たった4日間ではあったが、まったく慌ただしいことのなかった4日間。過去の旅の中でも、今回のブータン旅行はなかなか重要で貴重だったと断言できます。
ブータンに興味を持った方のために、また、自分が再訪する時のために、今回の旅を軽く総括しておくことにします。
【人々】
まず、ブータンは人間がすれてない。敬虔な仏教徒だからなんでしょう。町ですれ違う人々は皆優しい顔で、旅行者がカメラを向けても警戒されることはありません。恥ずかしがる人は時々います。下の女性たちも、カメラを見たら下向いちゃいました。
我々のガイドとドライバーも、とても親切でした。ただし、必要以上に気を使わないところがあり、ツアー慣れしている人は物足りないと思うかも。
商店に入っても(お土産物屋なども非常に少ない)、店員はしつこくないし、物乞いもいない。日本人にはありがたいことこの上なし。
いずれにせよ、人がいいということは治安がいいということで、旅の間中、身の危険を感じることは殆どありませんでした。むしろ怖いのは犬でしょうか。野犬の数は凄まじいし、狂犬病のリスクもあるようです。
【見所・環境】
ブータンは観光地に乏しく、見所はそれほど多くありません。ただ、町の様子や一般の人々の生活を見てるだけで十分楽しいですね。例えば、学校の見学なんて他の国ではなかなかできないと思いますが、ブータンでは学校は貴重な観光地だったり。そして、毎日午後4時にはスケジュールが終わるので、かなり余裕のある日程を過ごすことができました。
ホテルは、今回そこそこのグレードのところを指定したため、設備や部屋など概ね満足がいくものでした(写真はティンプーのタージ・タシ・ホテル)。ただ、難点はネットが今イチ繋がりにくい点、そして食事のメニューにバリエーションが少ない点。
4日とも標高2000メートル以上の場所にいましたが、空気は薄いと感じるものの、体調をくずすほどではありません。以前、チベットに行った時は、ラサ(標高3700メートル)の空港に着いた瞬間から高山病が始まって、かなり辛い思いをしましたが、ブータンではそんな心配はありません。
【食事】
食事は単調、ただし日本人には食べやすい。赤米と野菜炒め、そしてモモ(餃子)などは日本人の口にも合うのであまり心配はいりません。問題は、連日同じようなメニューが続くこと。ホテルの夕食では、インド料理(カレーです)がセカンドチョイスです。
ちなみに、食事代は全食分が旅行代に含まれていて、アルコール代のみ追加で現地精算します。ビールが1本200〜300円、ワインが4000円から。いいホテルだと、ワインがちと高い。
高地で乾燥しているので、衛生状態もまずまずなんですが、何がすごいかって、道に落ちているフンがすごい(馬とか牛とかの)。フンにはハエがたかっていて、ハエは人間にもまとわりつくので、これがちょっといやでしたね。ハエの怖さを久々に感じました。ちなみにブータンの人々は殺生をしないので、ハエも蚊も殺しません。
【貨幣】
ブータンの通貨はニュルタムといいますが、今回は旅の間、結局一度も両替はしませんでした。米ドルとインドルピーを持っていったのが正解でした。インドのお金はそのまま使えるし、米ドルもかなりの確率で使えます。ATMのマシーンも時々見かけましたが、ガイドによれば、国外のキャッシュカードは使えないとのことです。
それから、クレジットカードもあまり使えません。ホテルの精算の時だけ使いましたが、カードはオンライン端末で決済できないため、一度インドの口座に郵送し、それから手続きするから少し遅れるとのこと。それはまあ分かるんですが、実際にカードを切る時に、ホテルの係員がカードの上に薄い紙を乗っけて、鉛筆でゴシゴシこすってカード番号を浮き出さしていたのには驚きました。カードが複製されてインドあたりで不正使用されないか、ちょっと心配ですね。
以上、思いつくままに綴ってみました。ブータンは、空気がきれいで、自然も豊かで、文明もあまり発達しておらず、東京みたいな都会から行くと色んな衝撃を受けられます。「世の中にこんな場所が残っていたのか」みたいなね。ところが、そんな秘境みたいなところで、民族衣装着てる人々が流ちょうに英語を話すから、さらに面白いんですわ。
2010年9月5日日曜日
2010年8月29日日曜日
ブータン旅行 3日目 弓と男根
今日はテインプーから、空港のあるパロに戻ります。現在、ブータンの空港はパロにしかなく、つまり国際線しか飛んでいませんが、近い将来2つの空港が国の中央と東にできて、国内線も就航する見通しだとか。
そして、現在ブータンに入国する観光客に課せられている、1日200ドルのミニマム・ギャランティは、来年には250ドルに値上げされるそうです。
ちなみに、ブータンでもっとも売上高の多い産業は、1番が水力発電、2番目が観光、3番目が農業なんだとか。いろいろと制約が多いブータン観光ですが、国家にとっては外貨獲得の重要な資源なんですね。
パロに着いて、古いゾンの遺跡を見たり、パワースポットと言われる寺院を見ているうちに昼食。昨日、一昨日とは似て非なる内容のメニューで、ガイドも気を使っているようです。
昼食の後は、町のいたるところにある弓の射的場にやってきました。ブータンでは、男子は子どもから老人まで皆、弓をたしなむそうです。
的はこんなに遠くにあります。140メートル先。しばらく見ていましたが、なかなか当たりません。見ている間に一度だけ当たった時には、弓のチーム仲間が、歌と踊りで祝福していました。惜しかった時や、かなり遠くに外れた時にも、お囃子みたいな声がかかります。
ギャラリーのお爺さん3人組が「写真を撮れ」というので撮ってあげたりして、のんびりと午後を過ごしました。
そうそう、昨日から今日にかけて気がついたこと。ブータンの建物には、男根を模した木像がぶら下がっていたり、男根の絵が描かれていることがよくあります。
これは、まぎれもなく男根信仰ですね。子孫繁栄の他に、魔除けの意味があるようです。町の土産物屋などでも、大小さまざまな男根の木彫りにお目にかかれます。
男はみんな弓を撃ち、家には男根をぶら下げる。何だか凄い国ですよ、ブータンは。
そして、現在ブータンに入国する観光客に課せられている、1日200ドルのミニマム・ギャランティは、来年には250ドルに値上げされるそうです。
ちなみに、ブータンでもっとも売上高の多い産業は、1番が水力発電、2番目が観光、3番目が農業なんだとか。いろいろと制約が多いブータン観光ですが、国家にとっては外貨獲得の重要な資源なんですね。
パロに着いて、古いゾンの遺跡を見たり、パワースポットと言われる寺院を見ているうちに昼食。昨日、一昨日とは似て非なる内容のメニューで、ガイドも気を使っているようです。
昼食の後は、町のいたるところにある弓の射的場にやってきました。ブータンでは、男子は子どもから老人まで皆、弓をたしなむそうです。
的はこんなに遠くにあります。140メートル先。しばらく見ていましたが、なかなか当たりません。見ている間に一度だけ当たった時には、弓のチーム仲間が、歌と踊りで祝福していました。惜しかった時や、かなり遠くに外れた時にも、お囃子みたいな声がかかります。
ギャラリーのお爺さん3人組が「写真を撮れ」というので撮ってあげたりして、のんびりと午後を過ごしました。
そうそう、昨日から今日にかけて気がついたこと。ブータンの建物には、男根を模した木像がぶら下がっていたり、男根の絵が描かれていることがよくあります。
これは、まぎれもなく男根信仰ですね。子孫繁栄の他に、魔除けの意味があるようです。町の土産物屋などでも、大小さまざまな男根の木彫りにお目にかかれます。
男はみんな弓を撃ち、家には男根をぶら下げる。何だか凄い国ですよ、ブータンは。
ブータン旅行 2日目 映画館に行ってみた
2日目は、終日ティンプー市内観光です。朝から寺院を見たり、ゾンを訪れたりしますが、面白かったのは国営のクラフトスクールです。彫刻や絵画やテキスタイルなどのコースがあって、学生たちは国の助成の下、技術の習得にいそしみます。
こちらが彫刻の部屋。作品は、学校の近所のお店で販売もしているそうです。
さて、昼食の後は、山の頂にある巨大仏像を見に行きます。目下建造中のこの仏像、当地の高名な僧侶の弟が、海外からの寄進を集めて建造中とのこと。高さ50メートルの偉容で山の上から市民を見守ることになります。富津にある東京湾観音を思い出します。完成は、2015年とのこと。
続いて、映画館に連れてけという我々のリクエストに応えてもらい、ティンプーの町に2軒あるという映画館のうちの1つに。
1スクリーンしかない、恐ろしく古い映画館です。学校の体育館に、木造の椅子を固定したようなたたずまい。上映するのはブータンのオリジナル映画。さぞかし寂れているんだろうと思いきや、これが正反対で、映画は近年とても盛況な産業なんだそうです。
「ここよりも新しくて設備のいい映画館があるよ」というガイド君の誘いに乗って、郊外にあるもう一軒の映画館に行くことになりました。
確かにこちらの方がはるかに新しい。でも、1スクリーンしかない、町の文化センターみたいな殺風景な映画館です。上映している映画は「スリーピング・ビューティ」って、おいおい「眠れる森の美女」のことですかい? 本編上映中にも関わらず、ちょろっと中に入れてもらって数分鑑賞しましたが、ブータンの農村部の若者たちが惚れた腫れたで大騒ぎするドラマのようで、どうやらディズニーとは無関係の模様(確証はありません)。しかも、場内はかなりの観客が入っている模様で、あちこちから笑い声やため息が聞こえてきます。
映画館を出た後に、たまたまブータンで有名な映画監督が映画館に来ているとのことで、ちょっと話を聞くことができました。福岡に1年ほどいたことがあるという監督は、今、ブータンは空前の映画ブームが起きていて、首都ティンプーでも市民の30%から40%が映画を見にきてくれる。この5年で25本の映画を作ったけど、今年はタイでロケした映画も公開するし、来月からはロンドンでロケする映画を撮る。でも、ブータンではまだ映画が産業として認知されていないので、国が補助してくれないし、規制も多くて色々大変なんだと。「何でここにいるの?」と聞くと、何と彼は本日上映中の映画の監督その人でした。観客の反応を見るために上映中の映画館をチェックしてたのこと。ブータンでは凄い有名人なんだそうです。
「ブータンは、こんなティンプーみたいな都会より中部の田舎の方が全然いいよ」と旅のアドバイスをくれて、監督氏は去っていきました。
ブータンの映画、今度見てみようかしら。そういえば、ちょっと前に、ブータンの若い僧侶がワールドカップをTV観戦するために苦労する、「ザ・カップ」という映画がありましたねえ。
こちらが彫刻の部屋。作品は、学校の近所のお店で販売もしているそうです。
さて、昼食の後は、山の頂にある巨大仏像を見に行きます。目下建造中のこの仏像、当地の高名な僧侶の弟が、海外からの寄進を集めて建造中とのこと。高さ50メートルの偉容で山の上から市民を見守ることになります。富津にある東京湾観音を思い出します。完成は、2015年とのこと。
続いて、映画館に連れてけという我々のリクエストに応えてもらい、ティンプーの町に2軒あるという映画館のうちの1つに。
1スクリーンしかない、恐ろしく古い映画館です。学校の体育館に、木造の椅子を固定したようなたたずまい。上映するのはブータンのオリジナル映画。さぞかし寂れているんだろうと思いきや、これが正反対で、映画は近年とても盛況な産業なんだそうです。
「ここよりも新しくて設備のいい映画館があるよ」というガイド君の誘いに乗って、郊外にあるもう一軒の映画館に行くことになりました。
確かにこちらの方がはるかに新しい。でも、1スクリーンしかない、町の文化センターみたいな殺風景な映画館です。上映している映画は「スリーピング・ビューティ」って、おいおい「眠れる森の美女」のことですかい? 本編上映中にも関わらず、ちょろっと中に入れてもらって数分鑑賞しましたが、ブータンの農村部の若者たちが惚れた腫れたで大騒ぎするドラマのようで、どうやらディズニーとは無関係の模様(確証はありません)。しかも、場内はかなりの観客が入っている模様で、あちこちから笑い声やため息が聞こえてきます。
映画館を出た後に、たまたまブータンで有名な映画監督が映画館に来ているとのことで、ちょっと話を聞くことができました。福岡に1年ほどいたことがあるという監督は、今、ブータンは空前の映画ブームが起きていて、首都ティンプーでも市民の30%から40%が映画を見にきてくれる。この5年で25本の映画を作ったけど、今年はタイでロケした映画も公開するし、来月からはロンドンでロケする映画を撮る。でも、ブータンではまだ映画が産業として認知されていないので、国が補助してくれないし、規制も多くて色々大変なんだと。「何でここにいるの?」と聞くと、何と彼は本日上映中の映画の監督その人でした。観客の反応を見るために上映中の映画館をチェックしてたのこと。ブータンでは凄い有名人なんだそうです。
「ブータンは、こんなティンプーみたいな都会より中部の田舎の方が全然いいよ」と旅のアドバイスをくれて、監督氏は去っていきました。
ブータンの映画、今度見てみようかしら。そういえば、ちょっと前に、ブータンの若い僧侶がワールドカップをTV観戦するために苦労する、「ザ・カップ」という映画がありましたねえ。
2010年8月28日土曜日
ブータン旅行 1日目 ブータンでSIMフリー
パロ空港にてガイドのカルマ君とドライバーと合流、4泊5日のブータン旅行の始まりです。初日は、パロ市内の博物館やタ・ゾン(要塞兼僧院)を見物し、首都のティンプーへ1時間半ほどのドライブ。そのままティンプーに泊まります。
実は我々、日本の旅行代理店に「ブータンに着いたら、まずは携帯電話屋に連れて行って欲しい。SIMフリーのiPhoneを持っているから」とリクエストをしてありました。ガイドに確認すると、パロには大きな携帯ショップがないから、ティンプーに着いてから行こうとの返事。しばしのおあずけです。
次の写真は、高台にある博物館からパロの町を見下ろしたところ。はっきり言って、ド田舎ですよ。今風に言えば、スローなカントリーサイドとでも言いましょうか。
タ・ゾンはなかなか威風堂々とした建物です。上の方に見える円形の建物が、国立博物館。ブータンの歴史について、詳しく見学できます。ガイドによると、ブータンは1958年まで、完全に孤立していて、国家の存在さえ知られていなかったんだとか。
タ・ゾンには、若い僧侶が暮らしていますが、かなりゆるい雰囲気。カメラを向けると、目線と笑顔が気軽に返ってきます。この場所に限らず、町のそこここにいい感じの仏教的世界があります。
今日の昼食は、典型的なブータン料理が用意されました。右側手前が、唐辛子とチーズをあえたエマ・ダツィ。激辛ですが、それでも旅行者向けにマイルドになっている感じがします。手前の赤いのは干し肉の唐揚げです。ブータン料理、写真をみても、あまり美味しそうに見えませんよね。でも、日本人なら普通に食べられます。
ビールも飲んだし、寝不足も手伝って、ティンプーまでの道中は爆睡。空気が薄いのにも、だんだん慣れてきましたよ。
さて、ティンプーに到着しました。いよいよiPhone開通の儀です。ブータンでは、Bhutan TelecomとTashiCellという2つのキャリアがあります。 ガイドに聞いたところ、どちらも品質は変わらないような話。Bhutan Telecomのサービス名はB-Mobileというそうで、日本におけるご贔屓キャリアにあやかって、B-MobileのプリペイドSIMを買いに行きました。
実は我々、日本の旅行代理店に「ブータンに着いたら、まずは携帯電話屋に連れて行って欲しい。SIMフリーのiPhoneを持っているから」とリクエストをしてありました。ガイドに確認すると、パロには大きな携帯ショップがないから、ティンプーに着いてから行こうとの返事。しばしのおあずけです。
次の写真は、高台にある博物館からパロの町を見下ろしたところ。はっきり言って、ド田舎ですよ。今風に言えば、スローなカントリーサイドとでも言いましょうか。
タ・ゾンはなかなか威風堂々とした建物です。上の方に見える円形の建物が、国立博物館。ブータンの歴史について、詳しく見学できます。ガイドによると、ブータンは1958年まで、完全に孤立していて、国家の存在さえ知られていなかったんだとか。
タ・ゾンには、若い僧侶が暮らしていますが、かなりゆるい雰囲気。カメラを向けると、目線と笑顔が気軽に返ってきます。この場所に限らず、町のそこここにいい感じの仏教的世界があります。
今日の昼食は、典型的なブータン料理が用意されました。右側手前が、唐辛子とチーズをあえたエマ・ダツィ。激辛ですが、それでも旅行者向けにマイルドになっている感じがします。手前の赤いのは干し肉の唐揚げです。ブータン料理、写真をみても、あまり美味しそうに見えませんよね。でも、日本人なら普通に食べられます。
ビールも飲んだし、寝不足も手伝って、ティンプーまでの道中は爆睡。空気が薄いのにも、だんだん慣れてきましたよ。
さて、ティンプーに到着しました。いよいよiPhone開通の儀です。ブータンでは、Bhutan TelecomとTashiCellという2つのキャリアがあります。 ガイドに聞いたところ、どちらも品質は変わらないような話。Bhutan Telecomのサービス名はB-Mobileというそうで、日本におけるご贔屓キャリアにあやかって、B-MobileのプリペイドSIMを買いに行きました。
SIM購入にはパスポートのコピーが必要です。コンビニなどないブータンでは、コピー屋さんがどこにあるか分からないので、一連の手続きはガイド君にやってもらいます(ブータン旅行には必ずガイドが伴いますからね)。契約そのものは、それほど難しくないのですが、データ通信を開通させるところに軽くハードルがあります。今回の B-mobileのSIMも、APNの設定(internetと入力)とトップアップの作業でやや手こずった次第。
iPhoneは無事に開通し、パケットも繋がりました。繋がってはいますが、速度は非常に遅い。まあ、致し方無しです。
2010年8月26日木曜日
日本脱出。行き先はアジアの涼しい国
成田空港にいます。今日から休暇で旅にでます。東京は暑いので、涼しい所。山梨ではありませんよ。
ブータンです。しかし、iPhoneの天気アプリで現地の気候を見ると、現在の気温が4度で、当日の最高気温が25度、最低気温が19度。よく意味が分かりません。涼しいどころか、寒いのではないかという予感も。
ちなみに、ブータンには直行便はなく、バンコク経由です。バンコクの気温はこうなってます。
まあ、許容範囲でしょう。そして東京は……。
今日も厳しい暑さです。日本に帰って来る頃には、少し涼しくなっていることを願い、出発です。
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