2016年8月25日木曜日

18年ぶりに引っ越した件の覚え書き


18年ぶりに自宅の引っ越しをしました。文京区から新宿区へ。賃貸から賃貸へ。引っ越しの理由は色々とあるのですが、「いい物件に巡りあえた」というのが一番ですね。

文京区の家も気に入っていたんですが、20年近く住んでいるとさすがにあちこちボロくなってくる。しかし、賃貸なので抜本的な修繕のしようがないというジレンマがありました。

大家さんに引っ越しの挨拶に行ったら、思いがけず1枚の写真をもらいました。大家さん宅から見える風景の写真です。雪の日の朝です。丹下健三のカテドラル教会がそびえ立ってます。手前の寺は、桂林寺という禅寺です。それにしても、ウチは2階、大家さんは4階。見える景色が全然違うでやんのw


さて今回、実に久しぶりの引っ越しだったので、いろいろ勝手が分からなくて少し大変でした。次にまた引っ越しする時に備えて、覚え書きを残しておこうと思います。

・引っ越し一括見積のサービスは使わない
引っ越し業者を選定するにあたり、最近引っ越しをした何人かの知人にヒアリングしたんですが、結果、多数がオススメしてくれたアート引越センターに決め撃ちしました。ネットで料金一斉比較をやっちゃうと、電話がかかりまくって大変なことになると脅かされていたのもあります。中古車の一括査定と一緒だね。なので、一社だけ見積に来てもらい、その場で「競合させるの面倒だから、いまここでラストプライスを言ってくれ」という作戦。

・周辺タスクは、引っ越し屋が全部握ってる
引っ越し業者は、トータルでソリューションするノウハウがあります。今回も、引っ越し作業に加えて、冷蔵庫や書棚など大型家具の廃棄、他人にゆずる家具の配送、インターネット回線の乗り換えなど、引っ越しに付随する色んなタスクを代行してくれる業者をそれぞれ紹介してもらいました。もちろん、業者を使わず自分でやれば余計なコストはかからないのですが、多少うさん臭くても業者に頼んじゃった方が簡単です。そこは割り切りね。

あと、アート引越センターのWebサイトには、マイアカウントでログインできるサービスがあり、引っ越した後の区役所や郵便局など手続き関連のリストもあったりします。これが意外に便利だった。

・引っ越しは、大規模断捨離をやる千載一遇のチャンス
今回、69平米の2LDKから70平米の1LDKプラスDENへの転居です。もともと、というか、ここ10年ほどは断捨裏傾向にある我が家ですが、引っ越しはモノを捨てるビッグチャンス。個人的には、「本棚とCDラックを捨てる」ことを決意し、まんまと成功しました。棚を捨てるということは、中身も処分するということです。アナログ盤200枚が2万円、CD1000枚&書籍50冊ほどが10万円で売れました。ディスクは1枚100円なんだなあ。書籍に関して言えば、1年に1〜2回はBOOK OFFで処分していたので、今回それほど多くありません。再読の可能性がある雑誌は自炊してデータ化してあるし、新刊本は図書館で借りるかKindleで購入する生活です。

写真もたくさん出てきました。昔の写真、特に集合写真って、どれもポーズや構図が同じで笑っちゃいますよ。これらもスキャンスナップでスキャンして、紙焼きもネガも処分。ちなみに、これは初めて海外旅行に行った時の写真です。86年3月25日って表示が……30年前だよ。ロンドンのトラファルガー広場ですねえ。


・インターネット回線の引っ越しを上手にやる
現代の引っ越しで、一番大事なのは「インターネット回線の引っ越し」ではないかと。ブツは運んだけど、ネットが繋がらないので、色んなことができないってのは不便極まりない。しかも、回線の工事は混み合っていて、希望の日時に工事してもらえることはまず無理。私の場合も、5日間ほどネットなしの状況になったんですが、回線の乗り換えを発注した業者から、WiFiルーターが無料レンタルできて大助かりでした。もちろん、電気・ガス・水道はもっと大事ですが、さすがにそこを失敗する人はいませんよね?

そう言えば、今回、家の光回線をFLETSからソフトバンクに変えたんですが、工事に来たのはNTTの人でした。回線も、NTTがソフトバンクに光回線を卸してるんだよね。いずれにせよ、回線はバカっ早で大満足。

・転出転入。本籍地はどうすれば?
今回は、文京区から新宿区への転居ということで、まずは文京区役所へ。窓口周辺で待っている人々はいたって上品な感じです。転出届けを出した帰り、シビックセンター25階の展望レストランで記念にランチ。景色がグッドです。ここは超穴場のレストランですよ。


その足で新宿区役所に転入届けを出しにいったら、思わず笑ってしまった。だって区役所の中がめっちゃエスニック。人種のるつぼw。外人も日本人も金髪だらけだし、窓口のおねえさんは中国人だし、なんだなんだここはって感じで超オモロかったわ、新宿区役所。

私は、何故か住基カードを持っているのですが、今回初めて有効活用しましたよ。住基カードを持っていると、転入転出の特例が受けられて、普通よりも手続きが楽なんだそうです。

それから、印鑑登録を自分の分と奥さんの分とを一発でやろうとしたんですが、奥さんの分を代理でやるのが超メンドかった。結果、3回も区役所に行く羽目に。他人の印鑑登録はやるもんじゃない。

最近、印鑑証明や住民票は自動交付機で簡単に取れるんですね。暗証番号登録しておけば。これ、文京区時代にはなかったんじゃないかな。新宿区って先端なのか?

そうそう。今回は住民票に加えて、本籍も移すつもりだったんですよ。ところが、文京区役所の戸籍の窓口のオバさんと話した結果、移籍はやめました。本籍を移すと、謄本が必要になったとき、過去に遡って全部必要になるから、あんまり頻繁に動かさない方がいいんだって。住民登録も本籍も一箇所にまとめた方がいいじゃん!って思い込んでいたので、意外な展開となりました。

本籍地については、いろいろな考え方があるようですね。東京都千代田区千代田1番地に本籍を置く人が相当数いるってのもよく分かります。皇居と一緒。これなら絶対に忘れないもんね。まさに、千代に八千代に忘れないw 

2016年8月3日水曜日

次のロシア旅行のための覚え書き・サンクトペテルブルク編

初ロシア10日間の旅、最終編は、覚え書き・サンクトペテルブルク(サンペテ)編で締めたいと思います。箇条書きでいきます。

・モスクワとサンペテは700キロ強の距離がある。東京からだと青森市、あるいは岡山市までの距離に相当。

・サンペテからは、ヘルシンキが意外に近い。380キロ。だから、サンペテ住民はヘルシンキまで車で4時間かけて買い物に行くそうだ。そしてサンペテはバルト海に面している。バルト海クルーズの豪華客船が毎日のように訪れる。だからエルミタージュはじめ美術館が激コミになる。


・サンペテは夏でもけっこう寒い。そして天気が悪い。我々は、一日でモスクワ(30℃)とサンペテ(15℃)で15度の寒暖差を体験した。サンペテの一般的な家、路線バスにはエアコンがないそうだ。日本でいうなら北海道だね。

・バルト海沖に、バルチック艦隊の本拠地となっていたコトリン島という島がある。バルチック艦隊は、そこのクロンシュタット港から日露戦争に向け出航した。観光船で行けるので今度行こう。絶対行こう。


・美術館や教会の入場チケットは、自販機で買おう。有人のチケット売り場は長蛇の列だが、自販機はどこでもガラガラだ。もちろん、クレジットカードが使える。英語の表示もある。


・エルミタージュ美術館には、プーチンそっくりの犬の置物が展示されている(左上)。ロシア人はプーチンが大好きだ。強いリーダー(米英に文句言える)が大好きなんだと。

・ロシア人の主食はジャガイモなんじゃないか。あらゆる料理のつけ合わせでジャガイモが出てくる。ビーフ・ストロガノフは、ロシア由来の料理だが、日本では牛肉の煮込みにライス添えが普通。だが、ロシアではジャガイモ添えだ。写真はシャシリクという串焼き料理。お皿がイモに占拠されてる。


・ロシアでは英語は通じないと思った方がいい。通じるのはホテルと高級レストランぐらい。しかも、町の標識や看板に英語並記がない。アメリカやイギリスが、どんだけ嫌いなんだと。

・サンペテの人は、日本料理が大好きだ。だけど、美味しい日本料理屋がないのが悩みの種。昔は「SHOGUN」という和食屋があったが、ストックホルムに移転してしまったそうだ。


・サンペテの人々は、 猫とコーヒーと本が好き。一方、モスクワの人々は、犬と紅茶とお金が好きなんだってさ。

・エカテリーナ宮殿の「琥珀の間」に代表されるように、琥珀はサンペテの美術品の重要アイテムだし、豪華なお土産の代表選手。ところが最近、琥珀の価格が暴騰している。なぜなら、中国人が薬として消費するから。お金に糸目をつけない中国人が、ロシアに来ると琥珀を爆買いするんだって。


・サンペテにはスフィンクスがある。しかも2体。19世紀初頭にフランスが購入を決め、キャンセルしたものをロシアが買ったらしい。スフィンクスの前ではお土産屋が営業している。


・モスクワよりサンペテの方が物価が若干安い。マトリョーシカなんかのお土産はサンペテで買おう。違法なマトリョーシカもたくさんあるけどw

・それにしてもエルミタージュは特別だ。そして強烈だ。あと2回は行ってみたい。ルーブル、メトロポリタンと並んで「世界3大美術館」に数えられるそうだが(「4大美術館」になると、故宮とかプラドとか大英とかが4番手に入ってくるらしい)、とにかくエカテリーナ2世の狂気のコレクション(とその財力)には舌を巻くしかない。ある意味、帝政ロシア時代、ソ連時代、現代のロシア連邦時代を通じ、もっともかの国の国力を披瀝してやまないヴェニューではないかと。とにかく、見学する場合は混雑を避ける作戦を考えるだね。


ちょっと危ないことも……

・サンペテでは、ルーフトップバー帰りの23時頃、メインストリートのネフスキー通りで若いスリ団に囲まれた。白夜ってこともあって群衆でごった返している中だったし、我々も何も所持品がなかったので兄ちゃんたちを睨み倒しながら振り切って事なきを得たが、金目のものは身につけて歩かない方がいい。以前、バルセロナでも大晦日の群衆シーンで似たようなケースに遭遇したことがあったが、人混みでは十分に気をつけた方がいいってことだな。ヨーロッパのローカルは。

次回必ず目撃したいもの

・今回、チャレンジしたけどうまく体験できなかったのがルーフトップツアー。で、チャレンジしなかったけど次回必ず体験したいのが、跳ね橋見学だ。サンペテでは、ネヴァ川にかかる21の橋がすべて跳ね橋になっており、これが深夜1時15分ぐらいから次々に開いて行くのである。大型客船やタンカーを通すために。


・この跳ね橋ショーを見学するクルージングツアーはたくさん催行されているが、どれも大人気。ただし、スタート時間が24:30とかド深夜なので、次の日の午前中をフリーにするとか、腹をくくって参加しよう。これは次回来たときのマスト。それにしても、21本の跳ね橋が次々開くって、エネルギー消費の観点からしても相当なスペクタクルだよね。隅田川なら、まず勝鬨橋パカー→中央大橋パカッ→永代橋パカッ→清洲橋パカーって感じ? ワクワクもんだ。勝鬨橋だけは昔開閉していたんだけどね。

てなわけで、また来ようロシア。ズトラストビーチェ、ロシア。

Photo credit: neverbutterfly via Visualhunt / CC BY