2015年12月23日水曜日

iPad Proを買って1カ月が経過。デカい、オモい。ふぅ〜

iPad Proを買って1カ月が過ぎました。iPad Proは、とにかくデカい。どれぐらいデカいか、我が家にある他のiOSデバイスと比べてみましょう。


左から、iPhone6、iPhone6 Plus、iPad mini、iPad Air2、iPad Proの順です。

重ねて見た方が分かりやすいかな。面積はiPad miniの倍あります。iPhone 6 Plusの6個分ってところ。


今回、なんでiPad Proを買ったかというと、自宅で使っているMacBookの画面が小さい点をストレスに感じていたから。

それまではMacBook Airの13インチを使っていたんです。12インチのMacBookに代える際に、画面は12インチになってしまうけど、レッティナだからまあ問題ないだろうと高をくくってた。

ところが、使ってみると、この1インチの差(正確には1.3インチ)は意外に大きいんです。大から小の乗り換えは、やはりストレスを伴うもの。iPad→iPad miniの時もそうでした。

そこで、iPad Proを自宅のMacBookの代わりに使ってみるのはどうだろうと考えたわけです。MacBookメイン、サブでiPad Air2のところ、メインでiPad Pro、MacBookをサブにして仕事の時だけ稼働する。



iPad ProとMacBookを並べてみましょう。iPad Pro、ご覧のようにモニターがかなりデカいです。デカすぎて笑みがこぼれそうになるレベル。

デカさについて、もっと分かりやすい例を出します。電子書籍。

Kindleアプリを立ち上げて、BRUTUSの電子版(このハワイ特集だけKindle版が発売)と、紙版を並べてみましょう。


もう、ほとんど一緒の大きさ。すげー。自炊した文庫本や新書なんかは、紙版よりも文字がデカくなるという……。

しかし、紙版のBRUTUSは385グラムですが、iPad Proは本体のみでも720グラム。キーボードケースをつけると1056グラムとなってしまい、何かヘンだぞ感がこみ上げてくるのは否めません。

iPad Pro、とってもオモいのよ。毎日持ち運びで使うのは、なかなか覚悟がいりますね。キーボードつけちゃうと、MacBookより重くなる。あと、カバンもそれなりに大きくないとアカン。

そう言えば、iPad Pro発売とともに、アプリの操作に関して重大なアップデートがありました。

なんと、画面が分割できます。マルチタスクに対応だ。


ブラウザ見ながら、右にもう一つアプリを立ち上げることが可能。


2つのアプリを50:50にすることも可能。右のEvernoteでテキストを書いて、左のSafariで開いたBlogにポストするとかできますよ。


このキーボード、なかなか使いやすいのは確かなんですが、やはりトラックパッドがないと、原稿作業は厳しいですね。コピペが異常にやりにくい。あと、変化予測がイケてない。まあこれは、どのiPadでも同じなんですが。

ただし、メールの返信やSNSのポストレベルであれば、それほどストレスなくこなせます。右手も左手も忙しいですが。

1カ月使ってみて、結局、当初の目論見通りとはいかず、MacBookが相変わらずメインです。iPad Air2がiPad Proに置き換わっただけですね。

でも、画面がデカいのはウェルカムです。一画面に表示できる情報量が多くなるってことですからね。YouTubeとか、テレビアプリとか見るには十分なサイズです。

年末の旅行には、MacBookは留守番させて、iPad Proのみ持って行こうと思います。


そうそう、このiPad Proはセルラーモデルなんですが、SIMを取り出すピンのデザインが新しくなっていました。上がこれまでのピンで、下が新しいピン。全体的にスリムになってRがついている。ちょっとした所が、地味に改善されてます。

改善じゃなくて、単なるコストダウンかも知れませんけどね。






2015年12月21日月曜日

超便利!裏表どっちもOKなリバーシブル・マイクロUSBケーブルを買ってみた

凄い! これは凄いですよ! 個人的に、今年のガジェット・オブ・ジ・イヤーを差し上げたい。いや、ケーブル・オブ・ジ・イヤーぐらいにしておきますか。

iPhoneのLightningケーブルみたいに、裏表関係なく、どっちの面でも挿入できるマイクロUSBケーブルです。


MicFlipという商品です。アメリカのクラウドファンディング、Indiegogoで発見し、速攻ポチっておきました。

いま、Indiegogoのマイページを見たら、ポチったのが8月、届いたのが12月。4カ月かかってますね。クラウドファンディングですからねえ。

早速開封して使ってみましょう。はい、マイクロUSB部分はこんな感じ。


なるほど。通常のマイクロUSBなら台形状になっているところ、両端が三角な山型に切られてます。対称に。

それにしても、この形状でちゃんと使えるんでしょうか。無理矢理感がハンパない。

一応、両面ちゃんと使えてる証拠写真を貼っておきましょう。モバイルバッテリーにプラグインしてみました。

まず、「m」のロゴがあるサイド。ちゃんと刺さっています。


ケーブルを抜き、ひっくり返して刺してみます。反対の面にはロゴがない。


ご覧のように、表でも裏でもちゃんと挿入可能です。ただし、ロゴが上面になる時に(台形の穴の上辺が下辺よりも短い状態)、挿入時の手応えがちょっと固いですね。「スコッ」と入らず「ズゴッ」て感じ。さすがにLightningのようには行きません。だけど、一応ちゃんと入ります。

お値段は、1本15ドル、5本で60ドルなど複数のプランがあります。私は5本買いました。

便利なもん見つけたなあと喜んでいたんですが、このエントリを書いている最中、念のためにググってみると……。

Amazonで同等のケーブルが売ってるじゃありませんか!

こんなのとか……。






こんなのとか……。こちらはUSBサイド、マイクロUSBサイドともにリバーシブル。



マイクロUSB側の三角の形状が同じですね。そしてどちらも、私が買ったものより安い! おーまいがー。

いずれも定価が2000円代ですが、割引されて1000円以下に下がってる。

2つとも、Amazonでの取り扱い開始が2015年の8月以降なので、後追いの商品なんでしょうか。パクリなの?

IndiegogoのMicFlipのページを見ると、「World's First Reversible Micro USB」って書いてあるんですけどね。世界初なのに、パテント取ってなかったのか!

IndiegogoにおけるMicFlipのページはこちら。今回ご紹介のケーブルは、同サイトから購入可能です。

嬉しいことに、Free Worldwide Shippingです。日本へも送料無料。ブツは宅配便でなく、郵便で届きました。ポストにコロンと入ってました。

安い類似商品をAmazonで見つけ、何だかちょっぴり損したような気分も覚えながら「いやいや、こっちがオリジナルなんだよ」と信じて使ってみようと思います。

2015年12月20日日曜日

「スター・ウォーズ フォースの覚醒」を見た。軽いネタバレありレビュー

早速見て来ましたよ「スター・ウォーズ フォースの覚醒」。12月18日、公開初日の18時30分、全国一斉公開の初回ってやつ。総勢9人で、成田のIMAXまでプチツアーを敢行しました。一番若い人は私より30歳以上年下でしたw


1999年の「エピソード1」、2002年の「エピソード2」、2005年の「エピソード3」の時は、LAまで鑑賞ツアーを組んで、各回総勢30人ぐらいでチャイニーズシアターで見たものです。あれから10年、まさか、また「スター・ウォーズ」の新作が見られる日が来るとは思いませんでした。

今回はLAには行きませんが、やはり初日の初回に行って皆で盛り上がりたい。てなわけで、1カ月前の11月18日、オンラインチケット発売日に予約を試みました。ところが、TOHOシネマズの新宿や六本木、日劇など都心のメイン館はあっという間に売り切れてしまったので、少し遠いのですが、上映コンディションの素晴らしい成田IMAXの座席を確保した次第。

そして当日。18時半ぴったりに本編の上映が始まりました。CFナシ。予告編もナシ。LUCASFILMのロゴに続き、STAR WARSのロゴとともに例のファンファーレが高らかに鳴り響くと、場内は拍手喝采。「A long time ago in a galaxy far, far away…」そして「Episode VII」のキャプションに続いて状況説明の字幕スクロールアップで、早くも涙がこみ上げウルウル状態に……。隣の席では若い男子が「ヤバイヤバイ!」と声を出しています。

以下、多少のネタバレがあります。いや、かなりのネタバレだなw。先を読む方は自己責任にてお願いします。

例の縦スクロールの冒頭は「ルーク・スカイウォーカーが消えた(行方不明になった)」ことを観客に示しています。ルークは「最後のジェダイ」だったことも。また、帝国軍が復活し「ファースト・オーダー」という名でギャラクシー制圧を目論んでいること、レジスタンスと共和国軍がこれと戦っていることなどが示されます。


本編が始まります。新たな主人公は「レイ」。砂だらけの惑星ジャクーで廃品を集めて売りながら生計を立てている若い女子です。砂だらけの惑星、廃品回収と言えば「エピソード4」におけるルーク・スカイウォーカーと同一の設定ですね。そしてレイのカウンターパートには「フィン」。幼少の頃に帝国軍に連れさられ、ストーム・トルーパーとして訓練を受けますが、正義感に駆られて帝国軍を逃げ出した黒人男子です。

そして、今作の悪役は「カイロ・レン」。被りものに黒いマントで、誰がどう見てもコイツが新しい「ダース・ベイダー」だなってのが分かる寸法。


この3人の新キャラの活躍が、若い観客の興奮と共感喚起を担います。そしてもちろん、ハン・ソロにチューバッカ、C-3POにR2-D2、レイア姫にルーク・スカイウォーカーが要所要所で登場、中年ファンのノスタルジー召還と拍手喝采のスイッチを押すという役割分担になっています。

2時間18分があっという間です。みんなの大好きな「スター・ウォーズ」が戻ってきました。少なくとも、あの「エピソード1」の時の失望はありません。


見終わった瞬間の率直な感想は、正直、ちょっと微妙なものでした。「概ね満足、だけどちょっと物足りない……」いや、「だいぶ物足りない」という感じ。

帰りの車中、若い人たちは皆かなり満足そうです。生まれて初めて映画館でSWを見たという男子は、けっこう興奮気味。そりゃそうだよね。気持ちは十分わかる。SWを初めて見たときゃ、メチャメチャ興奮したもんな。

初めて「エピソード4」を映画館で見たときの点数を100点とするならば、今回はせいぜい80点というところです。その原因は何だろう?

ひとつには、自分が年を取りすぎてしまったこと。これは否定できません。年を取ってファンタジーは受けつけられなくなってしまい、リアルなものの方が共感できる体質に。正直言って、こないだ見た「オデッセイ」の方がSWより遙かに共感できたもの。

もうひとつは、銀河世界にイノベーションが見られないところ。「フォースの覚醒」は「ジェダイの帰還」の30年後という設定なんですが、この30年でギャラクシーはちっとも進化していない!

ライトセーバーは相変わらずだし、X-ウィングやTIEファイターも当時のまんま。帝国軍はデス・スターのデカいバージョンを建造していますが、デカくするって発想が時代に逆行していると感じます。


地球におけるITオリエンテッドな世界は、この30年でもの凄い進化を遂げているのに、この映画で描かれるギャラクシーの文明は、単純に時計の針を30年進めただけって感じに見えてしまう。

もちろん、「エピソード1」であまりにも過剰な未来都市像を披露しながら、それらが単なるデスクトップ・マスターベーションに過ぎず、ドラマの進展にほとんど寄与していないばかりか、観客の共感も得られていなかったという反省も踏まえてるんだと思います。

そんなわけで、J・J・エイブラムスたち製作陣は「あまりリスクは冒さず、無難な線でまとめる」道を選んだということだと理解しました。

彼らが作ったのは、「エピソード4」すなわち第1作目「スター・ウォーズ 新たなる希望」のリメイク作品なんです。

ルーク・スカイウォーカーがレイ。レイア姫相当はいませんが、主人公のカウンターとしてのフィン。ダース・ベイダー相当がカイロ・レン。そして、ルークのパートナーだったR2-D2に相当するのがBB-8ということです。帝国軍対レジスタンスという対立軸は、もちろん揺らぐはずもありません。

監督のJ・Jは、自らSWファンであることを公言していますが、では本作は「SWファンの、SWファンによる、SWファンのための映画」に終始しているでしょうか?

必ずしもそうではありません。

ディズニーは、SWマーケットを拡張するために、「フォースの覚醒」でかなり野心的なチャレンジをしています。

それはまず、主人公を女性にしたこと。これは疑いなく、SWがこれまで不得意としてきた女性ターゲットにアピールするためです。劇中、主人公レイの中でフォースが覚醒し、彼女はジェダイとしての才覚を発揮していきます。「主人公は女性。しかも、自立していて特別な力を持っている」。まるで「アナ雪」と同じじゃないですか。


でもそれだけじゃあそんなに野心的じゃない。私が本作でもっとも驚いたのは、カワイい主人公レイの相方フィンが黒人青年である点です。しかも、レイとフィンはけっこう「いい感じ」になっていきます。

これは驚愕の展開です。旧作では「身分違いの恋」だったところ、「人種違いの恋」に踏み込もうとしている。「マジかよ。これSWだよ。そこ行っちゃっていいの?」

コンサバだけど最大のドル箱でもある白人マーケットの反感を買ってまでも、ディズニーはSWでブラックマーケットを獲りに行きたいのでしょうか? だとしたらもの凄いリスク案件です。

J・J、炎上上等なのか?と思いきや、最終的に白人男子がホッと胸をなで下ろすような実に見事なプロット運びで、2人のドラマは次作へと先送りになりました。

思うに、この件を収束させるには、フィンをランド・カルリシアンの息子にするしかないんじゃないかと。そんならみんな文句言えないよね。もう、それしか考えられません。

ああ、これを書いているうちに次回作が楽しみになってきた。「物足りない」とか「せいぜい80点」とか言いながら、めっちゃ楽しんでます。やっぱSWは特別ですね。

2015年12月18日金曜日

湾岸ドライブ5時間コース 竹岡ラーメンに川崎ブレードランナー

先週末の土曜日(12月12日)は、不動産絡みのヤボ用があって、ちょっと房総方面に暴走に行ってきました。

道路情報アプリで渋滞区間がないのを確認し、午後1時頃に自宅を出発。午後イチに出て、夕飯時までに帰って来るというコンセプトの小旅行ドライブです。

首都高に乗り、環状線→湾岸線→アクアライン→館山道というルートを走ります。今回、このエントリでは、おもにビジュアルとランドスケープにフォーカスします。

まず最初の見所は、首都高湾岸線の大井から入る東京港トンネル。このトンネルは、照明がお洒落なんですよ。


同じ光源が、直接照明と間接照明の両方を担っている感じですね。これは珍しい。

ちなみに、アクアラインのトンネルはこんな感じです。


味も素っ気もない。東京港トンネルの照明がいかにゴージャスかってことがよく分かります。

アクアライン、館山道と高速を1時間ほど走り、午後2時には富津竹岡インターを降りて、なじみのラーメン屋でランチ。


いわゆる「竹岡ラーメン」の名店、鈴屋という店です。竹岡ラーメンでは、富津にはもう一件「梅乃家」という常に行列している有名店があるのですが、私は鈴屋の方がお気に入りです。

食べログから引用すると、鈴屋=「汁にだしあり・生麺・薬味はネギ」、梅乃家=「汁はチャーシュー煮汁・乾麺・薬味はタマネギ」とけっこう違いがあるのです。

鈴屋もお昼時はけっこう混み合うのですが(駐車場が混む)、2時ならばだいたい待たずに入れます。食べログ3.52というハイスコアなので、内房方面に行かれる場合はランチの候補に是非。

そう言えば、鈴屋の向かいにプール付きのオシャレな家(たぶん別荘)が建っていて驚きました。去年はなかったと思います。おそらく今年建った家ですね。車庫にはロールスロイスが停まっていましたよ。

ランチを済ませ、用事もサクっと済ませた後は、「もみじロード」をドライブします。志駒川沿いに走る県道182号線。


富津市のHPを見ると、「延長約10キロに渡って、約1000本のもみじが生い茂り、見ごろである11月下旬には、晩秋の木漏れ日の中、鮮やかな紅葉が見られます」とか書いていますが、私たちが行った時には、紅葉はまばらで、車を停めて観光客が記念撮影しているスポットは1カ所しかありませんでした。行かれる際には、リアルタイムな紅葉情報を調べた上でどうぞ。

その後、東魁盛というお酒を造っている小泉酒造が経営する「酒匠の館ソムリエハウス」で正月用のにごり酒を買い、3時半頃には東京へと戻る帰路に。

アクアラインを激走し、4時過ぎに海ほたるに突入します。

海ほたる3Fのスタバでコーヒーを買ったら、すぐに店を出て4Fのデッキへ直行。外でサンセットを眺めるのです。12月は日没が4時半あたり。これ、湾岸ドライブで一番大事なところ。日没時間はマストで記憶ね。


デッキの左舷・西側に、夕陽をバックに羽田空港へと着陸する飛行機がどんどん降りていきます。成田空港から飛び立った飛行機も視界に入るので、運がよければ3機から4機の飛行機を1枚の写真に収めることも可能です。

この日は見られませんでしたが、冬場は西に富士山がドーンと見えることも多いので、「夕陽+富士山+複数の飛行機」というなかなかスペクタクルな1枚をものにするチャンスもあるということをつけ加えておきましょう。

そして、日が沈んだら速やかに海ほたるを撤退し、アクアラインを東京方面へ。ドライブの仕上げに入ります。

東京の都心に帰る場合、通常は浮島ジャンクションから湾岸線へのルートを取りますが、ここで私が強くオススメするのが、K6川崎線。

浮島ジャンクションで、左車線の「東京・横浜」方面ではなく、右車線の「川崎市内」方面へ行くんです。

すると、折からのマジックアワーに、車窓の左に見えてくるのが……。


まるで「ブレードランナー」のオープニングシーンのような、京浜工業地帯の夜景。

写真は、走行中の車から撮ったのでさすがに手ぶれしちゃってますが、この高速道路沿いに見える景色もなかなかスペクタクルです。「ブレラン」のサントラ流しながら走ると最高です。高速道路沿いの非常駐車帯に停まっている車もやたら多いという……。

しかしこのルートを使う場合は、殿町インターで一度高速を降りて、大師とか羽田で高速1号線に乗り直さなければ都心に帰れないという面倒くささがあります。まあでも、わざわざ遠回りする価値はありますよ。

そんなこんなで、午後イチ出発からおよそ5時間後には自宅に帰還。日の短い秋冬にオススメの、サクっと行って帰れるドライブコースのサンプルでした。



2015年12月9日水曜日

早くも来年のベストワン候補。映画「オデッセイ」について書いておく

ちょっと公開までには時間があるのですが、賞レースでぼつぼつ名前があがっていますので、ちょっと「オデッセイ」のレビューを書いておこうと思います。

個人的には、早くも来年のベストワン候補です。公開は来年の2月5日です。


設定はこんな感じ。最後に予告編も貼っておきます。

NASAの火星探索船のクルー6名が火星に降り立ちますが、探索中に激しい嵐に見舞われて撤退を余儀なくされます。
しかし、6人のうち1人が行方不明になってしまい、船長(ジェシカ・チャステイン)の判断で5人で地球に帰還することに。
残された飛行士マーク(マット・デイモン)は、嵐に吹き飛ばされて死亡したものと思われていましたが、実は奇跡的に生存していました。

彼は、火星の地上に設置された探索基地で、たったひとりでサバイバルを試みます。

しかし、次の火星探索船がやって来るのは4年後。食料は31日分しか残っていません……。

いったい、どうやって生きのびる???

「ゼロ・グラビティ」ミーツ「キャスト・アウェイ」とか言われていますが、個人的には「アポロ13」の長期間版というのが近いと思います。

「ゼロ・グラビティ」にしても「アポロ13」にしても、宇宙船で問題が起こり、「宇宙空間から地球に帰って来られるか」っていう話でしたが、今回は火星の地表が舞台。自力で帰れる術はなく、「帰る」以前にまずは「生きのびる」というのが主眼となるのです。

飛行士マークは、まず「生きのびる=餓えをしのぐ」方法を発明しなくてはなりません。次に「自分の生存を知らせる=地球に連絡する」方法も考案しなければならない。この2つが彼のミッションです。ミッションというか、生き残るためのマスト事項。自力では帰れないので、自身の無事を知らせ、救援を待つしかない。一方、地球側(=NASA)のミッションは、マークの現状を正確に把握し、彼を救出するためのあらゆる手段を検討し、ベストな方法を実施することです。

いずれのミッションもとてつもなく難易度が高く、しかも両者が完全に連携しないとクリアできないという、まさに「史上最大の作戦」です。「ミッション:インポッシブル」でもいい。いや「グレート・エスケープ」かな。何しろ、火星と地球の距離は2億キロ以上ある。

とにかくまあ、見終わった後の達成感が半端ない映画です。アメリカの映画館では、各地でスタンディング・オベーションが起こっていたことでしょう。間違いなく。


もうひとつの特長は、観客も飛行士マークになって、あるいはNASAのスタッフになって、問題解決の方法をともに考え、行動を見守るという「参加している感」が非常に強いんです。次々と起こる想定外のアクシデントを、皆が協力し、驚くべきフレキシビリイティで解決していく。

そして、映像は徹頭徹尾リアルです。原作はオンラインで連載された小説なのですが、脚本から撮影までNASAが全面的に協力し、コンサルしています。興味深いのは、宇宙飛行士の記録用というか日記がわりの映像を撮るためにGoProがあちこちに設置してあって(下の写真でもヘルメットにGoProが)、その映像がところどころに挿入されている点。これもまたリアル感を演出しています。この映画に登場する宇宙船は、「インターステラー」や「2001年宇宙の旅」のように、ワープなんかしません。「火星から地球まで、宇宙船で4カ月」という現実的な距離感に忠実に物語は進むわけです。


そんなこともあって、アメリカ人の中には、この映画が「実話」だと思っている人もいるんだそうです。

……いくら何でもそれは、ねえw

それでもいま、人類は居住の場所として火星を調査していますし、実際に移住する人間も募集しているわけですから、火星での生活がどんな感じなのかは、この映画を見れば大体想像できますよね。

予告編はいくつものバージョンがありますが、もっとも説明的なものを貼っておきましょう。


あまりに面白かったので、公開されたら映画館でもう一度見ようと思います。この映画は2Dでオッケーですね。

ちなみに、映画の原題は「The Martian(ザ・マーシャン)」、原作も同じで、原作の邦題は「火星の人」です。映画の「オデッセイ」って邦題は「2001年宇宙の旅」の原題「2001: A SPACE ODYSSEY」からの引用なんでしょうかね。「マーシャン」だと「マージャン」みたいだしなあw

2016年、2月5日公開です。必見。


2015年11月30日月曜日

「2001年宇宙の旅」のフルオーケストラ上映を見に行ってみた

先週の水曜日(2015年11月25日)、「2001年宇宙の旅」をフルオーケストラの伴奏で上映するという公演がありました。ライブ・シネマ・コンサートというイベントで、場所がBunkamuraのオーチャードホール。


映画は全編を上映し、音楽やコーラス部分をライブで演奏するというなかなかチャレンジングかつゴージャスなショウです。台詞やSEはオリジナルの音声がイキ、日本語字幕がついてます。

このフォーマットによる公演は、2010年にロンドンでロンドン・フィルの演奏で初めて行い、その後ヨーロッパ各地やニューヨーク、ワシントンDC、さらに上海など世界中で現地のオケの演奏で公演が行われているのだそうです。そして、ついに東京にもやってきたと。

今回のオーチャードホールの演奏は、指揮がロバート・ジーグラー、オケが日本フィル、東京混声合唱団、合唱指揮が山田茂という構成です。

ライブ演奏される曲目は;
リヒャルト・シュトラウス 交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」op.30から 導入部
リゲティ 「レクイエム」から キリエ
ヨハン・シュトラウス2世 ワルツ「美しく青きドナウ」
リゲティ 「ルクス・エテルナ」(永遠の光を)、「アトモスフィール」
ハチャトゥリアン バレエ「ガイーヌ」から アダージョ


開演前の会場はこんな感じ。

そうなんです。オーチャードホールはオケピットがないんです。オケ団員も合唱団もステージ上にむきだし。しかも、スクリーンがちっさい!

この時点で、だいぶ鑑賞のモチベーションが下がってしまったのですが、まあしかし、オケピットがあるホールでも、合唱団まで全員は収まらないかこれがベストかと気を取り直して上映に備えます。

19時、オケによるプレリュードがしずしずと始まりました。そして上映スタート。



♪パーパーパーーッ パパーッ!
♪デンドンデンドンデンドン……

おうおう。生だよ、生オケだよ。生ティンパニのサウンドがめっちゃ響いてくる。

オープニングはさすがにちょっと興奮します。しかし、猿人が骨を振り回すシーンが終わり、宇宙船のシーンに移っていくと、このホールの致命的な問題が明らかになります。

オケおよび合唱団の手元照明が、スクリーン下部に反射して明るく光ってしまうんです。スクリーンがちっとも暗くない。

宇宙のシーンなのに、宇宙が暗闇じゃないわけで。キューブリックなら激怒してんな。

合唱、オケ、それぞれのパートがない場合は、照明を消灯してくれるので、だいぶスクリーンが暗くなってましたが。

それにしても残念だなあ……。



残念だなあ、残念だなあと思いながらも、インターミッションを挟んで都合3時間、堂々のパフォーマンスを堪能しました。

オケについては「ツァラトゥストラはかく語りき」のパートで、正直、あんまり合ってない部分がありました。「美しく青きドナウ」のパートはまずまずでしたね。

そして思いがけず、クワイヤ(合唱)が予想外に素晴らしかった。



モノリスが聳え立つ、禍々しい雰囲気のシークエンスにリゲティの神々しくも前衛的な旋律が絶妙にマッチ。この合唱団、ちゃんと数えてないけど40人ぐらいいましたからね。

残念な部分もあり、想定外に素晴らしかった部分もあり、個人的には75点ぐらいの評価なんですが、とにかくもっとデカいスクリーンに「2001年」を映して欲しかったというのが正直な感想です。

だって、往年の名画を違ったフォーマットでプレゼンテーションするという主旨のイベントですから、まずは映像を主役として、きっちりと、圧倒的なクオリティで投射するべきです。オケはその引き立て役として、映像の陰で力いっぱい演奏しているというのがあるべき姿。

しかしスクリーンの大きさと解像度が十分でないと、どっちが主役かわからない、中途半端なステージになってしまう。

この日の翌日に、全然別の用事でTOHOシネマズ日本橋のスクリーン8に行ってたんですが、ここのスクリーンはオーチャードの3倍ぐらいありましたからね。面積にして。

21世紀の映画ファンはIMAXとか3Dを経験してしまっているので、生半可なスクリーンサイズでは、伝説的な傑作「2001年宇宙の旅」をもってしても、映像的なカタルシスは得られないと。

まあしかし、それでも「2001年」は本当に凄い映画です。公開されたの、1968年ですよ。およそ50年前ですよ。ちなみに、アポロ11号が月面に着陸したのが1969年ですから、アポロより先! アポロが月を目指している時代に、キューブリックは木星を目指していた。

この「2001年」、私が前回見たのは「インターステラー」公開時なんですが、その時はDVDでの鑑賞。スクリーンで見るのは、おそらく20年以上ぶりです。

改めて見るに、「CGのなかった時代に、どうやって撮ったんだ?」の連続です。

一番驚いたのは、居眠りしている宇宙飛行士の指からがペンが離れて中に浮かび、スッチーが歩いてきてそれをキャッチして飛行士の胸ポケットに戻すシーン。うーむ。どうやって撮影したんでしょ。

あと、個人的に嬉しくなったのは、Siriのネタ元がHALだって確信できたことね。

50年を経て、いまだ後世に影響を与え続ける映画。ひれ伏すしかありません。私の生涯ベストワン作品であることに変わりはありません。いまだに。

ところで、これを見て以来「生オケ(ライブ演奏)と映画のコンビネーション」で見たい映画って何だろう?というのをずっと考えています。

例えば「地獄の黙示録」。


ヘリからのナパーム弾投下のシーンにワグナーの生オケ!ワクワクしますねえ。しかし、この映画ではドアーズも重要だからなあ。さすがにドアーズのパートをコピーバンドにやらせてしまったら、ガッカリしかないでしょうね。

次に「ラストエンペラー」。


これ、意外にイケルんじゃないの? オケに加えて、中国系の楽器が多くなりそうですが、西洋の現代音楽がないので上手く仕上がりそうです。教授がタクト振ったら完璧じゃないですか。


以上、2本とも撮影はヴィットリオ・ストラーロですね。ストラーロのゴージャスな映像にオーケストラの生演奏。想像するだにワクワクですね。 

2015年11月25日水曜日

Apple Watchの新しいチャージャーを買ってみたが……

11月19日、Appleが突如新しいApple Watchのチャージャーを発売したので早速ポチってみました。

これは、「Apple Watch磁気充電ドック - ホワイト」という商品で、9500円します(税別)。


Appleのオンラインストアで購入すると、2〜3日ですぐに届きました。


箱を開けると、円盤状の本体(写真右)とライトニングケーブルが入っています。本体とケーブルに分離されてるってのがミソですね。


これまで我が家では、サードパーティー製のチャージャースタンドに、Apple純正の磁気充電ケーブルをマウントしたものを……。


Suicaのペンギン君に抱えさせてApple Watchを充電していましたw


それが、新しい充電ドックだとこうなると。


マグネット部分は上に起こすこともできるので、こういう角度にもなります。ベルトがループしてるタイプだと、この角度でないと充電できません。

だけどねえ……。


ペンギン君の方がカワイイよね。

悩ましい……。

新しいのは会社で使うかな。うん、そうしよう。

しかし11月はガジェット祭りですね。他にも色々出ていて(買っていて)なかなか紹介できてない……。

2015年11月5日木曜日

新しいApple TVがやって来た。謎のケーブルが同梱されてる

新しいApple TVを購入しました。ふだん、家でApple TVはあまり使わないのですが、とにかく新しいApple製品が発売されると脊髄反射的にポチってしまう体質なのです。私が買った64GB版は2万4800円、32GB版は1万8400円です。

内容物はこんな感じ。


旧Apple TVと比べ、厚くなった本体、高機能化したリモコン、電源プラグ、ライトニングケーブルが入っています。

ん? なぜにライトニングケーブル?

「?」状態のまま、セッティングを開始します。その前に、旧型との大きさを比較しておきましょうか。


幅と長さは同一で、高さだけが違う。これはAppleのWiFi機器AirMacなどとも共通です。


ポートはこんな感じ。テレビへの接続はHDMIケーブルで行います。ここにはLightning用のポートはありません。


リモコンはだいぶ変化しました。MENUボタンの上部がトラックパッドになっており、↑↓→←の動きは、指でクリクリ動かす&クリックで操作します。

TVに繋いでみましょう。今度のApple TVは、ブルートゥースでiPhoneと接続することにより、セッティングがとても簡単に行えます。


ものの5分ほどでセッティングが完了しました。NETFLIXはプリインストール、Huluはナシ。

それにしてもLightningケーブル、相変わらず使い道が分からない。


たくさんApple製品を買っているから、ご褒美でくれたのか? いやいやそんなワケないよね。

とか思いながら色々Apple TVをイジっていたところ、やっと気づきました。

「!」

リモコンの下部分にそれ用の穴を発見しました。Lightningでリモコンを充電するんだよ。

あ〜スッキリした。そうかー。前のリモコンはボタン電池だったしな。ボタン電池はアップルぽくないもんね。

Lightningケーブルが同梱されていたのが、今回もっとも驚いたポイントです。

そうそう。我が家のテレビはSONYのBRAVIAなんですが、BRAVIAのリモコンでもApple TVの操作ができることが分かりました。これも新たな発見。最近のテレビ周辺のリモコンって、メーカー関係なくコンパチブルなんですかね。どうなんでしょ。

Apple TVを使ってみたインプレッションについては、また別エントリで。