2018年の年末。12月22日からミャンマーに滞在していますが、ここまですでに3泊。4泊目はバガンのホテル・アット・タラバーゲートに宿泊します。
平屋のヴィラタイプの部屋はなかなかシャレオツで、リゾート気分満点。
夜になると、通路の両サイドに吊られた照明が点灯し、ロマンチックな雰囲気を醸し出しています。
しかしその夜は、ロマンチックどころか、悪夢としか言いようのない出来事が私たちを待っていたのです。
日没後にチェックインし、プールサイドの屋外レストランで夕食を堪能した我々が部屋に帰ると、ドアの下にこんな紙切れが挿入されていました。
親愛なるゲストへ 2018年12月25日/26日
地元の寺院のお祭があるため、一晩中、音楽や歌が聞こえてくるでしょう。当ホテルとしても、この伝統的なお祭を尊重しなくてはならず、音楽や歌を止めることはできません。必要な方には耳栓を用意しますので遠慮なくどうぞ。
プールサイドのレストランにいるときから、「音楽がちょっとうるさいね。お経なのかね」って話はしてたんです。てっきり、ホテルの敷地内で流れている音楽だと思ってた。
「クリスマスだからかな? いや、仏教にクリスマスは関係ないしな」なんて話しながら部屋に戻りました。
しかし、部屋に戻っても部屋の外から窓ガラス越し聞こえてくる。お経みたいなワールドミュージックみたいな調べが。けっこうなボリュームで。
「マジか……。これが一晩中続くのか……」
まあそれでも、旅の疲れとワインのおかげで、その夜はなんとか眠れました。お祭は夜通しって書いてありましたが、音楽が中断する時間が何回かあって、運良くその時間帯にノンレム睡眠にたどり着けたということですね。
翌朝……。
4時に目が覚めました。ええ。お経風ワールドミュージックの大合唱に起こされた。4時はもちろん、まだ日の出前です。
まあでも、「5時間ぐらい寝たからよしとするか」って感じで、当日は朝から夕方まで元気にバガン観光をこなしました。紙切れには「12月25/26日」って書いてあったから、今晩は静かに眠れるよねって話しながら、部屋に戻った次第。
ところが、ところが……。
夕方ホテルの部屋に戻ってみると、新たな紙切れがドアの下に挿入されているではありませんか!
12月26/27/28/29/30日 ←毎日じゃん!
近所の修道寺院が、寄進者に感謝するためのお祭を行います。地元の音楽とお経が朗読されます。地元の古くからの習慣を当ホテルは妨害することはできません。ご理解をお願いします。
オーノー!
ワールドミュージック風のお経は、夜通し詠唱されました。
不幸中の幸いというか、次の日の朝はホテル近所のお寺の境内に上って、日の出の朝日を浴びながら上る熱気球を撮影しに行こうと思っていたので、まあ早起きできて良かったんです。結果オーライ。が、それにしても、朝きっかり4時から詠唱が始まるんですよ。
朝5時ぐらいに日の出ポイントに行ってみると、そこは、まさにワールドミュージックの詠唱が行われている寺院でした。
檀家さん(?)が集まって、熱心に礼拝しています。
スピーカーからワールドミュージックお経が鳴り響いています。
こりゃたまらん。
日の出をバックに上る気球は、なかなか素敵だった。
しかし、この大音声はなんとかして欲しい。
ホテルに帰ってからググってみると、何年か前に「頭にきたオランダ人が、寺に押しかけてスピーカーの電源をブッコ抜いて、地元警察に拘留された」という記事が出てきました。
気持ちは分かる。しかし、電源ブッコ抜いたらアカン。このオランダ人は地元の敬虔な住民の怒りを買って、問答無用で警察に突き出されたということです。
後で我らがガイドのソウさんに聞いてみると、このエリア(タラバーゲートの中)は、毎年この年末の時期に、この夜通しの祭典を行うんだそうです。
我々は、このホテルに3泊します。そして、すでに2泊をクリアしました。
あと1泊をクリアすれば、このワールドミュージックお経地獄から脱出できます。
今日は、夜の安眠のためにできるだけ肉体と脳を疲労させるしかない。何かいい方法はないか?
そうだ、アレにチャレンジしよう。
……以下次号。
<本エントリにおける最重要申し送り事項>
年末にバガンに宿泊する方は、タラバーゲートの近くにあるホテルは避けた方がいいです。ワールドミュージックお経に一晩中悩まされることになりますので。このエリアには、我々の泊まったホテル・アット・タラバーゲート含め、5軒ほどホテルがあるそうなので、しっかり確認してください。
<追記>
ググってみると、旅行記やニュースなどで、バガン以外の、また年末以外の、同様の事例が多数紹介されています。ミャンマーへお出かけの皆さまの幸運を祈ります。
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