2018年3月28日水曜日

SXSW2018振り返り。イーロン・マスク降臨、ダッシュで会場へ!

テキサス州オースティンで行われるテックと映画と音楽の祭典、サウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)に3年連続で行ってきました。今年は、AIやVRのセッションに参加しつつ、ドキュメンタリー映画やホラー映画を渉猟するというミッションです。


バーニー・サンダースのキーノートや、映像関係者のパネルディスカッションなどをサクサク見物して迎えた3日目の朝、思いがけない知らせがやってきました。

朝8時過ぎに、同僚がホテルの私の部屋をノックする音がします。

私たちは、仕事仲間4人ぐらいで現地入りしていますが、連絡はメッセンジャーアプリで取り合っているので、部屋を訪ねてくるというのはよほどの事です。なになに?

「大変です! イーロン・マスクが今日の12時から緊急登壇します。8時半からコンベンションセンターでチケット配布するそうです!」

「おお、それは絶対行くぞ。急いでコンベンションセンター行こう!」

私はまったく気がついていなかったのですが、イーロン・マスクの登壇を知らせるメールは、当日の朝8時に届いたそうです。告知から30分後にチケット配布ってどんだけスクランブルなんだよ。

急いで支度して、ホテルからウーバーに乗って、コンベンションセンターに着いたのが8時25分。当然のごとく大行列。


前日の夜の時点でTwitterに告知されたらしく、早い人は朝6時頃から並んでいたようです。

30分ほど並んでいたら、スタッフによってチケットが配られはじめ、難なく座席を確保。


「Elon Musk Answers Your Questions!」と題されたセッションは、コンベンションセンターから徒歩10分ほど、キャパが2500人という大ホール「Moody Theater」で行われました。入場待ちで列に並んでいる最中、「100ドルでチケット買うよ〜」って叫んでる人がいましたよ。

およそ30分押しで現れたイーロン・マスクですが、腰をクネクネさせ踊りながら登場。もう拍手大喝采。


MCと軽くやりとりしたあと、今年の2月に成功したファルコンヘビーの打ち上げの模様がスクリーンで披露されます。動画貼っときましょう。1分52秒。



この動画、ホント編集が上手。デビッド・ボウイの「Life on Mars?」をバックに、最後のファルコン2機がランチャーに戻ってくるシーンにいたって、観客総立ち&大歓声のスタンディングオベーションです。まるでロックコンサートだわ。いやいやいや凄い人気。

この日は観客とのQ&Aということで、火星のこととか、AIのこととか、カニエ・ウェストのこととか色んなことをざっくばらんに話しておりました。日本語で読めるリンクを最後においておきます。


1時間半におよんだセッションの最後、イーロン・マスクは後から登壇した弟マスクと一緒にカントリーソングを披露して、このサプライズ・セッションを締めました。

それにしても……。

このイーロン・マスクのセッションが急に飛び込んできたおかげで、予定していた午前中のセッション2本、午後の映画1本をぶっ飛ばすことになりました。ま、しょうがないね〜。

▼イーロン・マスクが語る「火星・AI・ビジネス」 SXSWスペシャルセッション

2018年3月7日水曜日

神楽坂の「秘密」という名の分子料理レストランに行ってみた

いま、神楽坂のすべての書店では、(2018年)1月末に発刊された「(帰ってきた)神楽坂本」というムックが平積みになっています。私たちも1冊購入してみましたが、知らないお店(レストラン)がけっこう載っています。比較的新しいお店が中心ですね。

その中で「ここは!」というのが1軒あったので、早速ネットで予約してみることにしました。そのお店は「SECRETO」。スペイン語で「秘密」という意味です。エルブリの流れをひく分子ガストロノミーの店。神楽坂にも分子料理がやって来たんです。


予約は3カ月先までいっぱいなんですが、キャンセルが出たんでしょう、比較的近い日程に2席の空席を見つけました。即予約。

当日がやってきました。お店の場所がなかなか分かりにくい。レストランというよりは、マンションの一室みたい。客席は10席、メニューはおまかせコースのみ。19時スタートの1回転のみ。分子料理ではおなじみのスタイルです。


店内は、中央の配膳台を半円形のカウンター席が取り囲むレイアウト。けっこうこぢんまり。

さあ、シェフがご挨拶。ショウの始まりです。「グレイテスト・ショーマン」のミュージックが頭の中で鳴り響きます(実際の店内には、ラテン風味のラウンジミュージックがけっこうなボリュームで鳴っています)。

1皿目「秘密のオリーブ」


このオリーブみたいに見える果実は、実はイチゴでした。殻をオリーブ色に作ってある。つかみはOKですね。隣に白い直方体の箱が見えます。絶対、中に何か入ってるなと予想できます。

2皿目「未来寿司」


しかし、白い箱は何も入っていません。これは、料理を置く台(お皿)でした。

未来寿司、土台はおこしみたいなお米のフライで、魚の昆布締めの香りがする泡が乗っかっています。確かに寿司っぽい食感。楽しい&美味しい。

3皿目「ウニ・カニ・キャビア」


黄色いところがウニ(&生クリーム)、黒いのがキャビア、真ん中がカニ。これもうんまい。

4皿目「フォアグラの雪」


フレンチトーストに、液体窒素で凍らせたフォアグラを、目の前で削って振りかけてくれます。

5皿目「鴨58℃・燻製」


ビン状の容器には煙が入っていて、フタを開くとスモークのいい匂いが立ちこめます。


こんなビンに入っている食材を食べるには、お箸に加えてピンセットも使います。しかしこのピンセット、食事用なんですかね?

6皿目「カボチャ・エスプーマ」


カボチャのムースの表面を液体窒素で凍らせたもの。奥に見える貝殻のスプーンで殻をカツっと割っていただきます。

7皿目「牛蒡カプチーノ」


これ絶品。牛蒡のスープに、牛乳ベースの泡の組み合わせが最高にマッチ。不思議にうまい。

8皿目「ハタ・サフラン」


ハタとサフランソースが相性抜群ですね。見た目もあでやかでグー。

9皿目「包まれたりんご・フラワー」


リンゴの果汁が透明な皮膜に包まれています。口に入れてプチっとかめば、リンゴと花の香りがジュワっと広がります。

10皿目「和牛・富士山の薪・クリスタルポテト」


58℃で6時間熱したという和牛。そういえば前に出た鴨も58℃って名前ついてたな。牛肉に乗っかっている透明な物体はポテチです。透明なポテチ、おもしれえ。

11皿目「リゾット・アカモク」


締めの炭水化物ですね。アカモクという海藻は、オーナーの藪中シェフの出身地、石川県の名産だそうです。食感が抜群。

12皿目「チーズケーキ」


デザートその1です。粉と破片たちを口にいれると、あ〜ら不思議イチゴ味のチーズケーキが。

ここまで終了したところで、客全員が中央の配膳台に集合させられます。そこでは、シェフが煙を魔術師のようにあしらっています。


13皿目「蜂蜜・ミルク・−196℃」


シェフが客の目の前で液体窒素、ミルク、蜂蜜でアイスクリームを作ります。口に含むと、一瞬で溶けてしまうはかないアイス。

14皿目「吐息」


最後。メレンゲを液体窒素で凍らせたものを口に入れて鼻から息をシュウォーって吹き出すイベント・デザートでコース終了。

およそ2時間半のエンターテインメント・分子ディナー。それぞれの料理は、ワインやカクテルなどのアルコールとカップリングされていて、おひとり様1万6000円。飲み物込みでこの値段はかなり良心的と感じました。アルコールなしもチョイス可能です。

SECRETO、かなり美味しかったですよ。分子料理の奇抜さに、料理の味が負けてない。思ったより旨かった印象。

さあ、次はどの店に行こうかな。「帰ってきた神楽坂本」で探してみよう。