2024年10月31日木曜日

イーロン・マスクについて、被害者目線で語った珍しい書籍。筆者はTwitterジャパンの元社長

 今や、イーロン・マスクがどんな人物であるか、世界中で知らない人はいないと思います。私もかれこれ15年以上イーロン・マスクの動向をチェックし続けていますが、2017年にテスラのモデル3が発表され、スペースXのファルコンロケットが回収実験に成功したあたりが「イーロン・マスク2.0」。

そして今年(2024年)は、テスラのロボタクシー(サイバーキャブ)を発表し、スターシップで巨大ブースターロケットを箸状のアームでキャッチし、トランプ支援に盛大に乗り出すなど、さながら「イーロン・マスク3.0」といった具合ですね。

「世界一の大金持ち」ってのはどうでもいい話で、イーロン・マスク3.0は世界を「大いに驚かせる」というのと、「大いにうんざりさせる」というのを日々実践している感じです。

昨年(2023年)9月、文藝春秋から出版されたウォルター・アイザックソン著「イーロン・マスク」は、なかなか衝撃的な内容でした。「常に大きなリスクに立ち向かっていないと落ち着かない」「極めて有能なスタッフ以外はすぐにクビにしてしまう」など、彼の人物像は常人にはとても理解できるような類のものではなく、毀誉褒貶が相半ばするその激しいキャラクターについて非常にわかりやすくまとまっていました。


そんなイーロン・マスク関連の出来事の中で、2023年〜24年に起きたもっとも異様で、今でも物議を醸しているのが「Twitter(その後のX)の買収」でしょう。テスラの躍進も、スペースXの偉業も、世間は押し並べて「凄い」「偉い」と評価する内容です。しかし「Twitterの買収」については、「意味不明」とか「無謀な試み」などと評されたあげく、買収完了後の色んな仕様の改変に対して、さんざんな言われ方をされています。収益性もだいぶ悪化したらしい。

そんなイーロン・マスクによるTwitter買収の被害者が、そのダメージと心情について語った本を上梓しました。先の伝記同様、これも文藝春秋から出ているのが面白いですね。



イーロン・マスクを礼賛する書籍はたくさん出ています。「ジョブズを凌ぐ天才」とか「未来を創る男」とか、著者がイーロン信者になって教祖を祭り上げるような本も多くあります。その点、先のオスカー・アイザックソンによる伝記本は、比較的フェアーな内容で、いいことも悪いことも両方書かれています。そして今回の「イーロン・ショック」は、被害者目線から書いたという点で、極めて斬新です。イーロン・マスクに自分の城を破壊された人物の「恨み節」が綿々と綴られていて、なかなか印象深い。

冒頭、筆者は「イーロン・マスクの表の顔にはジャイアンがいて、裏側にはのび太がいる」と非常に分かりやすい例えを語っています。そして、そのどちらもが、本物のイーロンなんだと。ちょっと引用してみましょうか。

「Twitterの社員を7800人から3000人に減らすのも、あっという間に決断して執行してしまった。通常のリストラであれば、計画してから執行までに半年ほどかけてやるようなことです。それを3、4日でやってしまう」

シビれますねえ、7800人を3000人にリストラ。しかも3〜4日で実施。そんなことしたら、暴動が起こりますよね。確か、このリストラをやったのはコロナのリモートワークの時期だったので、暴動にならなかったんでしょう。社員が出社してたら大騒ぎだったはず。

「彼は「人間の心」に興味がないのだと思います。一方でイーロンは「人類を救いたい」とも言っています。彼の中で「人類」と「人間の心」はイコールではない」

これも、妙に納得感のある意見です。「人類を火星に移住させる」のが彼のミッション。そのミッションは壮大すぎるので、個人の感情の機微とか知ったこっちゃない。しかしその割には、かなり細かく他人を管理しちゃうという話も。

「実はイーロンの管理スタイルは「マイクロマネジメント」です。彼は自分ですべてを把握して、自分の感覚でものごとを創造していきたい人。だから、これだけの規模の会社を管理した経験のある経営者からすると、イーロンのやり方は、考えられないくらい「ミクロ」なのです」

イーロン・マスクの立ち居振る舞いは分かりました。それよりも、この本を読んでいて個人的に面白かったのはTwitter(現在のX)の今後の展望です。経営は大丈夫なのか? ちゃんと収益があがるSNSとして存続できるのか? これらについては、これまであまりネットで記事になっていない情報がありました。

「今後Twitterがどういう方向に進むのかはまだ分かりません。まだ売却する路線も残っていると思います。現に一時は、Googleに営業をすべて任せる案も上がっていました。Twitterという会社はサービスを運営するだけの会社で、そこでの広告は全部Googleが販売するという案も上がっていました。それもまだオプションとしては残しているでしょう」

「いまの社員に、彼からのメールを見せてもらったのですが、メールには毎週の売上報告に対して「ヤバい」とか「これは危険水域に入った」とか、そんなひと言だけが書かれていました」

「不安なのは、最近イーロンがTwitterの運営に飽きているように見えることです。いま彼はどんどんAIのほうに注力し始めています。「自分は叩かれるばっかりだし、Twitterの経営なんかもういいかな」と思っている可能性はけっこう高いのではないかと思っています」

なるほどなるほど。結構シリアスな状態が続いているんですね。Googleに広告を丸投げする案は、会社的にはアリかも知れませんね。それに、イーロン・マスクがもうTwitterの運営に飽きているっていうのも全然あり得る話です。もう、誰かにまかせて経営から撤退する日は近いかも。

筆者の笹本さんは、日本にTwitter文化を根付かせるのに多大な貢献をした、当時のTwitter Japanの社長です。しかしその後、イーロン・マスク本人に辛酸をなめさせられていたとはお気の毒としか言いようがありません。

でも、最後の方に記されていますが、その後有名な配信事業者の日本代表に就任していて、それはそれでおめでとうございますという感想でした。イーロン・ショックを克服し、そこから多くを学んで、次なるビジネスの一歩を踏み出しているのです。

ほんと、イーロン・マスクって、上司になって欲しくない人物ナンバーワンって感じですが、なったらなったで、当事者にはとても大きな影響を及ぼすんだなってことがよく分かりました。

イーロン・マスク、次は何をやってくれるのか。まずはアメリカの大統領選挙ですね。もうすぐ結果がでますよね。

▼「イーロン・ショック 元Twitterジャパン社長が見た「破壊と創造」の215日」

2024年9月4日水曜日

秋葉原スーパーチャージャー訪問記。→ AIに「村上春樹」風味でリライトさせてみたよ

生成AIツール「Claude3.5 Sonnet」を愛用しています。今日は、新しいスーパーチャージャーに充電しにいった件を記したプレーンな文章を「村上春樹」風味にリライトしてもらいました。


以下、AIが村上春樹風にリライトした文章です。写真は筆者が添付;

8月のある週末、僕のテスラの充電残量が20%を切った。そんな時、人は充電に行こうと思うものだ。僕も例外ではなかった。ナビのスーパーチャージャー(SC)のアイコンに指が伸びる。それは、まるで長い冬の終わりに、春を告げる小鳥が枝に止まるような、そんな自然な動きだった。

普段なら、日比谷SCか新宿SCのどちらかに向かう。自宅から3キロちょっと。そこでは、駐車料金が入庫から30分まで無料だ。30分。人生の中では短い時間かもしれない。だが、その30分の中に、どれだけの物語が詰まっているだろうか。

しかし、この日は違った。見慣れない「秋葉原SC」という文字が、タッチスクリーンに浮かび上がっていた。自宅から2.8キロ。数字の上では、いつもの場所よりも近い。でも、距離は必ずしも親密さを意味しない。僕はそう考えながら、この新しい場所に向かうことにした。

秋葉原SCは、秋葉原UDXの地下駐車場にあった。ヨドバシカメラの向かい。線路を挟んで対面している。そこには、テスラのマークはなかった。けれど、ナビは僕を導いた。まるで、運命に導かれるように。

地下駐車場には、痛車が所狭しと並んでいた。それは、この街の物語を語っているようだった。

B2に降りると、見慣れたテスラの充電器が姿を現した。V3。250kWの力を秘めた4基の巨人たち。

張り紙には、1時間無料という言葉。それは、時間の贈り物のようだった。B1の管理室で手続きをする。そこで、僕の物語と駐車場の物語が交差する。


外に出ると、「CHABARA ちゃばら」という商店街が目に入った。


そこには、日本中の食べ物が集まっていた。長崎のトルコライス、千葉の落花生。それぞれが、遠い土地の記憶を運んでくる。


精進料理の店「こまきしょくどう」。自家焙煎の「やなか珈琲店」。それらは、この街の中で静かに息づいている物語たちだ。

秋葉原SC。それは僕の新しい「マイSC」となった。次はトルコライスを食べてみようか。そう思いながら、僕は充電を終えたテスラに乗り込んだ。街の喧騒が、静かに僕を包み込む。


村上春樹おわり。

いや〜、なかなかの春樹節じゃないですか。これ、アウトプットに15〜20秒ぐらいしかかかりません。

調子に乗って、枕草子風にリライトしたのがこちら。

充電器はやはり、秋葉原にあるものこそ良きものなり。

痛車の群れる地下駐車場、そこに佇むテスラの充電器の姿、いとをかし。V3とやらの250kWの力、四つ並びて立てるさま、まことに頼もしきこと。

張り紙に記されし一時間の無料、これぞ思いがけなき喜び。管理室にて手続きを終え、地上に出でし時の心地よさ、言わむ方なし。

UDXのレストラン、さまざまにありて目移りするものかな。されど、「CHABARA ちゃばら」こそ、心惹かるるものなり。日本全国の味の数々、目にも彩り豊かなるさま、いとめでたし。

長崎のトルコライス、千葉の落花生、竹岡ラーメン、かくも多くの味の饗宴、まことに楽しきものかな。

……いとおかし、Claude3.5。楽しきものかな。

2024年8月14日水曜日

爆笑動画。 AIに津軽弁は話せるのか? ChatGPTのリアルな現在地

少し前ですが、津軽弁YouTuberの「すんたろす」が新しい動画をアップして、軽くBuzzっているという情報が流れてきました。内容は、ChatGTPに津軽弁で話しかけてみたら、その反応が驚きの連続だったというもの。

すんたろすは、3年ほど前にアップした「Siri(iPhone搭載のAI)に津軽弁で色んな命令をして困らせる」という動画が100万回以上再生されて、青森県人を爆笑の渦に巻き込んだ青森市出身のYouTuberです。Siri VS津軽弁でバカ受けしたので、今回、ChatGPT VS 津軽弁のネタを繰り出してきたわけですね。

すんたろすの動画を見たことがない人のために、まずは短めのものを1本貼っておきましょう。濁音の多い津軽弁は、耳で聞くとフランス語に似てるっていうのは、青森県民の鉄板ネタです。

【フランス語に聞こえる津軽弁会話】(2分07秒)



↓画像が見えない場合は、リンクをクリックして再生

どうですか? フランス語に聞こえますか? これ、字幕を読まずに耳だけで聞いた方が面白いと思いますよ。

さて、それでは今日の本題「Chat GPT VS 津軽弁」の動画です。15分以上ありますが、昨今のAIブームに関する非常に分かりやすいサンプルにもなっていて、とても有意義だと思います。

ChatGTPが津軽弁で訛り始めた 34万回 16分42秒



↑画像が見えない場合は、リンクをクリックして再生してください。

私は、青森県の下北半島で生まれ、高校生の3年間だけを青森市(=津軽弁文化圏)で過ごしたのですが、その時に、東京から転校してきた転校生が、無理して喋っていた津軽弁を思い出しましたよ。イントネーションは標準語で、語尾だけが津軽弁化しているヤツ。

本人も驚いていますが、Chat GPT、なかなか侮れない。私も自分のiPhoneで試してみました。ChatGPTアプリをダウンロードすると、無料アカウントで同じような体験ができますよ。


実際に会話した内容は、上記のようにテキストで保存もされます。

このChatGPTネタ以前に、Siriに対して同じように話しかけた動画があって、こちらはもう、抱腹絶倒です。青森県の人も、青森県民じゃない人も大爆笑間違いなし。

Siriに津軽弁で話しかけまくったらぶっ壊れました(8分17秒)




このSiriのヤツが3年前だってのも重要なポイントですね。音声で「Hey Siri」が使えるようになったのは2014年のことみたいですが、このYouTube動画は2021年6月のもの。

今は2024年なので、約3年でAIが相当に進化してるんだなって分かります。もちろん、AppleのSiriと、Open AIのChat GPTを同列に並べて比較するのは無理がありますが、ふだんAIアシスタントを使いまくっている私からすると、SiriとかAlexaは「ひと昔前のAI」という判定で間違いないと言い切れます。Chat GPTが最先端AIのひとつであると、これらのYouTube動画が示していますよね。

最後に、すんたろすの動画で、私が好きなヤツをもう1本だけ貼っておきます。これまた、初見のときは腹抱えて笑いましたよ。

【韓国語に聞こえる津軽弁】(2分25秒)




以上、津軽弁YouTuberから学ぶ、AI事情の最前線でした。

へば、まだ!

2024年7月8日月曜日

早起きして洗車したら、ドシャ降りになった件

 7月1週目の土曜日。富津市の家から東京に帰る日の朝、天気がよかったので朝9時ぐらいから自宅の庭で洗車をしました。そしたら、その日の午後に東京でドシャ降りの雷雨に遭遇したという話です。とにかく、もの凄い雷雨でしたよね。



ウチの洗車は、ホースとケルヒャーとMJJCフォームガンを使います。まず、全体に水をぶっかけ、フォームガンを使って車を泡(「神泡シャンプー」を10倍に希釈したもの)まみれにし、その後水で流すというルーティーンです。


全体にまんべんなく泡を吹き付けます。けっこう高圧で飛んでいくので、泡を放出している間は、消防士になったような気分になります。


吹き上げは、GYEONのシルクドライヤーというタオルが最強です。水分の吸収力が半端ない。気持ちよく水気がなくなっていきます。


トランクやフランクや、ドアも全部開放して、外から見えない部分を拭き取ります。この辺りは普通のタオルで問題ないですね。


およそ30分ほどで、バッチリキレイに仕上がりました。汗だくになったので、自身もシャワー浴びて東京に帰ります。

……しかし。


東京に戻ったら、雷を伴う激しい雨。

洗車あるあるってヤツですかね。車がキレイだったのは、わずか3〜4時間の間のことでした。ガックシ……。




まあでも、一夜明けて次の日に車に乗ったら、ボディはけっこうキレイなママでした。神泡シャンプー効果、意外に長持ちなのかも。これからは、天気予報をあんまり気にせず洗車することにしました。




ケルヒャー用フォームキャノンS+神泡シャンプー


GYEONのシルクドライヤー

2024年6月27日木曜日

森永卓郎の「書いてはいけない」はトンデモ本か

 ちょっと不思議だった読書体験を。

毎月、図書館で10冊〜20冊ぐらいの本を借りて読んでいますが、完読できるものは半分ぐらいです。2週間で返却(次の予約者がいなければ、さらに2週間延長可能)というしばりがあるので、時には速読したり、追い立てられるように読むのですが、予約したものが重なって届いてしまうと、積み上げただけで吐きそうになります。


そんな中、けっこう話題の森永卓郎「書いてはいけない 日本経済墜落の真相」は、面白くて一気に読んでしまいました。半日ぐらいで読み終わった。


▼ 「書いてはいけない 日本経済墜落の真相」(森永卓郎・著)

内容のダイジェストは、生成AIにまかせましょうか。「パプる」でおなじみ「perplexity」で聞いてみました。

▼ perplexity

森永卓郎の「書いてはいけない」はどんな本?

perplexity;
森永卓郎の「書いてはいけない――日本経済墜落の真相」は、日本の経済アナリストである森永卓郎が執筆した本です。この本は、彼の40年にわたる研究者人生の集大成であり、彼自身の遺書とも言える内容です[4]。

### 内容概要
本書では、メディアで触れてはいけないとされる「3つのタブー」に挑戦し、その背景にある真相を明らかにしています。具体的には以下の3つのテーマが取り上げられています[4]:

1. **ジャニーズ事務所の性加害問題**
2. **財務省のカルト的財政緊縮主義**
3. **日本航空123便の墜落事件**

これらのテーマは、関係者の多くが知っているにもかかわらず、真実を語るとメディアから排除されるリスクがあるため、一般的には公にされていない内容です[4]。

### 著者について
森永卓郎は1957年東京都生まれの経済アナリストで、獨協大学経済学部の教授でもあります。東京大学経済学部を卒業後、日本専売公社(現在のJT)に入社し、その後メディア活動を通じて多くの経済問題に取り組んできました[1]。

### 執筆の背景
森永氏は2023年12月にステージ4のがん告知を受け、この本を完成させることを自身の使命と感じました。そのため、本書は彼の命を削って執筆されたものであり、非常に個人的かつ重要なメッセージが込められています[4]。

この本は、長年の疑問や隠蔽された事実に対する森永氏の率直な指摘が含まれており、読者にとって非常にわかりやすい内容となっています[1][4]。

Citations:
[1] https://www.amazon.co.jp/%E6%9B%B8%E3%81%84%E3%81%A6%E3%81%AF%E3%81%84%E3%81%91%E3%81%AA%E3%81%84%E2%80%95%E2%80%95%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%A2%9C%E8%90%BD%E3%81%AE%E7%9C%9F%E7%9B%B8-%E6%A3%AE%E6%B0%B8-%E5%8D%93%E9%83%8E/dp/4866809361
[2] https://www.amazon.co.jp/%E6%9B%B8%E3%81%84%E3%81%A6%E3%81%AF%E3%81%84%E3%81%91%E3%81%AA%E3%81%84-%E6%A3%AE%E6%B0%B8-%E5%8D%93%E9%83%8E-ebook/dp/B0CWDJZJ5Z
[3] https://books.rakuten.co.jp/rb/17770370/
[4] https://www.forestpub.co.jp/author/morinaga_takurou/book/R-0084

いや〜凄く便利です、perplexity。出典を示してくれるので、ChatGPTみたいに騙されることはありません。

さて、本書の内容なんですが、1のジャニーズについては、例のBBCの報道以降劇的に風向きが変わって、もはやタブーではなくなりました。

2の財務省問題については、意外に知らなかったことも多くてそれなりに驚かされます。メディアが財務省の意にそぐわない記事を掲載すると、財務省は「税務調査」という制裁措置を行使するって話にはシビれました。経営者や経理担当者にとって、税務調査ほど不愉快なイベントはありませんからね。

そして、3の日航機123便の墜落事件。ここに書かれている内容について、私はまったく知りませんでした。1985年8月12日、御巣鷹山に墜落した日航機の事件は、当時私もテレビの報道で毎日のように見ていましたが、確かに墜落場所の特定に時間がかかったり、「金属疲労」とか「ダッチロール」とか、耳慣れない言葉が多く出てきたことは覚えています。

そして、この本の最大の衝撃は、この墜落事故についての、ある種の陰謀説が披露されていることです。あまり詳しく書きませんが、この123便の直後を自衛隊のファントム機が2機追尾していた事実があるそうです。他にも、証拠隠滅の形跡があったりなど、単に事故として片づけるには不審な点がたくさんあったと。

もっとも、こうした主張は、2020年に「日航123便墜落 圧力隔壁説をくつがえす」(青山透子・著)という書籍で提示されたもので、森永氏はその主張を支持する形で、追加情報とともに紹介しています。

以下は、Amazonにおける「日航123便墜落 圧力隔壁説をくつがえす」の説明文。
*本書が追求する問題点
●公式記録にはないファントム二機の追尾が目撃されている。
●日航機に付着した赤い形状のものが目撃されたが、それは何か。
●地元群馬県上野村の小中学校の文集に寄せられた子どもたちの目撃証言。
●米軍機が墜落地点を連絡したにもかかわらず、なぜ現場の特定が遅れたのか。
●ジェット燃料の火災ではありえない遺体の完全炭化から考えられるある種の武器使用の疑い。
●事故原因はなぜ意図的に漏洩されたのか。
●圧力隔壁修理ミス原因説への疑問。

疑惑の証拠隠滅につながる数々の証言をもとに、今まで隠蔽されてきた問題が次々と明らかとなり、この事故が「事件」であった可能性が浮かび上がっていく。(引用終わり)

▼「日航123便墜落 圧力隔壁説をくつがえす」(青山透子・著)

とても気になったので、Wkikipediaでこの事件のページ「日本航空123便墜落事故」を見てみると、そこは沼でした(笑)。コックピットの交信記録やら、米軍の輸送機が事故を空中から目撃して救助態勢を取っていた件とか、救助活動の件とか、実にいろいろな情報が沼のように溜まっています。

▼「日本航空123便墜落事故」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%88%AA%E7%A9%BA123%E4%BE%BF%E5%A2%9C%E8%90%BD%E4%BA%8B%E6%95%85

そして、この123便には坂本九らの著名人が乗っていたわけですが、「搭乗予定だった著名人」という項もありました。そこには、明石家さんま、浅野ゆう子らに加えて、ジャニー喜多川の名前もあったんです。

思わず「おおっ」と声が漏れました。森永卓郎の「遺書」とされる書籍で、ジャニーズから始まり、財務省を経て、日航機事故に到った点と線が、ぐるっと回ってジャニーズへとループしたんです。とても不思議な、ある種のカルマを感じるループ。

かつて、トンデモ本として認定された「買ってはいけない」という本がありました。この「書いてはいけない」も見方によってはトンデモ本かも知れません。しかし、筆者が命を削って書いている感じは行間のそこここに漂っていて、妙な説得力を醸し出しているのもまた事実。

日航機123便事件、これからまた、何らかの新事実が出てくるかも知れませんね。差しあたり、青山透子の本も読んでみようかなと思います。

2024年5月31日金曜日

初ラスベガスの覚え書き。クレジットカード詐欺にも遭った件

もう半年ほど経ちますが、今年(2024年)1月、初めてラスベガスを訪れ、初めてCESに参加しました。来年もおそらく参加すると思うので、再訪時に備え、例によって覚書を残しておくことにします。帰国してからしばらくして、クレジットカード詐欺に遭ったことも発覚。その顛末も記します。


・ハワイアン航空が安かった。ホノルルとの気温差がネックといえばネック。
東京からラスベガス(LAS)は直行便がありません。LA経由とかSF経由とかいろいろありましたが、一番リーズナブルだったのが、ホノルル経由のハワイアン航空。羽田からホノルルまでがCクラス、ホノルルからLASまでがYクラスってやつ。


ホノルルでの乗り継ぎが若干トリッキーでした。何故なら、ホノルル発はネイバーアイランド行きの便がほとんどで、メインランド行きはラスベガス行きしかない。なんで?って思いながら、色んな人に「ハワイアン航空のラスベガス便の出発ターミナルどこ?」って尋ねまくってターミナルを移動しました。

・1月のラスベガスは寒い。東京と変わらない気温なので真冬の装備で。
そうなんです。夏は40度ぐらいまで暑くなるそうですが、私が行った1月は凍える寒さでした。ダウン推奨とは言え、乗り継ぎのホノルルの件もあるので、重ね着作戦が有効かと思います。


あとで分かったことには「ハワイの人はラスベガスが大好きなんですよ」って。ハワイ人にとって、メインランドで一番の人気デスティネーションがラスベガスなんだとか。

・コリアン率異常に高し。ホテルの売店でも韓国語で話しかけられる。
ホノルルからのフライトも、韓国人が多かったんですが、ラスベガスの街でもCES会場でも、韓国人が多かった。日本人も多いけど、その3倍いましたね。

それもそのはずCES会場で、パナソニックとかソニーとかシャープとかの展示は、良くも悪くも枯れていて、勢いはないんです。しかし、サムスンとかLGとかハイアールなんかの韓国や中国勢は遙かにギラギラしています。


ホテルの売店で買い物してレジに行ったら、レジのお姉さん(白人です)が「アンニョンハセヨ〜」って挨拶してきましたからね。

・ラスベガスの街はフラットでだだっ広い。
今回、宿泊はルクソールというホテルでした。ピラミッド型の建物で、ホテルの外にはスフィンクスとオベリスクが聳えています。


もちろん、カジノを通らないと部屋には行けません。


帰国の際に気がついたことには、空港のターミナルからもルクソールが見えるんです。泊まっているホテルが空港から見えるという経験は生まれて初めてでしたね。とにかく街がフラットでだだっ広い。

思うに、ラスベガスはアメリカでもっとも浮ついた街ですね。みんな楽しみに来ている感じがそこここに見られます。ホテルのレストランでも、テレビ中継されてるフットボールの試合で若者たちが大騒ぎしてました。

ラスベガスは人口68万人だそうですが、めちゃめちゃ活気があって、その10倍ぐらいの規模に感じます。ちなみに、同じくインバウンド依存の町、ホノルルの人口が35万人。
ラスベガスは、とにかく歩く町です。私たちはレンタカーも確保していましたが、連日2万歩以上歩いてました。「ここからシーザースパレスまで、どれぐらいかかる?」「歩いてたったの45分だよ」みたいな会話をリアルに聞きました。


CESの会場を結ぶ「ヴェガスループ」は、なかなか微妙な乗物でした。イーロン・マスクのトンネル会社のプロダクトですね。走るテスラは、全車ドライバー付き。これが無人になったら凄いんだけどねえ。


ベラージオの噴水は、15分おきに5分間。ドバイの方が凄いかも?


CESのパスは、空港のアライバルロビーでゲットが定番! QRコードを用意しておけば、1分でパスが出ます。

スペイン料理、「EDO」が美味かった。ダリみたいな口ひげのお兄さんが印象的でした。


・クレジットカード詐欺、発覚
日本に帰って2〜3カ月。クレジットカードの明細をWebでチェックしたら、海外利用(米ドル決済)で身に覚えのない項目がありました。

2024/1/15
MYFITBODIES.COM WATFORD 1回払い 7,452 7,452 49.95 USD

当該のURLにアクセスしてみると、オンラインのフィットネスジムみたいなサービスでした。まったく使った覚えがありません。7452円請求されてます。そして、翌月の請求ではなんと……

2024/1/23
URMEDIAZCOM BIRCHINGTON 1回払い 3,033 3,033 19.97 USD

2024/2/15 M8096
MYFITBODIES.COM WATFORD 1回払い 7,690 7,690 49.95 USD

先のフィットネスジムに加えてもう一件、見知らぬアカウントからの請求が追加されていました。こちらはサービスの内容すら不明です。2件で1万円超えてます。

翌月も同様に2件の請求が来てましたので、これはもうカード会社に電話するしかありません。カード会社のサポート担当とやりとりの結果、詐欺に間違いないだろうとのことで、当該のカードは利用停止に。新しいカードを発行してもらうことになりました。もちろん、詐欺で支払った金額は、全額返金してもらいます。

悪質だなあと思うのは、1件通ったら、翌月にもう1件違う請求を乗っけてくるところです。利用者が気がつかないと思って、じわじわ請求を増やしてくる。しかもこれ、当該の会社のWebに行くと「サービス停止の手続きはこちら」ってメニューがあって、クリックすると、ログインIDとPWDを入力する口が切ってあって、そこにIDとかPWDとか入れた日には、それらも盗まれること確実です。トラップだらけ。

番号を盗まれたと思しきカード詐欺は、過去にも経験があるのですが、その時は六本木のレストランだと確信しました。では今回、果たしてどこで番号を盗まれたのか? CES会場の近くにあったメキシコ料理の屋台かな? それとも、晩メシを食った中華料理屋かな? と記憶を辿りつつ、カード会社の担当に聞いたら、請求されたMYFITBODIES.COMには、1月8日にカード番号が紐づいた記録があるとのことです。それから1週間後、15日に利用金額がチャージされてる。

1月8日って、ラスベガスに着いた日じゃん! 当日、着いたのが夜だったので、外出とかしてません。クレジットカードを使ったのは、ホテルのフロントと、ホテルの中のレストランと、ホテルの中のコンビニぐらいなんですよ。割かしちゃんとした店で、番号を盗まれた可能性が濃厚。

いや〜、恐ろしいですね、油断も隙もない。ラスベガス。

また来年もCESの時期にラスベガスに行こうと思っていますが、「カード番号は盗まれて当たり前」って前提で考えた方がいいかもです。有効期限をできるだけ短くするか、限度額を思いっきり減らすか、あるいはデビットカードがいいのか。いずれにせよ、後でカード番号が変わるのは相当に面倒なので、公共料金の支払いみたいな、毎月レギュラーに使用しているカードじゃないカードを持参するのが良さそうですね。


ラスベガスは、私にとっては「Sphere」の街です。この球体のディスプレイを眺めているのが最高に楽しい。今回は、99ドル払って中に入ってダーレン・アロノフスキーの監督作品を鑑賞しましたが、来年はまた新しい作品が見られるのか。今から楽しみですねえ。



2024年4月23日火曜日

熱海ジェット船の旅Part2。古民家改築のイタリアンでディナー

 熱海にやって来た件、Part2です。館山からジェット船に乗って往復8000円の旅でした(運賃だけね)。

熱海は坂が多い街です。徒歩の移動ばかりだとヒドい目に遭います。


熱海港から上り坂をエッチラ歩いて20〜30分、熱海駅の商店街の混雑ぶりに大いに驚き、ランチは「囲炉茶屋」。アジのまご茶膳、2200円なり。まずはそのままアジ丼で、続いて出汁を注いでお茶漬けに、さらにお茶漬けにアジの干物を投入と、2度の味変を楽しみます。うむ。普通に美味しい。ご飯がやや多いけど。注文は、テーブルからQRコードで行います。DX進んでるなあ、熱海。


ランチの後は、カフェでコーヒー。その後「起雲閣」を訪ねます。「熱海の三大別荘」と言われる邸宅で、根津美術館の根津さんも一時オーナーだったことがあるそうです。


旅館として営業していた時代には、島崎藤村や三島由紀夫、寛一お宮の「金色夜叉」の尾崎紅葉などが利用したそうです。太宰治が入水する3カ月前に泊まった部屋なんてのもありました。

仏像が彫ってある暖炉、けっこうレアじゃないでしょうか? 初めて見ました。


金曜日に1泊する旅ですが、熱海でグレードやや高目のホテルは1カ月前にはほぼ満室。なので、今回ホテルは海沿いだけどシャビーなヤツにして、ディナーを奮発しました。

「アロマフレスカ」です。高台の上に立つ古民家をリノベーションしたイタリアン。入口は,旅館の玄関みたいです。


和の雰囲気を醸し出すイタリアン。シーフードと旬の野菜が上品です。前菜も盛り合わせではなく、一品一品提供されます。食器もエレガント。


窓から熱海の街の夜景を見下ろせるのですが、写真がうまく撮れていなかった。残念。

ここは再訪決定ですね。お風呂付きの部屋もあるそうです。イタメシ&温泉がパッケージできるって凄い。まあでも、お風呂は入らなくていいか。


翌日の朝。「来宮神社」も大変な人出です。ここは、自撮りのためのスマホスタンドがあちこちの台に置いてあります。みな、タイマー使って撮影してます。


お土産の干物は「釜鶴」か「アオキ」かって感じですが、義母に電話したら「釜鶴で買ってきて」とのことでした。骨なしアジがオススメです。

ランチはお寿司。生け簀から取り出してさばいたアジがうまい。握りもうまい。


帰りの船は、14:10熱海港発、大島経由で館山港に16:05着。


富津の家に帰ったら、ぶ厚い雲の下に富士山が見えました。


1泊2日熱海の旅。次回はいつ行こうかな。東海汽船の公式サイトによると、館山港出発便は、4月から9月までは設定がないみたい。また来年ですかね? 毎年春の恒例旅行になりそうです。