つい最近、銀座のAppleストアに行きました。新しいiPadを購入するためです。それまで使っていたものがだいぶくたびれてしまい、本体の縁の部分にあるボリュームボタンが埋没してしまったので、さすがに新調した方がいいだろうと。
買うモデルは決まっています。店員のお兄さんをつかまえて、「iPad Proの12.9インチください」→「容量は何ギガにしますか?」→「256GBでお願いします」→「色はどうしますか?」→「スペースグレーで」ってな具合で注文し、在庫を確認してもらいます。
すると、一段落したタイミングでお兄さんが「すみません! ボク、自分のことを話すのを忘れていました。ちょっと自己紹介してもいいですか?」と。
珍しいことを言うなあと思いつつ、「ええ。どうぞどうぞ」と返したところ、「実はボク、聴覚障害でお客さんの声が聞こえません。でも、話すことはできるので、こんなアプリを使っていまお客さんと会話しているんです」と言うではありませんか。
「ええ!ウソでしょう。ちゃんと会話が成立してますよね」って返したら、iPhone上で動いているアプリを見せてくれました。店員さんと私の会話が、リアルタイムで画面に表示されていきます。ほとんどタイムラグはない。かなり速い。おかげで、何のストレスもなく会話が成立します。
「これは凄い! 何というアプリですか?」
「『YY文字起こし』というアプリです。聴覚障害の人向けのアプリで、今まで有料だったんですが、最近無料になってとても助かってます!」
これは仕事で使えるわって思い。家に帰って早速ダウンロード。会社のオンライン会議で試してみます。
おお〜。いい感じです。これ、全部Zoomでの会話です。一文字もテキストをタイプしていませんよ。漢字の変換も完璧じゃないですか!
YouTubeの音声とかでも試してみましょう。
凄い凄い。いやあ、なかなかいいですよ。ルビも表示されるし。インタビュー取材とかで十分使えそうなレベル。
翻訳機能もついてます。設定をガッツリ行う必要がありますが、英語→日本語で試してみましょう。
これは、CESでラスベガスに行った時のヤツです。Metaのブースでスタッフの方の説明を文字起こし&翻訳。
ちゃんと説明の内容が理解できます。ただ、矢継ぎ早に話者が喋っている場合、翻訳を表示するタイミングが難しいというのはあります。
空港でも使ってみました。バゲッジをドロップする際のエアラインスタッフとの会話。
重量超過で追加料金取られちゃいましたw
翻訳はやや不完全な部分もありますが、必要十分ではないでしょうか。意外に耳もよくて、距離が多少離れていてももちゃんと聞き取っている。
アプリを開発したのは、アイシンという会社です。トヨタ家列の自動車部品メーカー。ちょっと意外ですが、開発の現場や工場などで役立つアプリなのかも知れません。
一応、無料で使えるのですが、連続で2時間までしか使えないなどの制限があります。文字起こしは、同時に録音しながら実行するので、多少意味不明な箇所があっても、あとで録音を聞き直しながら推敲できます。もう、これでICレコーダーとか不要ですね。興味を持った方は是非使ってみてください。「YY文字起こし」、iOSアプリ、Androidアプリが無料でダウンロード可能です。