2019年6月13日木曜日

ウディネに何があるかって? ワイナリーがこんなにあるんよ

ベネチアを後にして、ウディネにやってきました。ウディネ・ファーイースト映画祭に出席するためですが、映画祭の話はここでは割愛。

が、映画祭期間中、丘の上にある「ウディネ城」で見かけたサンセットが素晴らしかったので、写真を貼っておきます。ウディネはベネチアから東に100キロぐらい離れた街です。スロベニアの国境が近いのと、遙か彼方にアルプスの山並みが見える。


これは、アルプスに沈む夕陽です。ウディネはベネチアよりも山がちで、気候は冷涼な感じです。

映画祭の合間、丸一日オフになったので、近隣のワイナリーを巡る小トリップに出かけることにしました。


これはウディネ近郊の地図ですが、このエリアにはワイナリーが大変多い。番号がふってあるのが全部そう。あっちもこっちもワイナリーだらけ。もう、突撃するしかありません。

一行は3名。朝10時、ホテルでタクシーを呼んでもらい、映画祭スタッフおすすめのワイナリー「Aquila del Torre」へ。オーガニックワインの作り手です。


母屋の佇まいがナイスですねえ。

ここのワイン、ジャケットがオシャレです。


このワイナリーで作っているのは、白が3種類、赤が2種類。そのうち4杯を15ユーロでテイスティングすることができます。

この地域の定番「フリウラーノ」という白や、ガソリンみたいな味がするリースリングなど4種類を堪能しました。


時間はまだお昼前。もうちょっと飲みたかったので、ワイナリーのお兄さんに「もう1軒テイスティングに行きたいんだけど、どこかオススメない?」って聞いたら、「La Tunella」というワイナリーを紹介してくれました。

しかし、タクシーを呼んでもらったら、待ち時間が小一時間ぐらいかかった。まあ、畑しかないエリアだからねえ。交通の便はあんまりよろしくない。

La Tunellaに着いたら、誰もいない。「12時から13時までお昼休み」って貼り紙が。しかし、我らがタクシーの運ちゃんが電話で交渉してくれます。

……お。誰か出てきた!

「お昼時で、英語のできるスタッフがいないのよー」といいながら、イタリア女優みたいな美人おネエさんが対応してくれます。


白ワイン3種類飲んで、ボトル1本だけ購入して、「テイスティング代はおいくら?」

「いいのよ〜。テイスティングはタダよ」


もう、おネエさんの大ファンになってしまいそう。高校生の娘が日本アニメの大ファンだそうです。

朝から2軒ハシゴして、だいぶヘベレケになってきたので撤収しましょう。乗ってきたタクシーの運ちゃんが、ずっと待っててくれました。


しかしタクシーでのワイナリー巡りは、時間もお金もかかりすぎ。次回またウディネに来ることがあったら、ドライバーをチャーターして、もう少し効率よく回りたい。次回はプロセッコの蔵にも行ってみたい。



基本的に、このエリアのワイナリーは白ワインが主体です。ウディネが(ベネチアも)面する海は、アドリア海です。地中海とはまた違うシーフードを堪能するのに、白ワインが欠かせない。品種で迷った時は、取りあえず「フリウラーノ」を頼んでおけばOKです。フリウリやベネチア地域で作られている、白ブドウのワインです。 

2019年6月3日月曜日

初ベネチアの覚え書き。この町の若者は、車の免許持ってんの?

ベネチアは、押しも押されもせぬ「キング・オブ・観光地」でした。ウディネ映画祭に行く前の4泊と、ウディネから帰るときの1泊と計5泊しましたが、ここにはまたいつか戻ってきたいと強く思います。


その時のための覚え書きと、初ベネチアの雑感を残しておきましょう。

まず、ベネチアの人口は、地域全体で26万人。このうち、本島に住んでいる人はおよそ5万人だそうです。ここに、年間で観光客が3000万人やって来る。ちなみに、2018年の訪日観光客の数がおよそ3000万人。日本全国に来るのと同規模の人数がやってくる5万人の島、それがベネチア本島です。


ベネチアでは、ホテルの場所がとても大事なポイント。なぜなら、本島の北部以外は、空港から船でないと行けないから。そして船を使うと、とても時間がかかるか、費用がとても割高になるか、その両方となるのが確実。

観光に励むなら、本島のド真ん中であるサンマルコ広場周辺にホテルを確保するのが理想だが、ベネチア到着が夜だったり、出発便が朝早かったりする場合は、その1泊だけは本島北部のローマ広場近辺にした方が賢い。空港からローマ広場まではシャトルバスでたったの20分。料金も6〜8ユーロと安上がり。水上バス(ヴァポレット)の24時間チケットで乗れるバスがあるので、窓口で確認しよう。


シャトルバスなら、この長い橋を通って、ベネチア本島にアプローチ可能。ベネチアに旅行する前に、地図を使って地理条件を把握しておいた方がいいかも知れない。

もしも空港〜ホテル間が水上タクシーになってしまうと、料金は間違いなく100ユーロ以上、場合によっては150ユーロぐらいかかる。ベネチアの水運は、基本「ぼったくり」だと思った方がいい。

ヴァポレットの24時間チケットは20ユーロ、48時間チケットが30ユーロ、72時間チケットは40ユーロだ。窓口でカード型のものを買うか、スマートフォンで電子版(QRコード)を買うこともできる。改札は、カードの場合はタッチで行けるが、QRコードのものはスキャナーにかざす。改札はけっこういい加減だが、リアルト橋前のようなメジャーなSTOPでは、きちんと改札クリアしないと乗り場に入れない。



ベネチア本島は、船しか乗り物がないので、例えば小さな子どもに「大人になったら何になる?」って聞いたら、「船の運転手になりたい」「ゴンドラーレになりたい」ってなるんじゃないかと。それってつまり、車の免許は要らないってことだよね?


そんな素朴な疑問について、ウディネ映画祭で通訳をしていたジュゼッペさんに聞いてみた。「ベネチアの若者は、車の免許持ってんの?」

「私の同級生20人ぐらいの中で、車の免許を持っているのは私だけです」

ビンゴ! ちなみにジュゼッペさんは、ベネチア以外の都市にも出かけることがあるので、必要に迫られて免許を取ったそう。ベネチアで暮らす分には、やはり免許要らないんだね。ちなみに船の運転は、だいたい幅7メートル未満の船ならば免許不要だそうです。

ブラーノ島に行ったら、カフェにいる客たちが、みな茶色い飲み物を飲んでいた。ワイングラスで出てくるので、たぶんお酒だ。レモンが添えてある。凄く気になったので、お店に入って「あれと同じものをくれ」と注文。


これは「スプリッツ」という食前酒で、プロセッコ(または白ワイン)とアペロールというハーブリキュールを混ぜたもの。混ぜる(使う)材料は地方によっていろいろバリエーションがあるみたいだが、ベネチア地方では発泡状態で飲むのがポピュラーのようだった。微発泡&ビターでなかなか大人な味。


ベネチアングラスは、ムラーノ島が本場で、本来「ムラーノグラス」と呼ぶべきものだという。だから、いいものが欲しかったらベネチア本島ではなく、ムラーノ島まで足を伸ばした方がいい。


ガラス職人が、熱したガラスをふーふー吹いて、食器を作る模様も見ることができる。私たちは、ひとり5ユーロほど払って15分ほどのショーを見た。

本格的に体験したい人は、30ユーロ程度のツアーがVeltraなどで売られていて、そちらの方がはるかに有意義だと思う。


ルキノ・ビスコンティの映画「ベニスに死す」のロケ地となったホテル・デ・バンは、リド島にある。建物は廃墟になっていて、「売出中」と覚しき看板が出ていた。


ホテルの目の前は長〜い海岸線になっていて、点在するビーチ施設が「ベニスに死す」を彷彿とさせる。


そのリド島は、ベネチア映画祭の会場として有名だ。ちなみにリド島には自動車が走っている。バスもタクシーもある。意外だよね。


水位が上がると町が沈みそうになるベネチア本島では、町のあちこちに、こんな「インスタント歩道」が積まれている。これが敷設されている状態を見てみたい気もするが、やはりできれば、この上を歩くようなことは避けたいよね。


ベネチアには、クルーズ船がたくさんやってくる。こないだも停泊中の小型船と衝突して問題になっていた。いずれ、この手のクルーズ船は閉め出されるかも知れない。


ベネチア本島には、鉄道駅もある。ベネチアの東にあるウディネには、鉄道が1時間に2本ぐらい走っていて、およそ1時間半で行くことができる。

ベネチアは美味しいレストランがたくさんあるが、ぼったくり被害も多いらしく油断ならない。突撃する前に、必ずTrip AdvisorやYelpなどで裏を取ってから入るようにしよう。

ちなみに、今回一番美味しいと思ったレストランは、こちら。


「Osteria oliva nera」というお店。



シーフードもお肉も美味しかったけど、一番感動したのはティラミス。写真はないけど絶品。再訪を誓う味でした。