2017年8月29日火曜日

サンディエゴに関する覚え書き。次回行くところも決まったよ

今回、旅の最終目的地はポートランドでしたが、東京からアメリカへは成田〜サンディエゴ便を使いました。というのも、今回のチケットはJALのマイレージを使った特典航空券を利用。私の希望の日程では、ロサンゼルス便にもサンフランシスコ便にも空席がなく、サンディエゴ便のみ空席があったというわけです。東京から西海岸3都市への特典用の空席の多さは、サンディエゴ>ロサンゼルス>サンフランシスコって感じ。JALの場合。

サンディエゴ空港でUberを呼ぼうとした時のこと。出口に向かって通路を歩いていると、こんな案内表示が。


「↑Ride Share」なんと、ライドシェア(おもにUber、Lyft)の乗り場を示す案内です。世界中の空港で、現地のタクシー会社とライドシェア各社は、乗り場の利用権をめぐってバチバチ火花を散らしているというのに、サンディエゴはなんてさばけた空港なんだろう。


表示に従って歩いて行くと、ちゃんとライドシェア用の乗り場が設置されている。Uber、Lyftは、完全にアメリカ人の日常の足になっています。


ちなみに、私が行った時の空港からダウンタウンまでの運賃は、Uber POOL(相乗り)が7.88ドル、Uber Xが9.41ドルという感じでした。空港がダウンタウンからかなり近い。

サンディエゴ空港にはこんなのもありました。トイレの表示。


男性、女性、中性。3つのジェンダーのアイコンを表示しているトイレは初めて見たなあ。中性のアイコンがこれでいいのかって疑問もありましたが。

サンディエゴからポートランドまでは、往復ともにアラスカ航空を使いました。尾翼のエスキモーのイラストがナイスですよね。モデルとなったのはどんな人物なんでしょうか?


アラスカ航空って、かつては極北のローカルとローカルを結ぶニッチなエアラインってイメージだったんですが、昨年(2016年)はヴァージン・アメリカ航空も傘下に収めるなど、なかなか存在感を高めています。

さて、以下、初めてのサンディエゴ訪問に関する覚え書きです。

・サンディエゴの人口は140万人。LAに次ぐ、カリフォルニア州第2の都市。人口は増加傾向にあります。


・日本人は1万8000人が住んでいる。日本人学校は、幼稚園から高校まであるとのこと。

・サンディエゴは海軍基地などもあって海軍の町として有名だが、最近は、バイオ系の研究者がたくさん訪れる。ソーク研究所が有名。


これ、今回行きそびれた場所のひとつ。ソーク研究所はルイス・カーンによる建築で有名です。ダウンタウンから北の方に行ったラホーヤ地区にあります。現地にいるときに、ガイドさんからソーク研究所のことを聞いたんですが、この建築を思い出せなかった。「2度目のサンディエゴ」リストに入れておこう。

・サンディエゴからLAまでは、車で200キロ。渋滞を加味しても、2時間半あれば着くそうです。

・近年、寿司屋は増えているが、日本人経営の店は減っている。コリアンタウンから韓国人がダウンタウンにやってきて、寿司に加えて焼き肉も出す日韓フュージョン的なレストランを開店する事例が増えているんだとか。


・日本食が食べたくなったら、ニジヤマーケットに行こう。納豆やらおむすびやらおせんべいやら、なんでもある。写真はウニ。チリ産で11.99ドル。分量は表示されてないのだが、100グラムぐらいかな。この店はコンボイストリート店。近隣に中華料理屋が何軒かあって、「エメラルド」「ジャスミン」「チャイナマックス」あたりが御三家だとか。

・サンディエゴを本拠地にしていたNFLのチャージャーズは、2017年シーズンからLAに本拠地を変えた。56年間サンディエゴ市民に親しまれてきただけに、このLA移転に市民はヒドくショックを受けたんだとか。

・MLBではパドレスがサンディエゴをホームタウンにしています。本拠地のペトコパークは、WBCの会場としても使われているそうです。

・サンディエゴでは、水道水がぬるぬるする感じ。気になったのでググってみると、水は硬水で、全米の都市の中でも水質が良くないことで有名だというエントリが山のように出てきます。こりゃアカん。くれぐれもサンディエゴで水道水は飲まないように。


via https://visualhunt.com/re/71872a">Visualhunt.com / http://creativecommons.org/licenses/by-nd/2.0/"> CC BY-ND

2017年8月28日月曜日

サンディエゴで何すっかな? その2、ワイナリーめぐり

今回、サンディエゴは2泊しますが、2日目は郊外のテメキュラという町でワイナリーめぐりをすることにしました。ちょうど今、ブドウの収穫時期なんです。


3日前にVeltraでツアー参加のリクエストをしたら、翌日に返事が来て、無事に予約完了できた。

今回の半日ツアーも、日本人ガイド兼ドライバーさんに、客は私ひとりという贅沢仕様。例によってホテルから目的地までの道中、サンディエゴの経済やビジネスについていろいろ取材できたので、その成果はまた覚え書きで残すことにします。

ちなみにテメキュラは、サンディエゴから車で1時間、LAから1時間半という立地です。LAからも来られるのね。


さあ、テメキュラに到着しました。サンディエゴは昨日も今日も曇りで少し肌寒い感じだったんですが、テメキュラに着いたら青空が広がっていて日差しも強い。ヤシの木とブドウの木が同時に繁るという、なかなかシュールな光景。

最初のワイナリーに突撃しましょう。「Bella Vista」というワイナリーで、テメキュラで一番古いワイナリーだそうです。ハンガリー移民の夫婦が経営する、家族的なワイナリー。


早速、テイスティングいってみましょう。まだ朝の10時なんですけど、ガンガン行きます。テメキュラでは、テイスティングは15ドルで5杯が相場です。

まずはスパークリングを1杯、朝シャンだな。その後赤を4杯。なかなかの実力と見ましたよ。


中でもこれが一番美味しかった。09年のピノノワール。Vivinoでも高評価。うん、ウマい。

2軒目。「Chapin Family Vineyards」。


ここは、オーナーが発酵とか微生物について学んだそうで、化学的なアプローチでワイン作りをしているという珍しい理系ワイナリーです。自分たちのワインを出荷するようになってまだ10年という新しい作り手。

ここでは赤ワインを4杯テイスティングしました。


中でも、こちらのシラーがお値打ちでしたね。テメキュラのワインは、あんまり世界中に流通していないみたいで、VivinoのDBでヒットするワインがあんまり多くない。


古〜いフォードのトラックがありました。1947年製。まだまだ現役です。

Chapinからの帰りがけ、すぐ隣にあるワイナリーが気になったので、ついでに立ち寄ります。なんで気になったかと言うと、建物の壁面にバイクがたくさん陳列してあるんです。


ここは「Doffo」という、イタリア系アルゼンチン人だかアルゼンチン系イタリア人が経営する畑。


ジャケットはオシャレ系。スコアもブラボー。

おまかせで5杯飲みましたが、最後がスパークリングでした。締めシャンね。気が利いてる。


しかしオーナーのバイク好きも、ここまでやるとリスペクトの対象になるようで、来る客がみんなバイクの写真を撮ってます。今日回った3軒の中では、ここが一番お客が多かったしね。

以上でワイナリーめぐりは終了。かなり酔っぱらってヘロヘロです。でも、帰る道中、ふと思い当たったことが。

1軒目のワイナリー、ハンガリー出身の作り手って言ってましたよね。てことは……トカイがあったかも! すぐに思いつかなかったんですが「ハンガリー」ってワードに引っかかりを覚えてて、帰りに思い出した。後でガイドさんに聞いたら、「そう言えば、メニューには載ってないんですが、甘〜いデザートワインを作ってますよ」だって。

失敗した! まあいいや、また来るか。トカイ飲めるんなら、回る順番は最後にして欲しいよね。


今日まわった3軒のワイナリーは、どこも美味しいワインを飲ませてくれました。しかし、3軒ともまったく知らなかったわけで。テメキュラって、すごい穴場なのかも。今度調べてみよう。


さあ、サンディエゴに帰って、ランチに中華でも食べよう。これで大体イベントは終了、明日は帰国です。 

2017年8月27日日曜日

初めてのサンディエゴ、何すっかな。そうだ、アレがあったわ!

ポートランドからサンディエゴに戻ってきました。ここに2泊して東京に帰ります。今回、ポートランドに初めて行きましたが、サンディエゴも初訪問です。Webなどで調べたかぎりでは、それほど観光資源に恵まれているわけでもなさそうです。

さて、ここで何をしましょうか。

取りあえずホテルに向かいましょう。空港からUberを呼んで、ダウンタウンに向かいます。


途中、海の近くを通りかかった際、何だかとてつもなくデカい軍艦が見えました。おニイさんに聞いてみましょう。

「おニイさん、あそこに見えるデカい船は何?」
「ああ、あれはミッドウェイだよ」
「おおー、ミッドウェイか。知ってる知ってる。ここにいたのか。行けば見学できるの?」
「もちろん。船の中がミュージアムになってて、お金払えば中に入れるよ」

決まりです。空母ミッドウェイを見に行くことにしました。ホテルにチェックイン後、歩いて現地に向かいます。およそ25分で、USS MIDWAY MUSEUMに到着です。


入場料20ドル払って船に乗り込みます。船全体が博物館になっており、船内をくまなく見学できます。

入り口で日本語のオーディオデバイスを借りて(20ドルに含まれる)、船内に入ります。恐ろしくダダっぴろい空間が広がっています。遠くに戦闘機も見えます。これは格納庫でしょうね。


順路を1番から順に進んで行きましょう。船首の方に向かいます。


こんな狭い通路を通っていくと……。


薬局がありました。マネキンのおニイさん、ナイス笑顔です。さらに奥に進みます。


これは水兵さんが寝ていた3段ベッドです。実際に寝転がってみることもできます。

狭くて迷路みたいに入り組んだ通路を通っていくと、管制室がありました。


ミッドウェイには、実に色んな部屋があります。

上級士官用のシャワーつき個室があったり、教会があったり、歯医者があったり、食堂があったり、和風のクラブルームがあったり、映画を見られる大部屋もあります。まるでひとつの町みたいですね。

軍艦島を思い出すなあ。

階段を上って甲板に出てみましょう。


船の全長は300メートル。余裕で運動会ができますよ。

驚いたことには、ここに積まれている戦闘機のほとんどは、主翼が折りたためる構造になっていること。


これは知らなかった。省スペースのための工夫がされていたんですね。しかも色んなたたみ方がある。


この甲板員は、背中に「SHOOTER」と書かれてましたが、大変な人気です。みんな、横で同じポーズをとって写真とってる。もちろんマネキンです。


そう言えば、「トップガン」のロケ地はサンディエゴなんですよね。「♪Take My Breath Away〜」口ずさみながら甲板を歩きましょう。

戦闘機のコックピットの展示もあって、客は操縦席に座ることも可能です。おびただしい計器群にクラクラします。自動車とはワケが違う。


オーディオガイドを聞きながら船内を見ていくと、軽く2時間ぐらいが過ぎてしまいます。やや歩き疲れる感じ。

それにしてもすごい。すごいキラーコンテンツですわ、ミッドウェイ。

この船、横須賀が母港だった時代もあったよね。こんな巨大な船が、東京近郊に係留されてたなんて意味が分かりません。

しかしこれ、少年の頃にこの船に乗ったら、みんな水兵さんに憧れちゃうよね。

だって、六本木ヒルズの森タワーが地上238メートルなんですよ。60メートル長い森タワーが横になって海に浮かんでる図を想像してみてくださいよ。しかも戦闘機がたくさん積んである。そんな船に乗って大洋を航海してみたいって思いませんか?

もうね、いろいろ考えるところがありました。ミッドウェイ、いつかまた見に来るかも。



2017年8月25日金曜日

全米「住みたい町ナンバーワン」ポートランドに関する覚え書き

さて、皆既日食ハンティングは微妙な結末を迎えてしまいましたが、今回、人気沸騰中の町ポートランドを見てみたかったというのも、この旅を決行した理由のひとつ。じゃ、初ポートランドどうだったのよってことで、早速町にフォーカスしていきましょう。


えーと、その前に。

ポーランド(Poland)じゃないですよ。ポートランド(Portland)。ヨーロッパじゃなくてアメリカのオレゴン州にある都市。ちなみに、メイン州にもポートランドって町がありますが、こちらはオレゴン州の方の10分の1規模のスモールタウンです。

何しろ、いまアメリカ人の住みたい町ナンバーワンです。東京で言えば吉祥寺なわけです。いったい、この町の何が、アメリカ人にそう思わせる?

実質2日半の短い滞在でしたが、日食の翌日に、ポートランド郊外の滝をめぐる半日ツアーに参加した際、ガイドしてくれた谷田部さんという方(ポートランド在住50年超!)から色々話が聞けたので、その内容半分、私の体験(&印象)半分で覚え書きを綴っていきます。


・ポートランドの人口は64万人。気候が快適
ポートランドは、人口がじわじわ増えています。16年の統計でおよそ64万人。日本人は、ポートランドとその近郊で5000人ぐらいが住んでいるそうです。ポートランドの緯度は稚内とほぼ同じだそう。その割には気候は快適。夏場は爽やかで雨が少なく、冬場はやや雨が多いが、気温が氷点下を下回ることがあまりない。

ホテルで下着を洗濯して部屋に干しておくと、エアコン切ってあってもすぐ乾くんだこれが。基本、夏場は乾燥してます。

・町がコンパクト

ダウンタウンは、面積が2キロ×3キロほどしかない。かなりコンパクト。移動はMAXライトレールというトラムが便利です。このトラム、運賃も安い。2時間有効券が2.5ドル。1日有効券が5ドル。なんと、このトラムでポートランド空港(PDX)から2.5ドルでダウンタウンまで来ることが可能。空港から300円たらずでダウンタウンのホテルまで移動できる町なんて、世界中でも珍しいんじゃないか。


トラム運営元のTRIMETがアプリを出しています(ケツにリンクあり)。このアプリでトラムもバスも乗り放題。しかも、トラムは改札もないので、タダ乗りも可能なんじゃないかと思えちゃうレベル。だけど、安いからちゃんとキップ買おうね。アプリの場合は、最低5ドル以上じゃないとクレカ決済できません。

・州税(日本における消費税)がゼロ
これは画期的ですね。アメリカでは、オレゴンの他にデラウェア、モンタナ、ニューハンプシャーが州税ゼロなんだそうです。


ほら、ホールフーズマーケットで買い物した領収書を証拠に貼っておきましょう。「Tax/Fee」が「0.00」です。あとで気がついたんですが、アップルストアで買い物しとけば良かったなと。iPadのケースとか、AppleWatchのベルトとか、電源ケーブルを刺さなくて使えるものはどこの国で買っても一緒なので、税金の安いところで買うのが一番割安。

ポートランドのアップルストアは、店の前にトラムが走っててなかなか珍しい感じ。


もちろん、いいことだけではありません。ネガティブな面も紹介しておきましょう。

・ダウンタウンにはホームレスがけっこう多い
ポートランドでは、女性のホームレスもけっこう見かけます。今年行った、サンフランシスコやサンノゼよりもホームレスは多い印象。ホームレスにとっても、住みたい町なのか。

先の谷田部さんによれば、ポートランドには、毎日100人〜120人が流入して来るそう。これは全米でもいちばん多いレベルなんだとか。


アメリカ人は、仕事も決めず、行き当たりばったりで他の州に移住しちゃう人が結構多いんだって。「暮らしやすそうだから、取りあえず行っちゃおう」ってノリでポートランドにやってくる輩が多いらしい。いわゆる難民だよね。

・山火事が多い
今回、滝をめぐる半日ツアーに出かけましたが、その際に谷田部さんが「今日は空があまりキレイじゃない。残念です」と繰り返していました。確かに、コロンビア川を望む景色は雄大ですが、遠景はクリアじゃない。


「これは、山火事が原因なんです。オレゴンの夏は山火事が多いんです」と。山火事の主な原因は落雷なんだそうです。で、火が南風に煽られてポートランド方面にやって来る。アメリカ西海岸は、カリフォルニアにしても、カナダのバンクーバーにしても、夏は山火事がやっかいですよね。

・産業と日本企業
ポートランド港は、全米で一番小麦の出荷量が多い港なんだそうです。橋にはクレーンが装備され、船に対してエレベーター式に小麦を昇降させる装備がついてます。


グルテンフリー継続中の私にはどうでもいい話ですw

日本企業とポートランドの関わりについて言うと、まず1950〜60年代、小麦の輸出のメッカであるポートランドに、日本の商社がやって来ました。次いで、80年代に電機メーカーが来ました。NEC、富士通、エプソンetc。シリコンバレーが有名になった後、ポートランドは「シリコンフォレスト」という呼称を流行らせようとしましたが、失敗したようです。

そしていま、ポートランドでいちばん勢いのある日本企業は「味の素」だそうです。ラーメン専門の会社を設立したほか、ウインザーという北米での餃子シェアNo.1の会社を買収。ラーメンと餃子のツインタワーでポートランドを、いや北米市場全体を攻めまくっているんだとか。

・ストロングポイント
ポートランドの主要な資源(=ストロングポイント)は3つあるそうです。まずは「人」、次に「自然」、そして「気候」の3つ。「自然」と「気候」については大体分かります。が「人」についてはよく分からなかったので、谷田部さんに聞いてみました。「ポートランド人って、どんなキャラなの?」と。


「とにかく明るくてフレンドリーです。ロサンゼルスやニューヨークの人とは全然違って、気取ったところがありません。それに、どうも大都市の人たちとは価値観が違うみたいなんです。分かりやすく言うと、一発当てたい、大金持ちになりたいって人はあんまりいなくて、むしろ、より素朴に、人間として評価されたいという……」

「なるほど。もうちょっと詳しく知りたいので、具体的な例はありませんか?」

「例えば、ポートランドには屋台(Food cart)が700もあります。屋台商売では、どんなに流行ったところで大金持ちになることはできませんよね。だけど、低資金で開業できるところがいいところ。しかし、屋台はたくさんあるから競争も激しいですよね。味が美味しいだけじゃダメ。だから、接客がとても大事なんです。とにかくお客さんにフレンドリーに接して、友達になって、リピーターになってもらう。そういうところを、彼らは一生懸命やるんです」

そうかぁ。確かにこの町にはバブリーな感じは一切ありません。スモールビジネスで十分なんだから、マーケティング云々じゃなくて、そこそこ美味しい料理と気立ての良さで人に認めてもらおうって方向性なんですね。地に足つけて、お金じゃない、心豊かな人生を送りたい人たち。

ポートランドのスローガンは、「Keep Portland Weird」だそうです。(いい意味で)「変わった町」であり続けようと。スティーブ・ジョブズの「Stay Hungry, Stay Foolish」を思い出します。

・ナイキのお膝元
ポートランド(というかオレゴン)で大成功した企業の筆頭といえば、ナイキです。


この、オレンジ色のチャリ。ポートランドのバイクシェア(Dock to Dockの自転車シェア)は、100%ナイキの寄付だそうです。市内に100カ所、1000台の自転車があって、1回2.5ドル、1日12ドルで使えます。

・松茸が安い
滝は、夏場は水量が少なくて、秋が深くなるにつれて水量が増すそうですが、当地では秋になると松茸が採れるんだそうです。マーケットで買うと、15本で20ドルぐらいだって。そりゃ激安ですよ。飛行機内への持ち込みも簡単らしいので、秋は日本へのお土産にいいかもしれません。


ポートランドには日本食レストランもたくさんあります。寿司屋は40以上あるそうです。うち、日本人経営(=ちゃんとした寿司屋)は3件ぐらいだとか。

以上、かなりディープな情報をゲットできました。アメリカの町は、どこも観光資源に乏しいので、史跡名所よりも経済とかビジネスの話の方が面白いですね。

ポートランド、なかなか良さげな町ですよ。また来るかもです。次回は秋だな。松茸食いにね。


最後に、もっとも有名なマルトノマ滝の写真を貼っておきます。落差189メートル。なかなか見応えのある名滝揃いですよ、ここは。


▼ TriMet Tickets
iOS版
https://itunes.apple.com/us/app/trimet-tickets/id687943985?mt=8&ign-mpt=uo%3D4
アンドロイド版
https://play.google.com/store/apps/details?id=org.trimet.mt.mobiletickets&hl=ja


2017年8月22日火曜日

ポートランドに皆既日食を見に来たんだが……。痛恨の0.8%

「2017年8月21日に、アメリカ各地で皆既日食が観測できる」という情報を耳にしたのは1年以上前のことです。2012年5月の金環食は東京で見ましたけど(今イチだったよね)、皆既日食は生まれてこのかた見たことないのよってことで、行き先をポートランドに決めて、3カ月ほど前にエアとホテルを手配しました。

前日、8月20日に現地入りし、LAから来た友人と合流。その後ホテルにチェックイン。


なんと、カードキーが日食仕様になっています。ポートランド市民の熱気を感じます。

今回、東京からサンディエゴに飛び、乗り継ぎ便でポートランド入りしたんですが、サンディエゴのイミグレでは「ポートランドで何すんの?」「日食見るのよ」「そーかそーか。ポートランドだと最高によく見えるんだってな」って言われる。

サンディエゴ→ポートランド便の機内でも、隣の席の爺さんに「ポートランドに住んでるの?」って聞かれて、「いやいや。日本から来たのよ。日食を見に」「そりゃいい! ひとりで来たの? お前も好きだねえ」って言われる。何だか、現地はきっちり盛り上がってます。

私が泊まったマリオットホテルは、ちょうど目の前のリバーサイドに公園があって、現地の旅行会社にも「ホテルの前の公園で見学するのがいいと思いますよ」とお墨付きいただいてました。


こちらは、ホテルのフロントに置いてあったフライヤーに載ってた「皆既日食ベルト」。皆既日食は、西海岸のオレゴン州を皮切りに、アイダホ、ワイオミング、ネブラスカ、ミズーリ、ケンタッキー、テネシー、サウスカロライナと通過します。どの州にも行ったことがないわ。ピンドロップのアイコンは、マリオットグループのホテルが立地しているポイントなんですかね。

さあ、8月21日がやってきました。期待と興奮と時差ボケで、朝5時前に目が醒めてます。まだ日の出前。でも、天気は良さそうだ。オレゴン富士ことマウント・フッドがバッチリ見えています。


ポートランドでは、9時06分に日食が始まり、10時19分にピークに到達、11時41分には終了というスケジュールです。観測用のメガネは、日本で通販で買ったものを持参しました。双眼鏡も持ってきた。


ラッキーなことに、私の部屋の窓から太陽が見えます。日食が始まってから皆既日食になるまで1時間以上あるので、部屋でテレビ中継とリアル太陽をかわるがわる見ながら、皆既日食30分前に目の前の公園へと突入することにしました。


テレビでは、生中継特番をやってます。オレゴン各地で日食見物する人々に次々取材し、異常な盛り上がりを伝えています。番組のキャスターが、これは「Once in a life time experience」だと繰り返し言ってます。


さあ、9時06分、食が始まりました。テレビの中継を見ると、右上がちょこっと欠けているのが分かると思います。部屋から日食メガネで見るリアル太陽も、もちろん同程度欠けてます。


自分のiPhoneに日食メガネをかぶせて撮った写真がこれ。欠けているのがまったく分かりません。iPhoneでの撮影は無理だと判明。


40分ほど経過し、太陽は半分ぐらい欠けました。ぼちぼち外に繰り出してみましょう。

ホテルの目の前の公園には、ポートランド市民がわんさか集まっています。1000人以上いるかな。


今日は月曜日。みんな会社(学校)休んだなw 会社が休日にしたのかもね。

さあ、10時過ぎ。いよいよクライマックスが近づいて来ました。頭の中では、ピンク・フロイドの「狂気」が鳴り響いています。「The lunatic is on the grass…」

いよいよ、太陽は月に完全に覆われ、黒い月の周囲にフレアが円環状に現れる……。

あれ、現れない???


私たちのいるポートランドで、みんなが日食メガネで見ているのはこんな太陽。

あとほんのちょっと。しかし、そのほんのちょっと先に到達できないもどかしさったら。

ピーク予定の10時19分になって、観客からはパラパラと拍手も。

「かなり暗くなったぞ!」「見て、街灯が点いたわ!」

でも、夜のような暗さじゃない。

これ、皆既日食じゃねーじゃん。

やがて、太陽の逆サイドが輝きはじめ、日食は折り返し。どんどん明るくなっていきます。ピークは終わってしまいました。

こんなハズじゃなかったよね……。


本来、こういうふうに太陽のフレアが燃え上がる様子が見られるハズだったのに。どこで間違ったか。

気になったので、「ポートランド」「皆既日食」でググってみたところ、ポートランドにおける食の最大値は99.2%、ポートランドから70キロ南西に離れたセイラムでは100.9%とのことです。


完全にしくった。ポートランドはビンゴじゃなかった。あと70キロ南に陣取るべきだった。

なんと、数値状ではたった0.8%でも、体感状はあまりにも違いがデカい。太陽の光って凄い。

通常の0.8%の光量でも、肉眼で感じるその明るさは「日中」ってレベルです。日食メガネで見ると細〜い三日月状がバッチリ見えますが、肉眼でまばたき繰り返しながら太陽を見ると、三日月状になっているのがどうにか分かるレベル。当然、周囲は普通に明るい。マジックアワーよりも全然明るい。

結論。日食はロケーションがすべてですね。100%太陽が消える(皆既日食になる)場所じゃないと、達成感が全然違うということが分かりました。もちろん、晴天になる確率が高いところであることも条件。

わざわざ日本からやって来たのに、ちょっと残念な結果になりました。そして、次の皆既日食は、2035年9月2日、北陸から北関東にかけてだそう。

あと18年先。まさに「Once in a lifetime experience」だよね。

公園からホテルに引き揚げる途中、面白い光景に出会いました。塀に映る木の葉の陰が、三日月状に切り取られているんです。欠けた太陽の形状が木漏れ日になって現れている。


これは珍しい。不思議なシルエット。

ポートランドの樹木から「まあ、これでも見て元気だせよ」って言われたようで、少し嬉しくなりましたよ。

さあ、気を取り直して、ホテルで「ツイン・ピークス The Return」の最新エピソードでも見ようっと。せっかくアメリカにいるんだからね。