2023年7月11日火曜日

ニース駅の手荷物預かり所が消失し、謎サービスに置き換わっていた件

 カンヌでは、ホテルではなく民泊を利用しました。毎年のことなんですが、カンヌ映画祭の期間はホテルがクッソ高いんです。しかも、8泊しばりとかの料金設定になっており、かなりの出費を強いられます。


なので、ホテル予約サイトやAir B and Bなど色々調べた結果、オールドカンヌで1泊5万円ほどの民泊案件で勝負することに。民泊を利用するのは、ロシアW杯のセネガル戦を見に行ったエカテリンブルク以来です。


宿のオーナーとWhats appでやりとりし、何とかチェックインに成功しました。オールドカンヌの風情ある通りに、その宿はありました。


写真の中央が、宿の入り口です。左のドアはレストラン。右隣は不動産屋です。カギをぐりぐり回してドアを開け、薄暗い階段を3階まで上ると、部屋に到達。

リビングはこんな感じ。まさに、知らないお宅にお邪魔しました〜ってね。


ベッド。まあ、快適っちゃ快適ですけど。民泊ってなんか落ち着かない。それに、6泊で32万3000円というなかなかのカンヌ映画祭特別プライスです。


滞在が終わり、日本への帰国の日がやってきました。ニース空港からの帰国便が18時過ぎだったので、宿をチェックアウトした後鉄道で移動し、ニース駅に手荷物を預けて美術館を訪れるという予定を立てました。

民泊なので、チェックアウト後の荷物キープには対応していません。数年前にニース駅で手荷物預かり所を利用した記憶を頼りに、スーツケースを持ち込む作戦。

しかし……。


ニース駅にやって来ましたが、手荷物預かり所が見あたらない。かつてそこにあった筈の預かり所は、空っぽになっていました。ありゃりゃ。

しかし、スーツケースをゴロゴロさせて観光するのもアレなので「ニース駅」「手荷物預かり」とググってみると、こんなサイトが出てきます。「Bounce」というヤツ。駅周辺に複数のロケーションが示されています。


思うに、民間のスペース貸しサービス的なヤツですかね。同様のサービスには遭遇したことがないので、想像力を膨らませて、いざ勝負です。


アプリで駅から一番近いところを選んで、5ユーロほど払い(クレカ決済)、荷物を預けるロケーションを探します。

しかし、これが全然見つからない。そもそも、自分が何屋さんに向かっているのかも分からないんです。ミッションは「荷物を預ける」こと。しかし、荷物を預かってくれるのが、カフェなのか、民家なのか、倉庫みたいな場所なのかさっぱり分からない。

住所は表示されるので、Google mapにコピペするなど色々試し、ようやく目的地にたどり着きました。そこは、八百屋みたいな雑貨屋でした。


「アプリで、荷物を預けるオーダーをしたんだけど?」
「バウンス?」
「そうそう。バウンスで予約したんだけど」
「オッケー。そこに荷物置いて。夜8時までお店は開いてるから、それまでに取りにきてね」

店員がいるカウンターのそばに荷物を置いて、観光に出かけることができました。調べてみると、Bounceの他にもStasherとかLuggage Heroとか、同様のサービスがいくつかあるんですね。これは知らなかったわ。

ニース駅の手荷物預かり所は、過去のブログ見たら「LARGEが1個9.5ユーロ、MEDIUMが1個7.5ユーロ」って書いてあったので、今にして思えば大分割高です。恐らく、新しく安価なサービスが登場したのでお客さんが激減して、廃業するしかなかったんでしょうね。


お店の床に、こんな感じでトランクを置きます。大丈夫なんでしょうか? 貴重品は絶対に置いておけない雰囲気もありますが、まあ、お店に常時人がいるみたいなので大丈夫でしょう。

バウンスは日本でもサービス展開していて、手荷物を1日預けて800円というプライス。日本人はともかく、外国人の方々は普通に使ってるんじゃないでしょうか。長時間利用だと、エリアによってはコインロッカーよりも安くなるみたいで。


バウンスで荷物を預けて、向かったのはニースのマティス美術館。ここは、月曜日でも営業しています(火曜日定休)。いま、東京でもマティス展やってますよね。東京都美術館で2023年4月27日~8月20日まで。めぼしい作品は貸出中かな? ここを見て、東京に帰ったら上野にも行こう。


2023年7月8日土曜日

カンヌから電車で10分。アンティーブのピカソ美術館に行ってみた

 カンヌ映画祭のスクリーニングがあまりに不作なので、美術館めぐりを企てました。ニースの美術館数軒のうちどこ行こうか迷ったあげく、結局、ニースの手前、アンティーブのピカソ美術館に決めました。


アンティーブは行ったことがないので、町そのものに興味がありました。カンヌにいる時に、ネットで「CANNES + SEAFOOD」とか「CANNES + ITALIAN」といった具合にレストランを探してみると、検索結果にアンティーブのレストランがたくさん表示されるんです。美味しいレストランがたくさんありそうだというのも興味を持ったきっかけのひとつ。

カンヌから電車で10分ほど。行ってみると、アンティーブは港町で、駅周辺はカンヌに比べると恐ろしく地味です。海沿いを歩いてみましょう。


高そうなプレジャーボートがぎっしり並んでいます。この感じはカンヌにも通じるものがあります。


売り物もあります。値段は見当もつきませんが、数千万円って感じ?


駅から徒歩で10〜15分ほど。海沿いに聳えるグリマルディ城という城壁の中に、ピカソ美術館はあります。


ここは、1946年頃にピカソがアトリエを構えていた場所とのことで、その時代に創作された作品が寄贈され、それがメインの展示を構成しています。


私が訪れた日は、1969〜1972年の作品が特別展示されていました。


しかし、ピカソはブッ飛んでますよね。自画像はまあいいんですが……。


モデルになっている女性は、仕上がった絵を見て気分悪くならないのか心配になるレベル。


外に出ると少しほっとします。絵画以外にも、彫刻やスタチューがたくさんあって、かなり充実したコレクション。


敷地内、海沿いの塀にはカモメもたくさんやってきます。めちゃめちゃ和む空間です。


ワインとサンドイッチ持って来てピクニックしたい感じ。

この美術館はお昼休みがあるので、開館時間を確認してからお出かけください。私が行った時は12:00〜14:00がお昼休みでした。定休日は月曜日です。美術館が月曜休館ってのは、どうやら世界中でおんなじみたいですね。ニース近郊では、マティス美術館、シャガール美術館は火曜日が定休です。

アンティーブでは、結局何も食べずに帰りました。日曜日であんまりレストランが開いてなかったし。まあ、ピカソで十分お腹いっぱいになったし。

明日は月曜なので、カンヌをチェックアウトしたら、ニースのマティス美術館に行って、夜の飛行機で帰ることにします。