2011年7月4日月曜日

自転車旅行記渉猟中。次の旅は「 i 巡礼」だな

このところ、自転車に関する本を読み漁っています。この2週間で10冊あまり。さながら「ひとり自転車ブックフェア」状態。


私が読んでいる自転車本は2種類に大別されますが、それは「啓蒙系」と「旅行記系」です。これ以外にも、世の中には自転車の種類と部品を紹介する「メカ系」なんかも存在しますが、まだそこには手を出していません。

啓蒙系の筆頭は、やはり疋田智でしょうね。「自転車ツーキニスト」を自称するTBSのディレクター。これに最近、ドロンジョーヌ恩田という女子自転車乗りが絡んでいるほか、下野康史という二玄社ファンには懐かしい名前も出てきて、にわかに厚みを増しているジャンル。

でも、こうした啓蒙系は1冊読んどきゃOKです。2冊目以降は、すべて1冊目のリフレイン。

むしろ驚くべきは「旅行記系」の充実っぷりです。「冒険系」と言ってもいい。

世の中には、何年もの年月を費やして、世界中をチャリ1台で旅する猛者(もちろん日本人)がゴロゴロいたのです。

彼らは、自転車にテントを積んで、野宿&自炊で旅するのが基本。だいたい4〜5年かけて世界を1周しますが、中には11年で世界を2周した強者(中西大輔「世界130カ国自転車旅行」)もあり、日本人もなかなかやりよるのうと、思わず目が細くなります。

一方で、そんなに長くドロップアウトしていて、社会復帰できるんかいなという疑問も起きますが、こういう冒険家たちは、帰国後は講演やら執筆やらで引っ張りだこみたいですね。自転車世界一周で、上手くすりゃ一生食える。

彼らは、この4〜5年かかる世界一周を、予算500万円ぐらいで賄っているというから驚きです。1000万円かかるって人もいたかな。仮に年150万円として、1カ月12万円。食費、宿泊費、移動費全部コミですよ。自転車旅行は究極のニート生活かも知れません。

いずれにせよ、こうした冒険者たちは「野宿で自炊」が旨なので、世界各地の色んな場所で、色んな人の親切に遭遇します。それは、「メシ食ってけ」「泊まってけ」という類のものに代表されるわけなんですが、こうした一宿一飯の恩義って、大人になると素直に受け入れにくくなりますよね。やっぱ若い頃だからできる類の冒険。

読んでいると、羨ましくなって自分も自転車で旅に出たくなる。だけど、もう若くないからそこまで過酷な旅はカンベンだ。あんまり他人の世話にもなりたくない。多少のお金は出すから、ベッドとシャワーのある宿に泊まりたい。

いましたいました。58歳でヨーロッパを自転車で1人旅した日本人が。しかも2009年、つい最近じゃないですか。


「地図は言葉を超える 自転車で走ったヨーロッパ75日」(佐藤博)

この本(おそらく自費出版)の筆者は、2カ月半の休暇を使って、オランダ→ベルギー→ドイツ→(中略)→フランス→スペインと旅しています。「自炊はしない」「野宿はしない」と、先の冒険家たちとは180度逆の方針をかかげ、旅をスタートさせます。そうそう、オッサンの旅はこうでないと。

最初の頃こそ、1泊50ユーロのホテルに泊まったりしますが、やがてサンチャゴ・デ・コンポステーラの巡礼パスを取得し、アルベルゲ(巡礼宿)に1泊5ユーロとか8ユーロで泊まりながら旅を続けます。


サンチャゴ巡礼、自転車で行くってのはグレート・アイディアですよ。思いもよらなかった。徒歩なら100キロ以上、自転車なら200キロ以上で「認定」がもらえるとのことで、案外ハードルは高くない。

この本の筆者は、ヨーロッパ内を実に4300キロ走破していますが、その75日間の旅のうちサンチャゴ巡礼のコースは27日間。1カ月未満です。

俄然、やる気を覚えます。

巡礼のシンボル・ホタテ貝は、私の故郷・青森県の名産です。やる気というより、もはや使命感です。


そしてもちろん、私の旅の伴侶はiPhone(SIMフリー)。

フランスといえば、異端のカタリ派を思い出しますが、こちとら先端のアプリ派として、ホタテ貝とiPhoneをぶら下げて「 i 巡礼」なんつて。どうせならiPadも携えて「同行二台」で行きましょう。

しかし、最低1カ月をひねり出さなくてはならないので、そう簡単には日本を出発できません。身の回りの色々な要因を鑑みるに、向こう10年のうちにというのが現実的なところ。

実は、今年の9月下旬にフランスを旅する計画があります。いつか決行する「 i 巡礼」のロケハンを、無理矢理旅程に組み込むことが、私の中で今決まりました。

それにしても何にしても、まずは自転車買わなきゃね。

頭の中で考えているだけじゃ、何も始まらん。

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