2014年1月25日土曜日

「ウルフ・オブ・ウォールストリート」にシビれる。セックス、ドラッグ、IPO!

ひゃっは〜、ぶったまげた。超絶面白かった。「ウルフ・オブ・ウォールストリート」。

賞レース期間とシンクロして、毎年1月〜3月ぐらいは、日本でもクオリティ・フィルムが集中的に市場に投下されます。この3カ月の間に集中的に映画を見ておけば、残りの時期は映画を一切見なくていいよと言っても過言じゃないレベル。

先週から今週にかけ、「アメリカン・ハッスル」(アカデミー賞10部門ノミネート)、「それでも夜は明ける」(9部門ノミネート)そしてこの「ウルフ・オブ・ウォールストリート」(5部門ノミネート)と3本の試写に出かけました。

「アメリカン・ハッスル」「それでも夜は明ける」の2本については、どちらも素晴らしいんですが、ちょっとシズル感に欠ける印象。他人(一般の人)に説明する意欲が今ひとつ湧かない。「ここが凄いから是非見て!」というベタで分かりやすいストロングポイントがないんです。だから2本とも、ハードコアな映画ファンじゃない限りオススメはしません。はい。


さて、本題「ウルフ・オブ・ウォールストリート」です。見る前はちょっと嫌な予感がしてたんですよ。だって上映時間は2時間59分。マーティン・スコセッシ監督とディカプリオの映画は「ギャング・オブ・ニューヨーク」(2時間48分)とか、「アビエイター」(2時間49分)とか、クソ長くて退屈な映画が多いじゃないですか。スコセッシxディカプリオの組み合わせって、この他にも「シャッターアイランド」とか「ディパーテッド」とかありましたけど、どれも今イチじゃありませんでした? 「ディパーテッド」はオスカーの作品賞と監督賞取りましたけど、当のスコセッシ自身が「嫌いな映画だ」って言ってたぐらいで。

ところが、予感は見事に外れました。「ウルフ・オブ・ウォールストリート」はとんでもない代物だった。

もう最高にぶっ飛んでるんですよ。スコセッシ演出のスピード感が、イケイケ証券マン(ディカプリオ)のテンポにずばりハマった。

のっけから、(他の映画のために)大減量してキレッキレのマシュー・マコノヒーが最高の導入部を披露してくれます。

真っ昼間からマティーニ片手で、「客の儲けなんか関係ない。とにかく客から金をブン取るんだ!」って。

そこから先はもうムチャクチャです。主人公ジョーダン・ベルフォート(ディカプリオ)は、ロングアイランドの小さな証券会社(株の取引手数料が50%というあこぎな会社)でキャリアをスタートさせます。巧みな話術を武器に金持ちを口説きまくり、クズみたいな会社の株をジャンジャン売りさばいていきます。取引金額はズンズン膨れ、すぐに会社をやめて独立。自分で興した証券会社もどんどんデカくなってウォール街に進出し、ディーラーはたちまち1000人規模に。

自宅は高層ビルのペントハウスで、オーシャンフロントには豪華な別荘。2度目の結婚で得た奥さんはモデル級のルックスで、プレゼントはヘリポートつきのクルーザーと、もう絵に描いたような成り上がり。いやあ、ネオヒルズ族の100倍は凄い。

接待につかった費用が1晩で2万6000ドルだとか(予告編の字幕は260万ドルになってますけどね)、会社のパーティーにコールガールを何十人も仕込んだりとか、レアなドラッグを山盛りにしてガンガンキメたりとか、もうメッチャクチャ。だけどこれが、祝祭感溢れる演出で最高に楽しい。ディカプリオも実にはつらつと演じています。

「セックス、ドラッグ、ロックンロール」ならぬ「セックス、ドラッグ、IPO」ですね。女、クスリ、上場、パーティ、フェラーリ……ド派手でクソ狂乱な日々。 

もちろん、その源泉は非合法ビジネス。ライブドア事件を引き合いに出す人も多いと思いますが、あんなの比じゃない。もう真っ黒。株価操作にインサイダー取引にマネーロンダリングと彼らは極めて狡猾で悪質です。ちょっと目立ちすぎて、FBIに目をつけられるんですけどね。
 
それにしても金融業界のクレイジーさはハンパない。日本じゃ、ある意味キャラが正反対でモラルの高い「半沢直樹」が人気でしたけど、バブル時代には銀行員がノーパンしゃぶしゃぶ店で大蔵官僚を接待してましたからね。どこもおんなじですよ。蛇の道は蛇。いや、同じ穴のムジナか。

「ウォール街」ミーツ「カリギュラ」みたいな、忙しくて速くて起伏に富んだ3時間のコースターライド。「マジかよ」と「あり得ない」の連続です。映画史上、もっとも「Fワード」が多い映画なんだって。総計500回以上、これでもかと繰り出されるF・U・C・K。いやあ楽しかった。

それにしても、ディカプリオとスコセッシは最初からこれ撮ればよかったじゃん!「アビエイター」も「ギャング・オブ・ニューヨーク」も要らなかったよ。

しかしこの映画、嫌いな人は大嫌いでしょうね。裸はたくさん出てくるし、ドラッグはいつも山盛りだし、人の金をだまし取る悪党の話だし、あまり絶賛すると、品格を疑われかねない面はあります。確かに。

そうだなあ、最近だと「ハングオーバー」かなあ、いや「ボラット」を見た時の気分に近い。心の底から楽しむなら、自身の道徳観とトレードオフです。男子はこの映画見るなら、女子を誘わない方がいいかもね。いろんな意味で。

スピルバーグの「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」を見た時、私は「スピルバーグはディカプリオの正しい使い方を分かっていらっしゃる!」と大いに唸ったものですが、この「ウルフ・オブ・ウォールストリート」でも同様の感慨を抱きましたね。ディカプリオは、よくモテて、それを武器に他人を騙して、成り上がってゴージャスになっていくという役が似合います。シリアスな演技はあまり上手くないので、勢いのある、テンション高めのキャラクターの方が味が出る。

アカデミー賞では主演男優賞もあり得ますね。本作にも出ているマシュー・マコノヒー(「ダラス・バイヤーズ・クラブ」でノミネート)の方が有力と言われてますが、この映画のディカプリオならオスカーも全然ありです。授賞式の楽しみがひとつ増えた。


 
あまりに楽しかったので、原作も速攻注文。映画で描かれている内容、どこまでがホントなのか。それから、不正取引の詳細な手口がどんなものなのか、とっても気になってます。映画は1月31日公開。

2014年1月13日月曜日

スマート電源WeMoゲット。これで一安心のはずが、あわや火災に!

今年2個目のガジェットは、belkinのこれ。


WeMoという商品で、WiFiに繋がるAC電源です。専用アプリを使って、これに繋いだ家電のON/OFFを家の中でも外でも制御できるというガジェットです。


3穴です。並行輸入もの。で、これを何に使うのか?

私の家では、冬の暖房はオイルヒーターを使っています。オイルヒーターは、スイッチONしてから暖かくなるまでに、けっこう時間がかかります。帰宅前にオイルヒーターをONにして、部屋を暖めておくというのが目的。

さらには、ヒーターのスイッチON/OFFインターフェースが分かりにくいので、消すの忘れて外出しちゃうことが多いんです。後で出先からでもOFFにできる。動機としては、こっちの方が大きいかな。

WeMoセッティングは次の手順です。

1 WeMoをコンセントに入れる。WeMoは3穴なので、これを2穴に変換するアダプタが必要です。私はAmazonで購入したら、3穴→2穴アダプタが付属してきました(ところが、これがとんでもない地雷だった)。

2 App Store(またはGoogle Play)から専用アプリをダウンロードし、iPhone/iPadまたはAndroidにインストール。

3 iPhone/iPadまたはAndroidの設定で、WiFiをWeMoに繋ぐ。

4 WeMoアプリを立ち上げ、設定を完了させる。

それほど難しい手順はありません。早速試してみましょう。


専用アプリはもちろん無料。こんな感じで設定していきます。

オイルヒーターをつないで、アプリ経由でスイッチON! はい、無事にスイッチが入りました。このスイッチON/OFFは、家を離れた場所でも、スマホでパケットさえ繋がれば操作可能です。


はい、一丁あがり。これで我が家もまたひとつ便利になった……あれ、何か家の中が焦げ臭いぞ!

プラスチックが焼けてる匂いがする……。


コンセントがこんなことになってました。

WeMoを3穴→2穴に変換するアダプタが焼けてます。慌ててヒーターの電源を切り、コンセントを抜きます。


もちろん、アダプタ(右)は再起不能。このアダプタ、ソケット部分に丸穴も空いてないし、中国製の中国国内用プロダクトですね。

WeMoは無事です。


中国のアダプタ、ちょっと悲しげな顔をしています。

……それにしても危なかった。「これ、家の外からも操作できるんだぜ」とか調子こいてアプリ操作したら、ソケットが火を噴いて家が火事になり、住人(私)は呑気に外出中でつゆ知らず……っていう最悪の事態を誘発するところでした。

気を取り直して東急ハンズに行き、日本のYAZAWAというメーカーのアダプタを購入。こいつも、MADE IN CHINAではありますが。


値段は380円。「容量を超えると焼損する恐れがあります。1500ワット以下でご使用ください」としっかり書いてあります。ウチのオイルヒーターは1500ワット。これで一安心。WeMoを繋いでみると、実にしっかりと装着されます。さすがYAZAWA。安心のジャパン・クオリティ。


改めてオイルヒーターを繋ぎ、アプリから操作を行います。


右上のON/OFFマークをタップして、WeMoを操作します。

下はONの状態。アプリには、電気料金をカウントする機能もあります。エコだなあ。


そしてWeMoは、IFTTT(イフト)にもチャンネルがあります。このIFTTT連携が、スマート家電においてはかなり重要。

WeMoアプリから、IFTTTにおけるWeMoチャンネルをアクティベートします。

私の場合は、使うとしたらこんなレシピでしょうかね。


2番目の、「自宅を離れたら、WeMoをオフに」
3番目の、「自宅に帰ってきたら、WeMoをオンに」

自分がいる場所の位置情報と連携してしまえば、アプリでON/OFFする作業自体も不要になります。

他にも、上の1番目にある「日が沈んだら、ホリデーライト(クリスマスのライトアップ)を点灯」とか、電気料金の積算機能を使って「当月の暖房費が予算を超えたら、SMSで知らせる」とか、楽しそうなレシピが並んでいます。

WeMoは、基本的にスイッチON/OFFしか使えません。用途が非常に限定される、スマート家電の駆け出しみたいな製品です。フィリップスのスマート照明Hueなんかの方が高機能だと思います。Hueを買った時のエントリは下記に。

スマート照明、フィリップスのhueを買ってみた

WeMoにも、この商品の他に、部屋の電灯スイッチに取り付けるタイプのものがあります。電灯のハックについては、現時点でHueとWeMoの二択ってことでしょうか。

私が買ったのはこれ。


電灯スイッチタイプはこれ。


私の場合、WeMoはオイルヒーターの遠隔操作が主な目的ですが、ほかの用途が思いつかないんですよね。Hue以外のスタンド照明で使うぐらいかな……。

そうだ! 山小屋で使うか。いよいよ山小屋にもWiFi敷設かな。


2015年1月25日追記;

自宅のWiFiを買い換えた時、もっとも苦労したのがWeMoのリセットです。やり方は下記。

1. WeMoをコンセントから抜く。
2. WeMoのスイッチボタン下部にあるリセットボタンを押す。
3. リセットボタンを押したままWeMoを電源に挿入。ボタンは15秒ほど押しっぱなし。

4. しばらくすると、青とオレンジの点滅に変わってリセット完了。

これで、iPhoneの「設定」でWiFiをWeMoに。続いて、WeMoアプリを立ち上げて設定。

2014年1月12日日曜日

2014年、1機目のガジェットは地味に充電器。これ便利よ

海の向こうではCESが盛り上がってますが、2014年も、暮らしを便利にする/豊かにする機器がいろいろ出そうで楽しみですね。

さて、私のガジェットライフも新しい年がスタートです。今月はまず、これを買いました。


5穴のUSB充電器です。

我々は、夫婦で旅行する時に、各自iPhone、iPad mini、その他スマホ(GalaxyやBlackberry)の合計3ガジェットを常に持っていきます(加えて、MacBookを持ち歩くこともある)。

つまり、合計6機のガジェットを充電する必要があるんです。

このうち、iPad miniのバッテリーはロングライフなので3日に1回ぐらい充電しとけばOKですが、スマホについては毎日充電しないといけません。

いつもは、こんなUSBアウトが2つついたプラグを筆頭に、合計3個ぐらいの充電アダプターを持参して、ホテルのコンセントから充電しています。


でも、ホテルって意外にコンセントの口が空いてなかったりするじゃないですか。1室内で、空きが同時に3か所なんてめったにないですよね。


ということで今回のブツを買ったと。電源1カ所からUSBが5台分アウトできる。

しかもほら、各ポートには「For iPhone」とか「For iPad」とか書いてあって、対応ガジェットが早わかり。


iPadなんかは、電流が高くないと(1.2A以上必要)充電できないので、充電器によっては充電できないケースが頻発します。ブラックベリーなんかも同様。


裏側には、どの口が何アンペアかという、対応出力も表記されていてとても親切。

USB1 2.1A (iPad)
USB2 1.3A (Samsung Tab)
USB3 2.1A (iPad)
USB4 1A (iPhone)
USB5 1A (Android)

てな感じで。では、早速つないでみましょうか。



はい、見事に5機とも充電しています。これは素晴らしい。しかも安いんだ。Amazonで1999円。


年頭から、大きな問題が1つ解決した気分です。

Anker 25W 5ポート USB急速充電器



在庫が不安定ですが、競合商品に比べて値段が半分です。在庫アリなら、速攻買いですよ!

2014年1月8日水曜日

八重山諸島で役に立ったアプリ、役立たずだったアプリ

今回、八重山諸島を旅するにあたり、例によってアプリをいくつかDLしてみました。

しかし八重山に限らず、国内の旅行関係は、使えるアプリがほとんどないというのが現実です。

今回試した中でも、例えばこれはヒドかった。

石垣島観光なび


AR、スタンプラリー、クーポンなどのメニューから想像するに、これを入れたスマホを持って石垣島を散策してもらおうって目的のアプリだとは思うんですが、いかんせん「このアプリについて」の説明がどこにもないので、どう使っていいのか分からない。

代理店またはベンダー:「会長!ほら、これ見て下さい。いま最先端の技術、ARです。これ使ってアプリ作っちゃいましょう!」
会長:「よく分からないけど、何だか凄そうな技術だな。それでやってくれ」
……的なノリで、自治体が作らされちゃったアプリであるのは間違いないですね。

ええ、クソアプリです。

このアプリに絡んでいる石垣島観光交流協会のお仕事としては、むしろ次に紹介する「Ishigaki Travel」というアプリの方が全然まともです。


Ishigaki Travelには、2つの電子書籍(PDF?)が収録されているだけなんですが、これが意外に役に立つんだな。

まずは「石垣島おさんぽmap」


これが、先の石垣島観光交流協会の制作で、全14ページにわたる石垣島のスポット案内。ラブリーなイラストつきで、島内の見どころを紹介してくれます。

もう1冊が「八重山教育旅行のしおり」


こちらは、八重山教育旅行誘致委員会が制作した「八重山諸島への修学旅行を検討されている、学校や旅行会社向けの資料」とのこと。

全36ページにわたって、写真や図版たっぷりに、八重山の島々の観光スポットや食事、気候などについて説明しています。これがあれば、ガイドブックは要りません。

恐らく、紙の冊子をそのままデータ化しただけだと思いますが、自治体が修学旅行や観光旅行を誘致するためのBtoBな資料なので、かなり信憑性が高いんです。

こちらは、iPhoneよりはiPadでご覧いただく感じです。元がB5かA4サイズ相当なので。

iOSアプリでは、この2つしか見つけられなかったですね。あと、JALが「JAL沖縄 ちゅらナビ」ってアプリを出してますけど、これもクソアプリの部類ですね。

珍しいところでは、Android用のこちら。

石垣島に来夜(きてよ)


石垣のナイトスポット案内です。レストランやバーに加え、キャバクラやカラオケのお店紹介が載ってます。求人情報なんかも載っているので、これはフリペのオンライン版ですかね。iOS方面ではまず見かけない、夜の情報に特化したアプリです。さすがに風俗までは載ってませんよ。

フリペのオンライン版といえば、実はこれが一番使えるかも。

やえやまなび・スマホ版


これはアプリではないのですが「やえやまなび」という定番フリーペーパーのスマホに最適化されたサイトです。

「エリアで探す」「ジャンルから探す」「島の見どころを探す」というメニューが意外に使いやすい上に、絞り込み機能もついてます。

やえやまなびは、どの島でもあちこちに積んであります。2014年版が最新で、スマホサイトに飛ぶためのQRコードが表紙にありますので、そちらを使うと便利です。

やえやまなび

ただし、ソースがフリペなので、このフリペに載ってない(出稿していない)レストランの情報は出てきません。石垣島編で紹介した「焼肉やまもと」なんかは載ってない。ここ、重要なので注意してください。逆説的に言えば、やえやまなびに載ってない店=人気の店ってことかも知れませんよ。レストラン以外の、観光スポットを調べるのに使ってください。

そんなこんなで、一番使ったアプリは、やはりGoogle Mapです。レンタカーにカーナビがついてないケースが多いので、Google Mapはマストです。


今回は、GALAXY Noteをシフトレバーの棒にひょいと乗っけて使っていましたが、不安定極まりなかったので、スマホを車に取り付ける機材も持っていくと完璧です。

以上、八重山諸島に関しては、ガイドブックがなくても何とかなるんですが、いいアプリがないってのも現実。離島方面は、フリーペーパー文化がまだしばらく続きそうですね。フリペ+Google Map+食べログって感じ?


そうそう。八重山ではソフトバンクが「圏外」になるケースが続出。これだけ田舎になると、やっぱりドコモの圧勝です。au端末は持ってないので測定できませんでした。


2014年1月6日月曜日

八重山諸島を3泊4日で回る忙しい旅。西表は今日も雨だった

3日目は、西表島に渡ります。今日も朝から離島ターミナル。具志堅用高が両手を上げて、お出迎えしてくれます。

石垣島から西表島へは、地図上Aの上原港行きとB大原港行きがあって、それぞれ40分、35分という所要時間。

今日宿泊する星野リゾートニラカナイはA地点の近くなので、上原行きに乗ります。が……ガーン。時刻表に「欠航」と真っ赤な文字で書いてあります。今日の上原行きは全便欠航。

八重山観光フェリーのカウンターで聞いたところ、冬の上原便はかなりの確率で欠航するんだと。一方、大原行きは連日オンタイムで運行しているとのこと。

そんなわけで、大原便一択です。そして、大原港からホテルまではどうやって? ニラカナイに電話で尋ねると、ホテルの送迎バスもあることはあるが、我々の乗る便とは接続しないとのこと。

そんなら今日もレンタカーですね。宿に着く前に訪れたいいくつかの場所もあることだし、レンタカーでノープロブレム。

ここで思い出すのが、前日の石垣でのレンタカー満車事件。別に事件ってほどのことでもないけど。

すかさず、西表島で最大手と思われるやまねこレンタカーのWebサイトを見ると、今日も明日も明後日も「満車」マークが出ています。ヤバイ!

やえやまなびで調べ、サザンレンタカーという会社に電話。20回ぐらいコールした後、ようやく電話に出たおネエさんと話した結果、2日間(48時間ってことかな)9000円で商談成立。

大原港でフェリーを降りると、スタッフ(オッサン)が港まで迎えに来てくれており、ラブリーなピンクの軽自動車(ホンダ)をゲットできました。


しかし今日は天気が悪い。昨日は青空で気持ちよかったのに、1日で曇天に逆戻りです。予報は曇りなんですが、こりゃ雨でしょって天候。レンタカー屋のオッサンも、今年は特別天気が悪い。12月で晴れたのは1日だけだ(つまり昨日だけ)とボヤいてました。

「西表は時速40キロ制限だからね。スピード出したらいけないからね」とオッサンに念を押され、ゆっくりと車を走らせます。すると、10分と走らないうちにこんな看板が。


えええ。イリオモテヤマネコって希少なネコじゃないの? そんなに頻繁に道路に飛び出したりするもんなの?

すると、今度はこんな看板が。こりゃ看板じゃなく標識だね。


路面に、赤いラインが細かく敷設されているのが分かりますか。これ、車がこの赤線の上を通るとタイヤがガタガタと鳴るので、ヤマネコが驚いて道路を横切るのを防ぐ効果があるんだとか。

ヤマネコ保護、実に手厚い。さすが特別天然記念物。特に、道路脇の看板の量が半端ない。500メートルおきに1枚って感じですよ。これだけ看板を見せつけられると、滞在中にヤマネコに遭遇できるかな、楽しみだなって気持ちになります。

そうこうするうち、車は由布島(の対岸)に差しかかりました。水牛で波打ち際を荷車で引いて、島に渡るアクティビティーで有名な観光スポットです。


水牛だと1300円(往復)、徒歩だと500円。あいにくの雨なので、写真だけ撮って島へは渡らず。

この、水牛で引く荷車のアクティビティーは竹富島でもありましたが、昨今のエコロジカルで動物愛護な世の中で、反発とかないんでしょうかね。

例えば、「セグウェイに乗ったお兄さんが荷車を引く」みたいな方が、動物を使役させなくて済むのになあと思ったり。ラクダに乗って砂漠を歩いたり、ゾウに乗って山間部を歩いたりというアクティビティーは、どうにも前時代的な気がして敬遠しがちです。

ランチは猪狩家(カマイトゥヤー)にて。

この店は、なかなか商売っ気のあるお店。例えば、表の駐車場脇でサトウキビの精製作業を行っているんですが、それに興味を持って店の中に入ると、さっきのサトウキビから最終的に黒糖が出来上がるまでのプロセスを見学することができます。もちろん、黒糖はおみやげとして売ってますし、食事の際にはサトウキビジュースを勧められます。店内には、葉っぱの形をしたスピーカーとか、色んなものが売られています。


我々は、遅い時間のランチだったのでサクっと八重山そばを注文しましたが、 猪肉定食が人気でしたね。季節柄、八重山諸島では猪があちこちでハイライトされていました。結局食べなかったけど。

続いて、西表焼の窯元を訪ねた後、星砂の浜へ。


この西表島の星砂ビーチは、誰でも簡単に星砂を採掘することができます。


片手で砂をガサっとすくえば、10%から20%ぐらいが星砂って感じ。竹富のカイジ浜に比べ、全然難易度が低い。星砂大漁! ビーチの手前にお爺さんの出店があるので、そこで100円払って空の瓶を買い、自分で砂を採掘して瓶詰めすると……はい、西表のお土産いっちょう上がり!

夕刻、星野リゾートニラカナイにチェックイン。ホテル到着時は、雨がかなり激しく降ってます。


まだ夕食まで時間があるので、付近を車で散策していると……。


色々あるんですねえ。離島のリゾートって。

翌日、30日も西表は雨。今日は19時半の飛行機で東京に帰る日でもあります。

朝食後、ちょっと雨が上がったので、天気が良かったらチャレンジしようと思っていた、浦内川のクルーズ&トレッキングに参加することにします。

往復1時間のクルーズに、2時間ほどの自己責任トレッキングを組み合わせて、滝を2つ3つ見に行くというかなりアバウトなアクティビティーです。雨がひどくて歩けない、
あるいは、歩きたくないから歩かないという人は、クルーズだけして帰ってくればいいという。歩くと決めた人でも、途中で疲れたから帰るっていうのもアリ。ただし、クルーズ船の本数はそれほど多くないので、乗れる船に乗って帰るという感じ。

歩く人も、歩かない人も、大人1人1800円。雨ガッパが500円(買い取り)。長靴はタダで貸してくれます。

朝10時の時点で、雨はかろうじて上がっています。カッパを買って、長靴を借りて、10時30分の船に乗り込みます。この船、事前に予約する必要もありません。10分前に船着き場に行って、チケット買えば乗せてくれるというお気楽さがナイスです。


さあ出発。乗客は総勢20名ぐらい。船長がマイクで観光ガイドしてくれますが、屋根はあるけど窓のないオープンな船なので、エンジン音がうるさくて説明が100%聞こえません。説明の意味ねえし。


マングローブ樹林や亜熱帯の植物を眺めながら、上流の船着き場を目指します。

30分ほどで到着しました。11時です。帰りの便は13時出発とのこと。今から2時間で、滝まで行って戻って来れるのか?

ちなみに、15時30分には大原港で石垣行きのフェリーに乗る予定。ま、最悪、17時のフェリーに乗れば、今日中に東京には帰れることにはなっています。

船を下りた一行は、ズンズンズンと歩いて行きます。もちろん我々も歩いていますが、途中で写真撮ったりとか、ちょっと進むスピードがゆっくりなので、後から来る人たちに道を譲るケースがしばしば。


天気はどうにか保っていますが、時折、道がひどくぬかるんでいるところがあり、長靴が大活躍です。

悪路を歩くこと30分、ようやく滝の見える展望台にたどり着きました。


マリユドゥの滝。展望台からのショットです。日本の滝100選にも選ばれているそうです。

展望台にいる人たちを見渡すと、登山家ファッションでキメている爺さん婆さんもいれば、普段着のまま来ちゃってパンツ泥だらけにしてるおネエちゃんもいたりと、このアクティビティーのユルさが反映されていて面白い。きちんと準備している人、まったく準備しておらず、なりゆきでここまで来ちゃう人。

この展望台で引き返す人もいますが、ここからさらに15分ほど歩くと、もう1つ滝を見ることができます。

カンピレーの滝。


えーと。養老渓谷の、粟又の滝みたいなもんじゃね? ちょっと水量はこっちの方が多いかも知れませんけどね。

小一時間歩いて、達成感はボチボチといったところ。

お弁当もってツアーガイドと一緒にトレッキングしている人たち(星野リゾートのお客さんでしたよ)がいて、滝のそばで岩に座ってランチタイムしてました。これが正解ですね。うらやましい。

残念ながら、私たちにはお弁当もなければ、のんびりしている時間もありません。そそくさと帰路につきます。


ずっと湿ってて、ヒルが出そうな山道を歩いて戻ります。沿道の植物はシダばかり。 

途中、船着き場まであと15分といったあたりから、雨が降り始めました。今朝買ったカッパを着ても良かったんですが、カッパを荷物から取り出して広げて着るのが面倒だったので、そのまま歩みを速めて乗り切りました。

帰りのクルーズでは、木の上に佇むカンムリワシに遭遇。ヤマネコには遭えませんでしたが、こちらも特別天然記念物ってことで、まあよしとしましょう。

無事に船着き場に戻ってきました。スタッフのおネエさんに聞くと、ずーっと天気が悪くて、12月は晴れた日が一日だけだと。それ、一昨日(28日)のことですよね。

事務所にあったカレンダーに並ぶ、「くもり」と「雨」の文字が哀愁を誘います。


西表島。人口およそ2300人。イリオモテヤマネコの数は100匹あまりだそうです。


島の真実を知るためには、観光ガイドよりもこの本が役に立ちます。西表のお土産屋なんかでもよく見かけます。




石垣島に滞在していた24時間ほどの間、青空を見ることはありませんでした。ずーっと曇か雨。レンタカー屋のオバさんが、「こんだけ天気の悪いのも珍しい。洗濯が乾かなくて困る」とボヤいていました。「西表は、雨が降ると、なーんにもやることないのよね」とも。


そうなんです。西表は雨が降るとつぶしが効かない。プランBがないんですよねえ。陶芸教室に行ってシーサー作るか、部屋にこもってDVD見るか、あるいは星砂ビーチで採掘した砂をより分ける作業をひたすらやるか……。

さあ、石垣島に帰ろう。そして、東京に帰ろう。

八重山諸島アプリ編に続く。

2014年1月5日日曜日

八重山諸島を3泊4日で回る忙しい旅。石垣島行くなら、焼肉やまもと行かないと!

2泊目は、石垣島のANAインターコンチネンタルホテルを予約してありますが、この日、石垣島での予定は特にありません。竹富島からの船中、「やえやまなび」というそこら中で手に入るフリーペーパーをパラパラめくりながら、取りあえず島をドライブしようということだけ決めました。

13時過ぎに石垣島の離島ターミナルに上陸すると、何やら人が群れているスポットがあります。


具志堅用高の銅像です。2日前(12月26日)に設置されたそうです。昨日、竹富島で読んだ新聞に書いてありました。

具志堅って、地元の立派な英雄なんですね。この銅像、香港のフェリー埠頭に立ってるブルース・リーの銅像と同じ意味合いだよね。サイズ的にも同じぐらいの大きさかな。

さて、まずは車の確保です。アタリをつけてあった、ターミナル近くの石垣島レンタカーに突撃です。

カウンターには誰もいません。しばらく待っていると、お店の人が裏口から現れて「今日は満車です」と申し訳なさそうに言うではありませんか。

こりゃヤバい。年末の繁忙期なんですよねえ、ちょっと甘くみたかも。

離島ターミナルの周りにはメジャーなレンタカー屋がなく、空港まで行かないとトヨタレンタカーや日産レンタカーはありません。

こりゃ最悪、空港行きだなと覚悟しつつ、来た道をターミナルの方まで戻っていくと……道ばた(歩道)にこんな車が!


レンタカー屋さん、ありました。24時間(朝9時から翌朝9時まで)で3980円、プラス保険1000円前払いという条件でゲット。無事に今日の足が手に入りました。

ちょっと遅めの昼食を、ターミナルから車で2〜3分ののりば食堂でいただきます。


ソーキそばに、じゅーしーに、もずくですね。そばにはウコンが練り込んであって、ちょっと黄色いのが特徴。

おそばを食べていると、携帯に着信が。何だ何だ?

1週間ほど前、石垣島での夕食にと予約の電話を入れた際に、「キャンセル待ちなら受ける。キャンセルが出たときだけ電話する」と言われていた、焼肉やまもとからの電話でした。まったくアテにしてなかったというか、忘れていたんですが「今日、17:30からの予約にキャンセルが出た。19:00までの1時間半だがどうするか?」との連絡。

「行く行く行きます。絶対に行きます!」

いま、おそば食べてるのが14時過ぎなので、3時間後には夕食ってことになりますが、ここは迷わず「YES!」です。一気にテンションがあがりました。

石垣島の焼肉やまもと、そんなに凄いんでしょうか? 以下、「沖縄上手な旅ごはん」(さとなお著)より引用してみます。

ハッキリ言おう。
ここまでうまい焼き肉はめったに食えない。東京や大阪のうまいといわれる焼き肉店はたいてい行ったが、ここは桁外れにうまい。日本でもトップクラスであろう。



ちなみに、食べログは3.8です。クチコミを読むと、「石垣便のチケットを取ったら、即やまもとを予約せよ」だとか、「17時(開店時)の予約でないと、一番美味しい肉が売り切れちゃう」とか、「やまもと=伝説の焼肉屋」的なポストがたくさん見受けられます。

先のさとなお氏の本によると、石垣牛は黒毛和牛の一種で、その子牛は日本各地のブランド牛の元になっているんだそうだ。年間を通じて温暖な石垣で育つため、子牛のころからエサをよく食べ、体が大きいんだそうである。


そば屋を出て3時間、島内を適当にドライブして、17時半にやまもと突入!


あれ? 意外に混んでないじゃん。4人がけテーブルを2人で占拠することに成功。

さあ、注文しましょう。上カルビ、名物焼きしゃぶ、ネギタン、え?ハラミは売り切れ、じゃあ、ミノ!


至福の1時間半はあっという間に過ぎました。伝説は本当だった。

我々は、上ロースを軽くあぶってポン酢で食べる「焼きしゃぶ」が一番気に入りました(写真の左の皿)。もちろん、どのネタも抜群に美味しくて、値段がかなりリーズナブル。これは鉄板の超人気店だよ、と大いに納得

実は、入店したころは、まだ空席がチラホラあったんです。ところが30分もすると(18時ぐらいになると)満席になり、それ以降、予約なしで来るお客さんが続々跳ね返されていて行きます。

だけど、注意して観察していると、18:15ぐらいに予約なしで現れた客(女性2人組)が「19時までに食べ終わるなら入っていい」と言われ、45分一本勝負に挑んだり(酒を飲まない2人だったので楽々クリア)、19:00ぐらいに来たカップルが「20時に来れば、21時までの席がある」と言われて出直してきたりと、当日でも時短覚悟なら席につけるチャンスはあるということが分かりました。ただし、空席待ちの行列はありません。あくまで、入店した時のタイミングで、店からのオファーが出るかどうかって感じ。

実際、我々も持ち時間1時間半のところ、1時間15分ぐらいで切り上げています。焼き肉屋って、ネタがどんどん出てくるから、けっこう高回転なんですよね。そもそも。

お店はとてもカジュアルな雰囲気で、名店にありがちな敷居の高さはまったくありません。店員もほとんどが高校生のアルバイトでしょう。客が店側に気を遣うような局面が一切ないというのが、我々的にはもっとも意外だったポイント。

焼肉やまもと、また来よう。次は1カ月前予約だな。


帰りしな、「竹富町役場」の前を通りかかりました。ええっ? 竹富の町役場、竹富島にあるんじゃないの?

ホテルに帰るタクシーの運転手さんにこの件を訪ねると、竹富町役場は戦前から石垣島にあるとのこと。面白いですねえ。つか、離島っていろいろ大変そうですね。

西表島編に続く。