2019年5月29日水曜日

ベネチアに行ったら、教会の鐘楼に上ろう。ルーフトップレストランも

初めての旅先では、当地の一番高い建物、あるいは展望台を訪れることを旨としています。高いところから、町並みを眺めるのが大好きです。

ただし、階段でしか上れない塔や施設はこの限りではありません。フィレンツェのクーポラとかはパスしたもんな。

さて、ベネチアではどこに上りましょうか? タワーなんてあるんだっけ?


ありました!

まずは、サンマルコ広場にそびえるコレでしょう。写真は夜のものですが、上るのは日中です。

広場に隣接するドゥカーレ宮殿は、いつ行っても長蛇の列。しかし、こっちの鐘楼(単に「鐘楼」と呼ばれているらしい)は、意外に行列が短い。

8ユーロ払って、エレベーターに乗ります。鐘楼のフロアが展望台になってます。


サンマルコ広場は足下にこのとおり。

海も見えます。いや、これは正確には「カナル・グランデ」というS字型の運河です。


展望台は吹きっさらしで結構寒い。この日は雨で気温も低かったので10分ほどで退散しました。

翌日。だいぶ天気は回復しています。

今日は、また別の鐘楼にチャレンジします。目指すのは、サン・ジョルジョ・マッジョーレ教会の鐘楼。


前日、サンマルコの鐘楼からこんな風に見えていたやつです。

サンマルコの対面にある小さな島、サン・ジョルジョに建つ教会の鐘楼。島へは、水上バス(ヴァポレット)で普通に行くことができます。


正面のファサードが威風堂々。

中に入ると、パイプオルガンの演奏が。これは、ベネチア・ビエンナーレの関連イベントで行われる演奏会のリハーサルでした。


パイプオルガンの左側にある扉から廊下に出て、奥の方に回り込むと、鐘楼に上るエレベーターがありました。


こちらは大人が6ユーロ。サンマルコより安い。

鐘楼から足下を見ると、生垣が迷路になってる庭園がありますね。これも教会の敷地内なんでしょうか。


サン・ジョルジョ・マッジョーレからだと、サンマルコの鐘楼はこんな感じに見えます。鐘楼の右側がドゥカーレ宮殿。


ぼちぼちサンセットの時間。絶景が広がります。エレベーターは19時までの運行です。


サン・ジョルジョ・マッジョーレの方が、サンマルコの鐘楼よりもビューがナイスだと思いましたね。ここ、意外な穴場かも。

ついでに、実に気持ちのいいルーフトップレストランもご紹介しましょう。

ホテル・ダニエリのテラスレストランです。


私たちはダニエリに宿泊したので、朝食をこのレストランで食べました。

運河を見下ろすテラスでの清々しい朝食。もう、朝からシャンパンいっちゃいますか!


ここからも、サン・ジョルジョ・マッジョーレが見えます。


実はここ、宿泊客でなくてもランチやディナーで利用することができますよ。


ルーフトップ好きの方はマストビジットです。もちろん、晴れの日限定ね。 

2019年5月27日月曜日

まさに「キング・オブ・観光地」、ベネチアは凄い人出だ物価も高い

トルチェッロのセレブ宿「ロカンダ・チプリアーニ」を後にし、水上バス(ヴァポレット)でベネチア本島にやって来ました。ウディネに行く前にもう2泊あります。


しかし、折からの雨と気温が低いために、あんまり観光のモチベーションが上がりません。あと、人がとにかく多い。悪天候なのに凄い人出。 

ホテルの傘を借りて、ペギー・グッゲンハイム美術館やサンマルコ広場にあるカフェ・フローリアンなどを訪ね歩きます。その後、雨と寒さを克服するために、ZARAでセーターを購入。ようやく一息つけました。



ZARAの近くにゴンドラ乗り場があって、ここに並んでいるのはほとんどがチャイニーズ。「ゴンドラいくら?」って聞いたら、「30分で80ユーロ」とのこと。およそ1万円でっせ。

ランチ時なので、サンマルコ広場からほど近い「ハリーズ・バー」という有名なバー(2階がレストラン)に行きます。先のロカンダ・チプリアーニと同様、ヘミングウェイ繋がりでもあるバー。ここでランチを食べたら、2人で軽く130ユーロ飛びました。ま、プロセッコ2杯飲んだけどさ。


雨の中、ベネチアの町をぶらぶらしているうちに、だんだんこの街の正体が浮かび上がってきます。

水運業と飲食業と観光業が固く手を結んだ、世界でも他に類を見ない観光地がベネチアです。まさに「キング・オブ・観光地」。そしてそれは「合法的ぼったくり」の町でもあります。


雨だからといって、タクシーには乗れません。何しろベネチア本島には自動車が一台も走ってないわけで。船か徒歩しかない。もちろん、自転車もバイクも走ってません。

こんな町、見たことがない。アジアの「水上集落」みたいのもいくつか訪れたことがありますが、その手とはまた全然違います。ベネチアは、そこそこ高い建物もある普通の都市の、幹線道路を運河に置き換えた感じ。

人々は、ホテル → 歩き → 船(ヴァポレット)→ 歩き → 目的地 という感じで移動します。


思うに、船って他の代替交通手段がない場合、かなりエグい料金体系を設定できるもんね。空港からの水上タクシーもそうだし、ゴンドラもそうだし。

ヴァポレットも、1回乗車のチケットが7.5ユーロとバカ高い。24時間有効チケットが20ユーロ(48時間だと30ユーロ、72時間だと40ユーロ)と割安だけど、それほど安い感はありません。東京メトロの24時間券なら600円だからね。

試しに「ベネチア ぼったくり」でググってみてください。色んな手口が検索結果に表れますから。ボーっと生きてると、お金がどんどん溶けていく街、ベネチア。


それにしても、ムラーノ島も凄い人、ブラーノ島も凄い人、とにかく人、人、人。

リアルト橋で鈴なりになっている観光客は、みんなセルフィー棒で自取りしています。

ベネチアは、今年(2019年)の7月から訪問税を徴収するそうです。街の美観と安全を維持するために。CNNも昨年(18年)、「今年は避けたい観光地ベスト12」のひとつにベネチアを選んでます。



まあしかし、仮装用のマスクやガウンを売ってるお店やら、ベネチアングラス(ムラーノグラス)のお店やら、ペンや紙など中世以来の文具を売るお店やらがそこら中にあって、この街ならではのお土産にも事欠きません。そんなユニークなプロダクトがたくさんあるのも「キング・オブ・観光地」ならではですね。

2019年5月23日木曜日

初めてのベネチア、でもその前に離島のセレブ宿でまったり

10連休をブチ抜いて、イタリアとポーランドに行ってきました。メインの目的は、ベネチアから100キロほど北東にあるウディネという町で開催される「ウディネ・ファーイースト映画祭」に参加することだったのですが、経由地がベネチアということで、せっかくだからベネチアにも何泊かしようと。さらに、エアラインがポーランド航空なので、帰りはポーランドにも何泊かしようと。かくして、平成→令和にまたがる13日間の旅が始まりました。


ガイドブックやWebをあたっていると、ベネチア本島から少し離れた島にある「ロカンダ・チプリアーニ」という宿が気になりました。「6室しかない」「セレブ御用達」「宿泊料がそれほど高くない」ふむふむ。文豪ヘミングウェイやエリザベス女王、ダイアナ妃も宿泊したそうです。

しかし、ヘミングウェイは世界中どこにでも現れていますね。キューバにもヘミングウェイの定宿や銅像を見たし、パリのホテルリッツもそうだし、行ったことないけどフロリダのキーウェストもゆかりの地ですよね。

4月26日・27日の2泊、ロカンダ・チプリアーニの予約が取れました。ベネチア空港からロカンダ・チプリアーニに行くには、水上バスを乗り継いで行くか、水上タクシーで行くかの二択です。

到着便が18:20、ホテルのレストランの予約が20:00だったので、迷わず水上タクシーに。しかし、これの運賃が驚きの160ユーロ(約2万円)!


ベネチアの本島との位置関係がこれ。地図の北東にある「TORCELLO」という島がそれです。

空港からのトランスポーテーションで2万円だなんて、ちょっと記憶にないレベル。昔、バブルの頃に仕事で成田空港から銀座まで乗って以来だよ。

ベネチア上陸前にして、すでに「キング・オブ・観光地」ベネチアの洗礼を受けたような感じです。この旅行、いったいいくらかかるんだ?


水上タクシーは、こんな小ぶりなボートでした。海上を駆け抜け、最後は幅5メートルほどの水路を通って、トルチェッロ島にあるホテル、ロカンダ・チプリアーニに到着します。

19:00ぐらいに着いて驚いたことには、この島には人の気配がほとんど感じられないこと。

夕食も、ホテル内のレストラン一択です。予約しておいてよかった。


壁には、英国王室セレブの写真がいっぱい飾ってありますが、ロカンダ・チプリアーニは、それほど宿泊費が高いわけではありません(ハイシーズンはバカ高いという話も)。部屋は修道院みたいなシンプルな仕様で、6室しかないのに、ちゃんと経営できるんでしょうか?


……できるんです。

次の日の朝、このホテルのビジネスモデルが判明しました。

朝食を摂りにレストランにおりて行くと、スタッフたちが庭で忙しそうにテーブルをセッティングしています。


あっという間に、庭の通路がテーブル&チェアで埋まってしまった。私たちが朝食を摂るテーブルは別のところにあります。

「これ、全部お客さんが座るの? 結婚式か何か?」

「いやいや、ランチの準備だよ。今日は予約だけで100人入ってるんだ」

ロカンダ・チプリアーニの、庭園を見ながら楽しむ素敵なアウトドアランチは大人気なんだそうです。

「離島」というのは大げさで、ベネチア本島からボートで小一時間ぐらい。トルチェッロ島にある唯一のホテルがロカンダ・チプリアーニでした。そのビジネスモデルは、島に観光に訪れる人たちのランチ。周辺にもレストランはいくつかあるのですが、夕方5時ぐらいにはすべて閉店してしまいます。

つまり、島で夜にひと気があるのは、このホテルだけ。島の人口も50人とかそんなレベルみたい。

朝の散歩なんかはとても清々しくて気持ちいい。ひと気はないけど、不気味な感じは一切なし。

運河にかかるこの橋(手すりがないので有名)が、人気の観光名所だってのもナイスです。のどか過ぎるよ。まるで「ロード・オブ・ザ・リング」のホビット庄だな。


2日目の夕方、ホテルの前の橋の上で(上の橋とは別)、「オーソレミーヨ」をソロで熱唱する白人の紳士がいました。フルコーラス歌い終えると、周辺の観光客が「ブラボー!」「パチパチパチ」


ホテルが静か過ぎて実感がありませんでしたが、「ああ、イタリアに来たんだな」と痛感した瞬間です。そこら辺のオッサン、歌が上手すぎですw