ゴールデンウィーク前半、急に思い立って、日産リーフで山梨のノースランドに行くことにしました。例年、4月から11月ぐらいにかけて、時々週末を過ごす山荘があります。
最近は「EV」と呼ぶみたいですが、リーフは100%電気で動く自動車です。CO2削減のトレンドもあってかなり注目を浴びていましたが、3・11以降の節電の大合唱の中ではやや肩身が狭い雰囲気も。
ですが、将来的にはEVおよびその系列の自動車が主流になるだろうとの個人的予測もあり、また単純に「EVどうよ?」ってところを体験しておきたく、日産レンタカーで借りてみることにしました。
自宅からノースランドまでは、カーナビによると154キロ。リーフは満充電で180キロ走れるということなので、十分に目的地まで到達できる計算。念のため、山梨県に入ってからの充電ステーションの場所と営業時間も調べてあります。
シルバーのリーフは颯爽と、そして静かにスルリと出発しました。出足は快調。しかし、世の中そんなに甘くなかった……。
リーフのメーターは、右側に走行可能距離が表示されます。ドライブ中は、この数値が生命線です。このキロ数を巡って一喜一憂の道中なのです。
スタート時、右側の電量計は目盛りが振り切っています。走行可能距離は159キロと出ています。
「あれれ、180キロ走れるはずじゃないの?」と不審に感じますが、「D」モードを「ECO」モードに切り替えると、174キロに延びました。ただし、エアコンを使うと10〜15%ほど距離が縮むようです。
首都高から中央道に乗って、順調にドライブ。室内は確かに静かです。驚いたのは、加速の鋭さ。Dモードでアクセルをグワっと踏み込むと、一切のタイムラグがなくシュルルルル〜っと加速します。これはちょっと快感ですよ。動力がアクセルからダイレクトに車軸に伝わっている感じ。ヤバい、こりゃたまらん。
一方、ヒューンというかキィーンというか、何かの回転音がちょっと耳障りです。スピードを上げると、カン高い金属音みたいな音色になって頭に残ります。この音にはだいぶ悩まされました。
それから、コーナリングが意外にタイト。後で調べたら、バッテリーなど重量物をセンターに寄せて、重心を車の真ん中に作ってあるとのこと。ミッドシップ・カーなんですね。FFの車に比べて、コーナリングがはるかにスムーズ。これも大きな特長です。
さて、我らがリーフですが、中央道を快調に走行してはいるものの、例の走行可能距離メーターの数値がどんどん減っていきます。途中でナビの目的地をノースランドではなく甲府市の日産プリンスに変更し、そこで急速充電を挟む計画に変えたのですが、その日産プリンスまでは(出発地点から)107キロ。180キロー107キロ=73キロも差があるなら余裕じゃん、と思いますよね。
ところが、談合坂サービスエリアに差しかかる長い上り坂で、カーナビの音声が「目的地まで到達できない可能性があります」と叫んでいるではありませんか!
慌てて談合坂SAに入り。車を停めて、日産のオペレーターに電話します。カーナビに「オペレータ」というボタンがついており、24時間サポートに無料でコールできます。車内でハンズフリーでオペレーターと会話するって、何か不思議な感じですよ。
最寄りに充電ステーションがないか聞いてみますが、やはり甲府の日産プリンスまでない模様。こんなに早く(ガス欠ならぬ)電欠のピンチになるとは思ってもいなかったので、充電ステーションをあまり詳しく調べていなかったのですが、そもそも中央道沿いはまだまだ充電設備が少ないのです。
「電欠になったら、どうなりますか?」と聞くと、「レッカーを手配します」と。「それは費用どれぐらいかかりますか?」と聞くと、レッカー担当に電話が代わって、
「お客様の契約したレンタカーですと、レッカー代は60キロまで無料です」と。最悪、レッカーになっても無料で運んでもらえることが分かったので、意を決して前進します。
ここから先は、冷や汗ものです。もちろんエアコンは最初から切ってあるし、ずっとECOモードに入れっぱなし。ステレオも切ってあります。それでも、上り坂が続くと電気の減りがすさまじい。大型トラックの後ろに張りついて、時速80キロで修行のようなドライブです。後続の車に次々抜かれます。運転人生でこんなに他車に抜かれたことはないというほど抜かれます。しかし、ここで必要以上にアクセルを踏み込むわけにはいかないし、踏む気分にもなりません。
途中、目的地まで38キロ、走行可能距離24キロと、マイナス14キロという数値を目の当たりにしたときには、もう絶対無理だと思いました。しかしそんな矢先、電気の天使が微笑んだのです。
「ここから9キロの長い下り坂 速度に注意」。正確に覚えていませんが、そんな内容の看板が目に入りました。
リーフは、上り坂では電気を垂れ流して進みますが、下り坂では電気を回復することができるのです。「回生」というやつです。この、最後の9キロの下り坂で見事に息を吹き返しました。充電ステーションまで22キロ、走行可能距離33キロ。11キロのプラスに転じました。やった、これならたどり着けるかも。
甲府昭和インターで中央道を降り、日産プリンスの美術館通り本店へ滑り込み。あと16キロで電欠というきわどいタイミングでした。日産のディーラーを訪れるの、ひょっとしたら生まれて初めてかもなあと思いながら、充電の間30分、ショールームでぼーっと過ごしました。電気自動車って大変だわ。
現在、急速充電設備のある日産ディーラーで、30分の急速充電は無料です(期間限定の模様)。急速充電は85%で行っているとのことで、走行可能距離152キロまで回復しました(ECOモード)。
さて、ノースランドまで残り20キロ。しかし、この20キロがずーっと上り坂なんです。案の定、着いてみたら可能距離23キロまで減ってましたよ。152キロ走れる予測が、20キロ走ってたったの23キロまで減っちゃった。帰り、どうするんだ?
いやー、電気自動車、なかなか大変です。(続く)
最近は「EV」と呼ぶみたいですが、リーフは100%電気で動く自動車です。CO2削減のトレンドもあってかなり注目を浴びていましたが、3・11以降の節電の大合唱の中ではやや肩身が狭い雰囲気も。
ですが、将来的にはEVおよびその系列の自動車が主流になるだろうとの個人的予測もあり、また単純に「EVどうよ?」ってところを体験しておきたく、日産レンタカーで借りてみることにしました。
自宅からノースランドまでは、カーナビによると154キロ。リーフは満充電で180キロ走れるということなので、十分に目的地まで到達できる計算。念のため、山梨県に入ってからの充電ステーションの場所と営業時間も調べてあります。
シルバーのリーフは颯爽と、そして静かにスルリと出発しました。出足は快調。しかし、世の中そんなに甘くなかった……。
リーフのメーターは、右側に走行可能距離が表示されます。ドライブ中は、この数値が生命線です。このキロ数を巡って一喜一憂の道中なのです。
スタート時、右側の電量計は目盛りが振り切っています。走行可能距離は159キロと出ています。
「あれれ、180キロ走れるはずじゃないの?」と不審に感じますが、「D」モードを「ECO」モードに切り替えると、174キロに延びました。ただし、エアコンを使うと10〜15%ほど距離が縮むようです。
首都高から中央道に乗って、順調にドライブ。室内は確かに静かです。驚いたのは、加速の鋭さ。Dモードでアクセルをグワっと踏み込むと、一切のタイムラグがなくシュルルルル〜っと加速します。これはちょっと快感ですよ。動力がアクセルからダイレクトに車軸に伝わっている感じ。ヤバい、こりゃたまらん。
一方、ヒューンというかキィーンというか、何かの回転音がちょっと耳障りです。スピードを上げると、カン高い金属音みたいな音色になって頭に残ります。この音にはだいぶ悩まされました。
それから、コーナリングが意外にタイト。後で調べたら、バッテリーなど重量物をセンターに寄せて、重心を車の真ん中に作ってあるとのこと。ミッドシップ・カーなんですね。FFの車に比べて、コーナリングがはるかにスムーズ。これも大きな特長です。
さて、我らがリーフですが、中央道を快調に走行してはいるものの、例の走行可能距離メーターの数値がどんどん減っていきます。途中でナビの目的地をノースランドではなく甲府市の日産プリンスに変更し、そこで急速充電を挟む計画に変えたのですが、その日産プリンスまでは(出発地点から)107キロ。180キロー107キロ=73キロも差があるなら余裕じゃん、と思いますよね。
ところが、談合坂サービスエリアに差しかかる長い上り坂で、カーナビの音声が「目的地まで到達できない可能性があります」と叫んでいるではありませんか!
慌てて談合坂SAに入り。車を停めて、日産のオペレーターに電話します。カーナビに「オペレータ」というボタンがついており、24時間サポートに無料でコールできます。車内でハンズフリーでオペレーターと会話するって、何か不思議な感じですよ。
「電欠になったら、どうなりますか?」と聞くと、「レッカーを手配します」と。「それは費用どれぐらいかかりますか?」と聞くと、レッカー担当に電話が代わって、
「お客様の契約したレンタカーですと、レッカー代は60キロまで無料です」と。最悪、レッカーになっても無料で運んでもらえることが分かったので、意を決して前進します。
ここから先は、冷や汗ものです。もちろんエアコンは最初から切ってあるし、ずっとECOモードに入れっぱなし。ステレオも切ってあります。それでも、上り坂が続くと電気の減りがすさまじい。大型トラックの後ろに張りついて、時速80キロで修行のようなドライブです。後続の車に次々抜かれます。運転人生でこんなに他車に抜かれたことはないというほど抜かれます。しかし、ここで必要以上にアクセルを踏み込むわけにはいかないし、踏む気分にもなりません。
途中、目的地まで38キロ、走行可能距離24キロと、マイナス14キロという数値を目の当たりにしたときには、もう絶対無理だと思いました。しかしそんな矢先、電気の天使が微笑んだのです。
「ここから9キロの長い下り坂 速度に注意」。正確に覚えていませんが、そんな内容の看板が目に入りました。
リーフは、上り坂では電気を垂れ流して進みますが、下り坂では電気を回復することができるのです。「回生」というやつです。この、最後の9キロの下り坂で見事に息を吹き返しました。充電ステーションまで22キロ、走行可能距離33キロ。11キロのプラスに転じました。やった、これならたどり着けるかも。
甲府昭和インターで中央道を降り、日産プリンスの美術館通り本店へ滑り込み。あと16キロで電欠というきわどいタイミングでした。日産のディーラーを訪れるの、ひょっとしたら生まれて初めてかもなあと思いながら、充電の間30分、ショールームでぼーっと過ごしました。電気自動車って大変だわ。
現在、急速充電設備のある日産ディーラーで、30分の急速充電は無料です(期間限定の模様)。急速充電は85%で行っているとのことで、走行可能距離152キロまで回復しました(ECOモード)。
さて、ノースランドまで残り20キロ。しかし、この20キロがずーっと上り坂なんです。案の定、着いてみたら可能距離23キロまで減ってましたよ。152キロ走れる予測が、20キロ走ってたったの23キロまで減っちゃった。帰り、どうするんだ?
いやー、電気自動車、なかなか大変です。(続く)
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