2026年8月12日水曜日

初めてのダイヤモンドプリンセス。良かった点と微妙だった点

人生で2度目のクルーズ旅は、ダイヤモンドプリンセスで行く「夏休みクルーズ! お祭りに沸く日本周遊と韓国 9日間」となりました。昨年(2025年)11月の飛鳥III乗船から8カ月経っています。

期間は2026年7月28日から8月5日まで。横浜港を出発し、長崎、釜山、青森、函館に寄港する9日間の航海です。夏休み真っ只中ということで、騒がしくてカオスな旅になりそうな予感もありましたが、青森でねぶたが見られるという旅程が決め手となって、このクルーズを選びました。私は青森県出身で、その昔、高校の3年間を青森市で過ごしています。

とにかく船がデカい。乗員乗客合わせて4000人のクルーズ

横浜港の大桟橋から乗船して、まず思ったのは「とにかく船がデカい」ということ。外観もそうなのですが、乗り込んで船内を歩いてみると、そのデカさを痛感します。客層も飛鳥とは全然ちがう。思った通り、家族連れがとにかく多くて、子どもたちは出航前からもうプールに入ってはしゃぎ回っています。飛鳥の落ち着きっぷりとは真逆のテンションで、これはこれで新鮮でした。


初日の船長主催のパーティーで、船長自らが語っていましたが、今回の乗客は27カ国から2961人。トップ5の国籍は「日本 2290人」「アメリカ 337人」「英国 65人」「オーストラリア 62人」「中国 57人」とのこと。

これに対して、クルーは59カ国から1057人とのことで、合計するとだいたい4000人が乗っている計算になります。昨年の飛鳥IIIの乗客は500人未満でしたので、その10倍近い人数が同じ船の上で旅をするということです。えらいこっちゃ。

船内は外国。日本語があまり通じない

そんな大人数を飲み込んだ船なので、夕食どきのレストランは大混雑。18時台だと、どのレストランもだいたい30分待ちは普通です。もちろん、朝ごはんの時間帯も普通に並びます。ビュッフェにしても、空席を見つけるのが一苦労。そこはやはり、シンプルに「時間をずらす作戦」が有効で、その辺の感覚は日数を重ねる毎に身についていきます。

レストランのスタッフによれば「17:30とか19:15ならばあんまり待たないよ」なんですが、人によっては「お目当てのイベントが始まる時間までに食事を済ませる」というミッションがあったりして、なかなか一筋縄ではいきません。クルーズを目いっぱい楽しみたい方は、計画的に時間を使うことがけっこう重要ですね。

あと、船内で道に迷っている人がとにかく多かった。クルーズ前半は、我々もけっこう迷いました。まあこの船の広さなら仕方ないですね。あと、エレベーターの操作に戸惑っている人もたくさんいます。日本のエレベーターとは、UIが微妙に違うんですよね。

そして地味に驚いたのが、日本語が思ったほど通じないこと。クルーがフィリピン人中心なのは飛鳥と同様ですが、飛鳥のクルーはみな日本語を話します。ダイヤモンドプリンセスは日本語を話すクルーが少なくて、話す日本語も片言でした。船内の公用語は英語です。ただし、レストランのメニューはバイリンガルになっているので日本語で大丈夫。そして船内のショップなどで買い物した時、決済通貨は米ドルです。

そう、この船の中は外国なんですよ。カジノも普通に営業しています。外国なんですが、日本人だらけなので心細い感じは一切なし。

部屋は広いがベッドが狭い

今回、私たちはバルコニーつきの部屋にしましたが、飛鳥に比べて部屋そのものは広いと感じました。ただし、ベッドはとっても幅が狭い。その代わり、クローゼットが広々としていて収納も多い。しかし、バスルームにバスタブはなくてシャワーブースも大変狭い。飛鳥と比べると、いろいろ対照的な部屋でした。

サウナが最高。ただし入浴料は39ドル

今回の船、一番のお気に入りはサウナおよび大浴場「泉の湯」でした。大海原を眼下に望むサウナで汗を流すのは、もの凄い非日常体験です。飛鳥IIIと同じですね。ただし、飛鳥のサウナはキャパが3人でしたが、こちらは5人入れます。毎朝欠かさず、ときには夕方にも通ってしまいました。

クルーズ期間中のお風呂使い放題プランは、なんと189ドル。ほぼ3万円です。都度払いだと1回39ドル、2回券49ドル、5回券129ドルという価格設定でした。この料金プラン故でしょう。クルーズの最初から最後まで、泉の湯はけっこう空いていました。

ジムも完備。しかし、毎日相当歩くので、ジムに行く気が失せる

ダイヤモンドプリンセスは、全長が290メートルもあります。私たちの部屋は10階の船首。なので、どこに行くにも結構な距離を歩くことになりました。先に紹介した「泉の湯」や主要なレストランはだいたい船尾にあります。部屋からレストランまで往復で15分ほどかかります。

海を望めるスポーツジムは船首の方にあって、色んなマシンが揃っています。しかし、けっこう混み合っているので、時間を選ばないとトレーニングが難しい。そして我々は、船首から船尾を毎日数回にわたって往復していたので、毎日の歩数は1万歩を軽く超えていました。これ、健康のためのウォーキングじゃなくて、単に移動しているだけの歩数なんです。こんだけ歩いていると、さすがにジムに行く気もなくなるというもの。

メダリオン、大変便利。首から下げておけば手ぶらでどこでも行ける

ダイヤモンドプリンセスの乗船証(クルーズカード)は、「メダリオン」というICチップつきペンダント。電池も内蔵されているようで、ICカードのように、センサー端末にタッチをしなくても、センサー側が無線で読み取ってくれるという優れもの。例えば、自室に入る際、解錠のためにドアにタッチすることなく、ドア側で客が近づいてきたのを感知して解錠してくれます。カギのタッチが不要、部屋に近づいたら、ただドアを回すだけ。

食事をテイクアウトする際は、注文の時にカウンターでメダリオンを読み取ってもらえば、食事を席まで運んでもらえます。GPSで位置を把握してもらえるような感じ。

各フロアのエレベーターホールにある大型ディスプレイにメダリオンをかざせば、目的地まで船内のルートを案内してもらえたり、カメラマンに撮影してもらった自分の写真を大画面で確認できたりと、とにかく利便性が凄い。クレジットカードに紐づけておけば、決済にも使えますので、これさえぶら下げておけば、財布もバッグも持たずに手ぶらで歩き回れます。とても便利。

Wi-Fiは、スターリンクではなくSES

メダリオンは大変素晴らしい船内インフラなのですが、インターネットに関してはやや微妙でした。ダイヤモンドプリンセスの船内Wi-Fiは、スターリンクではなくて、SESの「O3b mPOWER」という衛星通信。航海中、どこにいても常時接続はしていますが、スターリンクほどの速度は期待できません。何度か計測しましたが、だいたい下りが5〜7MB、上りが1〜2MBという速度なので、ややもっさりした感じです。ブラウザを使っている時は、ページの遷移に時間がかかります。インターネット会議を一度だけ試してみましたが、一応、何とかなりました。


ネット会議、飛鳥のときはひとりになれる環境がなかったり、あったとしてもBGMがうるさかったりで、会議可能な環境が自室以外になかったのですが、ダイヤモンドプリンセスはとにかく船がデカいので、デッキに出たら誰にも邪魔されずにネット会議ができました。

久しぶりの海外旅行、みたいな日本人たち

船内で日本語があんまり通じないこともあって、久しぶりの(または初めての)海外旅行って雰囲気の日本のオッサンオバサンもたくさん見かけました。外国人クルーを相手に日本語レッスンを始める人がいたり、それを指して「ああいうのが、日本人の品位を落としてるんだよ」なんてぼやいてるのが聞こえたり、いろんな人間模様があってなかなか面白い船内でした。

極めつけは盆踊りナイト。デッキ14のプールサイドで開催されたんですが、ジャグジーにひとりで浸かるイケメン外国人がキョトンとする中、子どもたちはプールで水しぶきを上げ、その周りを盆踊りでマーチする日本人の集団……。なんとも言えないシュールな光景が広がっていました。

あと、8泊のうち、ドレスコードが指定されていたのは2回。2日目の「フォーマルナイト」(スーツとかドレス)、そして5日目の「お洒落ナイト」(各自、お洒落な格好で)。これは、要は記念写真を撮って配布するための仕組みだと気づきました。専属カメラマン(10人以上いる)が撮った写真はアプリのアカウントに紐付けられて、翌日にはダウンロードできる仕組みになっています。皆さん、素敵なファッションでポーズを決めて、カッコよく写真に納まっていましたよ。

橋通過のお知らせはナシ。絶景ポイントを見逃さないように

ちなみに出航・到着時刻はあまり厳密に管理されておらず、アナウンスもアバウトです。大きな橋を通過するときの船内放送もなし。この辺りは飛鳥のきめ細やかさとの違いを感じたポイントです。あと、いちいちアナウンスを入れちゃうと、都度デッキに人が溢れかえって危険なのかも知れません。

ちなみに、今回のクルーズでは富士山を見ることはできませんでした。静岡県沖を通過したのは夜だったので。その代わり、軍艦島を見ることができました。その時、たまたまデッキにいたからです。なので、室内モニターやGoogleマップで航路と現在地を確認しつつ、船からしか見えない絶景ポイントをミスしないようにしたいですね。


青森でねぶた祭。大変懐かしかった

青森港ではねぶた祭を堪能。実に久しぶりのねぶた体験。こちらは、船が用意する寄港地ツアーが完売していたので、別途個人的に座席を購入し、青森市に住んでいるきょうだいとも合流して一緒に鑑賞しました。ねぶた祭は8月2日から7日までという日程で、我々は2日の初日の参加。7日には会場運行と花火大会が実施されるのですが、ダイヤモンドプリンセスでは、8月5日に横浜港を出港し、8月7日に青森でねぶた&花火大会を鑑賞するツアーもありました。我々の船が折り返して行くツアーですね。

青森の夜は、船のデッキがかなり冷え込んで、短パン半袖だとさすがに厳しかったです。釜山を過ぎたあたりから急に寒くなるので、長袖は必須でした。

ダイヤモンドプリンセスのツアーには、船籍の関係でパスポートが必要です。そして今回、青森港で入国という珍しい体験をしました。長崎港で出国 → 釜山で韓国入国 → 釜山を出国 → 青森で入国というのが今回のパスポート上の記録です。

エンターテインメントは盛りだくさん

催し物、イベントは盛りだくさんです。本当に盛りだくさん。館内新聞を貼っておきましょうか。

クイズやゲームなどはしょっちゅうやっていますが、「10歳若く見せる方法」「糖尿病、体重管理のための漢方」など、かなりニッチなセミナーもそこここにあって、懐の深さを感じます。 

個人的には、シアターで行われた「KUBA」というポーランド人アーティストによるテルミンのコンサートが面白かったです。テルミン、あんなに長い時間生で聴いたのは初めて。相当にオタクなアーティストでしたね。面白かったのは、ねぶたの旋律を即興で披露していたこと。「ラッセーラー、ラッセーラ!」ってやって、拍手喝采を浴びていましたよ。

フィリピン人クルーへの取材

あるディナーの席上、レストランで働くフィリピン人クルーに話を聞く機会がありました。彼は勤続16年で、その前は飛鳥Iと飛鳥IIで働いていたそうです。労働契約は「8カ月勤務、3カ月休暇」のサイクルで、1日の労働時間は11時間。寄港地での休みは4時間ほどで、スーパーやディスカウントストアでお弁当を買うのが楽しみなんだそう。長期契約で船を渡り歩くクルーたちの暮らしぶりが垣間見えて興味深い取材でした。


台風の影響で最終日は大揺れ

8月4日は終日航海の日でしたが、台風13号の影響でかなり揺れました。船内アナウンスで、うねりは4mほどだと言ってました。4mって何気に凄いですよね。廊下をまっすぐに歩けない。幸い、酔ったり気持ち悪くなることはありませんでしたが、台風に遭遇すると、クルーズ旅は修業とか罰ゲームみたいになるってことが分かりました。

まとめ:コスパはかなり良い。飛鳥の半額ほど

総じて、ダイヤモンドプリンセスはけっこうコスパがいいです。今回の8泊9日間のクルーズとほぼ同内容の来年(2027年)の商品が、公式だと24万7000円。ざっくり、ひとり1泊3万円です。3食ついて、日本一周&釜山にも行けると考えたら相当なお値打ち。これに1日9500円の「プリンセスプラス」や、1日1万4000円の「プリンセスプレミア」などを付加して購入することになります。

昨年乗った飛鳥IIIが、ざっくりひとり1泊6〜7万円という感じでしたので、それと比較すると半額ぐらいの印象ですね。飛鳥に比べてお値段は半分、その代わり船がデカくて人も多い。食事のクオリティはやや劣るがエンタメは質量ともに豊富。みたいな感じです。

2度の船旅に共通していたのは、日数を重ねていくことで起きる変化ですね。個人差はありますが、だんだん慣れてきて軽快に行動できるようになる。食事選びに趣味嗜好が現れてきて3度の食事が楽しみになる。友だちや仲間ができて活気が出てくる。色々なアクティビティに挑戦する心の余裕が出てくる。みたいな感じでしょうか。

……ということで、二度目のクルーズも大変楽しい旅になりました。次回、また違う船にも乗ってみたいですね。

2026年7月27日月曜日

W杯2026 覚え書き。食事と物価を中心に

2026年の北中米W杯は、試合のチケット代金を筆頭に、とにかく費用の高さが話題となりました。サッカー好きな友人たちも、みんな費用面がネックになって参加を断念していましたし。


そこで今回、テキサス滞在中に記憶に残ったつれづれを、食べた食事のお値段を中心に残しておきたいと思います。

今回、頭数的には「3人でエアビー生活@ダラス(オランダ戦)」 → 「2人でダラス 〜 モンテレイ往復(チュニジア戦)」 → 「4人でダラス滞在(スウェーデン戦)」 →「1人でヒューストン滞在(ブラジル戦)」という変化がありました。3人でのエアビー以外は、すべてホテル滞在です。

エアビーで過ごした6泊の間は、自炊を心がけながら過ごしました。お米を炊いたり、うどんを茹でたり。


そして、テキサスBBQは何度か食べました。ブリスケットが美味いです。ポークリブやソーセージも美味い。


「TERRY BLACK'S BARBECUE」という店で、3人でシェアして85.15ドル(1万4185円)。別途ビール2杯が26.52ドル(4418円)。ひとり5000円〜8000円見当。


スタジアムのコンセッションの値段表も貼っておきましょう。例によってビールはバカ高い。アメリカンビールが15.95ドル、輸入ビールが16.9ドル。約2500円〜3000円ですね。ジャンボホットドッグ/チリドッグは2200円ほど。


つまり、これで5000円。だいたい、日本のスタジアムグルメの3倍のお値段って感じですかね。


あと、スタジアムでビール買うときに、IDの提示が必要でした。パスポートでOKです。日本の免許証だと、生年表示が西暦じゃないのでけっこう苦労します。 

テキサスBBQは美味しいのですが、けっこう脂っこい。テキサスめしが続いて胃が重いと感じる一行にとって、ダラス近郊の日本食材マーケット「MITSUWA」は福音でした。


店内には、納豆とか焼きそばとか明太子とか、日本酒などなど、日本の食材が所狭しと売られています。


W杯コラボ商品「SUSHI BLUE ELEVEN」19.99ドルなんてのもありました。


ここの「MATSUI」という日本食堂でランチです。

ざるそばとカツ丼のセット、15.69ドル(2636円)。これはかなりお得なプライス。そばもワサビも本格的で嬉しくなります。カツ丼は日本で食べるのと何ら変わらない。

ちなみに、MATSUIにはアルコールの扱いがなかったので、隣の店で生ビールを買ったら9.75ドル(1638円)でした。お得なプライスとはいえ、ランチで生ビール飲んじゃうと、5000円近くまで行くんだな。


海外での日本食って、一回食べちゃうと止まらなくなりますよね。

ヒューストンに移動した時は、ひとりになったということもあって、毎日和食になりました。特にお気に入りだったのはこちら。


「POKE IN THE BOWL」というファストフード店です。ハワイによくあるポケ丼ですね。これが、CHIPOTLEみたいなスタイルで自分のお好みで丼に仕上げられる。

まず、ベース「白米、玄米、サラダ」をひとつ選び、プロテイン「ツナ、サーモン、豆腐、カニカマetc」からひとつ、そしてMIX-IN「キュウリ、枝豆、海藻、タマネギetc」からいくつでも、トッピング「ごま、海苔、ふりかけ、ショウガetc」からいくつでも、という感じで好きな食材を選んで「マイどんぶり」を完成させる。


で、これが13ドル〜15ドル(2200円〜2500円)というお値段。それまでにテキサスで使ってきた食事代と比べると、全然高くないというか、だいぶ安いと感じます。

今回、ヒューストンに5泊したのですが、ここのポケ丼を3回も食べましたw


あとは、やはりヒューストンで食べた「JAPANESE RAMEN GACHI」という店の醤油トリュフラーメンが美味しかったですね。22.47ドル(3780円)と、まあまあの値段。トリュフ味のラーメンって初めて食べたのですが、調べてみると日本でもけっこうポピュラーだって分かりました。

それでは今回、北中米W杯旅行で食べた日本食で、もっとも残念だったものをご紹介して、エントリを締めましょう。

それがこちらです。ZIPエアーのサーモン弁当。


サーモンの左上に見えるのはキンピラごぼうです。おむすびが1個入っています。そして、ブロッコリーが2個。いろはすのお水(285ml)がついてきます。

それにしても、何という貧相な弁当……。ちょっと驚くレベルですよね。

サーモンを一口食べると、思った通り、塩味がほとんどしない。そこで、おもむろにバッグを開いて醤油を一袋取り出しました。今回、最初のエアビー自炊生活があったので、小分けになったお醤油パックを10個ほど持参していたのです。


この醤油パックは、エアビーでも活躍しましたし、ヒューストンでポケ丼を食べる時にも大活躍しました。それにしても、まさか帰りの機内でも出番が来るとは……。1個だけバッグに入れといて大正解。ZIP AIRの達人になった気がして、少し嬉しくなりましたよ。

まあ、食事はちょっとアレですが、ZIP AIRがなかったら、北中米W杯の観戦コストがさらに高くなったのは間違いないです。しかし、ヨーロッパ方面はまだ飛んでないんですよね。次のW杯は2030年のスペイン、ポルトガル、モロッコ共催です。是非ともそれまでに、ZIPのヨーロッパ就航を期待しています。お願いします!

2026年7月26日日曜日

ヒューストンで美術館めぐり。最も気に入った場所は?

 2026年W杯北中米大会を観戦しに行った折、ヒューストンに5日ほど滞在しました。6月30日にR32の「日本対ブラジル」を観戦するので、試合会場となるヒューストンスタジアム(NRGスタジアム)にほど近い、メディカルセンター/ミュージアム・ディストリクトにホテルを押さえました。


試合の観戦以外(日本は1-2でブラジルに敗戦)、特にやることがなかったので、空き時間を利用して美術館をいくつか見学することにしました。

まずは、ホテルでもらったタダ券で入場できる「ヒューストン自然科学博物館」に向かいます。トラム(路面電車)に乗って3駅ほど、トラムの運賃は1ドル25セントという驚きの安さ。何を買っても、何を食べても高いアメリカ滞在の中で、一番嬉しい支払い体験。ヒューストンでは、トラムもバスも、クレジットカードのタッチで支払いができます。世の中、何気に便利になってますね。


さて、ヒューストン自然科学博物館は、恐竜の化石や動物の剥製、鉱物やミイラなどが展示されており、アートというよりは地球の歴史を見学できる場所でした。

個人的には、量子コンピューターのモックアップが気になりました。写真以外でこれを見たのは初めてです。量子コンピューターってもの凄く計算が速いんでしょうけど、結構かさばるデバイスですよね。値段はいくらぐらいになるんだろ?


さて、化石や遺物よりもアートが見たかった私は、自然科学博物館を早々に引き揚げ、近隣にある「ヒューストン美術館(The Museum of Fine Arts, Houston/MFAH)」に移動します。


ここでは、「ピカソ=クレー=マチス展」が開催中でした。ベルリンのベルクグリューン美術館のコレクションとのこと。なかなかのボリュームです。


これ以外にも、常設展がまたとんでもない規模。夥しい数のコレクションが4棟にわたって展開しています。


草間彌生のこんなインスタレーションも見学できました。


この、MFAHを一館見ただけで、ヒューストンのアートの物量とクオリティの深さにクラクラします。


また別の日には、バスに乗って「メニル・コレクション」を見学。メニル夫妻のモダンアート中心のコレクションが、無料で鑑賞できます。


建物はレンゾ・ピアノ。

ミュージアムの中にあるアート作品の撮影はNGでしたが、何があるのかメモしておきました。エルンスト、マグリット、マーク・ロスコ、ジャスパー・ジョーンズ、ウォーホール、モンドリアンetc、etc。


これまた凄まじい、クレイジーなコレクションです。モダンアート以外にも、南太平洋やアフリカの木工工芸とか、動画によるインスタレーションなどもあって、ここで丸一日を過ごせるぐらいのバリエーション。


そして、このメニル・コレクションの別館として近くに佇んでいるのがロスコチャペルです。

前庭の池の上、宙に浮くようなオベリスクが印象的です。暑いせいか、周囲に人があまりいないこともあって、神秘的な存在感を放っています。Hipgnosisのデザインしたレッド・ツェッペリンのレコードジャケットを思い出します。


チャペルの入口で、係の人に「声を出してはダメです。写真も撮ってはダメです」と告げられます。

中の様子を伝えるために、絵はがきの写真を貼っておきます。ここは、無宗教のチャペル。


ロスコの黒いペインティングが一面に貼ってある、モノクロームな空間。長椅子に座って鑑賞できます。

椅子のほかに、座布団みたいな丸いクッションが3枚床に引かれていたので、そこに座って15分ほど瞑想することにします。

中には数名の見学者がいましたが、皆静かに過ごしているので、集中の妨げにはなりません。

ワールドカップの、勝った負けたの喧噪と喜怒哀楽から解き放たれ、実に深くて有意義な瞑想体験となりました。

ここも無料で入場できます。いい時間を過ごせたので、少し寄付をしてチャペルを後にしましょう。このチャペルはヒューストンでもっとも気に入った場所です。いつかまた訪れたい。

それにしても、ヒューストンのアートセクターにはなかなか凄みがありますね。とにかくコレクションが分厚い。ヒューストンのアートコレクター、どんだけお金持ちなの?って思います。


今回訪ねた所以外にも、アート関連の施設や建築がたくさんあります。ライス大学にはジェームズ・タレルが作ったピラミッドもあるしね。できれば、もう少し涼しい季節に再訪したいなと思いました。テキサスの夏は、毎日暑いんです。まあ、東京も暑いけどね。

2026年7月1日水曜日

W杯2026 その6 「日本1-2ブラジル」しかと見届けました。日本に帰ります

さて、決勝トーナメント(R32)における日本の第一戦。6月29日のブラジル戦は、NRGスタジアムで正午キックオフでした。席はFIFAマーケットプレイスで購入したカテゴリー3、フロアとしては6階相当の天井桟敷席でしたが、これはこれで悪くない。全体を俯瞰できるので、むしろピッチ近くの席より好きなくらいです。


観客は6万9000人強入ったみたいで、ざっくり75%がブラジルサポ、15%が日本サポ、10%が無印って感じでした。ちなみに、会場における勝敗予想はブラジル60〜70%、日本30〜40%ほどで、サポーターの割合よりも日本推しがやや高め。

圧倒的なアウェイ感、日本では経験したこともない異様な雰囲気の中でキックオフ。そして、前半29分に佐野海舟の見事な先制ゴールが決まって日本が1点リードで後半へ。

しかし、ブラジルはブラジルでした。後半に猛攻を仕掛けてくる。

ザイオンも再三の好セーブを見せていましたが、カゼミーロのヘディングで同点に。さらに、後半の後半、日本はブラジルにボコボコにされましたよね。アディショナルタイムに逆転弾を浴びて、2対1とされて敢えなくタイムアップ。


チュニジア戦以降、自分も含め日本国民は「次も勝てるかもしれない症候群」に苛まれていた感じがします。この試合もそう。スウェーデン戦もそうでした。

しかし、まだまだ日本はそんなレベルには到達していなかった。大会のダークホースとして注目される国のひとつではありましたけど、強豪と呼ばれるにはまだまだほど遠い。ブラジル相手に「勝敗予想=50:50」になるレベルまで、あと10年や20年はかかると感じます。少なくとも。

個人的には、2018年のロシア大会観戦の折、ポーランド代表との不愉快な談合試合を見た後、ベスト16に残った日本の次の試合(ベルギー戦)を現地で見るかどうか悩んだ結果、帰国を決断。日本対ベルギーの試合はフライト中に行われたので観戦できず、帰国した空港で日本の敗戦を知るという消化不良体験がありました。しかし今回は、結末を現地で見届けることができて満足です。負けたけど、それなりに達成感。日本の敗戦(=現在地)をしかと見届けた。

初めて訪れたヒューストンスタジアムは、「天空のスタジアム」といった印象です。ゴール裏が4層、メインスタンド、バックスタンドは7層もある、巨大な四角いすり鉢状。


早く着きすぎてやることがなかったので、6階エリアを1周してみました。これはダラスの会場でも感じたことですが、コンセッションの多さに驚きます。


常設店があり、ポップアップストアがあり、テラスバーがある。客席エリアの扉から、20〜30歩も歩けばフードやドリンクが買えます。とっても便利です。

そして、どのスタジアムでもFIFAのショップは大行列です。フロアに2箇所ありました。ブラジルのユニフォームは売ってましたけど、日本のはナシ。


帰る途中、アメリカ人らしき男性が、ふり返って握手を求めて来ました。白いシャツを着ていたので、ニュートラルな感じで見ていたサッカーファンでしょうか。グッドルーザーを称える感じ? 日本が負けた試合では過去に記憶のない、印象的な出来事です。


帰りの動線には、ハイドレーションポイントが設置されており、多くの観客が立ち寄って喉を癒していました。ダラスも暑かったけど、ヒューストンも気温が高くて消耗しました。観戦中はエアコンが効いてて快適なんですが、スタジアムへの行き帰りの道中は、直射日光と暑さで消耗するので、ハイドレーションブレイクが必要です。

日本は敗戦しましたが、おかげで、ヒューストンからの帰国便に心おきなく乗ることができます。後ろ髪にひかれる思い、一切なし。帰国の前にもう一泊滞在するので、美術館巡りでもしてみようかと思います。