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2011年1月9日日曜日

南インド旅行記2010 7日目 ムンバイは豪邸の話でもちきり

ムンバイに到着しました。チェンナイでは、2500円ほどだった空港〜ホテル間の送迎が、何と7000円以上します(日本からホテルに直接リクエストした値段)。今や、世界一物価が高い都市の1つと言われるムンバイですが、この送迎の運転手が面白い話をしてくれました。

「1カ月前にムンバイに建った金持ちの家の話を聞いたか?」「いや、聞いてない」「その家は、27階建てで、駐車場だけで6フロア。3つのプール、3つのヘリポート、45台の車に45人の運転手。800人の使用人がいる。総工費2ビリオン・ダラー(1600億円!)だ」「へえ、そりゃ凄い。で、その金持ちは何人家族なの?」「5人だよ」「……」。

問題の金持ちは、インドのコングロマリット、リライアンス・グループの社長だそうで、彼は世界で4番目の金持ちとして、昨年のForbs誌にも載った人物だそう。車で豪邸の近くを通りましたが、ちょっと変わった格好のビルです(写真はググるとすぐ出てきます)。それにしても、家族5人で使用人800人とはマハラジャ級。

ムンバイの宿泊はタージマハル・パレス。けっこういいお値段ではありましたが、ムンバイは1泊だけなので、ここは奮発しました。


それにしても、警備が厳重です。2年前にムンバイで起きた同時多発テロの後遺症がありありです。ホテルの入り口は1カ所しか開いてません。ゲートは閉ざされており、ガードマンに開けてもらって入場します。手荷物ももれなくスキャンされます。


タージマハル・パレスの向かいにはインド門。夕方になると、ムンバイ市民が続々とインド門にやって来ます。しかし、彼らの目的は……。彼らは何もしていません。ただ集まって、おしゃべりしたり、ブラブラしてるだけ。何とも不思議な光景です。


翌日は、ホテルに頼んで、ムンバイの市内ツアーをアレンジしてもらいましたが、意外に観光地の少ない街です。洗濯場ドービー・ガートが一番のハイライト。


どうやら、船に乗って訪れるエレファンタ島が、近隣では最大の観光地のようです。ムンバイは、観光に行くというより、遊びに行く町なんでしょう。

さて、今回我々がムンバイに行った最大の目的は、アニッシュ・カプールの展覧会を見ること。ムンバイ郊外の映画スタジオで、サウンドステージを丸ごと1つ占領して行われています。


写真撮影厳禁だったので内容をお見せできませんが、ただいまデリーとムンバイの2カ所で実施中の展覧会、展示の内容はググると出てきます。鏡面を使った展示の数々は、なかなかぶっ飛んでますよ。

南インド旅行記2010 6日目 エローラ見学後、映画館で警官に叱られる

元日はエローラ見学。こちらはアジャンタより近く、アウランガバードのホテルからおよそ40分で到着します。ここのハイライトは何と言っても16番。インドの小学生がたくさん来てます。


崖から切り出された壮大な僧院には、驚嘆するほかありません。一方で素朴な疑問も。フラットな地面に石や木材を使って建築するのと、崖を切り出して作るのと、どちらが早くできるのか? コスト面ではどうか? 現代ならば、前者の方が楽なような気がしますが。


エローラ近所のカイラスというカフェでランチ。いつもの定食が勝手に出てきます。日本人もたくさんいますね。


その後、夕方のムンバイ行きのフライトまでやることがないので、映画館に連れてけとリクエストして、アウランガバードの映画館にやってきました。

映画館の建物がなかなかモダンなので、外観の写真撮っていると、警官が笛を吹きながら走ってきます。「写真撮るな! 撮ったデータは今すぐ削除しろ!」


我々のガイド氏が、「観光客だよ、何も問題ないよ」と警官に説明して事なきを得ますが、どうやら対テロの問題で、セキュリティが厳しくなっているようです。少し前に、欧米人観光客から、インド国内の重要な建物の写真がパキスタン側に渡ったおかげで、それらの建物がテロの標的にされたそうです。


のどかなアウランガバードを離れ、空路ムンバイへ。2度目のインド旅行も大詰めです。

南インド旅行記2010 5日目 アジャンタの日本語ガイドは5人いる

引き続き旅行記。アウランガバードなので、南というより西インドですね。この日は、朝9時出発でアジャンタ観光です。アジャンタまでは、アウランガバードのホテルから車でおよそ2時間。途中、車窓からはこれといった楽しめる風景もなく、なかなか退屈な道のりです。助手席のガイド氏も居眠りしています。

今日のガイドはインドラ・セティさん、58歳。日本語は3カ月勉強しただけという割には流ちょうです。ただし、日本語はしゃべれるだけで、読み書きはできないそうです。

アウランガバードには、日本語が話せるガイドは5人いるそうです。チェンナイでは殆ど会わなかった日本人も、ここではそこそこ見かけます。あと、韓国人の若者が目立ちます。韓国のグループは、20代の5〜6人組というのが意外に多い。

アジャンタの入場料は、インド人なら10ルピー(20円)、外国人は250ルピー(500円)。ま、いいんだけどね。


石窟の中では、19番が一番の見物でした。


大乗仏教と小乗仏教の融合した石窟です。仏舎利塔にも見事な彫刻がほどこされています。


さて、この日は2010年の大晦日です。ホテルの宿泊客は、ガラディナーに参加しなくてはなりません。しかし私の経験上、ホテルのガラディナーは楽しかったことなどありません。

案の定この日のガラディナーも、民族的ダンスのショーの後は、地元のセミプロと思しきロックバンドが西洋ロックを奏でる予想通りの展開。コールドプレイとか、エリック・クラプトンとか、ボーカルの兄ちゃんが自己陶酔しながら大音声でわめき歌う最悪のパターン。ガラディナーは大体がこのパターンです。何なんでしょうね。我々、腹だけ満たすと早々に辞退して、部屋でTVを見ながら年越ししました。

TVでは、ボリウッドのアカデミー賞みたいな番組をやっていて、これは、昨年の大晦日もデリーで見た記憶があります。アミタブ・バッチャンが、この10年の最優秀男優賞を受賞していました。女優賞はアイシュワリーヤ・ライ。


番組の間に挿入されていたCFに、「JAPANI OIL」という精力剤みたいな製品がありました。

この手の商品で、「JAPANI」ってネーミングはどういう狙いなんでしょうね。勤勉なオイル? マジメに効くぜって感じ?

2010年12月31日金曜日

南インド旅行記2010 3日目 南インドのメシはうまい

出発前に読んだ色んな文献に、南インドの食事を礼賛する文章をたくさん見かけました。いわく、北インド料理のような脂っこさがなくてうまい、日本人には合うんだと。

幸いにも、我々が泊まったタージ・コネマラには、チェンナイでも屈指のレストラン「レインツリー」があります。早速、着いた日の夕食をここで摂ることに。高そうですが、突撃あるのみ!


カレーの種類をたくさん食べたいので、こんな感じでターリ(南ではミールス)風にしてもらいました。



どれも大変上品な美味しさです。とりわけダール(豆のカレー)は感動的。今まで、こんな繊細な味のダールは食べたことがありません。

カレーと一緒に食べる主食系も感動の連続。皿の真ん中に見えるビーフンのような細麺は、イディヤパム。写真にはありませんが、米とココナツで作ったアッパムもモチモチでうまい。バロータという薄焼きのパンも絶品! これまでライスやナンだけだと思っていたのが、こんなに種類があるんですね。

翌日の夜は、パーク・シェラトンにあるレストラン、ダクシンへ。これまた有名店です。この日はノンベジなリクエストでお願いしました。エビの唐揚げ、揚げ具合が絶妙すぎ。続いて、チキンと羊のカレー。からーい。うまーい。



締めには、南インド名物フィルターコーヒー。コーヒーの入った鍋を高く高く持ち上げて、もう1つの鍋に注ぐ場面が1つのアトラクションになってました。出来上がってみると、泡の立ち方がハンパない。



こちらは、ミュージック・シーズンの公演会場の裏手にあったキャンティーンでドーサを焼いているおっさん。美味そうだけど、これ食べたら晩ご飯食べられなくなっちゃうからガマンガマン。


いやいや驚きました。ホント、メシうまいわ。Incredible India!

2010年12月30日木曜日

南インド旅行記2010 2日目 音楽イベントで停電しまくり

今年南インドにやって来たのは、例年12月中旬から1月中旬まで行われる、チェンナイ・ミュージック・シーズンが大きな目的の1つ。南インドのクラシック音楽(カルナータカ)やダンスの公演が、チェンナイ各地のホールで連日朝から晩まで行われるのです。

このイベントについては、割と最近雑誌で知り、是非見にいこうと思っていました。しかし、行くのはいいんですが、何を見に行くかが大きな問題。ネットでスケジュールを見ても、出演者はローカルなミュージシャンがほとんどで、知ってる顔が皆無。行くべき公演にアタリをつけるのが至難の業です。我々がチェンナイに滞在する3日間、連日60以上の公演があるのです。

公式っぽいサイトには、全スケジュールと参加ミュージシャン(およびダンサー)の一覧がありますが、解説やレビューなどの情報がないので、あまりよりどころになりません。

仕方ないので、ホテルからそれほど遠くないホールを選び、出演者名をYouTubeで検索し、演奏の動画を視聴して、面白そうな公演を絞り込んで行きます。結果的に、以下4つの公演を鑑賞しました。

1日目 ハイデラバード・ブラザース




会場はナラダ・ガナ・サバ。300ルピーの席。ここのボックスオフィスでチケットを買う際に、あんまり空席がなさそうだったので、わくわくしながらホールに入ったところ、客席は2割ぐらいの入り。昭和30年代って感じのレトロな会場と、空席の多さでちょっとテンション下がります。1時間半ほど聞きましたが、これといって収穫なしと判断し退場。なかなか期待させるバンド名だったんですが……。鑑賞中に1度、停電して演奏がストップするというアクシデントが。さすがインド、Incredible India。

1日目その2 ジャヤンティ・クマレシュ




会場はミュージック・アカデミー。こちらも300ルピーで2階席の最前列へ。さっきのナラダ・ガナ・サバに比べると遥かにモダンな空間で、ちょっと安心。しかし、こちらも会場の入りは3割ぐらいです。真ん中にデーンと構えるのは、ヴィーナという弦楽器の女性プレイヤー。エレキ琵琶ですな。ひな壇右奥に、若くてキレイな女の子が座っていますが、この娘は何の楽器も演奏しない、単なるお茶くみであることが発覚して唖然。これまたIncredible India。


2日目 U・シュリニーバス




会場は、昨日ハイデラバード・ブラザースを見たナラダ・ガナ・サバ。ボックスオフィスのおばちゃんと、早くも顔なじみになってる私。この日の入場は、公演が始まって30分後ぐらいでしたが、昨日とはうってかわって会場は6割ほどの入りで「なかなか入ってる」感じがします。そのせいもあってか、演奏もかなり熱がこもっている感じ。

このU・シュリニーバスは、エレキ・マンドリン弾きという珍しいプレイヤーですが、若くてルックスもそこそこなので、オバちゃんのファンが多いようです。マンドリンがメインで、ボーカルのないインストルメンタルなのですが、太鼓(ムリダンガム)や壷(ガタム)もノリノリで、なかなか凄い。公演が終了すると、となりにいた爺さんが、「今年のこの会場のベスト・プレイじゃ」と声をかけてきました。なるほどなるほど、納得です。しかし、この日は停電4回。曲のクライマックスに向けて演奏が盛り上がっている最中に「ドサッ」と全会場が真っ暗になる。もちろん、音も消える。これじゃあミュージシャンがかわいそうだよー。

3日目 スリーバルサン・J・メノン(ミュージック・アカデミー)




最終日は何を見るか決められず、もう停電は勘弁だなとの思いから、会場のキレイなミュージック・アカデミーを最訪。我々は7時からの公演だったのですが、その前の4時半の回が終わったところに会場到着。と、観客がドッサリ会場から出てきます。あっちゃー、こっちの回だったか。

当日券売り場には、日本人の女子が1人。いったい何者ですか? あれ、出てきたインド人からチケットもらってません? いいなあ、ラッキーだね。オレらもタダ券欲しいなあと思いつつ中にはいると、案の定、客席はスッカスカ。

でも、演奏はそれなりに熱のこもった内容です。個人的には、イスラム神秘音楽カッワーリーとの関連性があちこちに発見できて、なかなか有意義なものでした。今後の研究テーマをひとつ見つけた気分。

その後、今回もっとも当たりだった、U・シュリニーバスのCDを探しにスペンサープラザのCDショップへ。種類がたくさんあるので、ついつい5枚6枚と買ってしまいます。でも、1枚200~300円ぐらい。もう、日本でCDなんか買えません。Incredible India!