2013年11月27日水曜日

Amazonインスタント・ビデオ日本上陸。衝撃すぎて開いた口が塞がらない

昨日(2013年11月26日)、日本でもアマゾンのVODサービス、アマゾン・インスタント・ビデオがサービスインしました。

「パシフィック・リム」やら「モンスターズ・ユニバーシティ」など、ハリウッド映画の大作もラインナップされており、品揃えは競合他社に比べて、見劣りするものではありません。価格的にも、新作の場合は、HDレンタルが500円、HDセルが2500円と、iTunesやGoogle Playと同じ価格になってます。

余談ですが、これ、北米からの配信って建て付けなんで、いずれも消費税ナシですね。

アマゾンは、オープニング記念ということで100円セールなども実施しており、日本市場に対する意欲を感じます。


しかし、サイトをチェックしていて驚愕したことには……左カラムをご覧ください。

「アダルト」の項目が。なんという斬新な。


おなじみのこの画面を経て、その先に進むと……。

いやいやいや、目を覆うアイテムの数々……。これ、ちょっと問題にならないんですかね。上の年齢チェック画面に、「閲覧注意」とか入れておいて欲しいレベル。

Amazonインスタント・ビデオ

なんか、日本のVOD市場に変なうねりが起きてしまったような気がします。ギャング・オブ・フォーの一角にしてこの所行。違和感ハンパない。

日本のVOD市場は、この先、さらに汚れて行くんでしょうか。

2013年11月19日火曜日

地上波全番組を録画するガジェット、ガラポンを買ってみた

ガラポンを買いました。ガラポンの詳しい正体については、公式サイトなどでご覧いただけるとすぐわかりますが、一言でいえば、地上波でオンエアされるテレビ番組をすべて録画して保存していくデバイスです。しかも、ネットが繋がる環境であれば、録画した番組をいつでもどこでも見ることができる(スマホアプリなど利用)という、にわかには信じられない機能をもったデバイスなのです。


ガラポンは、フルセグではなくワンセグの電波を受信・録画します。なので、画質のクオリティ的にはちょっぴり残念なのですが、まあそれでも超絶便利なのは間違いありません。

「急な飲み会に連行され、毎週見ているドラマを見逃す羽目に!」
「出張先のニューヨークで、サッカー日本代表の試合を生で見たい!」
「今見ている番組の裏番組も気になるんだが、ウチのテレビには録画機能がないから見られない!」

ガラポンがあれば、すべて解決です。

これ、合法なんでしょうか? 「企業情報」のページをチェックしてみます。

ブロードメディア、三井物産グローバル投資株式会社、クロノスファンドの3社によるベンチャーですね。さすがにこの面子から、非合法のデバイスは出てこないでしょう。

全局録画はまあわかる。レグザとかバッファローのHDレコーダーで、すでにそういう機能のものがありますよね。プロ用にはスパイダーとかもあるし。だけど、それをスマホでどこでも見られるってところが信じられない。公式サイトには、まったく合法だと書いてあります。

Q. ガラポンTVは法的に問題ありませんか?

A.法的に全く問題ありません。著作権法で「放送番組を私的に複製して楽しむこと」が認められております。安心してお楽しみください。

凄い時代になったもんです。

ガラポンは、公式サイトで通販で買えます。アマゾンでも売ってます。価格は3万9800円。税込だと4万1790円です。私が買ったのは、ガラポンTV参号機。



ちょっと高い? だけどこれで、NHKオンデマンドも不要だし、テレビ東京ビジネスオンデマンドも不要になります。ガラポン端末さえ買ってしまえば、月額利用料は一切かかりません。

うれしいことに、ガラポン本体はとても小さいんです。



長さは新書より短い。


CDと比べてもこの通り。


同梱物は、AC電源のみ。LANケーブルを自前で用意して、自宅のルーターに繋ぎます。インターネット回線はマストです。私の家はフレッツ光ですが、WiFiのみでも行けそうな感じも。ただ、設定が面倒そうなので、WiFiで使いたい場合はガラポンサイトのFAQなどをご覧ください。あとは、地上波のアンテナですね。アンテナのケーブルも自分で用意しましょう。

セッティングは実に簡単。LANケーブルとアンテナをつなぎ、電源を入れたら、ガラポンTVのサイトにアクセスし、ユーザー登録と視聴ロケーションの設定を行うだけ。設定が完了し、無事に電波が受信できていることが確認されれば、あとは放っておくだけ。勝手に録画が始まります。8局が登録可能なので、東京に住んでる私の場合、NHK総合、Eテレ、日テレ、TBS、CX、テレ朝、テレ東、MXを選択しました。

これで、出先でも帰宅後でも、「5時に夢中」を見ることができますねえw

番組の視聴は、PC、スマホ(iPhone、iPad、アンドロイド)で行います。スマホの場合は、無料の専用アプリを使います。



はい、5時に夢中。けっこう見られる画質です。ワンセグに慣れてる人なら問題ないかと。

ガラポンを買ったおかげで、我が家では死に筋に転落していたiPad3が息を吹き返しています。思わぬ副作用。

放送が終了している番組は、もちろん頭から再生することができますし、現在放送中の番組も、「追っかけ再生」の原理で頭から見ることができます。

ただし、追っかけ再生の番組は、画質がやや不安定だと感じました。

また、先日のニューヨーク旅行の際にも試してみたのですが、ニューヨークではホテルのWiFiが遅くて、ちゃんと見られませんでした。WiFiにせよ3Gにせよ、ある程度の回線スピードがないと再生は難しいです。JALの機内WiFiではまったく無理でした。

その点、日本国内にいる分には、よほどの山間部でない限り視聴可能です。

ただし、先のニューヨークのように、たとえスピードが遅くてもネットが繋がっているのであれば、番組自体をいったん端末にダウンロードして、保存したものを見ることが可能です。




番組を探すためには、「現在録画中」「日付でソート」「放送局でソート」などなどいろいろなルートが用意されていて便利。検索でもいけます。

うれしいことに、Apple TVにAir Playで出力することもできます。ただし、Air Playで大画面に送出した場合、画面はこんなレベル。


まあ、そこは割り切って使いましょう。

全局録画の番組は、14日間336時間分がハードディスク(500GB)に記録されます。容量がいっぱいになると、古いデータを新しいデータが順次上書きしていく仕組みです。

しかも、4TBの外付けハードディスクを追加することによって、120日間分の録画が可能になるんだとか。まあ、そんなにたくさん録っても見るのが大変なので、私には本体のみで十分です。

いやあ、ガラポン、本当に便利。唯一の不満は名前ですね。ガラガラポン!と番組が取り出せるって意味でつけたんでしょうか。



アプリのアイコンにしても、かなりやる気がないですよ。まあ、そこら辺はあんまりこだわりがないんでしょうね。



2013年11月15日金曜日

ニューヨーク便、帰りはJALの機内WiFiが繋がった

6年ぶりのニューヨークをすっかり満喫し、JAL005便にて帰国です。

JFKのJALラウンジ、松井のヤンキース時代のユニフォームが飾ってあります。しかしここ、暖房効き過ぎて暑いです。

グランドスタッフに「暑いですね」と言ったら、ラウンジには専用の空調がないんだとか。空港全体を暖める熱風が、壁で囲った部屋に放出されてるわけだから激アツです。



さて、離陸。窓の外には、デロリアンがタイムトラベルしたときのような飛行機雲。

それを見て、行きの便では繋がらなかった機内WiFiに再チャレンジすることにしました。

マイルを使ってCクラスにアップグレードできたんで、おとなしく寝てりゃあいいんですが、電波が飛んでる以上、繋ぎたくなる性分。

iPad miniを取り出して、設定→WiFiとタップし、ログイン画面に進みます。


おお、今度はちゃんと「衛星接続中」の表示が右肩に出現しています。

しかし、「お申し込みはこちら」ボタンをクリックしても、何も起きません。

往路、スッチーから「iOS7の場合、設定がチョト違いマス」と渡された紙がありました。その時は「衛星接続無し」だったので結局繋がらなかったのですが、今回は繋がるはずです。紙は手元にありませんが、設定画面をいったん離れ、ホーム画面からSafariを起動してみます。

うーん。Safariダメ。

Chromeを立ち上げてみます。

お!先に進めますねえ。T-mobileドイツの画面に遷移して、決済を行います。

決済もけっこう面倒ですが、無事に購入完了。

JALの機内WiFi、iOS7の場合は、SafariではなくChromeでどうぞ。タブレットにせよ何にせよ、Webブラウザは複数入れておけってことですね。

しかしオッソい。激オソです。


下り60Kから100Kぐらいです。しかも上りより遅い。機内でできることって、メールチェックとツイッターぐらいですね。動画を見たりとか、まったく無理。

太平洋上空を飛んでる最中ですが、ここでFoursquareチェックインすると、どこにピンが落ちるんでしょう?


試してみたら、羽田空港国内線ターミナルでした。

この便の機体は、SKY SUITE仕様。座席が互い違いにレイアウトされており、なかなか快適にすごせます。完璧にフルフラットになるし。




モニター画面もこの大きさ。23インチだって。右下に置いたiPad miniがとってもミニです。

さてと、ネットも繋がったことだし、「パシフィック・リム」でも見ながら帰りますか。

2013年11月12日火曜日

ニューヨークで役に立ったアプリ

旅先では、できるだけ現地の携帯キャリアでSIMを購入し、iPhoneを使いながら旅をする「アプリ派トラベラー」を目指しています。

ガイドブックはできるだけ持たない。持って行くにしても、刻んでスキャンしてエバーノートに。できる限り「手ぶら」で街に出る。その方が楽だし安全です。


今回、ニューヨークで使ったiPhoneアプリはこんな感じ。ヘビーに使ったものもあれば、まったく使わなかったものもあります。以下、便利だったものをいくつかご紹介。

City Maps 2 Go Lite
こちらは、オフライン状態でも使える地図アプリで、現地でiPhoneを開通できていない時など大変便利。世界中の主要な都市が網羅されているので、必要に応じて、訪れる都市のデータをダウンロードして使ってください。

例えば、ニューヨークのアップルストアを探している画面がこちら。



一番上の「フィフス・アベニュー店」を選ぶと、地図上の目的地にピンドロップされます。



主要なロケーションはだいたい網羅されていますが、マイナーなホテルやレストランは登録されていません。「Ippudo」(一風堂)は出ませんでした。

基本的に無料ですが、200円の有料版を買えば、地図の無料アップグレードや広告非表示などの付加価値が手に入ります。

Google Map 
スマホがネットに繋がってしまえば、もっともよく使うアプリは、定番中の定番「Google Map」になります。



ニューヨークでは、ルート検索をすると、「自動車」「バス」「人」のアイコンの他に「自転車」のアイコンも出てきます。


ロウアー・マンハッタンからブルックリンにかけては、かなりの数の自転車ステーションが設置されていますので、元気のある方はニューヨーク・シティバイクにもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。


ブルックリンあたりは、自転車レーンも設定されています。面白いのは、路駐スペースと走行車線に挟まれて設定されてるところ。自転車も、自動車同様アメリカでは右側通行となります。日本人は、この右側通行に慣れるまでが大変です。あと、一方通行が多いので、これを逆行しないようくれぐれもご注意ください。

自転車、なかなか便利なんですが、やはり事故のリスクが伴いますよね。まあよほどチャレンジングな方以外は、もっぱら地下鉄やバスで移動ってことになると思います。マンハッタンは、縦(南北)の移動が地下鉄で、横(東西)の移動はバスが便利。

New York Subway Map
このアプリは、高機能な地下鉄路線図です。例えば、駅名で「Times Square」を検索すると、駅の場所がハイライトされます。


駅アイコンをタップすると、周辺のレストランやホテルの情報(Tripadvisorが提供)、当該駅に乗り入れている路線の運行情報などがチェックできます。単に路線図を見るだけならば、オフラインでも使えます。


New York Bus Routes
ニューヨークは碁盤の目なので、バスのルートもシンプルです。 こちらは、単純にバスの路線図が参照できるアプリ。バス関連のアプリは有料のものが多いのですが、この無料でシンプルなアプリで十分です。地下鉄アプリにしても、バスアプリにしても、Google Mapと併せて使うことになると思います。


ところでこのアプリ、天地のサイズがiPhone5に最適化されてないですね。


ニューヨークは、日本や香港のように、ICタッチ式の交通カードはありません。スワイプ型の磁気カードが、Suica/Pasmoに相当するものです。


これを手に入れて、地下鉄とバスを使い倒してください。

余談ですが。このカード、駅の自販機でチャージするときに、金額に続いて郵便番号(Zipcode)を入力する画面が出てきます。泊まっているホテルの所在地のZipcodeがもし分かるならそれを入力すればいいんですが、何も入力せずにじっとしていれば、先に進むことができます。


さて、アメリカのレストランガイドといえば、やはりYelp。私の場合、Yelpで調べてTripadvisorで裏を取るという作戦が通常です。


Ippudoは、Yelpで★★★★、Tripadvisorで、●●●●半と、なかなか高評価でした。たかがラーメン屋、されどラーメン屋。

あと、Yelpの便利なところは、レストラン以外のお店も多数登録されていること。

例えば今回、iPhone用の30pin充電ケーブルを、できるだけ安価で手に入れたいという局面があって、100円ショップがないか探してみようということになりました。


Yelpで「one dollar store」と検索したら、結構たくさん出てきました。実際には、100円ショップ以外の雑貨屋などもたくさん出てきちゃうんですが、ドラッグストアとか、携帯電話ショップ、あるいはウォルマートやターゲットなどの量販店を探すときなど非常に便利です。

以上、ニューヨークで使えるアプリを数点紹介しました。今回はすべてが無料アプリ。大きな都市では、基本的に、こうした無料アプリで十分に用が足りてしまう。ニューヨークに関して言えば、これ以外にも山のように無料アプリが存在しますので、お出かけの方はチェックしてみてください。

今回は、SIMフリーiPhoneとAT&TのSIMを使いましたが、SIMフリー端末のない方は、レンタルのWiFiルーターなどをご利用されれば、同じ環境が実現できますよ。 


2013年11月10日日曜日

落書きだらけのブルックリンは、オシャレなエリア

1泊2日のナイアガラ・ツアーから戻って来ました。この度のニューヨーク旅行、後半はブルックリンにステイです。

宿はワイス・ホテル。かつて樽工場だった建物をリノベしてホテルにしたそうです。赤煉瓦が雰囲気ありますよね。


「HOTEL」の看板をよく見ると、ブリキのグラフィックスが巻き付けられてます。


我々が宿泊した、ヒストリック・キングルーム。


ブルックリンでは、グラフィティ(落書き)あるいはグラフィティっぽい意匠があちこちを彩っています。


トラックもこんな感じ。


マンホールかな。地下への入り口のフタもこの通り。


そして今回あちこちで目にしたのが、黒板&チョークの文化。

例えば、美味しい朝食が人気のeggというレストラン。




お店のサインは、このチョークボードのみ。閉店後にこの店に行っても、そこがeggであることはまったく分かりません。


これは、BOZUという和食屋の看板。ラーメンは午前3時までやってますよ、と。


ま、この辺は序の口なんですが、次のは凄い。DEPANNEURというカフェのメニュー。


めっちゃ緻密に書き込まれています。もちろん手書きです。拡大してみます。


これ、チョーク職人の仕事ですね。レタリング職人というべきか。

もう一軒、MAST BROTHERSという板チョコ屋さんの黒板メニュー。


こちらも手書き。レタリング職人、すごい。


お店の外看板も、看板貼り付けるんでなく、壁に直で書いてあります。


そうそう、このチョコ屋さんは、決済用にiPadに刺して使うカードリーダーを使ってました。

IT大国である以前に、カード大国であるってことなのかな。

夜は、ワイスホテルのルーフトップバーで夜景を見ながら一杯。ヒップな若者たちが集まってます。


イェー。ルーフトップから見るマンハッタンの夜景はこんな感じ。


ブルックリン、なかなかいいですよ。ハイセンスな若者の集まる街ですね。グラフィティとグラフィックスはかなりのハイレベル。

治安に関してもまったく問題ないレベル。ただし、ひとつだけ困ったのは、レストランでカード(VISA/MASTER)が使えないこと。キャッシュ or AMEXって店ばっかり。この界隈へお出かけの方は、米ドルご持参でどうぞ。

2013年11月9日土曜日

ニューヨークから、1泊2日でナイアガラの滝へ行ってみた

およそ1週間のニューヨーク滞在ですが、ずっと街にいるのもちょっと単調かなと思い、1泊2日の旅行を間に挟むことにしました。色々迷った結果、行き先はナイアガラの滝に決定。

ニューヨークから空路+陸路で片道3時間弱ってことで、いつもなら、飛行機とレンタカーでチャレンジするところですが、ナイアガラへは国境をまたぐ旅になるようで、ここは日和ってネットで見つけたツアー会社に申し込むことにしました。


飛行機で往復! ナイアガラの滝 観光ツアー<1泊2日/日本語ガイド/滝の見えるお部屋に宿泊>  



これです。料金は1人540ドルなので、意外に安いんじゃないかと。詳細は後述。

集合はJFKの第5ターミナルに朝の5時40分。前の日にブルックリンのホテルに移動していたので、空港までは30分かかりませんでした。車の運転手が、スクエアの刺さったギャラクシーを持っていて、クレジットカードで精算します。キャッシュだと40ドルなのにカードだと45ドルとちょっと高くなります。スクエアのコミッション、何%なんだろ。

待ち合わせ場所にいた日本人のオッサンに航空券をもらい、ゲートへ。このオッサンはアテンドはしない、単にチケットの運び屋でした。アルバイトなのかな。

7時01分のジェットブルー2702便でバッファロー空港へ。8時半ごろ到着すると、ツアーは日本人9人+ガイド兼運転手という総勢10人のパーティーであることが判明しました。

バンに乗って、米国とカナダの国境に横たわる滝、ナイアガラを目指します。


ここで驚愕の事実発覚。なんと、我々夫婦以外の7人は、みな日帰りなんだそうです。午後3時の飛行機でニューヨークに戻るという。Webページで見ると、日帰りは415ドル。その差125ドルなので、泊まった方がリーズナブルじゃん!と思うのですが……。

ひょっとしたら、泊まる価値などないほどショボい観光地なのか?

不安がよぎりますが、こちとら、滝の見える部屋でライトアップされた滝を見ながらのステイを楽しみにしています。腹をくくるしかないでしょう。

ガイド兼運転手のテリー鈴木さんは、車を走らせながら、バッファローは全米で15番目に犯罪の多い街だ。かつて石油産業で栄えたが、その後石油産業の中心がテキサスに移るとどんどん廃れていった。など、着いたばかりの我々に向かって萎えるトークの連続。

だんだん分かってきたことには、このテリーさんはカナダ在住44年目の方で、カナダに帰化して20年あまり経つとのことで、もう、身も心もすっかりカナダ人になっています。で、カナダ人はアメリカ人が大嫌いなので、アメリカの悪口ばかり言いたがるってことなんですね。


さて、国境。

テリーさんとカナダのイミグレ職員は顔なじみで、「お早う、テリー。今日は何人?」「たったの9人だよ」ってな感じでかなりユルい。一応、ひとりずつ係官にパスポートを提出しますが、特に質問を浴びることもなく一行はスルスルと通過。 

このナイアガラの国境は、アメリカからカナダへのドラッグ運搬ルートのひとつになっているそうで、厳しいときはとっても厳しいとのこと。

さて、日本人の斎藤さんが経営するお土産屋を経由して、ナイアガラにやってきました。

ナイアガラの滝は、アメリカ滝とカナダ滝の2つがあります。私たちが訪れた10月29日、アメリカ滝はクリアに見えていますが、カナダ滝は水しぶきが激しすぎて、あまりクリアに見えません。




滝壺を遊覧する「霧の乙女号」の運航は、10月24日で終了しています。5日違いで乗れなかったのは残念ですが、代わりにエレベーターで滝の内側(裏側というべきか)へ降りることができます。「ジャーニー・ビハインド・ザ・フォールズ」というアトラクションですね。


クイーンビクトリア公園から見ると、滝はこんな感じなんですが、水しぶきが霧状になって滝の半分近くを覆ってしまいます。対岸の滝鑑賞ポイントにもこの水しぶきが飛んでくるので、雨ガッパまたは傘持参ですね。

我々のツアーは、ジャーニー・ビハインド・ザ・フォールズに行きますので、ここで参加者にもれなく雨カッパが配られました。ラッキー。


エレベーターで降りてみた滝の裏側はこんな感じ。船には乗れないからこれでガマンしてねってことなんですが、何というか、水を浴びるアトラクションって感じでしょうか。とにかく、もの凄い水量だということは分かります。

そうこうするうちにお昼となり、滝の見えるホテルの展望レストランでランチ。


レストランからの眺めはこんな感じ。絶景々々。左がアメリカ滝、右がカナダ滝。アメリカ滝の方がクリアに見えます。カナダ滝の水しぶきは空に上って雲と一体化しています。

レストランはシェラトンホテルの13階で、このホテルは今日の我々の宿でもあります。

ランチが終わるとツアーは自由時間となり、日帰りの人たちは2時間後の15時にホテルに集合とのこと。


アメリカ滝の左側に橋がかかっていますが、この橋を渡るとアメリカ合衆国。テリーさんは、橋からの眺めは素晴らしいが、橋を渡ってもアメリカ国境まで行かずに、4分の3ぐらいで戻ってくるようにと皆に言ってます。

行くなと言われたら行きたくなるのが人情。まあ、我々はこの時点ですでにフリーになっていますので、集合時間とかはもう関係ありません。大手を振って橋を渡ることにします。もちろん徒歩です。

まずはカナダ側の国境施設で50セント払ってゲートを通過します。ここには係官はいません。お金をくずす両替機があるだけ。アメリカの硬貨でもカナダの硬貨でもいいので、クオーター(25セント)硬貨を2枚持っていくと便利です。


橋を歩いて行くと、中間地点に国境のプレートが掲げられています。



この国境を越えるとすぐに、アメリカでよく見る望遠鏡が設置されています。望遠鏡の向こうに滝。


ちなみに、カナダ側の望遠鏡はこんな形。国境を挟んで、色んなものが微妙に違います。

橋を渡るとアメリカのイミグレがあります。ここでは「どこへ行くんだ?」「何日で帰る?」とか質問されます。なので、テリーさんは途中で引き返せと言ったんでしょうね。イミグレで質問に答えられない日本人が、トラブル起こしたら面倒だから。

徒歩10分ほどで、アメリカ滝の脇にある展望台に到達。ここは凄い迫力です。ここ来なきゃダメでしょう。ツアーの人たちどうしたんだろ。


帰り道、アメリカ側から出国する際は通行料はかかりません。来た道を戻ってカナダのイミグレオフィスへ。ここの係官はユルかった。

ホテルに戻り、ランチを摂ったレストランでディナー。滝は一応ライティングされていますが、薄暗くて中途半端。ハイシーズンにはもっと明るくなるんでしょうか。

翌朝、朝焼けをあおぐ滝が一番美しかった。


朝も国境を越えてアメリカ側に行ってきましたが、展望台には中国人がわんさかいました。

朝から晩、そして翌日の朝と、まさに滝づくしの1泊2日。ここは泊まる価値アリです。日帰りなんてもったいない。

ところで、滝は素晴らしいのですが、滝を離れてちょっと歩くと、クリフトン・ヒルという繁華街があって、ここがヒドい。

滝が見られる観覧車はまだ許せますが、お化け屋敷系のアトラクションやゴテゴテしたお土産屋などがズラリと建ち並び、本当に悪趣味。しかも、我々が訪れた10月下旬は閑散期なので、極彩色のゴーストタウンという異様な状態。


ナイアガラ観光に行かれる際には、このエリアに足を踏み入れない方が賢明ですね。気分が悪くなりますよ、マジで。

最後に、アメリカ嫌いのテリーさんが披露してくれた現地のネタをいくつか。

・ナイアガラの滝は、年間1500万人の訪問者が訪れる北米最大(最大級?)の観光地。で、ナイアガラを訪れた観光客の90%がカナダ側を訪れる。

・滝観光のハイシーズンは、学校が休みになる6月から8月。道路は大渋滞し、私たちの泊まったシェラトンは、1泊600〜800ドルにもなるんだとか。

・ナイアガラ川の上流には水門が設けられていて(見学しました)、人間の手によって滝に流れ込む水量が完全にコントロールされている。そうしないと、沿岸の地形がどんどん削られていくからだ。

・かつて、カナダはナイアガラの滝を世界自然遺産に登録すべく申請したが、速攻で却下された。なぜなら、上の水門の話のようにあまりに人の手が入りすぎていて、とても自然遺産とは呼べないから。だから最近は、世界文化遺産に切り替えて再チャレンジしようとしているんだとか。富士山方式ですね。

・ナイアガラの滝近隣で、割と最近仏教系の大きな寺院が土地を取得し、鎌倉の大仏ぐらい大きな大仏を建ててしまった。役所は、土地を購入する時点では何も反対していなかったのに、大仏ができると難色を示し、大仏を丸ごと建物で覆ってしまうよう指示をした。この寺院は、ミャンマーの新興宗教教団だという。ここも車窓から見学。不気味です。

・ナイアガラにもプラネットハリウッドがありますが、その昔、シュワルツェネッガーがプラネット・ハリウッド倒産の2日後にカリフォルニア州知事選に出馬表明したので、司法省が偽装倒産の可能性を疑って調査に乗り出した。ところが、この調査はすぐにストップする。なぜなら、シュワの妻(ケネディ家。その後離婚)の兄が当時、司法省のトップだったから。

ふむふむ。

今回、ツアー料金は1人540ドルだったわけですが、ニューヨーク〜バッファローのジェットブルーが1人230ドル(KAYAK調べ)。シェラトン・ナイアガラフォールズの滝ビューのバスタブつきの部屋が162ドル。これにバンでのドライブとランチがついてますので、だいぶお買い得と言えます。問題は、帰りのジェットブルー2601便が、バッファロー空港15時32分発(JFK到着17時)なので、時間がありあまってしまうこと。

我々は、1人50ドル追加してオプショナルツアーを組んでもらいました。ナイアガラ・オンザレイクというちょっと小洒落た街で買い物するのと、地元のワイナリーでワインのテイスティングを行うというもの。



ワイナリーは立派ですが、ま、どっちでもよかったですね。できれば、もっと早い便でニューヨークに帰りたかった。さ、ブルックリンに帰ろう。