2011年5月29日日曜日

イギリス旅行記2011 その9 Facebookを活用する教会、湖に浮かぶ城

前回のエントリから続く;

イギリス旅行もいよいよ今日が最終日。


最後の夜の宿泊は、中世の町並みが残る「ライ」という町。ここには、かつて船乗り御用達の宿だった、マーメイド・インという有名なホテルがありますが、予約した時点であいにく満室だったので、最近リノベーションされたデザインホテル「ジョージ・イン・ライ」に宿泊しました。


小さいけれど、なかなかラブリーな宿です。

ホテルの近くには、12世紀に建造された、由緒正しきセント・メアリー教会があります。入り口の掲示板を除くと、教会のFacebookアカウントをPRしています。


キリスト教会にもソーシャル化の波が押し寄せてますね。

ライを後にし、14世紀に造られたお城を目指します。


途中の道に風車が見えたので、ちょっと立ち寄って撮影。風車にカメラを向けると、上半身裸のお兄さんが、おもむろに力仕事を始めました。


ボディアム城に着きました。湖上に浮かぶ、なかなか風情のある城です。

実にのどかです。城周辺の芝生の上では、鴨がたくさん歩いています。お弁当持ってピクニックに来たい。先日の白亜の断崖セブン・シスターズといい、イギリスは、ピクニック・スポットが実に豊富です。

日本における同規模の観光地だと、品のないお土産屋や食堂が近隣に建ってしまって台無しになるケースです。イギリスの観光地は、ピクニック欲を無性にかき立てられる点が素晴らしい。

帰国の前に、もう一つお城を訪ねます。シシングハースト城という庭園で有名なお城です。


高いタワーが建っています。エリザベス1世様式だとか。

庭園もなかなか立派ですが、それよりも、この煙突が特徴的な「オーストハウス」という建物(ホップを乾かすために、煙突が独特な形になっている)が珍しくて、しばらく眺めたり建物に入ったりして過ごしました。


先っぽの白い煙突状の部位が、風に吹かれてくるくると回転するんだそうです。

そうこうするうちに、出発の時間が近づいて来ました。ヒースロー空港に向かって、フォード・フォーカスを走らせます。


ところで今回のイギリス旅行は、ロイヤル・ウェディングから1週間後というタイミングでした。新聞・雑誌はご覧のお祝いモード。

震災後の、節電とか放射線の話題から逃れ、しばしの心の平安を味わいました。でも、本当にしばしの間だった。

このエントリは日本に帰国してから3週間後に書いたものです。もう、すっかり日常に戻っています。

2011年5月25日水曜日

イギリス旅行記2011 その8 白亜の断崖とデザイン・カフェ

前回のエントリから続く;

ニュー・フォレストの宿は、こんな感じのマナーハウスでした。敷地内にSPAやタイレストランもあります。


ここで1晩過ごし、今日はブリテン島南の海岸を目指します。


ゲイの町ブライトンを通過し、ランチを摂るために向かったのが……。


これです。イースト・ビーチ・カフェ。ウェスト・サセックスのリトル・ハンプトンという町の海岸にポコンと建っています。


凄いデザイン。裏に回るとこんな感じ。


トーマス・ヘザウィックが設計。上海万博のUKパビリオンなんかもやった人。


お昼時でカフェは結構混み合ってます。フィッシュ&チップス食べてる人が多い。カフェだけでなく、周辺の公園もアート感覚豊かです。


さて、ランチの後は、今回の旅で南部を選んだ最大のモチベーションとなった場所へ。


ここです。セブン・シスターズ。石灰岩の断崖です。もっと近づいてみましょう。


どうです、この景観。ウチの実家の近くにある仏ヶ浦もなかなかですが、この断崖もかなりの絶景です。

実はここ、なかなか行きにくい場所なんですよ。基本、車がないと無理。いくつかのルートがあって、我々は、駐車場から徒歩15分ぐらいでビューポイントに着けるルートで行きました。崖のふもとまでは1時間ぐらいかかりそう。

でも、ふもとのビーチで寝転がってる人もけっこういます。1日中ここで過ごす人たちですね。

日本だったら絶対にある土産物屋などは一切ないので、環境はとてもいいです。駐車場からビューポイントへの道中は、こんな感じでいたってのどか。


何時間でも過ごせそうな場所です。犬の散歩に来ている人がとても多いですね。車に犬を乗せて。今度来るときはピクニックだな。

2011年5月23日月曜日

イギリス旅行記2011 その7 ニュー・フォレスト、車好きなら失神覚悟!

前回のエントリから続く;

英国王のエコな店から、Ford Focusディーゼルで一気に南へ向かいます。今日の目的地は、ニュー・フォレスト。イギリスでもっとも新しい国立公園で、さまざまなエコロジカルな取り組みが行われているエリアです。


ほら、ご覧のように緑あふれる国立公園。やや雨模様。

エコな取り組みというのは、例えば同地への観光客は、車ではなく電車を使った移動が推奨されており、電車で到着した証拠(切符の半券とか)を見せると、ペンションへの宿泊代が10%オフになる。

また、レンタルサイクル業者がたくさんあり、森を散策するのに自転車を利用することを推奨していたりとか。これはロンドンの自転車とはまた違って、マウンテンバイクなんかのオフロード仕様の自転車が中心ですね。

そんなエリアなんですが、電車にしても車にしても、ロンドンからおよそ1時間半〜2時間ということで、日帰りの家族連れ客から、別荘買って週末ごとに訪れるセレブまで、色んな属性のビジターがいるようです。

いわゆる「観光地」とはちょっと違うところだと直感しました。

その証拠がこれ。



この写真は、ニュー・フォレストの中にある、リンドハーストという町のメインストリートです。こんなチロリアンな田舎町に、フェラーリのディーラーがあるんですよ。凄く立派な。



ほら。赤レンガのフェラーリのディーラーです。フェラーリがゴロゴロ。

同じ敷地内、フェラーリの右手前にはマセラッティのディーラーもあるんです。こんなにたくさんのマセラッティを見たのは生まれて初めてです。

Wikipediaで調べたら、リンドハーストは人口3000人弱の町です。なんでそんな小さな町にフェラーリやマセラッティがゴロゴロしてんのか。

恐らく、このエリアは軽井沢みたいなもんなんでしょう。ロンドンの避暑地。まあ、避暑じゃなくても、週末ごとに訪れる町。そう考えると合点がいきます。

エコな地域で、思いがけず大量のスーパーカーに遭遇してしまいましたが、ニュー・フォレストではもっと凄い車たちに遭遇することができます。

ビューリーにある、ナショナル・モーター・ミュージアムです。

このナショナル・モーター・ミュージアムは、英国貴族のコレクションをベースに作った自動車博物館で、広大な敷地にモノレールを走らせ、レストランやアトラクションなども付加された一大テーマパークになっています。

ミュージアムに入ってみましょう。面白い車があふれていそうです。


カニ目の車がズラリと並んでいます。すべての車にナンバーがついています。


佐藤琢磨が表彰台に上った時のBAR HONDA。琢磨本人の所有のようです。


デロリアンですね。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でマイケル・J・フォックスがタイムトラベルに使ったやつ。


ミスター・ビーンのミニ。写真では分かりにくいですが、室内にはテディ・ベアもぶら下がっています。


右側にはリライアントも。3輪車大集合ですか。


ロータスのF1マシン。60年代、フォード・コスワースのエンジン積んでジム・クラークが乗ってたやつでしょうか。カッコいいですねえ。まさか生で見られるとは。


別棟には007企画展もあって、歴代ボンドカーがずらり。こちらは「私を愛したスパイ」(77)に出演したロータス・エスプリですね。77年つったら、世の中スーパーカー・ブームだったかも。


これは、キャドバリーというチョコレートメーカーがチョコの販促用に作った車です。ヘッドライトはシトロエンの2CVのもの。車幅が広くて、アクセルやクラッチのペダルの位置がかなりオフセットされているために、相当運転しにくかったようです。

そして、個人的にもっとも興奮したのはこれですね。


ブガッティですよ。1910年製のブガッティ タイプ15。100年前の車です。この車の前を通りかかった時には、あまりの美しさにしばらく動けませんでした。

ニュー・フォレスト、この町(エリア)はいったい何なんでしょう。マセラッティやロータスはともかく、ピカピカのブガッティに遭遇できるなんて。

数年以内に、またこいつに会いに来てしまうかも。

続く

2011年5月22日日曜日

イギリス旅行記2011 その6 ロンドン郊外、英国王のエコショップへ

前回のエントリから続く;

旅は4日目。今日から2泊3日で南イングランドを巡ります。

ラッセル・スクエアのHertzへ、予約していたレンタカーをピックアップに行きます。今回の車はFord Focus。ヨーロッパに来るといつもFocusです。ここ5年で3回目か4回目。


今回のFocusはディーゼルエンジンでした。ヨーロッパは、低公害車としてディーゼルに力を入れてるんですよね。日本人からすれば、ディーゼルってトラック用ってイメージですよね。エンジンはうるさくって、排ガスも黒くて臭いという。でも、日本がEVやハイブリッドを進めているところ、ヨーロッパはディーゼルなんですよ。おもしろい。

ところで、Focusに乗って驚いたことには、カーナビがついてる!



こんなことは初めてです。世の中も変わったもんだ。

2年前にやはりロンドンのHertzでFocusを借りた際には、Never Lostという超小型のカーナビをオプションで借りて、1日15ポンドぐらい余分に支払った記憶があります。

なんでそんな追加料金払ってまでカーナビなんか借りるんだという意見もあるでしょう。

日本ではカーナビに依存し切っている私は、海外でレンタカーする際も、カーナビなしではどこにも行けない身体になってしまっています。しかしヨーロッパあたりでは、まだまだカーナビなんて普及していない。そこで活躍するのがiPhoneなんです。iPhoneのGoogle Mapを起動し、目的地を入れておけば立派にカーナビとして機能します。

かつてクロアチアをドライブ旅行した際に、日本から持っていったiPhoneをカーナビがわりに使ってみたところ、そのあまりの便利さに興奮し、5日間ぐらいフルでパケットしまくった結果、日本に帰ってからパケ代7万円請求された経験があります。ソフトバンクのSIMをそのまんま使った結果が7万円。

パケ代を何万も払うぐらいなら、カーナビに1日15ポンドぐらいちっとも惜しくないってわけで、2年前はNever Lost借りたんです。

今回、借りる営業所(ラッセル・スクエア)と返す営業所(ヒースロー)が違うので、カーナビはオプションで追加できない(あるいはエクストラ・チャージがかかる)という縛りがありました。だからカーナビは注文から外していたのです。そのかわり今回は、SIMフリーiPhoneをカーナビがわりに使うために持ってきていたと。

そんなわけで、カーナビがついていたのは嬉しい驚きでした。ただし、使い方が今イチよく分からない。

よく分からないながらも、目的地に入れて最初に向かったのは、ロンドン郊外のあるショップ。

この人が経営する「ECO」というショップです。



今年「英国王のスピーチ」でアカデミー賞を取ったコリン・ファースが、エコな店を営んでいるという記事が日本の雑誌にもちょこちょこ載っており、ロンドンに行ったら訪ねてみようと思ったのです。ロンドン西部のチズウィックという町にあります。


ECOの外観です。2F部分が植物で覆われ、エコな演出も抜群。つか、ちょっとこれ見よがし?


2階までが店舗で、その上のフロアが事務所になっていますが、壁面にはソーラーパネルが。いかにもこれ見よがし?

特に欲しい物はありませんでしたが、この自転車がちょっと気になりました。


フレームが竹でできてるんですよ。


そう言えば、値段見るの忘れたわ。

ところで、イギリスでカーナビ使う場合は、目的地として「郵便番号」を入力するのが主流です。例えば、バッキンガム宮殿なら「SW1X 7EA」。イギリスの郵便番号は、アルファベットと数字の組み合わせなんですね。

イギリスでカーナビ使う場合は、目的地の郵便番号をちゃんと控えておくこと。これ重要です。

イギリス旅行記2011 その5 ロイヤル・アルバート・ホール!

前回のエントリから続く。

さて、今回のイギリス旅行におけるメイン・イベントがやってきました。それは、ニティン・ソーニーのライブ鑑賞です。ロイヤル・アルバート・ホールで1回だけ行われるライブです。



今日は地下鉄とバスを乗り継いでやってきましたが、ロイヤル・アルバート・ホールの目の前にも自転車ドックはありますね。

さて、ニティン・ソーニーのステージを見に海外に出かけるのは3度目のこと。前々回が09年夏の英コーンウォール、前回が10年5月のシンガポールだったので、3年連続、もはや毎年恒例になりつつあります。



今回のライブは、ニュー・アルバムのリリースに先行して行われるもの。ニュー・アルバムのタイトルは「LAST DAYS OF MEANING」で、ニティン9枚目のスタジオ・アルバムです。公式サイトの説明を読むと、ジャケットに写る老人はジョン・ハート(「エレファント・マン」)のようです。ナレーションでも参加している模様。アルバムからの先行リリースなど一切なく、音源のまったく分からない中でのライブ参加、とても楽しみです。



ライブは2部構成となっていました。

第1部は、ニュー・アルバムからの曲も交え、「サンセット」や「ホームランド」「デッドマン」といった、ライブではおなじみのヒット・ナンバー。場所がロンドンだからか、ドレッドヘアのナッティもゲスト・ヴォーカルとして登場し「デイズ・オブ・ファイアー」と新曲の2曲を披露。客席はやんやの喝采です。



バンドはその後も「カンファレンス」「ナディア」といったインド色強いナンバーで客席を盛り上げ、カーテンコールの後は「プロフェシー」で締めくくられました。

いつもならそこでライブ終了なんですが、今日はこの後さらに凄いハイライトが用意されていました。ニティンの盟友ジェイムス・テイラー(JTのジェイムス・テイラーとは別人)が現れ、ステージの2階部分にあるパイプオルガンのシートに着席します。ロイヤル・アルバート・ホールのパイプオルガンは、9999本のパイプで構成されている世界最大級のパイプオルガンなんです。


そして、ニティン・ソーニー作曲による15分のシンフォニー(まだ「無題」とのこと)が演奏されました。

この動画を見ると分かりますが、ニティンは太鼓叩きながら、右手でタクトも振ってます。下のステージと上のパイプオルガンをシンクロさせる策なんです。パイプオルガンの前には大きな鏡があり、テイラーから指揮するニティンが見える仕掛けになっています。

出来たてほやほやのシンフォニーって感じで、ステージもややぎこちない感じはありましたが、15分に及ぶ演奏後、客席はスタンディング・オベーション。万雷の拍手です。

いやあ、ロイヤル・アルバート・ホールのお客は上客ですね。音楽を分かっていらっしゃる。

この交響曲は、ロイヤル・アルバート・ホールのコミッションの下、ニティンが作曲を依頼されたもののようです。で、彼は盟友(幼なじみでバンド仲間)ジェイムス・テイラーと共作したと。翌日のインディペンデント紙にもこんな評が出ていましたよ。

個人的には、第一部:ニティン・ソーニー 第二部:フィリップ・グラスって感じの貴重な一夜でした。大満足です。

さて、ニティンのニュー・アルバムは、6月6日にiTunesでリリース予定ですが、このライブ当日からDL販売が先行スタートしました。値段は9.99ポンドで、毎週1セグメント(2〜3曲)ずつDLできます。6月6日までに8セグメントが提供され、最終的に19曲DL可能、加えて6曲のボーナストラックが用意されているとのこと。

今週までに3セグメント・8曲がリリースされており、私も3度に渡ってDLしましたが、このバラ売り方式は一長一短ですね。全曲がシングルカットに耐える楽曲ってことでもないから、毎週毎週楽しみにDLするほどでもない。要は何度もDLするのがかったるい。アルバムの印象がボヤけてしまうんですね。だから、まとめて一発DLでいいかな。残りは6月にまとめて落とそう。

明日はロンドンを離れ、一路南へ。

続く

2011年5月15日日曜日

イギリス旅行記2011 その4 ロンドン建築めぐり

前回のエントリから続く;

今回、自転車という格好の足を手に入れたので、ロンドンで建築巡りに出かけました。この辺りのサイトを参考にしながら、プランを立てます。

ミレニアム以降、ロンドンにおいて圧倒的な存在感を誇るのがノーマン・フォスター。まずは、そのノーマン・フォスターの建築を3カ所見学に行くことにします。


これは、テムズ側南岸・サザーク地区のロンドン・シティホール(市庁舎)。

凄いデザインです。21世紀のピサの斜塔。間近で見ると、建物は案外小さいんですよ。ロンドン市長がここを拠点にしているそうです。


ファインダー越しに、シティホールの彼方にタワーブリッジが収まるポイントを発見。なかなかシュールです。シティホール、もの凄く傾いて見えますよね。


お次は「ガーキン」こと30セント・メアリー・アクス。スイスの保険会社のビルで、新しいロンドンのシンボルと言っても過言ではないこの建物は、ロンドンの金融街・シティにそびえ立っています。先ほどのシティホールから、自転車でタワーブリッジを渡って10分ほど。ふもと近くまで行くと、他の建物に遮られて見えなくなるのでちょっと迷います。



ふもとからあおって撮った画。まさにガラスの塔。高さ180メートル。周囲には観光客がほとんどいないので、あんまり長いこと滞在するのははばかられます。


続いて、大英博物館のグレートコート(中庭)もノーマン・フォスターの作品です。ガラスの屋根ですっかり覆われた、クローズドなのに開放的な不思議な空間。

そういえばノーマン・フォスターは、今年のチャンピオンズ・リーグの決勝が行われるウェンブリー・スタジアムの改修も手がけています。こちらは自転車では行けない距離なので、次回の渡英の時にでも。

フォスター卿の超モダンな建物を見た後は、昔ながらのプログレファンの聖地、バターシー発電所跡へと足を伸ばします。


ピンク・フロイドの「アニマルズ」のジャケットで有名な建物ですね。煙突のあたりに豚が飛んでいた。

こちらは、地下鉄のビクトリアラインのピムリコ駅で降りて、周辺の自転車ステーションから自転車で10分あまり。川を渡って建物の間際まで行くのは大変なので、川のこちら側からの見学。建物の中身はがらんどうのようです。

この発電所の遺跡、取り壊すのか残すのか、とても気になります。もちろん、個人的には残して欲しい。この姿がないと、ロンドンに来た気がしません。

以上、自転車で回るロンドン建築めぐりでした。

2011年5月8日日曜日

イギリス旅行記2011 その3 ロンドンの自転車レンタルが便利すぎる

今回、イギリスにやってきた目的の1つがこれ。ロンドンで2010年7月末から始まった、自転車レンタルを体験したかったんです。


青い泥よけに「BARCLAYS」のロゴが入っているのが、その自転車です。学生はもちろん、サラリーマンもけっこう使ってます。地下鉄やバスと同等の、公共の乗り物なんですよね。


ロンドン市内のあちこちに自転車ステーションがあって、ロンドン市民はもちろん、旅行者でもクレジットカードがあれば24時間自由に使うことができます。


レンタルは、ステーションにある操作パネルで行います。


操作パネルは各国語に対応しています。日本語でも操作可能。

1日借りて、基本料金が1ポンド。さらに1回のレンタルについて、時間あたりで課金されます。ただし、30分以内のレンタルは無料。


レンタルが受け付けられると、こんな紙が出てきます。「21211」というのが、この時の貸し出しコードです。この数字は1、2、3の組み合わせで構成されています。


その1、2、3からなる番号をドッキングステーション(ドック)の左側にある入力ボタンに入力すると、緑ランプが点いて自転車を取り出すことができます。

この時、入力ボタンには「押した手応えがない」ので注意。また、自転車はドックから外すときも入れるときも、けっこう力(というか、コツ)が要るので注意。


ハンドル周りは独特の形状です。私は、これにiPhoneをつけてナビがわりに使おうと思っていましたが、うまく取り付けられるステイが見つけられずに断念しました。この自転車でiPhoneを使う場合は、iPhoneを自転車に取り付けるのではなく、自分の腕(肘より下)につけるのがベストだと思います。ジョギングの時に腕に巻くカバーなんかをうまく使って。


変速は3段。右ハンドルグリップの付け根付近、ディンプルがついている部分を回して操作します(操作方法に気づくまで時間がかかった)。

なお、ロンドンで自転車を乗るときに注意しなくてはならないのは、自転車は車と同じ交通ルールに従うという点です。つまり自転車は常に車道を走り、一方通行を逆行してはいけません。

これに違反すると、32ポンドの罰金だそうです。私たちも知らず知らずのうちに車両進入禁止のエリアに乗り入れたことがあり、お巡りさんに注意されました。


繁華街を離れると、ご覧のように自転車レーンが設定されている道路もたくさんあって、自転車に一定の地位が授けられている感があります。

あと、この自転車はiPhoneアプリと組み合わせて使うのが便利です。そもそもこの自転車に、カギはついていませんから、ステーションtoステーションで使うのが基本。1日のうちに、あちこち移動しようと思ったら、最初に借りた自転車をずーっとキープするということではなく、訪れた先々で何度も自転車を乗り換えるという使い方をイメージしてください。

自転車用の無料iPhoneアプリはいくつか出ていますが、今回は「Cycle Deluxe」というのを主に使用しました。


GPSと連動し、自分が今いる場所近辺のステーションを表示してくれます。ステーションtoステーションですから、目的地周辺のステーションの場所と空き状況も調べておけば完璧です。

ステーションごとの収容台数は決まっていますから、せっかく返しに行ったのに返すスペースがないというケースはよくあります。アプリで確認すれば、ステーションの空き具合もリアルタイムで分かります。


ご覧のように、ロンドンには400カ所以上のステーションに6000台の自転車が配備されているそうです。実際に使ってみると、その機動性に驚かされます。ロンドンの地下鉄は、しょっちゅう遅れたり止まったりするし、運賃もけっこう高い。近距離の移動では、圧倒的に自転車の方が便利で安い。

しかしながら、いくら便利とはいえ、交通量の多いロンドンでは自転車は交通事故と紙一重。使ってみようと思う方は、くれぐれも注意してご利用ください。少なくとも、旅行保険には加入しておいた方がいいですね。

続く