2014年8月17日日曜日

究極のパワースポット、ルルドに行ったら驚いた

バスクを巡る旅もいよいよ折り返し。今日はレンタカーを借りてフランスへと侵入します。

レンタカーを安く調達するには「rentalcars.com」が便利ですが、以前、モロッコでこのサービスを使った際にあまりにマイナーな店を選んだがために苦労させられた経験があり、今回はヨーロッパのビッグチェーン「Europcar」を選んでみました。

決めたぜ!レンタカーでアトラス越え

ホテルからタクシーでEuropcarのオフィスに行ったのですが、このタクシー内に飛んでたWiFiがクッソ早くてビックリ。ヨーロッパは、ホテルも携帯キャリアもネットが遅くて閉口しますが、このタクシーは何なんでしょう。やればデキるじゃん! メールとかSNSをチェックするのに好都合なので、もっと長くタクシーに乗っていたかったのですが、あっという間にEuropcarに到着してしまいました。複雑な気分。


駐車場から脱出するのにちょっと苦労しましたが、無事にプジョー208をピックアップ。ディーゼルターボです。なんと!カーナビが付いてます。でかした、Europcar。燃料満タンプリペイドを購入し(=給油せずに返してOK)、早速出発。

さて、今日の行き先はルルドです。ルルドの泉のルルドです。バスクを訪れるにあたり、巡礼で有名なサンチャゴ・デ・コンポステーラかルルドのどちらかへ足を伸ばそうと思い、熟考した結果ルルドに決めたと。聖地巡礼は、どこの国でももっともポピュラーな旅のひとつ。いろいろな発見があって大変有意義です。

しかし、そんな物見遊山な考えでルルドに行った私たちは、現地で驚愕の事実に直面します。我々はかの地で何を見たのか? 


フランス国境を越え、WiFiルーターのSIMをフランスのOrangeに入れ替えます。カーナビがいい加減だということが判明したので、Google Mapでもナビります。えらく遠回りした末、高速道路E80/A64に乗ってルルドを目指します。

高速道路を100キロぐらいで走っていると、後ろから来る車にビュンビュン抜かれてあせります。

標識を見れば、制限速度は130キロ。ヨーロッパは高速のデフォルトが違うんだった。ウチのプジョーくんの、おっとり気味のディーゼルターボ・エンジンに渇を入れる時が来たようです。

呼吸を整え、右足に渾身の気を送ります。そこから先は、車窓からの景色をあきらめ、150キロで激走。一度も追い抜かれずにルルドについた。ふぁ〜。


一方通行逆走を指示しまくる、使えないカーナビと悪戦苦闘しながら、ルルドのホテルに着きました。ヨーロッパの町は、駐車が一苦労ですね。ヨーロッパにおけるレンタカー旅は、「ラウンドアバウト」「駐車場」「高速の料金所」あたりが3大イベントでしょうかね。ちょっとしたRPGやってる感覚になりますよ。ビルの地下駐車場とか、まるでダンジョンだしね。車はギリギリ入ったんだが、自分が車から降りられないよ、みたいなケースが頻出します。


さて、ルルドの町は、さながら温泉地のような雰囲気です。山があり谷があり、観光客向けのホテルがひしめきあって建ち並び、お土産屋が軒を連ねています。

聞けば、ルルドの泉には水汲み場があり、行けば誰でも無料で好きなだけ水を汲むことができるとのこと。


だから、近隣のお土産屋には、こんなペットボトルがたくさん売られています。醤油差しみたいなのもあるぞ。


大容量のものもあります。容器はどこでも売ってます。

私たちは、水汲み場に隣接する水道局(?)の事務所で売ってる小さなボトルを7〜8個買いました。1個1ユーロ。箱にお金放り込んで勝手にもっていくスタイル。


見れば、色々な国からやって来たと思われる大勢の人々が水を汲んでいます。


ここで、ルルドの歴史について超簡単に。

ルルドは、19世紀の中頃に、14歳の少女ベルナデッタが聖母マリアに遭遇したというエピソードで有名になりました。ベルナデッタは聖母マリアと何度か遭遇し、マリアの示すところに泥水が湧いている泉を発見します。やがて泉からは清水が溢れるようになり、泉の水によって不治の病が治る奇跡が続々起こり、世界中から参拝者が訪れるようになったというわけです。

ルルドの医療局では、2500件あまりの事例を「説明不能な治癒」としており、その中でも68件が「奇跡」と公式に認定されているんだとか。


だから、みんながルルドにやって来る。ルルドに来る人は、神にすがりに、病を治しに来るんです。

朝のミサを覗いてみると、車いすの人がやたら多い。ストレッチャーを使ってベッドのまま並んでいる人もたくさんいます。みんな青い簡易屋根をつけているので、遠目にもすぐに分かります。


ルルドの敷地内には病院もあるので、そこから毎朝ミサに来ている入院患者も多いんでしょう。また、町には制服姿の看護師さんがたくさん歩いているので、遠くから看護つきで来ている人もいるのでしょう。

ちょっと衝撃的でした。こんなに多くの病人(怪我人も)を、病院以外の場所で目撃したことはありません。色んな病名が頭をよぎります。みな、奇跡を信じてここに来ているんでしょうか。


ルルドの泉からは、渾々と水がわき出ていますが、泉そのものはカバーに覆われ、直接その水にふれることはできません。蛇口から出る水を汲んで、飲んだり体にかけるのです。水汲み場の奥には沐浴場もあり、決まった時間に沐浴することもできます。


ルルドは、正真正銘のパワースポットだし、カトリック最大の聖地ですが、他の聖地とは明らかに性格が異なります。最初ここに着いた時は、人の多さや、お土産屋や、街を走るミニ鉄道みたいな乗り物を見て驚き、「宗教的テーマパークか?」と思ったのですが、泉に行ってみると、そこを訪れる人々に楽しそうな笑顔は少なく、むしろ真剣な表情の方が印象に残ります。何というか「特殊聖地」って感じですね。もちろん、観光で来てる人もたくさんいるけど、そうじゃない人も多いんだよね。

以上、色々なことを考えさせられる聖地ルルドでした……行ってみないと分からないもんです。美食の町サン・セバスチャンの記憶も軽くぶっ飛んだよ。

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