2012年1月3日火曜日

南インド旅行記2011-2012 その9 大晦日、湖畔の瀟洒なホテルでトラブル三昧

バックウォーター・クルーズを終えて、クマラコム方面へ向かいます。途中、細い道に入り、未舗装の道をくねくね通ると、やがて今夜の宿に到着。ヴェンバナド湖畔に建つ、ザ・パークというホテルです。それにしても、恐ろしく辺鄙な所です。


宿の外観はなかなかこ洒落ています。資料によると、初のインド人経営のブティック・ホテルなんだと。早速チェックインしようすると、フロントのお兄さんが困った顔をしています。

「あなたたちの予約は入っていない」

オー・マイ・ガッ! 時は2011年12月31日18時。間もなく日が暮れようとしている辺鄙なインドの湖畔で、大晦日の宿がないという事態はなかなかハードです。思えば、今回の旅行のホテルは、すべて自分でネット予約したのですが、この1泊のみ旅行代理店手配なのでした。

持参したバウチャーを見せると、フロントのお兄さんが「ホテルの住所は合っているが、電話番号とメールアドレスがここのとは違う。PCでメールの受信履歴を調べてみるからちょっと待ってろ」と言われます。やがて「メールが見あたらない。やはり予約が確認できない」と。

改めて、3枚綴りのバウチャーを見ると、最後の最後に、トラブルの場合の連絡先としてロンドンの代理店の電話番号が載っていました。

この代理店(何と日本語対応してる!)とのやりとりの結果、この日唯一空いていたスイートルームに追加料金なしで宿泊できることに決定! ただし、ガラディナー(大晦日の宿泊の際に強制的に買わされるイベント付きディナー)は自前で購入ということで手を打ちました。

さて、スイートルームです。実に広い。しかもお洒落。シメシメ状態で荷を解き、落ち着いたところで用を足そうとして愕然。

何と、トイレに扉がない!



ちょっと分かりにくいですが、奥のベッドと手前のデスクの間の空間が、トイレ&シャワーブースへのエントランスです。ここが開けっ放しになっていて、ドアがありません。凄いです。お洒落すぎです。これは、かなり交際期間の長いカップルでも、日本人の女子には厳しいだろうなあ。

20時過ぎからガラディナーが始まりますが、イベントディナーなので、食事の前にいろいろショーがあります。


マジシャンがやって来て、我々の目の前でマジックを披露してくれます。マジックの後は、フォーチュンテラーに手相を診てもらいます。サイババみたいな風貌の占い師が、「おぬしは長生きするぞ。90歳か91歳まで生きるはずじゃ。61歳が人生のピークじゃの」。おお〜、ありがたや。

そんな楽しいこともあり、ディナーに突入。例によってバイキング形式の食事です。給仕がテーブルにやって来て飲み物の注文を聞くので、「白ワインをくれ」と答えます。ところが……。

「ここではアルコールはお出しできないんです。サー」

オー・マイ・ガッ! 目が点です。開いた口がふさがりません。「ちょっと待ってよ、ビールもないの?」「ココナッツの地酒ならあるでしょ?」何度も聞き返しますが「酒は一切出せないんです。サー」だと。

ガラディナー、2人で1万ルピーは許すんだけど、酒が飲めないなんて聞いてない。ないならないで、最初に言って欲しかった。そしたら持ち込めたのに……。

これは、特別にヘルシー指向とか、ヨガの修行場だとかいうことではなく、ライセンスを持ってないからというのが理由でした。でも、レストランの奥のカウンターバーみたいなところには、ワイングラスやカクテルグラスがたくさんぶら下がっているんですよ。ひょっとして、過去に何かやらかして資格停止とかくらってんのかも。



そんなわけで食事はとっとと終了し、9時半には撤退です。ガラディナーの宴は続いていますが、ノンアルコールではなかなか盛り上がることができません。部屋に戻って、お洒落なリビングでテレビをつけると……。

全チャンネル砂の嵐!

実は、過去2年インドで大晦日を過ごしている私たちは、楽しみにしている番組があったのです。ボリウッドスターが一堂に会して行われる、インドのアカデミー賞授賞式みたいな番組です。ああ、今夜はあれも見られないのね。

フロントに電話して聞くと、近隣でテレビの送信ケーブルが切れたようで、決して当ホテルの責任ではないと。(確かに11時過ぎには復旧していました)

何ということでしょう。ここはサイババ風占い師に免じて、何年ぶりかの休肝日を受け入れるしかありません。

インドへの旅は、常に修行です。

0 件のコメント:

コメントを投稿