2012年1月30日月曜日

iPad用フルセグTVチューナー


久々にデジタルガジェットを購入しました。iPhone/iPad用TVチューナーです。WiFiで繋ぐタイプ。震災直後、「ちょいテレ」というワンセグチューナーを買って愛用していたのですが、自宅の奥の方(窓から遠いエリア)ではほとんど電波が受信できません。電波を拾うためにあちこちiPadを動かすのもストレスなので、最近はあまり使っていませんでした。昨年末に、フルセグを見られる本製品が発売されたので、購入してみた次第。


ソフトバンクの「デジタルTVチューナー」。ネーミングが直球すぎです。Amazonで1万9500円。1069円のアンテナ分配器も併せて購入。

自宅のTVアンテナ端子に同軸ケーブルで接続し、無線LANでiPhone/iPadに飛ばします。専用のiPhone/iPadアプリ(無料)でTVが視聴可能。地デジ、BS、CSに対応しています。


早速、iPadで地デジを見てみましょう。けっこうよく映ります。


ただし、15〜30秒に1回ぐらいの割合でノイズが入ります。しかしゴールデンタイムに前バリの話題、いかがなものでしょうw

BSだとこういうノイズは見られません。アプリにある「受信レベル」というメニューでは、地上波の方が電波が強いのに。


iPhoneでもバッチリ映ります。画面をタップすると、ご覧のような操作系の表示が出てきます。

概ね満足ですが、いくつかの不満もあります。箇条書きに。

・チューニングの速度が遅い。チャンネルを変えるのに、選局から7〜8秒かかります。ザッピングとか不可能ですね。
・EPGが使えません。
・録画ができません。
・同時に複数台が使えません。我が家には複数のiPhoneやiPadがありますが、使えるのは1台だけ。
・インターネット用にWiFiを使っている家庭の場合、iPhone/iPadの設定でこのチューナーのWiFiに切り替えないとTVが映りません。
・電子レンジを使うと、画面に干渉する。これはApple TVなんかも同様ですね。

ま、ワンセグと比べたら断然キレイなので、これはこれで十分かなと。素朴な疑問は、このチューナー、何インチぐらいのデバイスまで対応できる(視聴に耐える)のか。

私は、そもそもあまりTVを見ないので、将来的にTV本体もコードレスになって移動が楽な状態になって欲しいと思っています。TVのための定位置を作りたくないのです。20〜30インチ級のTVがロケーションフリーな状態が望ましい。アンテナ結線の必要もなく、バッテリーも充電でOK、家の中を持ち歩ける薄型のTV(キャスター付きのラックは必要かも知れませんが)が欲しい。このiPhone/iPad用チューナーを使ってみて、そんなTVが出現する日が少し近づいたような気がします。

あるいは、現行の4倍ぐらいの面積を持つiPad Mega(Giga?)が登場するってことでもいいんですが。

2012年1月15日日曜日

うつ病に効くヨガ。スーザン・ニコルスと再会

昨日、六本木でスーザン・ニコルスに会いました。スーザンに会うのは5年ぶり。

彼女は、2006年5月に私たちが製作したヨガのDVD、「スーザン・ニコルスの幸せになるOne Dayヨガ」の主人公です。ヨガのインストラクターが本業というわけではなく、ヨガグッズ(「スキッドレス」が有名)をプロデュースする「ヨギトーズ」という会社のCEOが本業です。サンタモニカの美人でロハスなCEOって感じ。その昔は「セックス・アンド・ザ・シティ」に出演したこともあるそうです。


このヨガのDVDはLAに住む友人から企画のオファーを受け、私の会社が、友人たちの会社やポニーキャニオンと一緒に出資&製作したものです。

当時、製作費(プラス宣伝費)が回収できるかどうかのシミュレーションでは、1万枚以上売れないと利益は出ないという計算でした。業界の知人たちは「ハリウッドのアクション映画ならともかく、こんなHOW TOもののDVDで1万枚なんてあり得ない」と、口を揃えて言いました。

我々も、確かに1タイトルを1万枚売り切るのは無理だろうと思い、製作費を切り詰めてリスクを減らそうと考えました。しかし、アメリカ(LA)で撮影を行うこともあり、コスト(=スタッフの人件費)を下げるのはなかなか大変。

そこで、頭を切り換えて、一度の撮影で3タイトルを作ることにしました。気に入った方には2種類、3種類買ってもらうという「大人買い」狙いですね。3タイトルは「目覚めのヨガ (FOCUS)」「きれいになるヨガ (ENERGY)」「癒しのヨガ (RELAX)」と設定し、それぞれのタイトルに沿ったメニューをスーザンに考案してもらいました。今思えば、ここが重要なポイントだった。

発売日前後には、スーザンの来日キャンペーンも敢行。京都のお寺でヨガのレッスンをやったり、雑誌やWebの取材を受けてもらったりと忙しく働いてもらいました。

しかし、残念ながら我々のDVDは思ったようには売れませんでした。映画と違って、宣伝をたくさん露出しても販売に直結する感じがあまりないんですねえ、DVDの場合。

「うーん、ダメだったか。失敗したかな」という雰囲気の数カ月が続き、やがて1年が過ぎ、皆このDVDのことは忘れ、それぞれの仕事に戻って行きました。

販売元のポニーキャニオンからは、3カ月おきに販売レポートが届きますが、売れ行きは徐々に鈍って行き、各社へ支払う分配金も少額になり、スーザンへの印税も雀の涙という状況に。このままフェードアウトするように、このDVDは廃盤になる運命なのか……。巷では、ヨガとは180度アプローチの異なるエクササイズソフト「ビリーズ・ブートキャンプ」がバカ売れしていました。

それでも、発売から2年目に入り、冬から春になって暖かくなると販売枚数が少し伸びるという現象が見られました。ヨガにもシーズン需要があるんでしょう。しかし、秋冬になるとまた売上げは減り、特にパッとしない感じでダラダラ売れているという状態が続きます。もちろん、出資金を回収できる見込みは全然見えません。

ところが、3年目に入ったところで潮目が変わったのです。

09年春のこと。販売レポートを見ると、06年のリリース時期と比べて明らかな変化がありました。リリース当初、3タイトルのうちもっとも良く売れていたのは「きれいになるヨガ」でした。これは予想通りです。「みんな、このヨガをやってハリウッドセレブのようにきれいになって下さい」というコンセプトですから、我々も3タイトルのうち「きれいになるヨガ」を一押ししています。

しかし09年春のレポートでは「癒しのヨガ」が一番売れていたのです。しかも、他の2タイトルの3倍以上と圧倒的な差がついています。「世の中、病んでいる人が多いんだなあ」なんて他のスタッフと笑いながら話していたのですが、全然笑い事ではありませんでした。


スーザン・ニコルスの幸せになるヨガ ~シリーズ3 Relax 癒しのヨガ [DVD]

「癒しのヨガ」のAmazonでのレビューを見ると、次のような投稿が冒頭にあります。リンク先をご覧ください。


「ひどい肩こり、偏頭痛、吐き気etcが、このDVDで改善した」「涙が出てとまらない」「不思議な爽快感が味わえる」……まったく思いもよらないリアクションです。もちろん、このレビュー以外にも好意的なレビューが数多く投稿されています。ヨガって凄い。

金髪の美人インストラクター、きれいなパッケージ、西海岸のセレブ風な雰囲気を醸すパッケージという外面的な要因もさることながら、それ以上に内容に関するクチコミが販売に結びついているのは疑いがありません。

09年以来、「癒しのヨガ」は着実に売れ続けています。そして驚くべきことに販売枚数の7割がAmazonからの購入なのです。

直近3カ月の販売レポートが届きました。「スーザン・ニコルスの幸せになるOne Dayヨガ」は、リリース以来最高の販売枚数を記録しました。発売当初の3カ月と比べると、何と5倍の売れ行きです。発売からまる5年が経とうというタイミングで、ついに出資金を回収できそうなところまで漕ぎつけました。ちょっと感無量です。ユーザーレビューが商品の売れ行きを左右するという事例を、まさに身をもって体験しています。

投資を回収できそうだという点もさることながら、心身不調な方が治癒することに少しでも貢献できたということならば、それに勝る喜びはありません。

そして昨日、5年ぶりの再会&ディナーの席でこの話をスーザンと共有したわけです。彼女も非常に感銘を受けていました。彼女自身、ここ数年は病気をしたり、あまり体調が芳しくなかったみたいですが、今はとても元気で、新たなビジネスの立ち上げ準備中とのこと。「今日はとてもいい話を聞いた。2012年は新たなスタートの年になりそう」と楽しそうに語っていました。



2012年1月14日土曜日

香港でiPhone4S探し

ムンバイから香港に戻って来ました。行きは空港で6時間待って乗り継ぎましたが、帰りは香港市内で1泊し、東京に帰ります。

まずは例によってSIM探し。空港の到着ロビーの電器屋に行くと、アジア各国で使えるという3000円ぐらいのSIMを勧められますが、香港には1泊2日しか滞在しないので、これを買う意味がありません。いったんホテルにチェックインし、昼食を摂り、アップルストアへ。今回の南インド旅行を香港経由にしたのは、iPhone4SのSIMフリー版を買うのが目的です。


香港のアップルストアは2011年の9月に開店したばかり。香港駅の真上、IFCモールの中にあります。外から見ると、店の下を道路がブチ抜いていてアムステルダム・アレナみたいです。カッコいいねえ。


店員にiPhone4Sはあるかと尋ねると、「最短で明日納品だ。店にあるMacやiPadで注文できる」と言われたので、早速近くのテーブルのMacBook Airで注文画面へ。明日、帰国の前にピックアップに来よう。

ところが、注文画面では「4S」はおろか「4」も「3GS」もすべてが「Unavailable」。「何だよー、せっかく来たのに」「ゴメン、ゴメン」って感じでそそくさとアップルストアを後に。



4Sは後回しにし、SIM探しを再開。香港駅の周りでSmarToneの店を見つけ、500円弱で無事にSIMゲット。日本から持参したiPhone4(もちろんSIMフリー)に突っ込みます。

その後、有名なエッグタルトの店やセレクトショップをひやかした後、私は1人で旺角の電脳街へ。奥さんはスパへ。

香港では、4Sは11月に発売されたばかりで、かなりの品薄状態であることが分かりました。Broadwayなどの量販店を何軒か訪ねましたが、どこに行っても「No Stock」。ここまで来たらと、バッタ屋があふれる電脳モール「先達広場」に行ってみます。なるほど、お店は軒並み「4S高価買取」モードです。


市場内をチェックしていると、あきらかに外装フィルムが再生された4Sの箱や、「4G」と書かれた4Sの箱があったりと相変わらず胡散臭さ満点です。ある店で、何台もの4Sを持ち込む青年に大量のキャッシュを渡して「高価買取中」の店主の姿を目撃した時は、「これは本物だよ。しかも、どう見ても未開封」と思わず食指が動きましたが、それでもグッと我慢。保証の問題など色々考えて、やっぱりここでは買えないよなあという結論に至り、旺角を後にします。

香港での1泊2日はあっという間に過ぎて、帰国の時間が近づきます。今回、ホテルが九龍駅のそばだったので、エアポートエクスプレスのJALカウンターで帰国便にチェックイン。早々に荷物から解放されました。香港にデカいトランク持っていくことはあんまりないですが、もしも大荷物で行く場合はエアポートエクスプレス作戦が断然便利です。フライトの90分前まで可能。

九龍から20分で香港空港に到着。ターミナル1の出発ロビーにいくつか携帯キャリアのショップがあるのですが、そのうち「1010」の店頭の様子に気になるものがあり、覗きにいきます。すると、店員がお客に「……64GBなら在庫あるよ、7000HKドルね」とか言ってるじゃないですか!


なんと、町中で売り切れ状態のiPhone4S、こんな所で売ってましたよ。プリペイドのSIMとセットで。

町中でも、キャリアのショップではiPhone4Sが在庫してる雰囲気はあったんです。でも、こっちは旅行者だから毎月の回線契約はしません(できない)。お店も、そんな客にiPhoneは売りたくない。ところが、この空港のショップではプリペイドのSIMだけつけてiPhoneを売ってる。俄には信じられませんでしたが、キャリアのショップならモノも信用もできるので買うことにしました。「保証は1年、香港でしか保証は効かない」と言われましたが、もしも故障したらダメもとで銀座のアップルに行くつもりです。今使っているSIMフリーiPhone4も、無償で交換してもらった経験がありますし。

ただ、値段がちと高かったですね。4S本体こそ6688香港ドルと、町の量販店やアップルストアと変わらないのですが、プリペイドのSIMが498ドルもする代物で、合計で7万2000円ほど。このSIM、前日に到着ロビーで勧められたSIMより高い。ま、売り手市場の4Sだから仕方ないですね。次に香港に行くときに(いつ行く?)使うことにしましょう。


3GS、4に続いて香港で買った3台目のiPhoneです。香港は電源プラグがデカいので、iPhoneの箱もご覧のようにデカい。iCloudのステッカーが光っています。

そんなわけで、最後の最後に目的が達成できました。これから香港でSIMフリー4S購入をご検討中の皆さん、アップルストアがダメでも空港で買えるかもしれません。到着したら速やかに出発ロビーのキャリアのショップに行ってみてください。到着したら出発ロビーへ。まだ在庫があるといいんですが。(私が購入したのは2012年1月5日です)


2012年1月13日金曜日

南インド旅行記2011-2012 その12 ムンバイでタクシーに乗るときは……


インド最終日、トリヴァンドラムのネイピア博物館や動物園を軽く冷やかして、午後1時半の便でムンバイに飛びます。ムンバイには3時に着いて、香港への乗り継ぎ便は深夜1時50分。到着後10時間以上も先です。一旦ムンバイの町に出て、夜10時半ぐらいに戻ることにします。


写真は、ムンバイ空港の女子トイレのサイン。お洒落ですね。

国内線から国際線のターミナルへシャトルバスで移動し、荷物をスキャン台に通していったんターミナルの中に入ります。手荷物預かり所があるはずなので、空港の職員に場所を聞いたところ「ターミナルの外に出て、エレベーターで下のフロアに降りて左の方に行ったところにある」とのこと。

ところが、ターミナルから外に出ようとしたところ、出入り口を固める兵士に止められ「一度中に入ったら、二度と外には出られない」と言われてしまいました。アッチャー。

インドはテロが多いし、空港は狙われやすいのは分かるのですが、それにしてもターミナルの中で10時間はちょっとカンベンだ。行きに香港で6時間の待ち時間を経験してかなりうんざりでしたが、それより遙かに長い。「ターミナル」のトム・ハンクスの姿が脳裏をよぎります。兵士にしぶとく食い下がっていたら、上官とおぼしき制服の紳士がやってきて、我々のパスポート番号を控えて放免してくれました。やれやれ、これで娑婆に出られる。

ムンバイ空港でタクシーに乗る場合は、いったん到着ロビーから外に出て、プリペイド・タクシーのカウンターで手配してもらうのが安全です。タチの悪い客引きにダマされず、安く目的地にたどり着けます。この日は、ムンバイのマリンドライブあたりまで、エアコン付きの車で590ルピー(900円ぐらい)でした。ホテルや旅行代理店の送迎だと、5000円〜1万円ぐらいかかります。


しかしムンバイの渋滞は相変わらずひどいですね。途中、片側3車線ずつ、合計6車線の道路を通った時のこと、交通の多い側が4車線に膨れ、反対側が2車線になっているところがありました。混んでいる側の車が、勝手に対抗車線にハミ出して、後続もそれに倣って走るんです。中央分離帯が出現すると、その手前で元の3車線に収束していくという……。この国の道路は、正面衝突の事故がけっこう多いんじゃないかと推測します。

また、ムンバイの町中でタクシーに乗ると、驚くべきことにちゃんと料金メーターが動いています。メーターの数字の通り料金を払えばいいので、安心で明瞭会計。と思いきや全然そんなことはなかった。実は、このメーターが曲者なんです。表示されてる数字が、何を示しているのかよく分からないんです。実際私たちが乗った時も、かなりの距離を走ったのに、メーターに表示されている数字は「20.8」というもの。「たったの20.8ルピー? あまりに安すぎて申し訳ないから50ルピーぐらい払ってあげよう」と50ルピー差し出すと、運転手は大きく頭を振って、何やら一覧表みたいなものを取り出してごにょごにょ言ってます。


そこで思い出したのが、自分のiPhoneにインストールしてあった「Mumbai Taxi Fare」というアプリ。こいつに「20.8」と入れると「346.0ルピー」と計算結果が出た。表示の16.6倍が運賃でした。よく意味が分かりませんが、おそらく、料金が改定されてもメーターの設定を変えずに早見表の方をアップデートして使うシステムなんでしょう。チップを加えて400ルピー払い「どうだ。文句あるまい」。それにしても、このアプリ便利すぎ。もっと使いたいが、そろそろ帰りの便に乗らないと!

インドでは、タクシーに乗って渋滞していると、路上に色んな物売りがやって来ますが、この日はこんなものを売りに来た少年がいました。思わず車内からパチリ。


ジョブズは、アップル創業前にインドを放浪していたわけでゆかりの地ってこともありますが、それにしてもこの少年、ナイスすぎるよ。

2012年1月9日月曜日

南インド旅行記2011-2012 その11 インド最南端のパワースポット

今日はヴァルカラを後にし、インド最南端のカニャクマリ(コモリン岬)を目指します。

4時間ほどのドライブで、到着したのが午後2時近く。まずはランチです。南インド名物ミールス・ランチ。



カニャクマリは、ヒンドゥー教の重要な聖地のひとつで、多くのインド人が「巡礼」にやってきます。沿道には商店がぎっしり並び、人々で賑わっています。若者が多くて、なんだか江ノ島みたいな雰囲気。



岬の突端からフェリーに乗ります。乗り場はこんなに行列。インド人をちゃんと列に並ばすためにはロープで囲わないと無理です。



フェリーも常時満船です。1人に1つ、ライフジャケットが配られます。



フェリーは左に見えるヴィヴェーカーナンダ砦に上陸します。右に見えるのは、詩人ティルバッルバルの像。「ロード・オブ・ザ・リング」の2作目を思い出しますねえ。



この砦の中にあったメディテーションルームが驚きでした。岩の中の涼しくて真っ暗な空間にオームの文字が光り、腹に響くような「オーム、オーム……」という朗唱が聞こえています。外の喧噪からは180度別世界。まさしくパワースポットという趣で、ここにいれば何時間でも瞑想していられそうな雰囲気です。


再びフェリーで岬に戻り、ヒンドゥー寺院を参拝。カニャクマリの由来となった、クマリ女神を祀ったクマリ・アンマン寺院という寺で、男子は上半身裸にならないと中に入れません。


寺の後は、海岸に出て日没を待ちます。巡礼者たちは海で沐浴していますが、端から見れば、沐浴というより海水浴。若者たちが水をかけあってキャッキャ遊んでます。



ここは、ベンガル湾と太平洋とアラビア海がひとつに交わる岬だということで、同じポイントから日の出も日没も見ることができます。



日没を眺める人、人、人……。そういえば、インドに来て、毎日のように日の出や日没を見ています。ありがたいことに。でも、日の出はともかく日没に遭遇するって、自分の小さい頃は日常だったんですよ。間違いなく。

2012年1月4日水曜日

南インド旅行記2011-2012 その10 初日の出と初日の入り


湖畔のブティック・ホテルは、酒が飲めなかったり、トイレのドアがなかったりと多少の不便はありましたが、広々とした空間に、ベッドも広々で身も心も自由になる感じ。おまけに、湖に面した壁がすべて窓になっていて開放的なことこの上なし。


元旦の朝、ヴェンバナド湖から朝日が昇りました。初日の出です。部屋にいながらご来光を拝めるなんて、なんと贅沢な。

朝食を済ませチェックアウトするときに、フロントのお兄さんから、昨日のチェックインでお待たせしたお詫びだと、ハウスボートの模型をプレゼントされました。いいヤツじゃん。酒販売のライセンスが取得できた日には再訪しよう。

さて、今日は車でヴァルカラ・ビーチまで移動です。ドライバーのお兄さんの、3時間半に及ぶ攻めの運転に心拍を上げられながら、無事に海辺のホテルに到着しました。海辺→湖畔→海辺と、今回の旅は水辺を渡り歩いている感じ。

チェックインすると、フロントの掲示板を見てガイド君が笑っています。そこには「本日は、政府の指導によりレストランならびに室内でのアルコールの販売を禁止します」という張り紙が。

オーマイガッ! 政府って酒の売買もコントロールできるの? 休肝日、2日連続はカンベンして下さいよ。

ビーチ沿いのレストランなら大丈夫なんじゃないかとガイド君が言うので、遅いランチを摂りに外出します。


ヴァルカラ・ビーチは、切り立った崖の上にメインの通りがあり、レストランやショップが並んでいます。そこから200メートルぐらい下にビーチが広がっているというロケーション。

景色の良さそうなシーフード・レストランに入り、ビールを頼んでみたところ、何の問題もなくキングフィッシャーが出てきました。2人で2本を飲み、さらに夜のために、もう2本を買って帰ります。

ホテルは海(アラビア海)に面したバルコニー付きの部屋。前日とはうって変わって抜けるような晴天が広がっています。こんな日にバルコニー付きの部屋でやることといったら、そりゃもう、洗濯しかないでしょ。大量の洗濯。夕方洗って干し、夜までにすべては乾きませんでしたが、翌日の朝も引き続きバルコニーに干した結果、すべてがパリパリに乾きました。


そして、洗濯の後はアラビア海に沈む夕陽を鑑賞。新年早々、サンライズとサンセットの両方を拝むことができました。



ホテルでの夕食には、南インド音楽の楽団がいました。今日はバイオリンとパーカッション3発の4人編成です。パーカッションがかなりいい音!

ケララはなかなかいいところです。



2012年1月3日火曜日

南インド旅行記2011-2012 その9 大晦日、湖畔の瀟洒なホテルでトラブル三昧

バックウォーター・クルーズを終えて、クマラコム方面へ向かいます。途中、細い道に入り、未舗装の道をくねくね通ると、やがて今夜の宿に到着。ヴェンバナド湖畔に建つ、ザ・パークというホテルです。それにしても、恐ろしく辺鄙な所です。


宿の外観はなかなかこ洒落ています。資料によると、初のインド人経営のブティック・ホテルなんだと。早速チェックインしようすると、フロントのお兄さんが困った顔をしています。

「あなたたちの予約は入っていない」

オー・マイ・ガッ! 時は2011年12月31日18時。間もなく日が暮れようとしている辺鄙なインドの湖畔で、大晦日の宿がないという事態はなかなかハードです。思えば、今回の旅行のホテルは、すべて自分でネット予約したのですが、この1泊のみ旅行代理店手配なのでした。

持参したバウチャーを見せると、フロントのお兄さんが「ホテルの住所は合っているが、電話番号とメールアドレスがここのとは違う。PCでメールの受信履歴を調べてみるからちょっと待ってろ」と言われます。やがて「メールが見あたらない。やはり予約が確認できない」と。

改めて、3枚綴りのバウチャーを見ると、最後の最後に、トラブルの場合の連絡先としてロンドンの代理店の電話番号が載っていました。

この代理店(何と日本語対応してる!)とのやりとりの結果、この日唯一空いていたスイートルームに追加料金なしで宿泊できることに決定! ただし、ガラディナー(大晦日の宿泊の際に強制的に買わされるイベント付きディナー)は自前で購入ということで手を打ちました。

さて、スイートルームです。実に広い。しかもお洒落。シメシメ状態で荷を解き、落ち着いたところで用を足そうとして愕然。

何と、トイレに扉がない!



ちょっと分かりにくいですが、奥のベッドと手前のデスクの間の空間が、トイレ&シャワーブースへのエントランスです。ここが開けっ放しになっていて、ドアがありません。凄いです。お洒落すぎです。これは、かなり交際期間の長いカップルでも、日本人の女子には厳しいだろうなあ。

20時過ぎからガラディナーが始まりますが、イベントディナーなので、食事の前にいろいろショーがあります。


マジシャンがやって来て、我々の目の前でマジックを披露してくれます。マジックの後は、フォーチュンテラーに手相を診てもらいます。サイババみたいな風貌の占い師が、「おぬしは長生きするぞ。90歳か91歳まで生きるはずじゃ。61歳が人生のピークじゃの」。おお〜、ありがたや。

そんな楽しいこともあり、ディナーに突入。例によってバイキング形式の食事です。給仕がテーブルにやって来て飲み物の注文を聞くので、「白ワインをくれ」と答えます。ところが……。

「ここではアルコールはお出しできないんです。サー」

オー・マイ・ガッ! 目が点です。開いた口がふさがりません。「ちょっと待ってよ、ビールもないの?」「ココナッツの地酒ならあるでしょ?」何度も聞き返しますが「酒は一切出せないんです。サー」だと。

ガラディナー、2人で1万ルピーは許すんだけど、酒が飲めないなんて聞いてない。ないならないで、最初に言って欲しかった。そしたら持ち込めたのに……。

これは、特別にヘルシー指向とか、ヨガの修行場だとかいうことではなく、ライセンスを持ってないからというのが理由でした。でも、レストランの奥のカウンターバーみたいなところには、ワイングラスやカクテルグラスがたくさんぶら下がっているんですよ。ひょっとして、過去に何かやらかして資格停止とかくらってんのかも。



そんなわけで食事はとっとと終了し、9時半には撤退です。ガラディナーの宴は続いていますが、ノンアルコールではなかなか盛り上がることができません。部屋に戻って、お洒落なリビングでテレビをつけると……。

全チャンネル砂の嵐!

実は、過去2年インドで大晦日を過ごしている私たちは、楽しみにしている番組があったのです。ボリウッドスターが一堂に会して行われる、インドのアカデミー賞授賞式みたいな番組です。ああ、今夜はあれも見られないのね。

フロントに電話して聞くと、近隣でテレビの送信ケーブルが切れたようで、決して当ホテルの責任ではないと。(確かに11時過ぎには復旧していました)

何ということでしょう。ここはサイババ風占い師に免じて、何年ぶりかの休肝日を受け入れるしかありません。

インドへの旅は、常に修行です。

2012年1月2日月曜日

南インド旅行記2011-2012 その8 水辺で暮らす人々

朝から、思いがけず雨。今日から3日間は車をチャーターし、コーチンからさらに南を目指します。

まずはアレッピーへ向かいます。インドの道路はどこもカオスです。片側1車線ずつ計2車線の道路を、自動車、リクシャー、バイク、自転車がワラワラと走っています。常時3.5車線が使われている感じ。ウチのドライバーの運転を見ていて分かったことは、「自分の車より遅い車は絶対に追い越す」ということ。「そのタイミングで追い越しかけんのか!」「その隙間に突っ込むのか!」……。進行方向を見ているとハラハラドキドキの連続なので、車内では自然と横の窓から景色を眺めることが多くなります。


アレッピーに着き、バックウォーター・クルーズのハウスボートに乗船。今回は3時間ほどのクルーズですが、我々の船は、寝室やシャワーもついていて宿泊も可能。ディーゼルエンジンのサウンドとともに、船はゆっくりと水郷地帯を進んで行きます。


地図で見ると、こんなところをクルーズしていきます。バックウォーターなので、ほとんど水の流れはありません。



かなり強い雨が降っていますが、水辺で洗濯している人とか、水浴びしている子どもとか、普段と変わらない生活が垣間見えます。



ランチもハウスボートの上で。バナナの葉っぱがテーブルに広げられ、ライスやカレーや魚がドサドサと盛りつけられます。



一瞬、現地の人たちと同じように、手で食べたい誘惑にかられますが、ここは我慢(というか日和った)してナイフ&フォークで。


船の停留所で乗り合いの船を待つ女性。ここでは、通勤も通学も船を使います。ただ、東南アジアのように、水上で暮らしている人はいません。皆、水路の縁にある地面の上に家を建てて、電気・水道のある暮らしをしているようです。



およそ3時間のクルーズは終わりました。実は今回、このバックウォーター・クルーズに参加するかどうか、結構悩みました。そんなに楽しそうなエクスカージョンとは思えなかったんですね。現に、去年の南インド旅行ではこれをパスしています。

で、今回参加して思ったことには、これはこれでなかなか悪くない。むしろ、1泊2日とか2泊3日とか、長いクルーズの方が楽しいんではないかと。喧噪を離れて思索にふける。しかも、水の上に浮かんで。波はないから揺れて気持ち悪くならない。人々とすれ違うのも、常に一定の距離がある。なかなか得難いシチュエーションです。


もちろん、船は貸切という条件ですよ。こんなデカい船で何日も過ごしている人もいました。

2012年1月1日日曜日

南インド旅行記2011-2012 その6 衝動買い

コーチン観光中、予定外の買い物をしてしまいました。ファブ・インディアという洋服&テキスタイルの店で、思わず目に入った赤い地球儀。


値札を見ると、1290ルピー。日本円にして2000円弱です。持って帰るのが面倒ではありますが、高さは30センチほどで案外小ぶり。キャリーバックに入りそうです。何より、この赤い海の色に惹かれて即買いでした。

20年前にシアトルで(「ツイン・ピークス」ツアーの時に)買った地球儀と選手交代です。20年前だと、まだソ連はあるわドイツは東西に分かれているわでさすがに古い。なので、折を見て新調しようとずっと思っていたんです。

それにしてもこの赤い地球儀、日本まで無事にたどり着けるか。

南インド旅行記2011-2012その5 象をゴシゴシ洗う男たち

今日は朝からコーチン旧市街(Fort Cochin)を観光。

ジェッティという船で(運賃2ルピー)対岸に渡り、そこでリクシャーに乗り換えます。「主要な観光地をすべてまわって、たったの100ルピー!」というのが彼ら(リクシャワーラー)の口上ですが、こちとらiPhoneでGoogle Mapが使えるので、土地勘はないけど距離感は分かる。行きたいところにピンポイントで行って欲しいと交渉しますが、これがなかなか一筋縄ではいきません。

それでも、徒歩とリクシャーの組み合わせで観光していると、思いがけない光景に出くわしました。ダッチ・パレスという場所で、上半身裸の男たちが象を洗っていたのです。


男たちはホースで水をかけ、ブラシをつかって象の体をゴシゴシ洗っています。何だか象も気持ちよさそう。ギャラリーもたくさんいます。


チャイニーズ・フィッシング・ネットの近くでは、ヘビ遣いに遭遇。レッドスネーク・カモン! これ、インドではあんまり珍しくない光景で、私も何度か見かけています。


この町では、牛は見かけませんが、ヤギがたくさんいます。

夜は、お約束のカタカリ・ダンス。メイクアップの見学が17:00から18:00メイクはオープンなスペース(客席もある)で行われ、それを見学するのも料金の一部です。左側の寝そべってる男は、目玉にもメイクされているらしいのですが、遠目でよく見えません。


18:00から19:30がショウタイムです。が、カタカリが披露されるのは正味30分ぐらい。後はケララの伝統的なダンスと武術の演目です。


お客には、なぜかフランス人が多いんですよね。話を聞くと、コーチンの町自体にフランス人が多いみたいです。何でだ?