2017年3月30日木曜日

VRはこう使うのか!SXSWで「ザ・マミー」のアトラクションを体験してみた

さて、今年のSXSWですが、個人的にはAI、IoT、ドローン、自動運転の最新情報ゲットって感じで乗り込んでます。しかし、もっとも目についたのはVR/ARでしたね。

SONYのブース(けっこう気合いが入ってた)、YouTubeのブース、その他いろんなブースでVRのデモが盛んに行われていましたが、正直、どれも今ひとつ(去年も同じ感想)。しかし、ひとつだけ「VRってこうやって使うのか!」ってのがありました。トム・クルーズ最新作「ザ・マミー」という映画のVRアトラクションです。

IMAXとユニバーサルが制作した「The Mummy Zero Gravity VR Experience」というのが、このアトラクションの正式名称です。トム・クルーズが主演する「ザ・マミー」という映画にちなんだアトラクション。

このアトラクション、参加できるのは一度に20名。会場はシアターのようになっていて、20人はシートに座って、一斉にVRデモを同時体験するのです。

観客はまず、待合ロビー的なスペースで、映画の予告編を見たり、展示されている小道具を見学します。


ミイラを入れるデカい棺も展示されてます。

ロビーからシアターに移動し、観客は卵形の座席に着席し、VRゴーグル(Oculus Rift)とヘッドフォンを装着します。

まずはトム・クルーズがMC役として登場し、映画のクライマックス「墜落する飛行機の中から、主演俳優(トム・クルーズ)と主演女優(アナベル・ウォーリス)が脱出するシーン」の撮影方法について説明します。撮影は、無重力専用の撮影機材を備えた飛行機を使ったそうです。

飛行中の機体を急上昇させ、その後急降下させることで、およそ20秒間の無重力状態(=ゼロ・グラビティ」)を作り出します。この20秒間無重力状態を何度も何度も繰り返しながら、撮影を行います。そして、このVRアトラクションは、この無重力状態の撮影を、観客にも疑似体験してもらうのが目的なのです。

2分間の解説に続き、いよいよVRシークエンスがスタート。トム・クルーズや他のキャスト・スタッフが、すぐ間近、手が届くほどの距離に感じられ、観客はまさに撮影中の飛行機の中に紛れ込んだかのよう。彼らは監督や撮影監督と次のカットについて確認作業を行っています。


確認がひととおり終わると、「アクション!」のかけ声とともにいよいよ無重力シーンの撮影がスタート。トム・クルーズが、アナベル・ウォーリスが、撮影監督がカメラごと空中に浮遊します。すると、座っているVRシアターの座席にも急上昇の重力が加わり、観客も浮遊しているかのような感覚に。

おおー。これは楽しい!

およそ8分間におよぶVRシークエンスは、「4DXプラスVR」とでも言うべきもので、これまでのVR映像やアトラクションと比べ、遙かに高レベルです。映像だけではなく、重力と無重力を疑似体験できる、まったく次元の違うものだと感じました。


この後、YouTubeのブースで「キング・コング」のVRも体験したんですが、はっきり言ってレベルが全然違いました。「キング・コング」、ショボかった……。

VRって「次に来るもの」って雰囲気は分かるんですが、「じゃあいったい何に使うのよ?」ってところがよく分からなかった。


今回、VRと4DXという組み合わせについて、未来を感じることができました。でもやはり、もっとも相性がいいのはゲームでしょうね。「バイオハザード」みたいなゲームをVRでプレイしたら、おしっこチビりそうになるんじゃないかとw 

2017年3月28日火曜日

UberもLyftも撤退したオースティン、移動はどうすんのよ?

オースティンで開催されるSXSWに最適化させて、iPhoneのアプリをフォルダにまとめます。


左上の「SXSW GO」というアプリは、SXSW参加者必携のアプリです。デイリーのスケジュールを確認し、自分が参加したいものに「★」をつけ、iCalに同期してリマインダーをセットすると大変便利。さらに、映画の上映については、各シアターの混雑状況がリアルタイムで一覧できるし、シャトルバスの運行状況もリアルタイムで把握できます。SXSWは会場がけっこう分散しているので、このアプリを使いこなさないと、恐ろしほどの非効率に陥ります。


ある日の私のフェイバリット・リスト。上部に「ツイン・ピークス」の広告が入ってますねえ。

さて、昨年(2016年)、オースティンでもっとも重宝したアプリはUberのアプリでした。

しかーし! 実は、UberもLyftも、オースティンから撤退してしまったのです。その経緯についてはあんまり詳しく書きませんが、UberおよびLyftのドライバーに指紋登録を義務づける法律を、住民投票で廃案にする作戦が失敗したことが原因です。

では、彼らが撤退した後、どうなったのか?

代わりに、地場のライドシェアサービスが営業を始めていたんです。


「Fasten」は、オースティンとボストンで展開するライドシェア。機能はUber、Lyftとまったく同じといっていいでしょう。Fastenは、SXSW2017の公式ライドシェアにも指定されていました。

しかしFasten、時間帯にもよりますが、けっこうお値段が高い。


ホテルからコンベンションセンターまでのおよそ10キロの運賃、安いときで20ドル、高いときは70ドルぐらいとかなり幅がある。一度なんて、朝の9時頃に乗ろうとしたら120ドルって見積もりが出て、さすがに高すぎるよって全員一致でパスしましたからね。

そんな時は「Ride Austin」を使いましょう。Ride Austinは、常にFastenより20%ほど安い印象。その代わり、車の数が少し少ないかな。


しかしRide Austinも、朝夕のラッシュ時には、運賃が上がってしまいます。マーケットの需要に対して運賃が最適化されてるってことですな。まあでも、運賃が高いけれども、Fastenよりはマシって感じかな。


ドライバーが言うには、「Ride Austinはノン・プロフィッタブル(非営利)のサービスだから、ユーザー(お客)も利用料が安いし、ドライバーもたくさんお金もらえてWin Winのサービスだよ。Ride Austin使って!」ってことだそうです。これ、オースティン市が経営しているNPOみたいなものかと思ったら全然そうじゃなくて、一度のライドについて、一律2ドルのブッキングフィーが収入になる、れっきとしたコマーシャルなサービスでした。しかし儲かるのかね?


とにかく、私たちは毎日FastenやRide Austinを使って、ホテルとコンベンションセンターの間を往復していました。UberやLyftのビジネスモデルは、コピペされて色んな都市で別ブランドのサービスとして普及しています。面白いですね。 

2017年3月27日月曜日

2度目のオースティン、SIMはもちろんT-Mobile

今年(2017年)もテキサス州オースティンにやって来ました。昨年に続いて、サウス・バイ・サウスウェスト(SXSW)に参加するのです。インタラクティブ、映画、音楽の祭典として知られるSXSWも今年で31回目。こちとらまだ2度目の参加ですが、前年以上の盛り上がり感はオースティンに来る前から感じていました。


去年は、私と友人(仕事仲間)の2人での参加だったのですが、今年は合計6人がゆるやかにパーティ状態です。しかも現地入りして驚いたことには、日本人がやたらと多い! 16年には600人だった日本からの参加者は、今年は1000人を超えたそうです。

注目度が急上昇なSXSWってことで、参加費(バッジ代)も値上がりしているし、ホテルの宿泊費なんかもトンデモないことになってます。

私が去年泊まったのは、コンベンションセンター近くの「J・W・マリオット」だったのですが、1泊500ドル台と結構なお値段。それが今年は1泊1000ドルですよ! そんなの全然無理だってことで、今年はダウンタウンから車で15分ほど離れた「Crowne Plaza Austin」ってホテルにしたんですが、それでも1泊380ドル。通常は100ドルで泊まれるホテルです。あり得ねえ〜。

さて。ホテルにチェックインしたら、まずはSIMの調達です。昨年、LAに行った時に買ったT-MobileのSIMが安くて使いやすかったので、今回もT-Mobileで行きましょう。

早速、Google Mapで「T-Mobile」とググってみると、ホテルから徒歩25分ほどのところに直営店がありました。ちょっと遠いけど、長時間のフライトで固まった身体をほぐしたいので、迷わず歩きます。


はい、お店はちゃんとありました。

対応してくれたおネエさんに、アメリカに10日ほど滞在する旨と、SIMは通話よりもデータを中心に使うことを告げます。

「データは何ギガ欲しい?」

「5ギガぐらいかな」

おネエさん、PCをちゃっちゃか操作して、SIMを出してきました。


レシートには、「ELECTRONIC PIN $50.00 RETAIL STORE」50ドル、「TMO SIM STARTER KIT RETAIL」10ドル、TAXが5.95ドルで、合計65.95ドルと書いてありました。

去年LAで買ったSIMは、1週間有効のもので25ドルだったのですが、それの倍以上してます。ちゃんと確認してませんが、1カ月有効みたいです。

10日間滞在として、日割りするなら1日あたり7ドル弱。700円相当です。最近はWiFiルーターがだいぶ安いので、成田でWiFiルーター借りるのとあんまり変わらないよって話もありますが、現地の電話番号があると何かと便利なことは間違いありません。


ということで、次回はアプリ編。実はオースティンでは、昨年、UberもLyftも撤退してしまったんです。移動はどうすんだ? 

2017年3月25日土曜日

日本対UAE戦を見終わって思い出した。遠藤が今野について語った一言

W杯ロシア大会のアジア最終予選、日本対UAE戦(アウェイ)は、2対0で見事日本が勝ちました。

1点目の久保裕也のゴールも見事でしたが、驚いたのは、今野泰幸の2点目ですね。34歳にして代表に呼び戻され、ゴール以外にも守備に攻撃に八面六臂の活躍を見せた今野の姿は強烈に印象に残りました。

その今野ですが、試合後のインタビューをスポーツニュースで見ると、相変わらず謙虚で地味に訥々と応対しています。何というか、華もオーラもないw。それを見ていて、最近読んだこんな本に、面白い記述があったのを思い出しました。引用してみましょう。


遠藤 「チームメイトに今野泰幸っていう選手がいるんですけど、彼は五輪も経験しているし、W杯も2度も出場しているんですよね。それなのに、サングラスとか帽子とかで、何1つ変装しなくても普通にスルーされますからね(笑)。確かにちょっと地味なところはあるとはいえ、Jリーグでも余裕で400試合くらい出場している選手なのに、スルーです」

この本は、Jリーグのアドバイザーを務めるホリエモンとプロのサッカー選手・元選手5人(宇佐見貴史、川島永嗣、遠藤保仁、宮本恒靖、守保一)の対談をまとめたものですが、当該の部分は、「Jリーガーはもっとスター性を打ち出さなきゃだめです。遠藤さんももっとスターのイメージ作りをした方がいい」という文脈の中で出てくる遠藤の発言です。今野選手のパブリックイメージを見事に証明していて、思わず爆笑してしまいました。


写真はFC東京時代の今野ですね。

この本には、けっこう発見がありました。例えば、今のJリーグの売上げ規模は、全部で700億円程度しかないこと(ブンデスリーガは3200億円で、プレミアリーグは7000億円)。Jで売上げ規模がもっとも大きいのは浦和レッズの60億円。

ゴールキーパーの川島が、日本で「英語でサッカーを学ぼう」というスクールを運営していること。東京、神奈川、千葉で10校展開している。

プロサッカー選手には、3人兄弟が多く、プロになってるのは2番目か3番目が多いこと。宇佐見、遠藤はともに三男。その宇佐見が、本田圭佑のエピソードを語るところも面白い。

宇佐見「でも圭佑くんは10代の頃から変わってましたよ。18〜19歳の頃にみんなが『ViVi』とか女性のファッション誌を買ってきて見ているときも、圭佑くんだけ『PRESIDENT』を読んでいましたから(笑)」

さすがですw。

いまのJリーグに一言いいたい人、注文つけたい人に、この本はオススメです。

さて、日本代表は来週3月28日にホームでタイ代表と対戦します。当日は埼スタに出向く予定ですが、タイ戦も当然、今野泰幸はスタメンでしょう。今野のさらなる活躍に期待しながら観戦しようと思います。



Photo credit: The 2-Belo via Visual hunt / CC BY-NC-ND

2017年3月7日火曜日

グルテンフリー、2カ月目に突入。体調、どんな感じ?

今年(2017年)の1月下旬、「ジョコビッチの生まれ変わる食事」という本を読んで、突然グルテンフリー生活を始めました。


この本は、試合中に突然頭が真っ白になってプレーが続けられなくなったり、頭の中に霧がかかったようにもやもやする症状に悩まされていたノバク・ジョコビッチが、彼の試合をテレビで偶然見た同郷(セルビア)の医師に、「不調の原因はキミの食事にある。グルテンを2週間止めてみなさい」と告げられ、半信半疑ながらも実践してみたところ、みるみる体調が回復し、世界ランキング第1位に上り詰めたという俄には信じがたい内容です。

ジョコビッチの場合、検査の結果グルテンアレルギーだということが判明したので、グルテンを抜いたら当然のように体調が良くなったワケですが、このグルテンアレルギーは5人に1人ぐらいの割合でいるんだそうです。

私の場合、特にアレルギーだと思い当たる節はありませんが(検査もしていない)、面白そうだと思ったらとりあえず試してみる質なので、ちょっとやってみようと。ウチの奥さんも道連れです。実は、半年ほど前に「シリコンバレー式 自分を変える最強の食事」ってのも読んで、これもチャレンジしたのですが、奥さんに却下された過去があります。

さて、グルテンフリーはズバリ「小麦粉抜き」の食事です。食べられないものを箇条書きにしてみましょう。
・パン
・ラーメン
・パスタ
・うどん
・そば(十割そばはOK)
・ビール
・天ぷら
・カツ
・カレー(インド料理店のはだいたいOK)
・ケーキとかドーナツ
・クラッカーやクッキー

どうですか。なかなかハードルが高いと思うでしょ?

しかし、お米がOKなんですよ。日本人にとって、西洋人がグルテンフリー生活をするのに比べて、大きなアドバンテージだと思います。


ほら、鮭とイクラの親子丼(マグロ多め)は全然オッケー。日々のランチがヘルシーになりますよ。

あと、厳密には「醤油がダメ」って説もありますが、これは諸説あるので今回は除外してます。

丸1カ月が経過し、2カ月目に突入していますが、果たして体調に変化はあったのか?

体重が3キロぐらい減りました。もちろんハッピーです。そして、これが自分でも一番驚いたのですが、ガス(おなら)が出なくなった。

気になったので「グルテンフリー」+「おなら」とググってみると、けっこう同様の経験をしている人がいるんですね。どうやら、グルテンフリーは腸に良い影響を及ぼすようです。

いろいろ調べてみると、いま世界中に流通している小麦は、1960年代に品種改良(=遺伝子組み換え)された小麦で、大量生産が可能になった代わりに、リスクの高い食材になってしまったということも分かりました。気になる人は「小麦」+「品種改良」でググってみてください。


最近は、スーパーでも「グルテンフリー・コーナー」ができたりと、ちょっとしたブームですね。

では、私はまったくグルテンを食べていないのかといえば、それはNOです。会食の席で出てきた中華料理のコースに、焼売や小籠包が含まれていたのを食べましたし、お弁当に入っていたマカロニサラダを、それと分かっていて食べたこともあります。ちょっとは食べることもある。だけど、積極的に注文はしない。

とはいえ、やっぱりたまには豚カツとかお好み焼きを食べたいよねって話はよくでるので、2カ月に1日ぐらいは「グルテンデー」を作って、何でも食べられる日にしようかなんて考え中です。

こういう、ちょっとした不便を楽しむ感じはなかなか新鮮です。食事の制限が厳しいイスラム教徒やユダヤ教徒の日常が、ほんのちょっとだけ理解できますよね。


そして目下の最大のチャレンジは、今週からのオースチン(テキサス州)出張です。ニューヨークやロサンゼルスはグルテンフリーの店もそこそこありそうですが、テキサスはどうなんでしょ。毎日タコスかなw