2017年7月24日月曜日

ノーラン監督「ダンケルク」に手に汗にぎる。これって、アレに似てない?

クリストファー・ノーランの新作「ダンケルク」を見てきました。第2次大戦下の1940年、フランスの港湾都市ダンケルクで、ナチス軍に海岸沿いに追い詰められた英仏軍40万人を、海から脱出させる一大撤退作戦を描いた映画です。

ノーラン監督の映画は全部見ると決めていますが、正直、直近2作品は難易度が高かった。「インセプション」と「インターステラー」のことです。いずれも、右脳よりも左脳の稼働を強いる映画です。しかも観念的。見終わってぐったり、疑問は残るわ、他人にうまく説明できないわ……。

その点、今回の「ダンケルク」は史実に基づく出来事を描いているので、安心して見ることができます。「ノーラン初の実話ベース。しかも、戦争映画。どうやってノーラン節を奏でてくれるのよ?」って感じで興味津々で見てきました。そしたらもう、始まって5分ぐらいで「凄えぇ。何だこれ?」ってなりました。映像のクオリティがとんでもないんですよ。


ノーランは、この映画のほぼ全編をIMAXのフィルムカメラで撮影したそうです。IMAX、しかもフィルム……気が狂っていますw ほら、上のポスターにも「SHOT WITH IMAX FILM CAMERAS」って書いてある。きょうび、「全編iPhoneで撮影しました」って長編映画が劇場公開される時代に、重さ50キロもあるIMAXカメラで全編アナログ撮影だなんて、意味がまったく分かりません。どんだけ「こだわりの男」なんだよ。

ダンケルクの海岸線を舐める空撮にシビれます。ヘリコプターでもない、ドローンでもない、プロペラ機からの空撮。空爆で火の手が上がり、兵士が逃げたり伏せたりしている海岸線を、ゆったりと空からカメラが捕らえます。まるでナショジオの映像のように。


ほぼ全編がロケーション撮影なので、地平線、水平線が常に見えていて、戦場のスケール感が伝わります。しかもIMAXカメラの威力は絶大で、ダンケルク港の海岸、沖合、空中で起きている出来事を、圧縮なしの超精細映像で描写していきます。どのカットを切り取ってポストしても、インスタで「いいね!」がたくさんもらえそう。戦争映画なのに、異常に画がキレイって感覚は、テレンス・マリックの「シン・レッド・ライン」以来かも知れません。


撮影監督は、空撮の名手ホイテ・ヴァン・ホイテマ。「インターステラー」や「007 スペクター」などで知られるマエストロ。来年のオスカーでは、撮影賞ノミネート確実だと思います。エマニュエル・ルベツキも(恐らく)新作ないし。

しかしまあ、このダンケルクのストーリーはタイムリーです。英国首相の指令のもと、ドイツが包囲するテリトリーから英国人が官軍民一体となって撤退戦を敢行するって、まさにブレグジットのことじゃないですか? この映画を見て、もっとも大きなカタルシスを覚える国民って、間違いなく英国人だと思うんですよ。来るブレグジットに備えて、英国民の皆さんにあられましては、マストで鑑賞ってことにしたらいいんじゃないかと。ある種のイメージトレーニングですね。


それはともかく、「ダンケルク」は間違いなく賞レースのトップに躍り出ましたね。オスカー大量ノミネートは確実だと思います。わけても、ストーリーが分かりやすいのは大きなアドバンテージです。いつものノーラン映画と全然違う。もっとも、例年、賞レースは9月のトロント映画祭あたりからスタートするので、現時点で本命視するには早すぎるんですけどね。それでもまあ、けっこういい勝負をすると思いますよ。


日本では9月9日公開だそうです。是非、IMAXシアターで。 

2017年7月11日火曜日

深セン&香港覚え書き2017。あるいは、XO醤を機内に持ち込む方法

香港では、たくさんの結婚式カップルに遭遇しました。お日柄が良かったんでしょうかね。この日は、2017年7月2日です。


さて、深セン&香港3泊4日の旅、3日目は深センから香港に移動します。香港→深センはフェリーでしたが、深セン→香港は陸路です。

深セン側の羅湖駅まで送迎車で送ってもらい、徒歩でイミグレに向かいます。イミグレの先は、香港の地下鉄MTRの羅湖駅があります。

ここのイミグレ、中国人と香港人のゲートは大混雑ですが、外国人用のゲートはガラガラ。深センってあんまり外国人がいないですよ。

ガイドの王さんに「時々香港に行くことはありますか?」と聞いたら「ブランド品などは香港の方が安いので、香港で買いますよ」とのことでした。

王さんと国境で別れ、日本から持参したオクトパス(Suica的なICカード)を使って香港のMTRに乗ります。


以下、24時間だけ滞在した香港についての覚え書きです。

MTRのモニターに、習近平が映っています。前日、7月1日が香港返還20周年の記念日ということで、習近平が初めて香港を訪れたと。


画面の右側に注目してください。「今天是世界UFO日」って書いてあります。7月2日は、ロズウェル事件にちなんだ「世界UFOの日」だそう。

深センから香港に移動したら、QRコードをほとんど見かけなくなった。

WeChatは使えなくなりましたが、代わりに英語が使えるようになりました。深センは、ホテル以外ではまず英語が通じませんでした。

MTRを降り、タクシーに乗ってホテルまで移動し、オクトパスで払おうとしたら「キャッシュ・オンリー!」だって。おっとー。いつの間にデジタル後進国になった、香港?


ホテルが尖沙咀(チムサーチョイ)だったので、通りがかりに見かけた重慶大厦(チョンキンマンション)に突入してみましょう。映画「恋する惑星」とか、沢木耕太郎の「深夜特急」で有名。悪の巣窟とかジャンキーの溜まり場とか言われてる怪しいゲストハウスです。


5階にある「重慶招待所(Chunking House)」ってところに行って1泊の値段を聞いたら、シングルルームが320HKドル(約4800円)だと。あんまり安くないよね。部屋はそこそこキレイです。全17フロアあって、上の方のフロアに行くとだいぶ怪しくなるって話もありますが、悪の巣窟って感じではないな。

香港の街を歩いていると、やたら目につくのがテスラ。路上で見かけるテスラの数は、LAなんかより全然多い。これはサンノゼで撮ったテスラの写真。


これ、後で知人のテスラ社員に聞いて分かったんですが、香港では今年3月まで、テスラ(および他の電気自動車)を購入すると、免税プラス国からの補助金が本体価格の50%ほどもらえるため、エラく安い金額で購入できたんだとか。4月以降は、それまで7万5000ドル(米ドル)で買えたモデルSが、13万ドルに上がってしまったらしく、もう今は誰も買わないんだって。


ランチで訪れて美味しかったのがここ。ティムズ・キッチン。上環にあります。ミシュラン★。ここはまた行く。

▼食べログ Tim’s Kitchen Sheung Wan, Hong Kong
https://tabelog.com/hongkong/A5227/A522701/52000374/


マッサージはここ。健さんのとこが良かった。絶賛のクチコミ多数。必ず電話で予約してから。電話は日本語でOKです。


香港で一番嬉しかったことは、スターフェリーがタダで乗れたこと。7月2日は、もの凄く特別な日なのかも。多くの結婚式に、UFOに、無料のスターフェリー。

さて、私が香港に来ると必ず買って帰るもの。それは「XO醤」です。今回もどこでXO醤を買おうかなと現地でググってみると……衝撃の事実発見です。何と、XO醤は液体扱いなので機内に持ち込めないと。空港の手荷物検査場で、泣く泣くXO醤を捨てて帰国したっていうブログがたくさん出てきます。

全然記憶になかったのですが、今まではバゲッジクレームで運んでたんですかねえ。自分。

今回は、機内持ち込みの荷物しかないので、どうにか機内に持ち込む方法はないのかと調べてみると、ありました!

香港空港の免税店「ペニンシュラ・ブティック」で買えば、機内に持ち込めるようです。このXO醤、日本円だと5000円ほどする高価な一品ですが、豪華化粧箱に入っており、お土産にもピッタリではないかと。1瓶買って帰ります。


このペニンシュラ・ブティック、JALのゲートからはだいぶ離れた場所にあるのですが、チョコとかクッキーとか紅茶とか、XO醤以外にも色んなゴージャスなお土産が売られているので、なかなかオススメです。まあ、値段はそれなりですけどね。

今回、深セン→香港と旅してみた感じたことには「世界の言語は、英語と中国語の2つに収斂されて行く」運命にあるんじゃないかと。WeChatは、デイリーアクティブユーザーが8億人だそうです。登録ユーザーは11億人! 中国で日本人がWeChatアプリを使おうとしても、中国語が分からないとほんの一部しか使えない。このアプリのために中国語学びたいよって思いましたね。

あと、香港が少し残念に感じられたこと。香港はですね、基本「メシ食いに行くだけの街」になっちゃったかも。「発見」がなくなってきてる。電脳分野なんかは、主戦場が大陸に移っちゃったんだな、恐らく。

しかし香港は不動産バブルのまっただ中で、70平米の新築マンションの価格が5億6000万円だそうです(一例です)。東京の10倍ですよ。不動産投資に目覚めた大陸の人たちが、投機目的でガンガン買うんだそうです。

深セン、また近いうちに行っちゃいそうです。次行った時には、町の景観がダイナミックに変わってそう。そして帰りに香港寄って、美味しいご飯食べて帰るのよ。

2017年7月7日金曜日

住民全員が芸術家? 深セン郊外の「大芬油画村」に行ってみた

深センは、秋葉原の10倍とも30倍とも言われるメガ電脳街が名物だと言われていますが、今回の深セン訪問において、電脳街はあんまりプライオリティーではありません。

だって、もうPCを自作する人なんかいないし、家電だってECで買う時代。スマホ時代になって「電脳街」の役割もだいぶ変化した感があります。深センの電脳ショップも、ニセ物のiPhoneや、スマホのケース、充電ケーブルなどなど、スマホ周辺のグッズを売る店が圧倒的に多かった。

何も買う物はないし、これといった驚きもありません。

じゃあ、深センでどこに行くのよ? 実は今回、是非とも行きたかった場所がありました。

町中が油絵を売る店、大芬(ダーフェン)です。深センのダウンタウンから、北に向かって地下鉄やタクシーで小一時間ほど移動したところにあります。

大芬油画村といっても、のどかな田園風景が広がる農村ってわけじゃありません。都市の一区画が、丸ごと画商に占められているという感じ。そうだなあ。合羽橋が全部美術品を売る店になってるさまをイメージしてください。


大芬の入り口には、「絵筆を握る手」の像がドーンと置いてあります。なんて分かりやすい。

通りには、絵を並べる店が延々続きます。ホント、画商だらけ。決してギャラリーではありません。絵を並べて売っている。


世界に流通する模造画の60%が、この大芬で作られているそうです。名画のレプリカは、ホテルやレストラン、公共施設に売られていくのです。B to Bビジネスなんですね。


「アルプスを越えるナポレオン」はあちこちの店で見かけます。

ゴッホの「ひまわり」も30枚ぐらい見ましたよ。1枚80元(1300円ぐらい)で売ってます。ちゃんと油絵の具で描いてます。


パブリックドメイン(作者が亡くなって50年経ったもの)の作品は、模造品をいくらで売ろうがOKだと思いますよ。

だけどね……。


これはアカンよね。奈良美智がガサガサ山積みで売られてる。

さっきのゴッホは模写でしたけど、こっちはプリントです。原画の写真をスキャンして印刷してるやつ。

バンクシーもあるよ。1枚50元。額つきだと100元。激安です。


まあ、合法か違法化は置いといて、この大芬という町は、住民が皆アートに関わっているという面白いエリアです。

店先で絵筆を振るうお兄さん、お姉さん、オジさん、オバさんにたくさん遭遇します。そして、彼らのビジネスは法人相手なので、私たちが歩いていても、客引きもされません。ゆっくり鑑賞することができる。


売り物は複製が中心だけど、オリジナルを制作する画家もたくさんいます。そりゃそうだよね。「アート」って、職人が作るんじゃなくて、芸術家が作るもんだから。

世の中には色んなビジネスがあるんだなあと考えさせられる、珍しい体験でした。


帰りしな、実に味のある建築のギャラリー(入場料を取る)で遊ぶ、少年少女を見かけました。彼らが一人前の絵描きになった頃、この町を再訪してみたいですね。



2017年7月6日木曜日

QR都市、深センの衝撃。この町じゃ誰も現金使ってないのよ

香港から船に乗って深センにやってきました。まずはイミグレで入国手続き。その後ガイドの王さんと合流します。


深センは、かつて寂しい漁村でしたが、いまは人口1400万人の大都会です。あちこちでデカいビルが建設中です。しかも、若者しかいない。老人の姿をほとんど見かけません。

王さんいわく、「深センは、中国の中では治安がいい方ですが、スリはいます。イスラムの人、ロシア国境の方から来た人。気をつけてください」

王さんと会って、真っ先にお願いしたこと。それは、WeChatへの送金です。100元を王さんに渡して、私のWeChatアカウントに送金してもらう。

WeChatというのは、中国語だと「微信」というサービスですが、日本でいうところのLINEです。もともとメッセンジャーアプリでスタートして、今や電車に乗れるわ、タクシーは呼べるわ、映画のチケットは買えるわと、このアプリひとつで何でもできるようになってる。で、支払い機能も追加されて(WeChat Pay=微信支付)、今やそれが中国人民の支払いのスタンダードになってしまったと。

実は今、中国では、すべての決済の88パーセントが電子決済なんだそうです。信じられない数字です。そのほとんどがWeChatとAliPay(アリペイ)。かつては百度(バイドゥ)の決済も使われていましたが、この分野では百度はすでに退場していました。加えて、銀聯カードによるカード払いも一般的です。


レストランの表示です。歓迎使用「WeChat Pay」「Apple Pay」「アリペイ」。

基本的に、中国の銀行口座がないと、WeChat Payは使えません。ただし裏技があって、誰かにお金を送金してもらえば、その金額分の残高が自分のWeChatアカウントに残りますので、その残高の範囲内で使うことが可能になるんです。それを王さんにお願いしようと。


王さんに、私のWeChatのQRコードを見せます。王さんは、自分のスマホのWeChatアプリからスキャナーを立ち上げ、私のQRをスキャン。送金金額を100元と入力し、送金します。6ケタの暗証番号を入力して、送金が完了します。実に簡単。WeChatで友だちになる必要もありません。

この「お金を受け取るためのQRコード」、つまりWeChat用のQRと、アリペイのQRは、深センのどのお店にも必ずあります。

100元の残高が出来たので、さっそく使ってみましょう。屋台で食べ物を買って、WeChat Payで払うと伝えます。すると、店員がカウンターの上のQRを指さしました。


上がWeChatの、下がアリペイのQRです。WeChatのをスキャンし、金額を入力して「送金」をタップ。暗証番号を入力して、はい、支払い完了。

実に早い。しかも簡単です。簡単ですが、SuicaみたいなIC払いよりはひと手間多い。しかしこれの最大のメリットは、お店側の設備投資が一銭もかからないということですね。WeChatのアカウントを作って、QRコードをプリントアウトして貼っておくだけ。

スタバ(深センにはスタバがたくさんあります)で使った時は、お店のレジにスキャナーが繋がっていて、ユーザー側のQRをスキャン。これは日本のスタバで、スタバアプリで払うのと同じやり方ですね。

タクシーの支払いも屋台と同様です。WeChatのアプリを見せると、運転手がQRコードを出してきます。それをスキャンして、暗証番号入れて、支払い完了。実に簡単。

ガイドの王さんが言うには、彼女は生活費のほとんどがWeChat払いなんだと。家賃は銀行の口座引き落としだけど、それ以外のすべてはWeChatで払っているとのことです。どこでも使える。何でも買える。

年間で20万元までは、手数料ナシ。それ以上は手数料がかかる。マネーロンダリング対策でしょうか。1日の限度額は2万元。C to Cで個人からもらう場合は無制限。ただし、銀行カードが紐づいていないと200元まで。

「クレジットカードは使わないんですか?」

「金額の大きな買い物をするときだけ、クレジットカードを使います」

あー、そういうことか。なるほど。


そういえば、こんなことがありました。

滞在中、ホテルの近所のデパ地下でワインを買った時のこと。私はその時、iPhoneをホテルで充電していて、クレジットカードと現金しか持っていなかった。ワインは128元でしたが、レジはキャッシャーがついてないタイプ。IKEAのセルフレジみたいなのです。一応、店員さんが横にいてヘルプしてくれます。

ワインのバーコードをスキャンし、画面の支払い方法を選ぶボタンをタップします。この時点で、カードかWeChatしか選べない。カードのアイコンをタップして、クレジットカードをスワイプしますが、「受付不可能」の表示が。店員さんと一緒に、2種類のカードを何度もスワイプしますが、受けつけてくれません。どうやら、銀聯カードしか使えないようです。

すると、通りがかりのお兄さんが状況を察し「私がWeChatで払ってあげましょう」と。

「それで、私があなたに現金を払えばいいですか?」

「その通り!」

細かいお金がなかったので、100元札+20元札+10元札を渡します。

「はい、130元です。お釣りは要りません」

「ノーノー。そんなに多くはもらえません」

お兄さんは10元を私に返してきました。決して受け取らない。8元オゴってもらっちゃった。なんていい人!
 
深センは、町中にQRコードがあふれています。


町でよく見かけるシェア自転車。どこで乗り捨ててもOKなやつ。

これもWeChatアプリから、QRコードで利用手続きをします。


支払い以外も、何でもWeChat。何でもQRコード。

もちろん、これは深センだけじゃなくて、上海や北京や、中国全土で起こっている現象だと思います。だって、WeChatのユーザーって、8億人もいるんだよ。

中国、すごいことになってます。私も中国の銀行口座が欲しい。WeChat Payで支払っていると、現金とかクレジットカードがアホらしくなりますよ、ホント。

2017年7月5日水曜日

香港・深セン3泊4日の旅。まずはSIMフリー派の最終兵器をご紹介

週末を活用して、3泊4日の香港・深セン旅行に行ってきました。メインの目的は、アジアのシリコンバレーと言われる深セン探訪です。初めて訪れる深センに2泊、ついでに香港で美味しいもの食べて1泊しようと。参加者はオッサンが5人で、現地でガイドさんが案内してくれます。

まずは羽田から香港へ飛びます。深センにも空港があるのですが、日本からの直行便はありません。いったん香港に行き、香港空港から深セン蛇口行きのフェリーを使うことにします。香港国内に入国せず、トランジットゲートからフェリーに乗り換える。


フェリーは220HKドル(約3300円)、深セン蛇口行きは、1時間に1本あります。これは私たちが乗った船の隣のピアに泊まってたやつですが、だいたいこんな大きさの船です。

10時に羽田を発ち、14時過ぎに香港着。15:30のフェリーが30分遅れて出発し、30分の船旅。深セン港から送迎車に乗って、ホテルに着いたのが17時。移動で1日費やす感じですね。

他の行き方がないのかちょっと気になったのでSkyScannerで調べてみたら、何と直行便があるではないの! 深セン航空というエアラインが、成田・深セン(SZX)間を4時間50分で結んでいました。ANAとコードシェアしてんのかな。料金は往復で5万5000円ぐらいから10万円ぐらいとけっこうバラついてます。

さて、香港や中国に行くと(というか世界中どこに行っても)、現地でプリペイドのSIMを買ってSIMフリーiPhoneを使い倒すのが恒例なのですが、実は今年の春から新兵器を導入しました。

それは、Google Fi(ファイ)。Googleが発売しているSIMで、世界135カ国でローミング可能です。電話番号は、アメリカの番号が割り当てられてます。


これは2015年に「Google Project Fi」として始まったサービスで、当初はNexus端末でしか使えないとかいろいろな制約があったのですが、最近はiPhone端末でも動作することが確認できました。ただしこのSIMは、アメリカ国内の住所にしか発送してくれないため、アメリカで受取人が必要です。ホテルに届けることも可能です。ただし、到着まで1週間ぐらいかかる模様。私の場合は、会社の同僚が郵便転送サービスを使って購入してくれました。

気になる料金ですが、SIM自体は無料。利用料は、基本料金が月額20ドル。プラス、データが1GBあたり10ドルです。使ったデータが1GBに満たない場合、100MB単位で翌月に繰り越すことが可能です。

そして、このGoogle Fiの最大のメリットは、利用していない時期は、サービスを一時停止できることです。そう、一時停止中はお金がかからない。


こんな管理画面から、自分のSIMをマネージします。これはPCのブラウザ画面。月額20ドル、データは1GBが10ドル。


このエントリを書いてる時点は、旅行から帰ってきた状態なので、サービスを一時停止します。右下の「PAUSE SERVICE」をクリック。


はい、停止しました。月額コストは0ドルになりました。この「PAUSE」は、3カ月経つと自動的に再開(RESUME)します。

私はこのGoogle Fiを、フランス(Orange)、アメリカ(SprintまたはT-Mobile)、中国(中国移動)、香港(3)の4カ国で使いました。どこの国でもほぼ問題なしです。香港の「3(Hutchson)」だけが、パケットが弱くて苦労した程度。日本でももちろん使えます。日本でのキャリアはSoftBankですね。各国でLTE対応してます。

Google Fiは、iPhoneではテザリングができません。でも、Androidだとテザリングもできるそうです。Android派で、海外出張や旅行の多い方は、これ一択ではないかと。

旅先でSIMを探すのはそれなりに楽しいし、開通させた時の達成感もそこそこ大きいのですが、SIMがなかなか買えない時のストレスとうらはらなのも事実。このFiなら、成田/羽田を出発する時点で装着してしまえば、目的地に着いた瞬間から使うことが可能。


あ、そうそう。FiのSIM、APNの設定は必要です(APN: h2g2 を入れるだけ)。あと格安SIMの人は、ユーザープロファイルを一度削除して使ってください。帰国してSIMを戻したら、プロファイルも元に戻す。

ちなみに、今回深センで使いましたけど、FacebookやTwitterやGmailも問題なく使えました。VPN使わずに。Fiは、グレートファイヤーウォールをすり抜けられるんです。これは嬉しい誤算。


そんなワケで、現地でSIM調達する旅とはお別れした次第。Google Fiは、SIMフリー派トラベラーの最終兵器と言っても過言じゃないですね。世界135カ国で使えます。超オススメです。必要なのは、アメリカの住所ね。