2018年5月31日木曜日

カンヌ沖合に浮かぶ、修道院とワインの島に行ってみた

サントロペの素敵な休日が終了し、カンヌ映画祭にやってきました。今年のカンヌ映画祭は、是枝裕和監督の「万引き家族」がパルムドールを獲るなど日本勢は非常に盛り上がったのですが、私はといえば今年はあんまり映画を見ずに、おもにパレのB1会場でやってるカンファレンスに参加していました。カンヌまで行ってそんなことしている日本人は相当珍しいのですが、それはそれで非常に有意義だったことを記しておきましょう。


さて、カンヌの沖合にはレランス諸島という島々があって、そのうちの2つの島には定期船が出ています。大きい方の島がサントマルグリット島で、小さい方がサントノラ島。今回は、小さい方のサントノラ島へ行ってみることにします。


カンヌの港で、チケット売り場を探します。右側がサントマルグリット行きで、サントノラ行きのブースは左側。チケット代は、往復で1人16.5ユーロ。


カンヌ港に船がやってきました。50人乗りぐらいでしょうか。船は定刻から5分遅れで出航。


青い空の下、目的地のサントノラ島が見えてきました。起伏に乏しい、とてもフラットな地形です。カンヌからは、およそ30分ぐらいでサントノラに到着します。


全長1.5キロ、幅が0.5キロというこぢんまりした島です。港から、こんな小径を10分も歩いていたら、反対の海岸に出てしまいました。


途中、ワイン畑が広がっています。とっても素朴なワイン畑。


修道士の皆さんが、ここでブドウを育てています。


これが修道院です。ヤシの木に囲まれた建物でワインを作る生活と聞くと、享楽的な修道生活を想像してしまいますけど、そんなことないよね。


ワインは1本25ユーロぐらいから。ハーブのリキュールなんかも売ってます。


修道院を過ぎて、さらに岬の方に歩いていくと、要塞の遺跡がありました。


要塞の階段を上って、てっぺんまでいくと、さっきの修道院の全貌を眺めることができます。修道院、意外に規模が大きい。

さらに歩いて港に戻ります。港の向こうには、レストランやお土産屋もあって、人々で賑わっています。

ぴったり1時間滞在し、カンヌに戻る船に乗りました。


その後カンヌで用事があったので、今回はあんまり長く滞在できませんでしたが、次回はレストランにランチを食べに行きたいですね。いや、お弁当持参でピクニックの方がいいかな。

コートダジュールの5月は気候が素晴らしく、日差しは強いけど暴力的な暑さではありません。だから、船を見れば乗りたくなるし、食事はアウトドアの席で食べたくなる。前回のポール・グリモーもそうでしたが、船で30分ぐらいの目的地に、ランチを組み合わせるショートトリップが最高に気持ちいいんです。


カンヌは、映画祭からドロップアウトするのも一興ですね。いや、むしろ積極的にドロップアウトすべきかも。 

2018年5月29日火曜日

サントロペから船に乗って、謎の水上都市へ小旅行

サントロペの港からは、周辺の都市やリゾート地を結ぶ船がたくさん出ています。ちょっと乗ってみたいですよね。

そこで今日は、ポールグリモー(Port Grimaud)という町に行きます。南仏のヴェニスと呼ばれる町です。


チケット売り場の横から船は出帆します。サントロペからポールグリモー行きの船は、1時間に1本。チケット代は往復で1人12ユーロ。


およそ30分弱の船の旅。あっという間に到着します。


ポールグリモーの港から陸地に上陸します。この町はとっても不思議な町です。町はゴーストタウンのように静まりかえっています。ほとんどの窓が閉まっていて、住居に人が住んでいる感じが全然しない。


ポールグリモーはGoogleマップで見ると、こんな地形です。さながら、水上都市ですね。この入り組んだ水路をボートで巡るツアーがあって、1人6ユーロ。

このツアーに参加して、水路をクルーズしてみましょう。


各家庭は水路に面していて、1家に1艘、船が係留されています。しかし、相変わらず人気がありません。

あまりに不気味なので、船上でググってみると、謎が解けました。

この町は別荘都市でした。しかも、船を保有する人々が自宅に船を係留可能であり、住人は自宅からダイレクトに出帆できる仕様になっている。


面白いなあ。こんな町があるですねえ。船を繋ぎっぱなしの別荘街なんだね。シーズンオフの別荘地だから、ひと気がないわけだ。


船がくぐれるように、橋はアーチ状にくりぬかれています。

この橋は自動車も通行できるのですが、1車線しかないうえに、頂上付近はブラインドトップになっています。


なので、橋の両端には信号機がついているんですよ。

この、信号機つきの橋のあたりには、マルシェがあって、観光客がたくさん訪れています。レストランもけっこう混雑しています。


私たちは、水路端のレストランでランチを食べて、サントロペに帰りました。およそ2時間の滞在。

サントロペからポールグリモーへは、バスでも行くことができます。バスだと20分ぐらいですね。

しかしまあ、南仏は奥が深い。海と船が好きすぎて、船を繋げる別荘を所有する人がたくさんいるという事実、初めて知りました。

2018年5月28日月曜日

カンヌ映画祭の前に、サントロペのセレブ御用達ホテルで休日

今年(2018年)は、カンヌ映画祭が例年より前倒しになり、5月8日から19日までの開催となりました。今年はカンヌ映画祭→モナコグランプリとハシゴする計画だったのですが(例年、カンヌ映画祭の最終日とモナコGPの決勝は同じ日)、映画祭とモナコGPの時期がずれてしまい、GPの決勝は5月27日に。


そこでモナコGPを諦め、ゴールデンウィーク中に日本を出発して、コートダジュールのどこかの都市で数日休暇を過ごし、映画祭のオープニングめがけてカンヌ入りする作戦にチェンジしました。フライトは、行きがアムス経由のKLMでニースにイン。帰りがニースアウト、パリ経由のエールフランスです。

ニースには夕刻の到着なので、取りあえずニースに1泊。続いて、カンヌ開幕までのもう2泊を滞在するのに選んだのは、サントロペ。カンヌから南西に80キロ離れた港町です。ブリジット・バルドーが住んでいることで有名です。

それにしても、何故にサントロペ?


ピンク・フロイドの「おせっかい」というアルバム(1971年)に「サン・トロペ」という曲があり、これが実にリラックスした感じで南仏っぽい。場所がどこなのか、その町に何があるのかとか特に意識してなくて、なんとなく「いつか行ってみたい」と思っていた町です。


私が桃のために手を伸ばしたら
下着を下にスライドさせる
サントロペのソファー (byGoogle翻訳)

これ、エロい歌詞なんじゃないでしょうか。ピンク・フロイドの曲、最後にYouTube貼っておきますね。

フランス語だと「Saint-Tropez」ですが、ピンク・フロイドのは「San Tropez」でしたね。英語表記だしね。

さて、ニースからサントロペの行き方ですが、これが意外に面倒くさい。Googleマップでも車での行き方しか出ないので、ツーリストインフォで尋ねます。結果、ニース駅からサンラファエルまで鉄道で行き、そこからバスに乗り継いで行くことに。本当は、サンラファエルから船で行くってのが魅力的だったんだけど、5月はオフシーズンなので船は1日2便しかなく、バスで妥協した次第。


ニース・ヴィル駅からTGVで1時間あまり、サンラファエル駅に到着。バスに乗り換えて、およそ1時間20分でサントロペのバスターミナルに到着。全部で3時間コースだわ。

さて、今回私たちがサントロペの滞在場所として選んだのは、ホテル・ビブロス。

「ミック・ジャガーが最初の妻ビアンカにプロポーズした」「レバノンの大金持ちが、ブリジット・バルドーに捧げるために建てた」「リアーナ、ビヨンセ、ディカプリオらが滞在した」などなど、セレブに愛されるホテルです。

バスターミナルから徒歩で10分、坂を登っていくと、カスバのようなファサードがお出迎え。


セレブ御用達だけあって、スタッフはホスピタリティ溢れるお出迎えをしてくれます。


お部屋はこんな感じ。2017年の50周年にあたり、かなり大がかりなリノベを行っています。ミッソーニもリノベに関わったとか。


もともと、レバノン人がオーナーだったので、ホテルのあちこちにアラビックな意匠が施されています。


アラン・デュカスがプロデュースした、RIVEAというレストランが1階にあります。


このBYBLOSのロゴ、どこかで見たことあるよなってずっと思っていたんですが、昔、赤坂にあった「ビブロス」ってディスコのとおんなじじゃないの。赤坂の方がパクったんだな、これ。

ビブロスはとても快適なホテルなので、あんまり外出せずにのんびり過ごすのがベターですね。


アラブ仕様なので、建物内が迷路みたいになっています。迷いながら探検するのも楽しいですよ。


歩いて10分ほどのところにあるサントロペ要塞(兼ミュージアム)もオススメ。町と湾が一望できます。


私たちは、このサントロペ要塞で放し飼いの孔雀に遭遇しました。この孔雀は、ビブロスに飛んでくることもあるそうです。


ダウンタウンに繰り出せば、セレブがよく訪れるカフェ「SENEQUIER(セネキエ)」がいつもの賑わいを見せています。しかしこの店だけ混んでいて、他の店はガラガラw

ビーチ方面まで足を伸ばしてみると、ヌーディストビーチへの道しるべが。


ヌーディストビーチって、人里離れた海岸にひっそりと存在するもんだと思ってましたけど、こんなあからさまな標識、初めて見たわ。さすが南仏ですね。

サントロペ、いい街だわ。こぢんまりして、品がいいのよ。交通の便もあんまりよくないところが更にいい。

このあたりのロケーション感覚、東京近郊に例えるなら、東から西に;
ニース 東京
カンヌ 品川
サンラファエル 横浜
サントロペ 鎌倉
そんな感じですかね。

明日は船に乗って近隣の別荘地を訪れます。

▼「サン・トロペ」by ピンク・フロイド 3分43秒