしが必要
急速充電は、だいたい30分かかります。無人の場所では車を離れるのもはばかられるので、車内や付近で時間をつぶさなくてはなりません。また、目的地に到達するのが、充電時間の分遅れてしまうのも困ったものです。

4.エアコンが使えない
使えないワケじゃないんです。恐ろしくて、とてもエアコンのスイッチを入れる気にならないんです。夏場は遠出できないんじゃないかと。

5.回転音が耳障り
これは、私だけかも知れません。金属音みたいな回転音が、車速に比例して大きくなるんです。ちょっとイヤな音でしたが、同乗した家族たちは特に指摘していませんでした。

6.値段が高い
グレードXが376万円、グレードGが406万円。この価格を安いと考えるか、高いと考えるか。もう、補助金はありません。(その後リーフ公式アカウントからご指摘いただき、平成23年も補助金はあるとのこと)

7.世の中の、節電気分に逆らってません?
オール電化もしかり、3・11以降電気の話は常にデリケートです。猛暑の日中にリーフで走って、充電施設で急速充電するのははばかられるかも知れません。節電しながら走る? そりゃ難しい。ま、今年の夏はあんまり乗るなってことですか。


以上、思いつくまま並べてみましたが、実はリーフ買うには必要条件があって、それは「自宅に専用ガレージがあること」なんです。言い換えれば、「夜間駐車している時に、8時間連続で充電できる」こと。中には、月極駐車場でも条件クリアできるところがあるかも知れませんが、案外ハードルは高いんですよね。これがクリアできない人は、充電施設で充電した後帰宅ってやり方もあるかも知れませんが、ちょっとシンドそう。私もこの条件で引っかかってます。でも、いずれ駐車場の大家さんと交渉してみようかと思っていますよ。

2011年5月2日月曜日

日産リーフで山梨へ PART2。計画停電ならぬ計画充電

前日のエントリから続く;


翌日、山小屋を出発。ノースランドのメインストリートはごらんのような急勾配です。昨日、走行可能距離が23キロまで減った状態から町に下ってみました。昨日は20キロに及ぶ上り坂を走った結果、152キロが23キロまで減ったのです。しかし今日は長い下り坂、当然距離は増えていくはずです。

改めてこの坂、甲府まで続く坂道を下ってみると、ほとんどアクセルを踏まなくていいほど長い下り坂だということに気づきます。スピードが出過ぎないよう時折ブレーキをかけ、まれに遭遇する対向車とすれ違う時には、ブレーキの後アクセルをちょっと踏む程度。

そんな感じで下って行きます。思った通りどんどん距離が増え、20キロ下って町に出た際には走行可能距離が95キロになっていました。何と、72キロも回復しました。

何度も言いますが、この残キロ数とのつき合い方がEVドライブの肝です。そして、電欠回避のためのソリューションは、計画停電ならぬ計画充電。

ちなみに、搭載の充電ケーブルはこんな感じです。紛失すると9万円払って弁償だそうです(by日産レンタカー)。


コンセント形状が特殊で、家庭用のソケットには収まりません。


初めて見る形状です。200V用で、自宅でこれを使えるようにするためには別途電気工事が必要とのと。

この日は、甲府の町でまた前日と同じ日産プリンスに行って充電。買い物などして山小屋まで帰ってきたら、昨日同様残り20キロ台まで減っていました。

さらに翌日、東京へ帰る日。自宅まで帰るために、坂道くだってまたもやここで充電。3日連続で日産プリンス。もちろん、FourSquareでメイヤーゲットです。

充電後は、中央道を修行走り。来るときに「9キロの長い下り坂」だったありがたい坂は、当然「長い上り坂」になっています。いきなり「心臓破りの坂」ってことですな。

電欠に怯えながらのドライブはもうこりごりなので、今日は途中でもう1回充電を挟むことにします。

日産プリンスのお兄さんが、「談合坂に充電できる施設があるはず」と言っていたので、ランチを兼ねて談合坂SAに寄ってみます。


SAに入るといきなり「給電スタンド運用中」のバナーがあるので、ヨッシャー!とばかりにリーフを駐車しますが、どうも様子が変です。その場でググって調べてみると、「外部電源式冷暖房装置を搭載したトラックに電力を供給し、トラックがエンジンをかけずに車両の冷暖房を行うことできるようにするための設備」だそうです。EVとはまったく関係ない給電スタンドでした。世の中には、まだまだ知らない施設がありますなあ。

ランチを済ませ、大混雑の談合坂をそそくさと後に。次なる目的地は国立市役所です。ここに、24時間営業・年中無休の急速充電器があるはず。ロケーション的にも、中央道の国立府中インターから5キロほどと、帰宅コースをそれほど大きく逸脱することもありません。しかしこの施設は、リーフのカーナビにデフォルトで入ってる充電設備のリストには載ってないので、半信半疑で現地に向かいます。

ありました。市役所の裏手にドーンと鎮座する黄色の憎いヤツ。ラッキーなことに先客もいません。早速、リーフのフロントリッドを開けてプラグを突っ込みます。自力で行う、初の充電。


あれ、エラーだ。うまくいかね……。

充電するときは、リーフのメインスイッチ(エンジンに相当)をオフにしなくてはならないのでした。なるほどなるほど。無事に充電が始まると、残り充電時間が59分と出ました。ちょっと長いっす。ここで小1時間つぶすのはちょっと……。

実際には、表示時間はサバを読んでるみたいですが、もともとここで満充電にするつもりはなかったので、30分ほどで充電を切り上げます。


帰るために十分な充電を行ったので、ここから先は余裕を持って走れます。ECOモードからDモードにシフトアップし、エアコンもON、オーディオもON。ちなみにオーディオは、iPhoneがBluetoothとUSBの2通りの方法で接続できます。Bluetoothの場合はワイヤレスなので身軽。その代わり演奏中の曲目が表示されません。USBの場合は、曲目も表示され充電も行われます。電池の残量に応じて選べます。ちなみに、オーディオ使用はそれほど電力消費に影響は及ぼさないようです。

さて、残りの40キロほどの道中は、厳しい修行のウサを晴らすがごとくアクセル全開で帰りました。いやあ、Dモードの加速フィールの素晴らしいことよ。トランスミッションが装備されてないらしく、変速のショックなしに一直線にスムーズに加速していきます。そしてコーナリングもオン・ザ・レールのスムーズさ。車重が1.5トンあるので、少しもっさりした挙動を感じることもありますが、ハンドルの切れは軽快です。

リーフ、なかなかいいですよ。すぐにでもまた乗りたい気分。

帰宅後、自分の車に乗り換えて少し近所を走ってみましたが、このハイオクガソリンで走る6気筒の自動車が、ひどく時代後れの乗り物であるかのような気分にさいなまれます。自動車感がコペルニクス的に転回してしまいました。

今度はリーフで東名ドライブに行こう。夏の、エアコンが必要な時期に。

2011年5月1日日曜日

日産リーフで山梨へ。電欠の恐怖と戦う走りは修行そのもの

ゴールデンウィーク前半、急に思い立って、日産リーフで山梨のノースランドに行くことにしました。例年、4月から11月ぐらいにかけて、時々週末を過ごす山荘があります。

最近は「EV」と呼ぶみたいですが、リーフは100%電気で動く自動車です。CO2削減のトレンドもあってかなり注目を浴びていましたが、3・11以降の節電の大合唱の中ではやや肩身が狭い雰囲気も。

ですが、将来的にはEVおよびその系列の自動車が主流になるだろうとの個人的予測もあり、また単純に「EVどうよ?」ってところを体験しておきたく、日産レンタカーで借りてみることにしました。


自宅からノースランドまでは、カーナビによると154キロ。リーフは満充電で180キロ走れるということなので、十分に目的地まで到達できる計算。念のため、山梨県に入ってからの充電ステーションの場所と営業時間も調べてあります。

シルバーのリーフは颯爽と、そして静かにスルリと出発しました。出足は快調。しかし、世の中そんなに甘くなかった……。

リーフのメーターは、右側に走行可能距離が表示されます。ドライブ中は、この数値が生命線です。このキロ数を巡って一喜一憂の道中なのです。


スタート時、右側の電量計は目盛りが振り切っています。走行可能距離は159キロと出ています。


「あれれ、180キロ走れるはずじゃないの?」と不審に感じますが、「D」モードを「ECO」モードに切り替えると、174キロに延びました。ただし、エアコンを使うと10〜15%ほど距離が縮むようです。

首都高から中央道に乗って、順調にドライブ。室内は確かに静かです。驚いたのは、加速の鋭さ。Dモードでアクセルをグワっと踏み込むと、一切のタイムラグがなくシュルルルル〜っと加速します。これはちょっと快感ですよ。動力がアクセルからダイレクトに車軸に伝わっている感じ。ヤバい、こりゃたまらん。

一方、ヒューンというかキィーンというか、何かの回転音がちょっと耳障りです。スピードを上げると、カン高い金属音みたいな音色になって頭に残ります。この音にはだいぶ悩まされました。

それから、コーナリングが意外にタイト。後で調べたら、バッテリーなど重量物をセンターに寄せて、重心を車の真ん中に作ってあるとのこと。ミッドシップ・カーなんですね。FFの車に比べて、コーナリングがはるかにスムーズ。これも大きな特長です。

さて、我らがリーフですが、中央道を快調に走行してはいるものの、例の走行可能距離メーターの数値がどんどん減っていきます。途中でナビの目的地をノースランドではなく甲府市の日産プリンスに変更し、そこで急速充電を挟む計画に変えたのですが、その日産プリンスまでは(出発地点から)107キロ。180キロー107キロ=73キロも差があるなら余裕じゃん、と思いますよね。

ところが、談合坂サービスエリアに差しかかる長い上り坂で、カーナビの音声が「目的地まで到達できない可能性があります」と叫んでいるではありませんか!

慌てて談合坂SAに入り。車を停めて、日産のオペレーターに電話します。カーナビに「オペレータ」というボタンがついており、24時間サポートに無料でコールできます。車内でハンズフリーでオペレーターと会話するって、何か不思議な感じですよ。


最寄りに充電ステーションがないか聞いてみますが、やはり甲府の日産プリンスまでない模様。こんなに早く(ガス欠ならぬ)電欠のピンチになるとは思ってもいなかったので、充電ステーションをあまり詳しく調べていなかったのですが、そもそも中央道沿いはまだまだ充電設備が少ないのです。

「電欠になったら、どうなりますか?」と聞くと、「レッカーを手配します」と。「それは費用どれぐらいかかりますか?」と聞くと、レッカー担当に電話が代わって、
「お客様の契約したレンタカーですと、レッカー代は60キロまで無料です」と。最悪、レッカーになっても無料で運んでもらえることが分かったので、意を決して前進します。


ここから先は、冷や汗ものです。もちろんエアコンは最初から切ってあるし、ずっとECOモードに入れっぱなし。ステレオも切ってあります。それでも、上り坂が続くと電気の減りがすさまじい。大型トラックの後ろに張りついて、時速80キロで修行のようなドライブです。後続の車に次々抜かれます。運転人生でこんなに他車に抜かれたことはないというほど抜かれます。しかし、ここで必要以上にアクセルを踏み込むわけにはいかないし、踏む気分にもなりません。

途中、目的地まで38キロ、走行可能距離24キロと、マイナス14キロという数値を目の当たりにしたときには、もう絶対無理だと思いました。しかしそんな矢先、電気の天使が微笑んだのです。

「ここから9キロの長い下り坂 速度に注意」。正確に覚えていませんが、そんな内容の看板が目に入りました。

リーフは、上り坂では電気を垂れ流して進みますが、下り坂では電気を回復することができるのです。「回生」というやつです。この、最後の9キロの下り坂で見事に息を吹き返しました。充電ステーションまで22キロ、走行可能距離33キロ。11キロのプラスに転じました。やった、これならたどり着けるかも。


甲府昭和インターで中央道を降り、日産プリンスの美術館通り本店へ滑り込み。あと16キロで電欠というきわどいタイミングでした。日産のディーラーを訪れるの、ひょっとしたら生まれて初めてかもなあと思いながら、充電の間30分、ショールームでぼーっと過ごしました。電気自動車って大変だわ。


現在、急速充電設備のある日産ディーラーで、30分の急速充電は無料です(期間限定の模様)。急速充電は85%で行っているとのことで、走行可能距離152キロまで回復しました(ECOモード)。

さて、ノースランドまで残り20キロ。しかし、この20キロがずーっと上り坂なんです。案の定、着いてみたら可能距離23キロまで減ってましたよ。152キロ走れる予測が、20キロ走ってたったの23キロまで減っちゃった。帰り、どうするんだ?

いやー、電気自動車、なかなか大変です。(続く