2013年11月10日日曜日

落書きだらけのブルックリンは、オシャレなエリア

1泊2日のナイアガラ・ツアーから戻って来ました。この度のニューヨーク旅行、後半はブルックリンにステイです。

宿はワイス・ホテル。かつて樽工場だった建物をリノベしてホテルにしたそうです。赤煉瓦が雰囲気ありますよね。


「HOTEL」の看板をよく見ると、ブリキのグラフィックスが巻き付けられてます。


我々が宿泊した、ヒストリック・キングルーム。


ブルックリンでは、グラフィティ(落書き)あるいはグラフィティっぽい意匠があちこちを彩っています。


トラックもこんな感じ。


マンホールかな。地下への入り口のフタもこの通り。


そして今回あちこちで目にしたのが、黒板&チョークの文化。

例えば、美味しい朝食が人気のeggというレストラン。




お店のサインは、このチョークボードのみ。閉店後にこの店に行っても、そこがeggであることはまったく分かりません。


これは、BOZUという和食屋の看板。ラーメンは午前3時までやってますよ、と。


ま、この辺は序の口なんですが、次のは凄い。DEPANNEURというカフェのメニュー。


めっちゃ緻密に書き込まれています。もちろん手書きです。拡大してみます。


これ、チョーク職人の仕事ですね。レタリング職人というべきか。

もう一軒、MAST BROTHERSという板チョコ屋さんの黒板メニュー。


こちらも手書き。レタリング職人、すごい。


お店の外看板も、看板貼り付けるんでなく、壁に直で書いてあります。


そうそう、このチョコ屋さんは、決済用にiPadに刺して使うカードリーダーを使ってました。

IT大国である以前に、カード大国であるってことなのかな。

夜は、ワイスホテルのルーフトップバーで夜景を見ながら一杯。ヒップな若者たちが集まってます。


イェー。ルーフトップから見るマンハッタンの夜景はこんな感じ。


ブルックリン、なかなかいいですよ。ハイセンスな若者の集まる街ですね。グラフィティとグラフィックスはかなりのハイレベル。

治安に関してもまったく問題ないレベル。ただし、ひとつだけ困ったのは、レストランでカード(VISA/MASTER)が使えないこと。キャッシュ or AMEXって店ばっかり。この界隈へお出かけの方は、米ドルご持参でどうぞ。

2013年11月9日土曜日

ニューヨークから、1泊2日でナイアガラの滝へ行ってみた

およそ1週間のニューヨーク滞在ですが、ずっと街にいるのもちょっと単調かなと思い、1泊2日の旅行を間に挟むことにしました。色々迷った結果、行き先はナイアガラの滝に決定。

ニューヨークから空路+陸路で片道3時間弱ってことで、いつもなら、飛行機とレンタカーでチャレンジするところですが、ナイアガラへは国境をまたぐ旅になるようで、ここは日和ってネットで見つけたツアー会社に申し込むことにしました。


飛行機で往復! ナイアガラの滝 観光ツアー<1泊2日/日本語ガイド/滝の見えるお部屋に宿泊>  



これです。料金は1人540ドルなので、意外に安いんじゃないかと。詳細は後述。

集合はJFKの第5ターミナルに朝の5時40分。前の日にブルックリンのホテルに移動していたので、空港までは30分かかりませんでした。車の運転手が、スクエアの刺さったギャラクシーを持っていて、クレジットカードで精算します。キャッシュだと40ドルなのにカードだと45ドルとちょっと高くなります。スクエアのコミッション、何%なんだろ。

待ち合わせ場所にいた日本人のオッサンに航空券をもらい、ゲートへ。このオッサンはアテンドはしない、単にチケットの運び屋でした。アルバイトなのかな。

7時01分のジェットブルー2702便でバッファロー空港へ。8時半ごろ到着すると、ツアーは日本人9人+ガイド兼運転手という総勢10人のパーティーであることが判明しました。

バンに乗って、米国とカナダの国境に横たわる滝、ナイアガラを目指します。


ここで驚愕の事実発覚。なんと、我々夫婦以外の7人は、みな日帰りなんだそうです。午後3時の飛行機でニューヨークに戻るという。Webページで見ると、日帰りは415ドル。その差125ドルなので、泊まった方がリーズナブルじゃん!と思うのですが……。

ひょっとしたら、泊まる価値などないほどショボい観光地なのか?

不安がよぎりますが、こちとら、滝の見える部屋でライトアップされた滝を見ながらのステイを楽しみにしています。腹をくくるしかないでしょう。

ガイド兼運転手のテリー鈴木さんは、車を走らせながら、バッファローは全米で15番目に犯罪の多い街だ。かつて石油産業で栄えたが、その後石油産業の中心がテキサスに移るとどんどん廃れていった。など、着いたばかりの我々に向かって萎えるトークの連続。

だんだん分かってきたことには、このテリーさんはカナダ在住44年目の方で、カナダに帰化して20年あまり経つとのことで、もう、身も心もすっかりカナダ人になっています。で、カナダ人はアメリカ人が大嫌いなので、アメリカの悪口ばかり言いたがるってことなんですね。


さて、国境。

テリーさんとカナダのイミグレ職員は顔なじみで、「お早う、テリー。今日は何人?」「たったの9人だよ」ってな感じでかなりユルい。一応、ひとりずつ係官にパスポートを提出しますが、特に質問を浴びることもなく一行はスルスルと通過。 

このナイアガラの国境は、アメリカからカナダへのドラッグ運搬ルートのひとつになっているそうで、厳しいときはとっても厳しいとのこと。

さて、日本人の斎藤さんが経営するお土産屋を経由して、ナイアガラにやってきました。

ナイアガラの滝は、アメリカ滝とカナダ滝の2つがあります。私たちが訪れた10月29日、アメリカ滝はクリアに見えていますが、カナダ滝は水しぶきが激しすぎて、あまりクリアに見えません。




滝壺を遊覧する「霧の乙女号」の運航は、10月24日で終了しています。5日違いで乗れなかったのは残念ですが、代わりにエレベーターで滝の内側(裏側というべきか)へ降りることができます。「ジャーニー・ビハインド・ザ・フォールズ」というアトラクションですね。


クイーンビクトリア公園から見ると、滝はこんな感じなんですが、水しぶきが霧状になって滝の半分近くを覆ってしまいます。対岸の滝鑑賞ポイントにもこの水しぶきが飛んでくるので、雨ガッパまたは傘持参ですね。

我々のツアーは、ジャーニー・ビハインド・ザ・フォールズに行きますので、ここで参加者にもれなく雨カッパが配られました。ラッキー。


エレベーターで降りてみた滝の裏側はこんな感じ。船には乗れないからこれでガマンしてねってことなんですが、何というか、水を浴びるアトラクションって感じでしょうか。とにかく、もの凄い水量だということは分かります。

そうこうするうちにお昼となり、滝の見えるホテルの展望レストランでランチ。


レストランからの眺めはこんな感じ。絶景々々。左がアメリカ滝、右がカナダ滝。アメリカ滝の方がクリアに見えます。カナダ滝の水しぶきは空に上って雲と一体化しています。

レストランはシェラトンホテルの13階で、このホテルは今日の我々の宿でもあります。

ランチが終わるとツアーは自由時間となり、日帰りの人たちは2時間後の15時にホテルに集合とのこと。


アメリカ滝の左側に橋がかかっていますが、この橋を渡るとアメリカ合衆国。テリーさんは、橋からの眺めは素晴らしいが、橋を渡ってもアメリカ国境まで行かずに、4分の3ぐらいで戻ってくるようにと皆に言ってます。

行くなと言われたら行きたくなるのが人情。まあ、我々はこの時点ですでにフリーになっていますので、集合時間とかはもう関係ありません。大手を振って橋を渡ることにします。もちろん徒歩です。

まずはカナダ側の国境施設で50セント払ってゲートを通過します。ここには係官はいません。お金をくずす両替機があるだけ。アメリカの硬貨でもカナダの硬貨でもいいので、クオーター(25セント)硬貨を2枚持っていくと便利です。


橋を歩いて行くと、中間地点に国境のプレートが掲げられています。



この国境を越えるとすぐに、アメリカでよく見る望遠鏡が設置されています。望遠鏡の向こうに滝。


ちなみに、カナダ側の望遠鏡はこんな形。国境を挟んで、色んなものが微妙に違います。

橋を渡るとアメリカのイミグレがあります。ここでは「どこへ行くんだ?」「何日で帰る?」とか質問されます。なので、テリーさんは途中で引き返せと言ったんでしょうね。イミグレで質問に答えられない日本人が、トラブル起こしたら面倒だから。

徒歩10分ほどで、アメリカ滝の脇にある展望台に到達。ここは凄い迫力です。ここ来なきゃダメでしょう。ツアーの人たちどうしたんだろ。


帰り道、アメリカ側から出国する際は通行料はかかりません。来た道を戻ってカナダのイミグレオフィスへ。ここの係官はユルかった。

ホテルに戻り、ランチを摂ったレストランでディナー。滝は一応ライティングされていますが、薄暗くて中途半端。ハイシーズンにはもっと明るくなるんでしょうか。

翌朝、朝焼けをあおぐ滝が一番美しかった。


朝も国境を越えてアメリカ側に行ってきましたが、展望台には中国人がわんさかいました。

朝から晩、そして翌日の朝と、まさに滝づくしの1泊2日。ここは泊まる価値アリです。日帰りなんてもったいない。

ところで、滝は素晴らしいのですが、滝を離れてちょっと歩くと、クリフトン・ヒルという繁華街があって、ここがヒドい。

滝が見られる観覧車はまだ許せますが、お化け屋敷系のアトラクションやゴテゴテしたお土産屋などがズラリと建ち並び、本当に悪趣味。しかも、我々が訪れた10月下旬は閑散期なので、極彩色のゴーストタウンという異様な状態。


ナイアガラ観光に行かれる際には、このエリアに足を踏み入れない方が賢明ですね。気分が悪くなりますよ、マジで。

最後に、アメリカ嫌いのテリーさんが披露してくれた現地のネタをいくつか。

・ナイアガラの滝は、年間1500万人の訪問者が訪れる北米最大(最大級?)の観光地。で、ナイアガラを訪れた観光客の90%がカナダ側を訪れる。

・滝観光のハイシーズンは、学校が休みになる6月から8月。道路は大渋滞し、私たちの泊まったシェラトンは、1泊600〜800ドルにもなるんだとか。

・ナイアガラ川の上流には水門が設けられていて(見学しました)、人間の手によって滝に流れ込む水量が完全にコントロールされている。そうしないと、沿岸の地形がどんどん削られていくからだ。

・かつて、カナダはナイアガラの滝を世界自然遺産に登録すべく申請したが、速攻で却下された。なぜなら、上の水門の話のようにあまりに人の手が入りすぎていて、とても自然遺産とは呼べないから。だから最近は、世界文化遺産に切り替えて再チャレンジしようとしているんだとか。富士山方式ですね。

・ナイアガラの滝近隣で、割と最近仏教系の大きな寺院が土地を取得し、鎌倉の大仏ぐらい大きな大仏を建ててしまった。役所は、土地を購入する時点では何も反対していなかったのに、大仏ができると難色を示し、大仏を丸ごと建物で覆ってしまうよう指示をした。この寺院は、ミャンマーの新興宗教教団だという。ここも車窓から見学。不気味です。

・ナイアガラにもプラネットハリウッドがありますが、その昔、シュワルツェネッガーがプラネット・ハリウッド倒産の2日後にカリフォルニア州知事選に出馬表明したので、司法省が偽装倒産の可能性を疑って調査に乗り出した。ところが、この調査はすぐにストップする。なぜなら、シュワの妻(ケネディ家。その後離婚)の兄が当時、司法省のトップだったから。

ふむふむ。

今回、ツアー料金は1人540ドルだったわけですが、ニューヨーク〜バッファローのジェットブルーが1人230ドル(KAYAK調べ)。シェラトン・ナイアガラフォールズの滝ビューのバスタブつきの部屋が162ドル。これにバンでのドライブとランチがついてますので、だいぶお買い得と言えます。問題は、帰りのジェットブルー2601便が、バッファロー空港15時32分発(JFK到着17時)なので、時間がありあまってしまうこと。

我々は、1人50ドル追加してオプショナルツアーを組んでもらいました。ナイアガラ・オンザレイクというちょっと小洒落た街で買い物するのと、地元のワイナリーでワインのテイスティングを行うというもの。



ワイナリーは立派ですが、ま、どっちでもよかったですね。できれば、もっと早い便でニューヨークに帰りたかった。さ、ブルックリンに帰ろう。

2013年11月5日火曜日

ニューヨークの一風堂に行ってみた

イダン・ライヘルのライブが終わった夜9時半、ラーメンでも食べて帰ろうということになり、ビーコン・シアターからウェストサイドの一風堂へ。

個人的に今年は、香港でも一風堂に行こうとしたのですが、結局翻意して小籠包に変えたって出来事もありました。いずれにせよ、日本のラーメン、海外で絶好調ですよね。

地下鉄に乗って50ストリート駅で降り、いざIPPUDO NYへ。


ちょっと入店待ちの列ができており、席に着くまで15分待ちとのこと。なかなか人気ありますね。

ニューヨークの一風堂は、日本の店舗とはメニューがちょっと違います。

ほとんどの人が頼んでいる人気メニューがこれ。


平田バンズという、中華まんの皮に豚の角煮がはさまったもの。9ドル。豚以外にチキンまたは野菜も選べます。奥にある細長い皿に乗った物体は、「やみつきゴマキュウリ」です。8ドル。

ラーメンは、白丸元味をオーダーしました。15ドル。レンゲがデカい。


店内は、日本の一風堂よりもちょっと高級な佇まいです。お値段もちと高級。この日は、誕生日ディナーでろうそく付きケーキを運ばれて、店中からハッピーバースデーの大合唱を浴びてるお兄さんがいました。日本の一風堂では、まず見られない光景ですね。

海外で日本のラーメンを食べるときに、困ることがひとつ。

アジアではそうでもないですが、欧米ではラーメンをすすって食べる人はまずいません。なので、日本人と言えど、音を立てて食べるのははばかられます。この店は、大きなレンゲが出てくるので、これをうまく使うことができました。日本にいるのと同じノリでズズズズーってやると、けっこう視線が集まりますよ。

ちょっと悩ましいですね。

一風堂のラーメンは美味しかったですよ。日本で食べるのとほぼ変わらない。ニューヨークの人々には赤丸の方が人気みたいです。例の平田バンズも美味しかった。ニューヨーク店に行かれる折は、是非オーダーしてみてください。

あと、店員が「イラッシャイマセー」とか「シロマルイッチョー、ハイリマスッ」とか元気に叫んでますが、アメリカ人の店員で日本語を話せる人はいないそうです。日本語で話しかけても通じませんのでご注意ください。

2013年11月4日月曜日

ニューヨークでユダヤ人の集会に行ってみた

10月27日の夜、イダン・ライヘル・プロジェクトのライブを見に、アッパーウェストサイドのビーコン・シアターに向かいました。

前回のエントリで、イダン・ライヘルのライブは、各地のユダヤ人コミュニティの集会でもあるという説を書きました。ユダヤ人、大勢いるかなあと想像しながら72ndストリート駅を出て、ビーコン・シアターへ辿り着きました。


何と、そこで目にしたのは抗議デモの人たちです。「ボイコット!イダン・ライヘル」とか「イスラエルのパレスチナ占領反対」とか書いてあるプラカードを手にしています。


そうです。イスラエルは、アラブ諸国から目茶苦茶嫌われているんです。今晩、この会場で何か起きるかも? こちとら、典型的な平和ボケの日本人。ちょっと緊張してきました。

今夜、ニューヨーク中からユダヤ人が集まるこの会場って、テロの標的としては絶好なんじゃね?

会場に入るときも、持ち物チェックが結構厳重です。

しかしよくよく考えるに、ユダヤ人を攻撃すると、その報復は倍返しどころじゃ済まされません。それは中東の歴史が物語っています。今夜ビーコン・シアターで爆弾テロが起きたら、翌日、ガザのパレスチナ自治区はイスラエル軍によって空爆されるでしょう。

そう考えると、逆にここは世界一安全な場所ってことになります。

テロのリスクを頭から追い払い、落ち着いて会場内を見回すと、やはりほとんどの客がユダヤ人のようです。ユダヤの小さい帽子(キッパ)を頭に乗せてる人がけっこういます。ヘブライ語も飛び交っています。


2800席あるビーコン・シアターは満席です。年代的には、30代から40代が中心でしょうか。70歳以上と思われるお爺さんもちらほらいます。こういうお爺さんは、例外なくキッパをかぶっています。敬虔なユダヤ教徒なんですね。しかし、こんな若者の音楽聞きにくるなんて、お爺さん、若いですね!

始まる前に、発泡酒でも買おうと売店に行くと、ほとんど客がいません。普通、ライブ会場の売店はごった返しているのに……。ユダヤ人ってあんまり酒を飲まないんですよね。

19時開始のところ、ぴったり30分遅れてライブはスタートしました。

バンドは13人編成。イダン(キーボード、ヴォーカル)の他は、ヴォーカルが3人、パーカッション&ドラムスが2人、ギター、イスラエルのギター、ベース、フルート&サックス、ブラスが3人といったところ。

ライブの雰囲気は、別の場所のライブですが、このYouTubeの動画が参考になるでしょう。1曲目がこの曲です。



動画見えない方は→こちら
http://www.youtube.com/watch?v=Tp0uePiRH6s

上の動画と当日のもっとも大きな違いは、イダンがドレッドをきれいに剃り上げて、スキンヘッドになっちゃってること。女子たちはガッカリでしょうね。


イダンは左端です。スキンヘッド、分かりますかね。写真拡大するとハッキリ見えます。

意外だったのは、イダンが曲の合間に語るトーク(英語)がけっこう面白くて、会場を大いに沸かせていたこと。

「ボクはイスラエルにいて、自分の国の音楽を作っているだけなのに、イスラエルを離れるとボクの音楽は『ワールドミュジック』になっちゃう。何なんだろうって感じ」

「頭を丸めた理由はいくつかあるんだけど、一番大きな理由は、彼女がそうしろって言ったからだよ(大歓声)。イスラエルの男は、マッチョにはなれないよ。女性の言うことには逆らえないもん(笑)」

あと、テルアビブの高名な占い師の話やら、バンドのベーシストの話など、数分間にわたって語るトークも繰り出して、会場から笑いと歓声を浴びてました。

演奏の参考動画をもう1本。



動画見えない方は→こちら
http://www.youtube.com/watch?v=A-zaKge2eIA

ライブは、新しいアルバム「Quarter to Six」からが半分、残り半分はそれ以前のアルバムからって感じで構成。徐々にクライマックスに向かっていきます。こちらはオフィシャルの動画。



動画見えない方は→こちら
http://www.youtube.com/watch?v=95anpoEb4fM

ところが、1時間45分ぐらい経って、イダンが「Goodbye, New York!」って叫んだあたと、様子がおかしくなります。演奏がグダグダに続く感じなんです。抑揚を欠いたメロディ、ヴォーカルも入らない。ダラダラと続く。「Goodbye」って言ってる割には、イダンもバンドもステージを去らない。客席はずっと手拍子。

思い出しました! オフラ・ハザの来日公演を。

バブル絶頂の1989年頃、イスラエルの歌姫オフラ・ハザの公演をエムザ有明(だったかな)で見たんです。ステージが終わろうとしているのに、バンドは演奏をやめず、オフラ・ハザ本人も何度もステージから下がっては戻りを繰り返し、また歌う……。30分ぐらいそんなグダグダの演奏が続きました。

あとで雑誌かなにかで読んだんですが、イスラエルでは、客がひとり残らず会場から立ち去るまで、バンドは演奏を続けるという習慣なんだそうです。日本でもアメリカでも、普通、演奏が終わるまで客は帰らない。だからバンドは延々と演奏し続けるという……。


バンドの演奏が、そのグダグダループに陥ったのは明白です。イダンは3回目の「Goodbye, New York!」を叫びました。しかし、バンドにもイスラエル国外での豊富な経験があるので、習慣にはしばられないんでしょう。10分ほどのグダグダのあと、アコギ1本の伴奏でイダンがステージ中央でマイクをにぎり「Yored Ha’Erev (Quarter to Sixの1曲目)」を歌い終わったところで、バンドが勢揃いして客席に深々と礼をし、ステージを去っていきました。

もしかしたら、この後も拍手に応えてバンドがステージに戻って演奏を続けたかも知れませんが、先のオフラ・ハザの件を思い出した私は、ここで会場を後にしました。満足満足。

そう言えばオフラ・ハザって2000年に亡くなったんですよね。こないだ、住んでた家が売りに出たってニュースを読みました。

ニューヨークの客は、けっこうな人数が、いくつかの曲で合唱してました。もちろんヘブライ語で。バンドにとっては、アウェイなのにホームのような、そんな不思議な感覚ですね。

次は是非ともイスラエルで見てみたい。かなりの盛り上がりになるのは間違いないと思います。

ここに載せるYouTubeの動画をいろいろ見ていて気づいたんですが、イダンは2013年の1月にもニューヨーク公演をやってます。なんというか、年に一度の定例公演みたいなもんですか。14年はシカゴとデトロイトがもう決まってます。

ユダヤ人コミュニティがサポートする全米ツアー。ワールドミュージックのアーティストとしては、断トツの動員力ですね。もちろん、その音楽が最高にクールだって前提があるわけですがね。

さて、ライブも満喫したことだし、ラーメンでも食って帰ろう。

イダン・ライヘル、全米ツアーの謎について考察してみる

今回、ニューヨーク滞在中に、ライブを2本見る予定にしていました。1つは、イスラエルのイダン・ライヘル・プロジェクトのライブで10月27日にビーコン・シアター。


イダン・ライヘルは、私的には今年知ったアーティストですが、アルバムはすべて購入し、ほとんど毎日こればかり聞いてるというハマリっぷり。その模様はここら辺で書きました

もう1つは、ニティン・ソーニーで30日のブリック(ブルックリン)。


ニティン・ソーニーは、イダン・ライヘル以前にもっともハマったアーティスト。インドから移民した両親の息子で、ロンドンがベース。ポール・マッカートニーやブライアン・イーノともコラボレーションしています。

両者ともに、ワールドミュージック業界ではかなりの名声をもつアーティストで、この2本のライブが同じ週に同じ都市で見られるってのはかなり運がいい。「ニューヨーク・ワールドミュージック・ウィーク」と勝手に名付けて大いに楽しみにしておりました。もちろん、チケットもTicketmasterで購入済み。

ところが、渡航前にニティン・ソーニーのライブがキャンセルになってしまいました。キャンセルの原因ははっきりアナウンスされません。残念ですが、ニティンのライブは、ロンドンやシンガポールで何度も鑑賞しているので、まあよしとしましょう。

ニティンのUSツアーは、ニューヨークを皮切りに、ボストン、LA、サンフランシスコの4都市で行われる予定でした。一方のイダン・ライヘルのUSツアーは、それよりはるかに大規模です。

10月9日のタスカン(アリゾナ)ですでにスタートしており、LA、サンフランシスコ、リノ、デンバー、マイアミ、アトランタ、ワシントンDC、ヴァージニア・ビーチ、フィラデルフィア、ポート・ワシントン、ストーズ(コネティカット)、ニューヨーク、ベツレヘム(ペンシルバニア)、アムハースト(マサチューセッツ)、ポツダム(ニューヨーク)……なんと全米16都市を縦断するという大ツアー。最後のポツダムが10月30日ですから、まるまる3週間にわたる全米行脚の旅。

そんなにたくさんの会場でやって大丈夫なの? ちゃんと集客できんの?

英語の歌が1つもない、ワールドミュージックのアーティストが、全米16都市をツアーするという事実が、にわかには信じられません。ニューヨークとかロサンゼルスのような、文化度の高い都市についてはまあ分かります。しかし、リノとかマイアミとか、およそワールドミュージックとは縁のなさそうな、ネオンギラギラの都市まで日程に入っている。

いったい、どういうことなんでしょう。

そんな疑問に対するヒントがYouTubeにありました。イダン・ライヘルの出世作ともいえる「Bo'ee」という曲のライブ演奏です。素人さんがホームビデオで撮ったもの。


動画のタイトルを見てビックリ。
Bo'ee (Come With Me) malibu california 10-16-2011

動画が見えない方はこちら
http://www.youtube.com/watch?v=yEZ8toTXY04

なんと、場所はマリブです。マリブと言えば、ロサンゼルス近郊の大金持ちがたくさん住む高級住宅街ですよ。そんなマリブの、しかも屋外の仮設ステージでイダンが演奏しています。2年前のフッテージです。

曲の途中でイダンが客席をうながすと、客たちがヘブライ語で歌のサビを合唱するではありませんか。

推察するに、これはマリブのユダヤ人コミュニティが主催するイベントで、そこにイダンが招かれて演奏しているということでしょう。

日本人で例えるならば、サザンオールスターズがロサンゼルスのリトルトーキョーの駐車場で行われたニッポンフェアーで30分ほど演奏するために招かれた、みたいな感覚でしょうか。

それにしても、こんなショボいステージでやるために、わざわざイスラエルから出かけて行くんでしょうか。

行くんです。イダンは母国同様、北米のユダヤ人たちの間で人気者になってるんじゃないかと推測できます。マリブだったら、ギャラも相当高いだろうし、ショウビズ界の有名人も多数住んでるだろうし。大事な営業ですよね。


見えない方はこちら
http://www.youtube.com/watch?v=Ckak7u2caDE

日本の商店街によくある、イベントに取ってつけたようなステージじゃなく、お客さんに歓迎されている様子がよく分かります。集まったお客も、何だか裕福そうに見えますよ。

どうやら、イダン・ライヘル・プロジェクトの公演は、各地におけるユダヤ人コミュニティが集客のベースになっているのは間違いないでしょう。動員について、地元のユダヤ人脈が請け合ってくれることは明白。だから、全米各地で興行が成立するわけだな。

つまり、私が見に行くのは、ニューヨークのユダヤ人の集会ってことのようです。なんだか面白くなってきた。

ということで、会場のビーコン・シアターに行ってみましょう(続く)。

2013年11月3日日曜日

ニューヨーク行ったら、アップルストアに行ってみよう

ニューヨークには5つのアップルストアがありますが、今回はそのうち3店舗を訪れました。まずは、ホテルから徒歩圏内にあるソーホー店。



アップルストアにしては、比較的控えめな佇まい。平日は朝9時から営業しています。ニューヨークのアップルストアは朝が早いんです。

世界中のアップルストアには無料のWiFiがビンビンに飛んでますので、SIMロックされてる端末をお持ちの方でも、アップルストアに行けばメールチェックやFacebookのチェックが可能です。端末のWiFi設定から「Applestore」を選ぶだけで、パスワードも何も必要ありません。

続いては、グランドセントラルのアップルストア。今回、初めて訪れましたが、ここのアップルストアはかなりユニーク。


有名なグランド・セントラル駅のグランドレベルから見上げると、イースト側のバルコニー全体がアップルストアになってます。


こちらは、アップルストアに上り、反対側のバルコニーを撮った写真。実にグランドです。

開放感あふれるスペースと快適な無料WiFiで、何時間でも過ごせそうですね。平日は、朝7時から開いてます。

最後に、有名なフィフスアベニュー(5番街)のアップルストア。


地面に置かれたガラスのキューブは、ルーブル美術館のピラミッドを思い出させます。階段で地下に下りると、広大な店舗が広がっています。

今回、調べ物をしていて気づいたことには、このフィフスアベニューのアップルストア、2011年にリニューアルされてました。

どうリニューアルされたかというと、ガラスの枚数が90枚から15枚になったんだとか。

ホンマかいなってことで、2007年にここに行った時の写真をほじくり出してみます。


確かに、ガラスの枚数が全然違いますね。今の方がガラスの継ぎ目が全然少ない。なーるほど。

このお店は24時間営業です。しかも365日。すげえ。

この他、ニューヨークのアップルストアは、アッパーウェストサイド店と、ウェスト14ストリート店があります。

私にとっては、各地のアップルストアを訪れるのは「巡礼」みたいなものですが、フィフスアベニューとグランドセントラルのアップルストアは立派な観光名所なので、アップル信者じゃない方も是非訪れてみることをオススメいたします。 

2013年10月30日水曜日

ニューヨークでバンクシー・ハンティング

今回のニューヨーク旅行は、ライブを2本見ることと、ブルックリンをぶらぶらするのが主要な目的だったのですが、出発前に思いがけない獲物が飛び込んできました。


バンクシーです。バンクシーはイギリスのブリストル出身。正体不明・年齢不詳・神出鬼没のストリート・アーティストです。

そのバンクシーが、10月1日から、突然ニューヨークでゲリラ的な展示をスタートさせたのです。10月いっぱい、毎日1点、ニューヨーク各地の路上に作品を残し、自分のWebで公表するというリアルタイム・インスタレーション。

「作品」は毎日午前中に専用のWebサイトで発表されます。当日の新作は、作品の写真と大まかな場所(Hells KitchenとかBrooklynなど)しか明らかにされません。新作がWebに上がると、バンクシーの熱狂的ファンやアート好きのニューヨーカーたちが、「場所を特定」→「写真つきで場所をツイート」→「他のフォロワーが現地に殺到」というサイクルで拡散していきます。これが毎日行われるのです。一種の宝探しですね。

私たちがニューヨークに着いたのは10月25日ですから、それまで25点の作品が発表されています。最北がサウス・ブロンクス、最南がスタテン島。私たちのホテルはソーホーなので、そこを拠点に、翌26日の朝からそれほど遠くないエリアの作品を探しに行くことにしました。ニューヨークに着いて早々に、バンクシー・ハンティングに突入です。



アッパー・ウェストサイドでまず1点。こちらは#20(10月20日の作品)で、靴屋の外壁に描かれています。

作品は透明のアクリル板で覆われており(靴屋のオーナーが保護のために設置したとか)、かなりコンディションはグッド。幸先いい感じです。

しかし、2点目で早くも衝撃が。

ヘルズ・キッチンのハスラークラブのシャッターに、この絵が描かれているはずでした。

しかし現地に着いてみると、作品の描かれたシャッターは外されており、職人が新しいシャッターを取り付けている真っ最中。


おそらくは、お店のオーナーがコレクションにしてしまったんでしょうね。コンディションの良いうちに撤去してしまえと。

これが#24ですから、私たちがハンティングを始めた前々日の作品なんです。つまり、描かれてから3日ともたなかった。この日は土曜日で、現地にはこれ目当てで来た人々が7〜8人いて、皆がっかりして帰っていきます。

凄いイベントですよね。

基本的に、作品は「路上の落書き」が中心なので、上からさらに落書きされて作品が原形を失ってしまったり、作品ごと塗りつぶされてしまうこともある。この#24は、作品ごと取り外されてしまいました。「早く見に行かないと、見られなくなってしまう」という焦燥感に駆られて、ファンが東へ西へ、南へ北へとニューヨーク中を駆け回るという寸法。 

調べてみると、こんな便利なまとめマップも出来上がっており、大変役にたちそうです。

気を取り直してハンティング再開。ミッドタウンで#3をキャッチ。作品(=落書き)の上に落書きされちゃってますが、しっかり原形をとどめています。



次のターゲットは#26。下記の写真は公式に載ってたもの。ブルックリンのサンセットパークというやや遠い所にあります。トラックの荷台コンテナの後部ゲートに描かれた、26日の作品。


翌27日に地下鉄に乗って1時間かけて探しに行ってみると、すでにトラックは走り去っており、こんなメッセージが残されてました。ガックシ。


こんなことがあると、悔しいからリベンジしてやろうって気分になるんですよね。

で、次に向かうのは#27。さっきのトラックを見損ねたその足で、当日アップの新作を探しに行きます。翌日までもたない可能性もありますからねえ。


はい、無事でした。100%の状態。これもブルックリン。作品のアップ当日だけあって、ギャラリーもこんなにたくさん。みんなで写真撮りまくり。


結局、26日と27日の2日間で12地点を訪れ、7勝5敗という結果。面白いんだけど、移動が大変でとても疲れます。あと、辿り着いたけれど作品がすでに消滅していた時の徒労感ったらね。

今回、非常に役立ったツールを2つご紹介。

1つは、フォースクエアというアプリ。まあ、これはご存知の方も多いと思いますが、場所にチェックインできるサービスです。



ご覧のように、「banksy」で検索してみると、今回のバンクシーのインスタレーションの場所が位置情報とともにまとめて出てきます。作品探しが超絶便利。作品のコンディションに関するTipsもたくさん投稿されていてとっても役に立ちました。

そして、ニューヨーク・シティバイク。


パリやロンドン同様、公共の交通機関としてニューヨーク市が導入した自転車です。車体、システムともに、ロンドンのものとほぼ共通ですね。

今回のバンクシーの作品は、観光客が普段行かない、こんなことでもなきゃ絶対訪れないような場所にあるので、地下鉄やバスの移動だけだとかなりキツくて、たくさん歩かされる羽目になります。

そこを解決するのが、この自転車です。9.95ドル払えば、24時間乗り放題。ただし、30分以内にドック・トゥ・ドックという条件で使います。


こんなアプリと組み合わせて使えば、かなり効率よく移動することができます。

今回のバンクシーの一連の作品が、いつまで残っているかは神のみぞ知るですが、これからバンクシー・ハンティングにチャレンジする方は、この自転車をうまく使って移動するのがオススメです。ただし、もちろん交通事故のリスクは少なからずありますので、自己責任ということで。

自動車が一方通行のところは自転車も一方通行。また、歩道を走ると検挙されることもありますので十分ご注意の上。

今回のバンクシーのインスタレーション、「BETTER OUT THAN IN」のWebサイトはこちらです。