2019年1月31日木曜日

マインドフルネス国家・ミャンマー旅行の覚え書き

初めてのミャンマー旅行は、なかなか有意義なものでした。右ハンドルの日本車が道路の右レーンを走り、人々は男女ともロンジーという腰巻きを撒いている国、ミャンマー。国民の90%が敬虔な仏教徒というだけあって、人々は優しく、みんな笑顔で接してくれる国、ミャンマー。


地理的には、インドとタイの中間に位置していて、文化や食事もインドとタイの中間という感じ。いや、仏教国という観点からすれば、スリランカとタイの中間と言った方がいいかも。

そんなミャンマー訪問を終えましたが、いつか再訪する時にそなえて、覚え書きを残してみたいと思います。

【ミャンマー全般】
ミャンマーの面積は、日本の1.8倍。そこに5300万人が住んでいる。ヤンゴンは人口600万人だ。今回、国内の移動で飛行機に3回乗った。ミャンマーは広いのよ。

2018年10月から、日本人はビザが不要になった。直行便はANAが毎日運行。


ミャンマーでは、寺院を見学する際には必ず裸足。バガンなどでは、一日に何度も何度も裸足になるので、ウェットティッシュを必ず持ち歩こう。右の大きめのやつは、ミャンマー国内の空港の売店で3500チャット(約250円)で買った。サイズが大きい方が便利です。

ヤンゴン市内以外は、道路が未舗装のところが多かった。靴がほこりまみれになるので、できるだけボロい靴を持って行って帰国したら捨てる作戦。あとは、上の「お寺で裸足」の件もあるので、ビーサンを持って行く作戦。


主食はお米だ。ミャンマー人は、3食お米を食べるそう。麺もよく食べる。年中暖かいので、田畑は2毛作や3毛作とフル稼働。

ミャンマーには、インレー湖の近くにワイナリーが2カ所ある。ドイツ人が始めた「エタヤ(Aythaya)」というブランドと、フランス人が始めた「レッドマウンテン」である。ブドウの収穫は、例年2月〜3月だそうだ。


ミャンマーではコーヒー豆も採れる。ワインもコーヒーも作っている国ってあんまりないよね。他には、インドとか、ブラジルとか?

ミャンマーでは、公務員の月給が、安い人で12万チャット(約8600円)。Huawayの安いスマホが、8万チャットで買えるそう。ミャンマーは、「携帯電話とネットが普及した昭和30年代」って感じ。

ミャンマーの治安は、ほぼ問題ないレベル。街を歩いていて、危険を感じることはない。ただし、野犬が多いのは閉口する。人間に襲われたり物を盗まれる危険よりも、犬に噛まれて狂犬病になるリスクの方が高いんじゃないか?


スーチーさんは、どうやら人気がある。Tシャツもあるし。生家はヤンゴンにあるが、普段は首都のネピドーにいるそうだ。

【バガン】
バガンの仏塔は、3300基ある。バガンの人口は全部で10万人。ニャンウー5万、パガン3万、その他の村2万人。最近、不動産が高騰していて、街道沿いなら5億チャットもする(面積不明)。

バガンで寺院周りしていると、靴もズボンもドロドロになる。

ミャンマー中部では、2年前にマグニチュード6.9の地震があって、その時に寺院や家屋が崩れたそうだ。バガンでは、現在も修復中の建物がたくさんある。その前は、45年前にマグニチュード7.2の地震があって、その際に崩壊してしまった建物もたくさんあるそうだ。

バガンとその周辺は、水道が通っていない。ホテルなどは、井戸水を使って営業しているそうだ。

バガンの道路には、一切交通標識がない。制限速度が何キロかも分からない。


人は親切。日本のトラックやタクシーみたいに、クラクションをパンパン鳴らす人はいない

ミャンマーのガイドブックは、「はじめてのミャンマー」がオススメ。最後にリンク置きます。ヤンゴンとバガンの情報に絞られていて、非常に効率がいい。「地球の歩き方」は、行かない街の情報が多すぎて、一冊のうちの70%以上が無駄になる。私たちは、「はじめてのミャンマー」を自炊してiPhoneで見てました。Kindle版があれば完璧なんだけどね。


ミャンマー女子が、みんな顔に塗ってる「タナカ(Thanaka)」はやはり不思議。違和感しかない。この習慣はいつまで残るかな? 日本だと、お歯黒みたいなもん?

ミャンマーは、意外に英語が通じる。お土産屋とかレストラン、ホテルのフロント嬢など、けっこうキレイな発音で英語を話すんですよ。

【マインドフルネス】
バガンにいたときに、朝4時からお経の大音声に叩き起こされる日々を過ごしたのだが、そもそもミャンマーの人は朝4時には起床するそうだ。そして、毎日朝ごはんを作って仏壇に供えるという。


お経を聞きながら働くのが幸せで、ドライバーの人は、車の中でもお経のオーディオを流しているんだって。夜は10時ぐらいに寝る生活が一般的。

ミャンマーの仏教は、「上座部仏教」。タイやスリランカ、カンボジアなどと同じ。日本やチベットの仏教は「大乗仏教」で、教義が違う。


ミャンマーの親は、子どもには僧侶になってほしいと願っている。医者でも弁護士でもなくて、一番なって欲しい職業が、僧侶。

ミャンマーでは、学校でのイジメはめったにない。しかし最近、韓流ドラマが流行って、服装が乱れてきた。だから、大学は風紀を正す方向にある。スカートNG、スラックスNG、ロンジーのみOK。

瞑想する人は多い。若い人は、半分くらいが毎日瞑想するそうだ。だから、みんな怒らないのかも。各地にある瞑想センターは、基本、2食付きで宿泊無料だそうです。

ミャンマーの人は、毎朝、家を出る前に五戒を守ることを誓うんだとか。不殺生戒(生き物を故意に殺してはならない)。不偸盗戒(他人のものを故意に盗んではいけない)。不邪婬戒(不道徳な性行為を行ってはならない)。不妄語戒(嘘をついてはいけない)。不飲酒戒(酒などを飲んではいけない)。


朝は托鉢僧の行進を見かけることがある。いきなり家に托鉢がやってきてもいいように、ミャンマーの人は朝からしっかり朝食を作る。また、托鉢が家に来るのはとてもありがたいことなので、「家に托鉢に来て下さい」と頼む人も多い。

「国民総幸福量(Gross National Happiness)」で有名なブータンでは、家庭内でDVが多く、離婚も多いという話を聞いたことがある。両方の国を訪れて思うのは、ブータンよりも、ミャンマーの方が遙かに人々が幸福そうに見えるということ。ミャンマーは、離婚も少ないんだって。

2019年1月24日木曜日

ゴールデンロック参拝者をピストン輸送する、日本のトラックたち

24時間眠らない町バガンから、ヤンゴンに帰ってきました。ミャンマー旅行の最終日は、早朝からゴールデンロック参拝に出発し、夕方、ホテルではなくヤンゴン空港へ帰還します。その後、22時10分のANA便で東京へと帰国する旅程。


これがゴールデンロックです。絶妙のバランスで崖の上に乗っかっています。

そして、ここまでたどり着く道のりがちょっとしたアトラクションで、まったくの想定外だった……。

朝7時、専用車(東京からヤンゴン到着時に出迎えてくれたクラウンと再会)がホテルにお迎えにきました。今日のガイドはティンティンさんという女性です。

ヤンゴンから北東へ伸びる高速道路を2時間半ほど走り、10時45分にチャイトーという町に到着します。ここが、ゴールデンロック参拝の拠点なのです。

クラウンを降りて、次に我々が乗り込んだのは。トントントントン……。


日野の2トン!

正確には、2トン車ではなくて4トン車です。ダンプカーです。

バスターミナルならぬダンプターミナルに、20〜30台ぐらいのトラックが溜まっています。


これ、普通バスで行くところだよね。何でトラックなの?

トラックの荷台には、40席ほどのシートが設置されており、高さ1.5メートルほどのタラップみたいな乗り場から、客が次々に乗り込んでいきます。

一列にピッタリ6人が座らされ、7列で42人、つまり定員いっぱいまで客が乗車するのを待って、トラックはビュビューンと音を立てて発車します。


さて、何でトラックなのか?

実は、ゴールデンロックは標高1100メートルの山頂にたたずんでいます。その山頂へと至る道路は、もの凄い急勾配の坂道なんです。バスよりもパワーのデカいトラックじゃないと、大勢の参拝客を一度には運べない。

日光のいろは坂よりも、勾配がきつい感じの曲がりくねった狭い山道を、4トントラックがビュンビュンにブッ飛ばして駆け上がっていきます。

何なんだこれ。公共の乗り物で、こんな凄いのがあるなんて。

「プシューッ、プシューッ」という排気ブレーキの音が、荷台に乗った人々の緊迫感を煽ります。

しばらく走ると、トラックが右側に寄って一旦停車しました。何なに?


道幅が狭いので、降りてくるトラックに道をゆずるために、こうして何台かまとまって停車するのです。

これは「山岳路上コースターライド」って感じの乗り物だな。帰りは下り坂なので、相当楽しそうです。コワイけど。

ミャンマーのトラック野郎、熱いです。運転もかなり上手い。

もちろん、すべてのトラックは日本車の中古車です。日野、三菱ふそう、日産UD……メーカーの人がミャンマーに来て、この光景を見たら興奮するでしょうねえ。

およそ30分ほどで、我々の乗ったダンプは五合目ぐらいの広場に到着。


ここからは、ロープウェイに乗り換えて山頂を目指します。しかし、ロープウェイは別料金なので、そのままトラックで山頂まで行く人の方が多い。

このロープウェイは2017年にできたもので、ミャンマーで唯一のロープウェイなんだと。


ゴールデンロックが遠くに(写真の左下あたり)見えますが、だいぶ小さい。

10分たらずで山頂駅に到着です。ここから、ロックまで徒歩15分ぐらいの道のり。


ゲートの手前、階段の下で靴を脱いで、ここからは裸足で歩きます。

ゴールデンロックはただの観光地ではなくて、りっぱな聖地です。従って、集まっているのは参拝客。

参拝客たちは、敷物を引いて、寝床を作って、泊まりがけで参拝するんだそうです。


一大キャンプ場ですね。食べ物屋もたくさん出店してます。

そして、いよいよゴールデンロックに突撃!


岩の周囲には参道がぐるりと回っているので、360度いろんな角度から参拝可能です。


ただし、岩に触れることができるのは男子のみ。手でペタペタ触っているのは、岩を押しているのではなく、金箔を貼っている。

とにかく皆、熱心にお参りしています。

岩から足下を覗くと、雄大なパノラマが広がっていて、かなり高いところに来たんだなと。


ゴールデンロックが立っている周辺は、風の抜ける実に気持ちのよい場所で、何時間でも過ごせそう。泊まりがけで来る気持ちも分かる。

今はトラックとロープウェイのおかげで、ふもとからおよそ1時間ぐらいで山頂まで来ることができますが、昔は歩いて7時間かけてお参りしたんだそうです。


我々は1時間ほど滞在して、帰路につきました。

帰りはロープウェイに乗らず、トラックのみでビャビャーンと降りました。予想通り、帰りの方がスペクタクル。ずーっと下り坂なワケで。


このトラックによるピストン輸送は、25年前から始まったそうですが、トラックは全部で200台ぐらいあるそうです。かなりの急勾配を上り下りしますが、これまで事故は一度もないんだって。ガイドのティンティンさんによると、事故がないのは「お釈迦様のご加護」なんだそう。

ゴールデンロックそのものも、お釈迦様の髪の毛のおかげで転ばずに立っていられるという伝説ですし、ケタ外れにホーリーな場所なんでしょう。

山を下り、クラウンに乗って、夕陽を見ながらヤンゴン空港へと向かいます。


楽しかったミャンマーともいよいよお別れです。

ヤンゴン市街に差しかかった時、ガイドのティンティンが「右側に見えるのが、ヤンゴンの瞑想センターです」と教えてくれました。

メディテーショニストの私としては、興味津々でしかありません。

「へえ! 瞑想センターってどんなところ?」

「瞑想のやり方を教えてくれるところです。ミャンマーの人は若い頃に、みんな一度は瞑想センターに入ります」


「ティンティンさんも瞑想センターに行きましたか?」

「私は昔、3日間だけ行きました。瞑想をすると、いろんな欲から解放されます」

最終日、これから飛行機乗って帰るってタイミングで、一番重要な情報に接しました。

というのも、今回の旅行の結果、私がミャンマーという国をひと言で表現するなら「マインドフルネス国家、ミャンマー」だなって思ったから。人々の慈愛に満ちた表情が、とても印象に残るんです。

瞑想センターは、宿泊費も食費も無料で滞在できるんだそうです。外国人もたくさん訪れるんだとか。

ググってみると、瞑想センターに滞在した人たちの体験記が山のようにでてきます。


「マインドフルネス国家」の裏が取れたよ。そういうことか。

ティンティンさんが「いまは、モン州にある瞑想センターが一番人気ですね」と教えてくれました。

また、ミャンマーを訪れる理由ができました。瞑想センターについて、ちゃんと調べなきゃ。

2019年1月23日水曜日

バガンに行ったら、Eバイクに乗ろう!

ミャンマーにおける最重要観光スポット、バガンで我々を待っていたのは、ワールドミュージックお経地獄だったという件は、前のエントリで書いたとおりです。

夜通し大音声で鳴り響くお経。やっと眠りに就いたと思いきや、朝4時キッカリに始まる大音声。

まったく想定していなかったことに、バガンは「24時間眠らない町」でした。……ここは新宿かよ。


もちろん、バガンの寺院群はハンパない。1日目は、ガイドとドライバーに案内されるがまま、バガンに点在する仏跡を次々に巡りました。

黄金色に輝く「シュエジーゴンパゴダ」。


「アーナンダ寺院」の東西南北に配置された仏像、「過去四仏」。


フェードアウトしていい感じを醸し出す「タビニュ寺院」。


ガイドブックでお馴染みの寺院が次々に現れます。ミャンマー人の観光地としても断トツの人気を誇るのがバガン。

バガンは10世紀から13世紀にかけて、現在のミャンマー国土のほぼ全域にわたって統治を行った、ミャンマー初の統一王朝です。現代に続くミャンマー文化の礎を作った都市として、ミャンマー人の心のふるさとと言っても過言ではないでしょう。日本人にとっての京都・奈良ですね。

しかし、何カ所も連続でお寺を連れ回されると、記憶が混ざる。もっとはっきり言うと、飽きる。


なのでバガンにおける2日目は、終日フリータイムということもあり、朝から自力でブラブラ観光することにしました。

しかしバガンをブラブラするにあたって、徒歩という選択肢はほぼないでしょう。観光スポット間の距離はそれなりにあるし、未舗装の道路は、そもそも道なのかどうかも分からない。つまり、歩きたいと思わない。乗り合いバスみたいなのも走ってますが、乗りこなせるイメージがわきません。


自転車ってチョイスもありますが、道路が砂状なので、恐ろしく足が疲れるのは容易に想像できます。

色々思案した結果、こいつを利用することにしました。


「Eバイク」です。

このEバイク、中国の「緑佳」というメーカーの電動スクーターなんですが、まあ日本なら原チャリ相当ですね。初めて乗ります。

1日借りて8000チャット(約560円)。驚いたことに、借りる際に免許証もパスポートも何も要りません。そのかわり、キャッシュで全額前払い。


キーをひねってスイッチON状態にしておけば、右スロットルを回すだけで走れます。楽チン! ただし、バイクから降りた状態でスロットルを回さないように気をつける。アイドリング状態が無音なので、本当に動くのか不安でついついスロットル回しちゃうんですね。

このバイク、ヘルメットも不要です。西洋人がよく使ってて、2人乗りしてる人たちもけっこういます。

さあ、自由に動ける足が手に入りました。特に目的地は定めずに、ニューバガンの方を目指して走ります。


こんな、修復中のパゴダが見えてきました。早速突入してみましょう。

廃墟っぽい寺院ですが、修復しているということは、現役なのでしょうか。


現地のティーンエイジャーと思しき女子3人が、セルフィー撮りっこして遊んでました。ラブリー。


寺院の後は、オールドバガンに突入し、ヘアサロンとか、駄菓子屋とか、学校とか見学しながら気ままに走ります。


ランチは、川辺にあるレストランで。


カルボナーラのような焼きそばを食べて、さらにEバイクを走らせます。

オールドバガンに戻り、ロケハンがてら、夕食を食べる予定のイタリアンレストランに行ってみると、天日に干してドライトマトを作っていました。


ニューバガンからオールドバガンまで爆走し、夕方にバイクを返却。

さっきのイタリアンレストランには、トゥクトゥクを使って食事にいきました。


この「シャーキーズ」というイタリアンは、ヤンゴンに本店があるレストランで、バガンにしてはかなりオシャレ。お店の裏手にある畑で作ったオーガニック野菜なんかも料理に使われているようです。

美味しいイタリアンを堪能し、ほろ酔い加減で帰還。肉体も脳もMAX稼働したおかげで、今日は熟睡できそうね。


明日の夕方は、ヤンゴンへ戻ります。 

2019年1月21日月曜日

年末にバガンを訪れる方への最重要申し送り事項

2018年の年末。12月22日からミャンマーに滞在していますが、ここまですでに3泊。4泊目はバガンのホテル・アット・タラバーゲートに宿泊します。


平屋のヴィラタイプの部屋はなかなかシャレオツで、リゾート気分満点。

夜になると、通路の両サイドに吊られた照明が点灯し、ロマンチックな雰囲気を醸し出しています。



しかしその夜は、ロマンチックどころか、悪夢としか言いようのない出来事が私たちを待っていたのです。

日没後にチェックインし、プールサイドの屋外レストランで夕食を堪能した我々が部屋に帰ると、ドアの下にこんな紙切れが挿入されていました。


親愛なるゲストへ 2018年12月25日/26日
地元の寺院のお祭があるため、一晩中、音楽や歌が聞こえてくるでしょう。当ホテルとしても、この伝統的なお祭を尊重しなくてはならず、音楽や歌を止めることはできません。必要な方には耳栓を用意しますので遠慮なくどうぞ。

プールサイドのレストランにいるときから、「音楽がちょっとうるさいね。お経なのかね」って話はしてたんです。てっきり、ホテルの敷地内で流れている音楽だと思ってた。

「クリスマスだからかな? いや、仏教にクリスマスは関係ないしな」なんて話しながら部屋に戻りました。

しかし、部屋に戻っても部屋の外から窓ガラス越し聞こえてくる。お経みたいなワールドミュージックみたいな調べが。けっこうなボリュームで。

「マジか……。これが一晩中続くのか……」


まあそれでも、旅の疲れとワインのおかげで、その夜はなんとか眠れました。お祭は夜通しって書いてありましたが、音楽が中断する時間が何回かあって、運良くその時間帯にノンレム睡眠にたどり着けたということですね。

翌朝……。

4時に目が覚めました。ええ。お経風ワールドミュージックの大合唱に起こされた。4時はもちろん、まだ日の出前です。


まあでも、「5時間ぐらい寝たからよしとするか」って感じで、当日は朝から夕方まで元気にバガン観光をこなしました。紙切れには「12月25/26日」って書いてあったから、今晩は静かに眠れるよねって話しながら、部屋に戻った次第。

ところが、ところが……。

夕方ホテルの部屋に戻ってみると、新たな紙切れがドアの下に挿入されているではありませんか!


12月26/27/28/29/30日 ←毎日じゃん!
近所の修道寺院が、寄進者に感謝するためのお祭を行います。地元の音楽とお経が朗読されます。地元の古くからの習慣を当ホテルは妨害することはできません。ご理解をお願いします。

オーノー!


ワールドミュージック風のお経は、夜通し詠唱されました。

不幸中の幸いというか、次の日の朝はホテル近所のお寺の境内に上って、日の出の朝日を浴びながら上る熱気球を撮影しに行こうと思っていたので、まあ早起きできて良かったんです。結果オーライ。が、それにしても、朝きっかり4時から詠唱が始まるんですよ。

朝5時ぐらいに日の出ポイントに行ってみると、そこは、まさにワールドミュージックの詠唱が行われている寺院でした。


檀家さん(?)が集まって、熱心に礼拝しています。

スピーカーからワールドミュージックお経が鳴り響いています。

こりゃたまらん。


日の出をバックに上る気球は、なかなか素敵だった。

しかし、この大音声はなんとかして欲しい。

ホテルに帰ってからググってみると、何年か前に「頭にきたオランダ人が、寺に押しかけてスピーカーの電源をブッコ抜いて、地元警察に拘留された」という記事が出てきました。

気持ちは分かる。しかし、電源ブッコ抜いたらアカン。このオランダ人は地元の敬虔な住民の怒りを買って、問答無用で警察に突き出されたということです。


後で我らがガイドのソウさんに聞いてみると、このエリア(タラバーゲートの中)は、毎年この年末の時期に、この夜通しの祭典を行うんだそうです。

我々は、このホテルに3泊します。そして、すでに2泊をクリアしました。

あと1泊をクリアすれば、このワールドミュージックお経地獄から脱出できます。

今日は、夜の安眠のためにできるだけ肉体と脳を疲労させるしかない。何かいい方法はないか?

そうだ、アレにチャレンジしよう。

……以下次号。


<本エントリにおける最重要申し送り事項>
年末にバガンに宿泊する方は、タラバーゲートの近くにあるホテルは避けた方がいいです。ワールドミュージックお経に一晩中悩まされることになりますので。このエリアには、我々の泊まったホテル・アット・タラバーゲート含め、5軒ほどホテルがあるそうなので、しっかり確認してください。

<追記>
ググってみると、旅行記やニュースなどで、バガン以外の、また年末以外の、同様の事例が多数紹介されています。ミャンマーへお出かけの皆さまの幸運を祈ります。