2025年8月29日金曜日

テスラの自動車保険を、SBIから切り替えることにした件

「テスラは自動車保険が高い」という風評がありますが、これは、個人的な経験値からも「ほぼその通り」と言って差し支えないでしょう。とくに最近「テスラに関しては車両保険は加入NGよ」という会社が多く、色んなテスラーさんがどこの保険に入ろうかと悩んでいるみたいです。


私自身の場合も、モデル3を5年ほど乗っていますが、直近まで加入していたSBI損保が、2026年1月からテスラは車両保険NGという方針を打ち出したので、2025年8月の満期を持って他社に乗り換えることにしました。

SBIから退出する理由は、車両保険テスラNG問題の他にもう一つあって、こっちの方が実はヘビーなんです。というのも、2025年の1月に起こした衝突事故(こちらが100%悪い)の処理で、相手の方との示談交渉をお願いしていた件で酷い目に遭ったと。

ちなみに、事故そのものは極めて軽微で、駐車場でバンパー同士が軽くぶつかったというもの。当方の車は修理する必要ナシ、先方の車もバンパーにちょっと擦り傷というレベル。

最寄りの警察に届け、SBIの事故受付窓口に電話し、処理を対応してもらうことになりました。SBIからは何度かの経過報告を受け、3〜4カ月ほど経過したところで、以下のやりとりに。やりとりは、最初だけ電話。その後は基本的にメールです。

SBI「当社の修理費用の見積が、先方の見積と折り合わず、示談がなかなか成立できません」
私「了解です。今回、保険を使わずに現金で支払う対応も検討しておきます」
数週間経過
SBI「先方が、今回修理を行わないから、現金で支払って欲しいと希望しています」
私「了解です。現金で支払うので、金額を教えてください」

こんなやりとりの後、先方(事故の被害者)の弁護士が私に対して訴訟を起こし、裁判所から私の自宅に訴状が送られてきたのです。訴状には「速やかに修理代金を払え」と書いてあります。


繰り返しますが、事故とは言ってもかなり軽微なかすり傷で、修理代は十数万円相当です。しかもこちらは「支払います」って言ってるのに、訴訟を起こされた。訴訟を起こされたのは人生で初めてで、大変驚きました。

すぐに弁護士の友人に連絡し、先方の弁護士とのコミュニケーションの結果、速やかに修理代を振り込んで決着しました。裁判所には出頭せずに済んだのですが、弁護士の友人によると、この案件には別の側面もありました。SBIの対応が全面的に酷いということでもなくて、むしろ、日本の法曹会の闇というか実体を垣間見るような話です。

交通事故の示談に便乗して、被害者側の弁護士が訴訟を起こす。これで数万円の手間賃をゲット。
相手を裁判所から出頭命令が来る。口頭弁論など裁判所でのイベントに出席することで、日当をゲット。

事故はともかく、その後始末の過程で私は何も悪いことをしていないので、こちらには裁判所に行く理由がありません。なのに、相手方の弁護士が勝手に自分たちの仕事をこしらえている……。

仕事がなくて食い詰めた弁護士は、こういうセコい作業を行って、日銭を稼いでいるんだそうです。日本では弁護士が余っているからね。


今回、私の事故は、弁護士の小銭稼ぎの道具として使われたと理解しました。皆さんも気をつけてください。今回、事故の相手が外国籍の方だったので、便乗の商談が進めやすかったのかも知れません。

それにしても、SBIもなかなかの塩対応でした。事故が2025年の1月で、訴状が来たのが7月のこと。半年もかかったあげく、訴状ですからね。あげくの果てに、「現金で処理するから保険使わない」って散々言っているのに、「更新のお知らせ」がハガキで届いて、等級が下がっているという……。顧客とのコミュニケーションがあまりに緩く、しかも不誠実だと感じました。

そんなこともあったので、SBIからは何の躊躇もなく退出です。「ネット保険って、事故処理が全然ダメだね」って評判には、頷くしかありません。

まあ、SBIに関して言えば、個人的にSBI証券も長く使っているし、住信SBIネット銀行も愛用しているし、金融プラットフォームとしてはコスパに優れた素晴らしいサービスを提供していると思います。しかし、損保サービスとなると、事故処理みたいなセンシティブな用件が出てきちゃう。加害者&被害者&修理工場なんかと色んな交渉をしなくちゃならない。そんな、人的な手間のかかるサービスは不得意なのかなと思った次第。

では、SBI抜けて、次はどこの保険に加入するか?

以下次号。

2025年7月30日水曜日

サイバートラック体験@テキサスに関する覚え書き

テキサスにおけるサイバートラック体験 PART1を書いてから、あっという間に1カ月以上が経ってしまいました。もう半年以上前の出来事ですが、PART2 を覚え書き形式で残し、このトピックを終了したいと思います。


今回、TOCJ(テスラオーナーズクラブジャパン)のツアーでは、大まかに4つのミッションをこなしました。

「ギガテキサス訪問」「サイバートラック試乗」「FSD(自動運転)体験」「スペースX訪問」の4つです。


ギガテキサス訪問
これはちょっと残念でした。ギガテキサスは、モデルYとサイバートラックの製造を行う工場ですが、モデルYがちょうどモデルチェンジを控えていたせいか、製造ラインがほとんど稼働していなかった。また、サイバートラックも、おそらく供給過剰状態だった模様で、ラインが閑散としていました。工場の案内は、ツアーガイドのお姉さんがプロフェッショナルに行ってくれましたが、働いている人間は少ないし、お土産屋もないし、カフェもないしで、小一時間ほど工場内をブラブラして終了。

サイバートラック試乗&FSD(自動運転)体験
サイバートラック体験は有意義でした。FSDも衝撃的。日本では、まだ公道を走行できないサイバートラック。その巨大なボディは威圧感抜群です。


幅が2.2メートルとデカいので(モデル3は1.85メートル)、最初、運転はかなり緊張しましたが、FSDをオンにしてしまえば、あっと驚くスムーズなドライビングに移行できます。FSD、ホント凄い。私たちが乗った時のバージョンは、FSD13.2.2 ですが、2025年7月現在は13.2.9 まで進化している模様です。

3モーターの「サイバービースト」ではなく、2モーターのサイバートラックだったせいか、加速はマイルド。そして、四輪操舵のステアバイワイヤーが装備されているので、取り回しが意外に楽という特徴もありました。


今回、サイバートラック以外にも、モデル3やモデルYでFSDを経験しましたが、オースティンからボカチカ(スターベース)まで500キロ以上のドライブを、ほぼ車が自動で行ってくれるという驚きの体験ができました。「自動運転、ほぼ完成してるじゃん!」というのが、TOCJメンバーみんなの共通の感想です。


何百キロと走っても、FSDならあんまり疲労を感じません。でも、ステアリングを持たなくていいので、手持ち無沙汰になるんです。居眠りしないようにするのも大変。スマホチェックなどして視線が外れると、車に注意されます。

スペースX訪問
FSDで500キロ以上走ってたどり着いたのは、テキサス南部のメキシコ湾に面したボカチカ。スペースXのロケット打ち上げ基地がある町です。


途中、イーロン・マスクの銅像(素材は銅じゃないけど)があったり、検問所があったりと、特別なエリアに向かっている感覚はありつつも、金網やフェンスなど、視界を妨げたり通路をブロックするような障害物はありません。


海岸まで出て、砂浜を500メートルぐらい走ると、こんな光景が広がっています。「ロケット発射台って、こんなにあっさりリーチできちゃうものなの」って驚きはありました。


いつか、スターシップの打ち上げは見てみたい。全長120メートルのロケットのうち、1段目(上段)が50メートル、ブースターが70メートル。それが発射後に打ち上げ台まで戻って来るって凄すぎます。今回は、いつか見る打ち上げのための、格好のロケハンとなりました。

トレーラーハウスを引っ張って、ボカチカに打ち上げを見に行く人にも遭遇しました。ロケット打ち上げって、天候やら技術的な問題で遅延することが多いんですよね。スターシップ#7の場合も、当初2025年1月10日に実施するとイーロン・マスクが発表しましたが、その後1月13日となり、15日に変わり、最終的には16日に打上が行われました。MAX1週間ぐらいの滞在を予定しておいた方が良さそう。


「ギガテキサス訪問」「サイバートラック試乗」「FSD(自動運転)体験」「スペースX訪問」の4つのミッションに加え、ボーリングカンパニーのHQなどがある「ハイパーループプラザ」も訪れることができました。


イーロン・マスク信者にとっては、鼻血が出そうなほどの興奮が連日のように続く、盛りだくさんな聖地巡礼の旅。

SXSWじゃない時期だったので、滞在費も恐ろしくリーズナブルに感じたオースティンの日々。

やっぱアメリカには年に1回、できれば2〜3回訪れて、自動運転とかロケット打ち上げなどの、イーロン・マスクの仕事を確認するって旅が必要だなあと痛感しました。今やオースティンの街にはロボタクシーが走ってますからね。

これよりも詳しいレポートは、EVcafeにアップしてありますので、ご興味のある方は是非こちらもご覧ください。

▼テキサスで大興奮!「ギガテキサス」「サイバートラック」「FSD」「スペースX」体験レポート1〜6

2025年6月16日月曜日

テキサスでサイバートラック初体験。FSD(自動運転)も! PART1

ちょっと時間が経ってしまいましたが、2025年の1月は、ラスベガスでのCES(1月8日〜10日で参加)のあと、テキサス州オースティンで10日間ほど過ごしました。1月17日に、テスラのHQおよび工場がある「ギガテキサス」を見学することになっていたからです。テスラオーナーズクラブジャパン(TOCJ)から10名が参加する視察ツアーの抽選に当選したので、ラスベガスから一足先にオースティンに移動し、日本から来る9名のメンバーと1月16日に合流する旅程。

オースティンは、毎年3月に行われるテックと映画と音楽の祭典サウス・バイ・サウスウェスト(SXSW)で有名な町です。SXSWは私も何度か訪れているのですが、ここ最近、期間中のホテル代があまりに高いことにうんざりしていました。しかし今回、SXSWと関係ない時期のオースティン滞在だったので、宿泊費がだいぶ安くて驚きました。


安いと言っても、ホリデイインクラスで1泊100〜200ドルぐらいはします。しかし、SXSW期間はこれが500〜1000ドルぐらいになるのです。カンヌ映画祭みたいな料金設定。円安のせいもありますが、最近、この手のダイナミックプライス(=ぼったくりプライス)には、ちょっとウンザリしています。

今回、1月11日から16日までの5泊6日は、ダウンタウンからやや離れた「ザ・ドメイン」という地区に投宿しました。特に予定もイベントもないので、コンドミニアムに籠もってリモートワークです。

夕方、町を散策していると、思いがけずテスラのショップがありました。今回はテスラの工場見学でオースティンに来ているので、ちょうどいいリハーサルになります。


トランプ政権に、イーロン・マスクが加担してからというもの、世界中でアンチ・テスラのムーブメントが巻き起こりましたが、この時はまだ第2次トランプ政権誕生前です。極めて平穏でフレンドリーなテスラショップでした。


カウボーイハットをかぶったオプティマス(かなり初期のモデル)が立ってます。テキサスですねえ。

サイバートラックも展示されています。さっそく乗ってみましょう。この車に乗り込むのは初めてです。デカいっす。


このステアリングの形状がユニークです。真ん中にはサイバートラックのマークもエンボスになってますね。タッチパネルもデカい。18.5インチだから、MacBook Proよりデカいです。ちなみに、私が日本で乗っているテスラモデル3のタッチパネルは15.4インチ。


日本でもサイバートラックの展示車は見ることができますが、乗り込んで座ることはできません。


テスラショップを後にしましたが、街中でもサイバートラックをちらほら見かけます。ダウンタウンではほとんど見かけることはなかったのですが、ドメイン地区は富裕層が多い=サイバートラックが多いってことなんでしょうか。

ドメイン地区は、お洒落エリアです。街路樹がライトアップされていて、ハイブランドのお店が並びます。


レストランもけっこう小洒落てます。ダウンタウンとは全然雰囲気が違う。何度もオースティンに来ていますが、「何だこのお洒落エリア!」って驚きが止まりません。ダウンタウンのロックンロールな雰囲気も楽しいのですが、ザ・ドメインは大人の街って感じ。東京なら、ダウンタウンが新宿区で、ドメインは港区や渋谷区って感じです。

オースティン、奥が深いよ。これまで全然知らなかった一面が見られて楽しいです。そして明日は、いよいよ、サイバートラックを運転します。

2025年5月15日木曜日

沼津の遊覧船は例のえびせん案件、熱海の干物が美味すぎる

 ゴールデンウィークの合間の平日、伊豆〜熱海に1泊旅行しました。昨年も熱海に1泊しており、この時は館山港からジェット船で行ったのですが、今年は東京から車(テスラ モデル3)で向かいます。

午前中に出発し、デカい富士山を真正面に見ながらドライブ。房総から見える富士山とは迫力が全然違います。

ランチは沼津港で海鮮丼。「壱鉄」から「五鉄」までありますが、迷わず五鉄行っちゃいましょう! とても豪華で美味。途中から出し茶漬けにして食べる系ですね。


食事を済ませ、沼津港で遊覧船に乗ります。日中は1時間に1本出ています。駿河湾内を30分ほど周遊するカジュアルな船です。


乗船口でかっぱえびせんが売られていたので、ああ「そっち系ね」と理解しました。「体験型エンターテインメント」って表現でも間違いじゃありません。


展望台のついた水門をくぐったあたりから、カモメがワラワラ群がって来ます。えびせんタイムの始まりです。


右手に聳える富士山が凛々しい姿を見せていますが、誰も富士山なんか見ちゃいない。


乗客は、船尾に集まって、群がる鳥に向かってえびせんを投げる、投げる。


カモメに投げる分には特にリスクはないのですが、時々トンビが電光石火の急襲で乗客のえびせんを強奪します。これ、指先から流血の惨事になることも。

こうした、カモメにえびせんを与えて観客が楽しむ遊覧船は日本各地に存在しますが、カモメたちはこんなケミカルなエサを食べて、健康被害にはならないんでしょうか? 何とも不思議な気分になります。

およそ30分のクルーズを終え、三島スカイウォークへ。ここも賑わってます。めちゃめちゃ人が多い。伊豆は観光地が色々あっていいなあ。


宿泊は「寛一お宮の像」のお向かいにある「熱海パールスターホテル」。おそらく、全室がオーシャンビューで、なおかつ寛一お宮ビューだと思われます。夜には、部屋からライトアップされた像が見えます。


ディナーは丘の上の古民家イタリアン、アロマフレスカ。2年連続2度目の訪問です。ここのイタリアンは全室個室。しかも、温泉つきの部屋があって、帰りしなにお風呂も見せてもらいました。エラい立派な風呂です。これ、イタ飯屋の風呂なんですけどね。


食事を終えてホテルに帰り、部屋で一杯飲もうってなって、フロントに「氷をください」と電話したら、「かしこまりました。配達ロボがお届けします」って回答が。


5分もかからずに、こんなヤツが部屋までやってきましたよ! 「1Fからエレベーターに乗り、上階の我々の部屋まで到達」 → 「電話で到着を通知」 → 「氷を取ったあとはエレベーターに帰還」 → 「1Fフロントに戻って充電」以上を自動で行っていました。なかなか凄い。こりゃFSDだわ。

翌朝、テスラを充電するために「熱海網代スーパーチャージャー」へ。ここはファミマの駐車場です。


そして、このSCから徒歩2分のところに、伝説の干物屋があるんです。それは「干物屋ふじま」。お店のサイトには「ハイパー干物クリエイターが作る絶品の干物を、熱海市網代から全国の食卓にお届け」との惹句。ハイパー干物クリエイターって、なんかうさん臭い!


でも、お店のサイトからの注文は1年半待ちなんだと。でも、電話すれば、当日残っている分を売ってくれることもあると。で、早速電話してみます。


無事に電話はつながり、お店の前で店員さんの到着を5分ほど待って、見事に「定番お試しセット」をゲット!

この干物、東京に帰った翌日に食べてみました。同じ日に熱海銀座の「釜鶴ひもの店」で買ったものと食べ比べてみたのですが、全然レベチでした。釜鶴も名店なのですが、明らかにふじまの干物の方が上質です。魚の身も厚く、塩加減も絶妙。


ハイパー干物クリエイター、凄いよ。これはリピート確実ですね。熱海に行く理由がまた1つ増えました。

この日のランチは小田原の貝汁とお刺身。昨日は駿河湾、今日は相模湾でシーフード三昧。なんか、房総の同様のお店とは違うよなあ。魚の種類が違う? 味付けが違う? 客層が違う? 


伊豆はいいですねえ。房総に暮らしていると、その違いが歴然ですわ。こんな感じの1泊2日の熱海旅行、年次のイベントになりそうです。

2025年4月22日火曜日

ジェフ千葉絶好調の2025年J2リーグ、10節が終了して首位堅持。「オシムの壁」を超えてJ1昇格できるのか?

週末(2025年4月20日)は、フクダ電子アリーナに行ってました。ジェフユナイテッド市原・千葉(ジェフ千葉)は1対0で大分トリニータに勝利、今季は10節終了時点で9勝1敗で勝ち点27。2位の大宮とは勝ち点差7の首位と、ここまでは絶好調のシーズンになっています。


Jリーグが発足した1993年以来、ジェフ千葉を応援しています。ジェフ千葉は2009年にJ1で最下位に沈んでJ2に転落して以来、ずっとJ2リーグから抜け出すことができていません。

しかし、2023年の小林慶行監督就任以降、攻撃的かつスピードの速いサッカーがサポーターを魅了し始め、2023年は5位で昇格プレーオフ進出(PO準決勝で敗退)、2024年は7位で昇格プレーオフ一歩手前と、可能性を感じさせるチームになってきています。私も2024年シーズンの後半からシーズンチケット購入を再開。フクダ電子アリーナに毎月1〜2試合観戦に出かける習慣に戻っています。

スタジアムの敷地内には、イビチャ・オシムさんの銅像が立っています(2023年6月建立)。オシムさんは2003年から2006年の途中までジェフ千葉の監督を務めた後、日本代表の監督に就任しました(2022年没)。クラブ史上、もっとも偉大なレジェンドであることは疑いようのない事実です。


オシムさんがジェフ千葉の監督だった時代の獲得タイトルは、ナビスコカップ(現在のルヴァンカップ)での優勝が1回あるのみですが、「考えながら走るサッカー」を選手に求め、「万年降格争いだったチームを優勝候補に変身させた」という評価は定番です。そして何よりも、含蓄にあふれウィットに富んだ「オシム語録」を数多く残したことで人々の記憶に残っています。私も含め、オシム信者は今でも崇拝の気持ちを全然失っていません。

ジェフ千葉は、オシムさんが去った3年ほどあとにJ2に降格し、現在に到ります。「何でジェフ千葉はこれほど長きに渡ってJ2にいるのか?」という質問は私もよく聞かれますが、「オシムさんが偉大すぎたので、それを上回る、あるいはそれに匹敵する指導者が見つけられないから」というのが、答の1つではないかなと思っています。「オシムの壁」が高すぎるんですね。

オシムさんと言えば、最近、反町さんのこんな本を読んでいて、オシムさん関連のエピソードが出色だったので紹介します。


引用してみましょう;
印象に残るのは2005年7月9日の市原臨海競技場で戦った試合(ジェフ市原対アルビレックス新潟)で、エジミウソンのゴールで先制したが追いつかれ、その後勝ち越したもののすぐに巻のゴールで追いつかれ、アディショナルタイムに得点され結局2-3で逆転負けをした試合である。非常に蒸し暑い中で最後まで足が止まらないチームに驚かされたのである。後日、オシムさんに仕えた江尻篤彦コーチに聞いた話だと、オシムさんはこの試合翌日、失点した同じシチュエーションを再現し、それをどうやったら防げたかという練習を30分以上もやったそうだ。試合に勝ってもこうした状況だから、負けた場合はなおさらである。

オシムさんの通訳を務めた千田善さんも言っていた。「オシムさんは『しょうがない』『気持ちを切り替えよう』という言葉が大嫌いだった」と。全力を尽くしたから負けてよしとするのではなく、負けの中身をしっかり精査してそれを次の練習や試合につなげる。そうしないと問題は何一つ改善しない。当時のジェフの内情を知る関係者によると、負け試合の後は1時間くらいの説教を食らうのは当たり前だったらしい。さらに帰りのバスの中でもその負けた試合の映像を流させたという。僕が思うに、勝ちと負けじゃ天と地ほど違うというメッセージをオシムさんは監督として送り続けたのだと思う。(引用終わり)


ジェフ千葉、今シーズンこそ連戦連勝でちょっと調子に乗っていますが、オシム監督時代のハードコアでスパルタな日々に比べたら、まだまだ全然じゃん!って思うのも事実。それにしても、負けた試合の帰りのバスの中でその負けた映像を流すだなんて、ほとんどイジメですよね。でも「勝ちと負けじゃ天と地ほど違う」というのは、今期のジェフ千葉の選手たちがサポーターに対して示してくれている感覚があります。

日本代表時代の、メンバー選考に関する記述も面白い。ああ、そんなこともあったよねって思い出します。

引用します;
オシムさんの船出の試合は2006年8月9日のトリニダード・トバゴとのキリンチャレンジカップ(東京・国立競技場)だった。(中略)オシムさんが8月4日(試合のたった5日前です)に発表したメンバーはGK川口能活、山岸範宏、DF三都主アレサンドロ、坪井慶介、駒野友一、MF田中隼磨、小林大悟、今野泰幸、長谷部誠、FW我那覇和樹、佐藤寿人、田中達也という13人だけだった。同時期に開催されるA3選手権や海外遠征のために千葉、G大阪、鹿島の選手を招集できなかったという事情はあるにせよ、かなり異例の事態だった。

オシムさんが「直前までJリーグを見ないで、その前の段階で選手を選出するのはおかしい」と主張したからだった。直近の試合でケガをするかもしれないし、調子が変になっているかもしれないと。しかし、チームの総務担当からすると試合はお盆の時期だし、チケットの手配も大変だから可能な限り早めにメンバーを決めてもらって、もろもろの手配がしたい。「そんなギリギリまで発表を遅らせたら選手は定められた日に全員集合できないですよ」「新幹線だって乗れないです」と訴える。そんな反論にあのお父さんはなんと言ったか。今も忘れられない。「夜中に、車で移動すればいいだろう。マネジャーが運転すれば、本人は寝て移動できるだろう。ユーゴスラビアで代表選手を集めた時は、昼間は戦争をしていて、夜に停戦して戦車が止まっている間に選手は自分で車を運転してきたんだよ」。その場がシーンとなった。平和ボケの日本との落差というか。私も同僚だった大熊清コーチも「分かりました」と答えるしかなかった。(引用終わり)

ユーゴスラビアでサッカーやるのって、真に命がけなんですね。だから、勝負とか試合とかにかける意気込みが全然違う。敵にやられて「しょうがない」と片づけたり、「気持ちを切り替える」だなんてもっての他。つまり、生きるか死ぬかの価値観でサッカーやってるんだな。

現在のジェフ千葉の小林監督は、オシムさんほどのカリスマはまとっていませんが、久々に現れた、選手にもサポーターにもリスペクトされている監督だと感じます。この監督の下、見事J1に昇格できた暁には、ようやく「オシムの壁」を乗り越えられたと言えるでしょう。オシムさんがジェフの監督を退任してからぼちぼち20年。そろそろあの時代のことを昔話として片づけるようにしないとね。

16年ぶりのJ1復帰、果たして達成できるのか? 久しぶりにサッカー観戦が楽しいと感じる2025年シーズンですが、まだまだあと28試合も残っています。この調子でフィニッシュまで行って欲しいものですが、果たしてどうなるか。毎試合、ドキドキですね。

ところでこの日、オシムチルドレンの中でも、とりわけオシムさんのお気に入りだった水野晃樹が試合前のイベントに登場して、ジェフ千葉時代の思い出を語っていました。


懐かしいですね。水野晃樹は「いわてグルージャ盛岡」のGMに就任したそうです。第2の人生で、活躍して欲しいですね。

先ほど紹介した反町康治「サッカーを語ろう」は、もともとJFAのWebサイトの連載です。オシムさんに関するページがまだ生きていたので、リンク残しておきます。

オシムさんのこと① ~技術委員長 反町康治「サッカーを語ろう」第21回~

オシムさんのこと② ~技術委員長 反町康治「サッカーを語ろう」第22回~



2025年4月8日火曜日

東京→房総ドライブに関する重大なアップデート。KK線廃止、アクアライン値上げ

 気候の綾ですかね。満開になった桜がなかなか散らず、しぶとく残っていますよね。先週末は、けやき坂とか江戸川公園とか、大変賑わっていました。週末は千葉県の内房で過ごすことが日常になってきているのですが、この週末は東京で花見を楽しんでいました。


さて、2025年4月5日(土)、そんな東京→房総への車での移動に関して、重大なアップデートがありました。しかも2件です。

  1. 首都高のKK線廃止。八重洲線は10年間の通行止め
個人的に、これは痛恨事です。だって、いつも使っている道路が通れなくなるわけで。

いつも西神田から首都高に乗って、神田橋の先で八重洲線に入り、KK線を通って湾岸線、アクアラインと進むのですが、これからは別ルートになりますね。八重洲線やKK線はいつも空いていて、銀座のど真ん中をスイスイ通過していくのが最高に気持ちよかったんですが、そんな快適ライドも完全に終了です。二度と走ることができません。


将来的に、KK線は歩行者が散歩できる道になるそうです。ニューヨークに、同様の空中散歩道みたいのがありますよね。それをモデルにしたのかな。八重洲線は10年後にどこかに繋がって、また車で走れるようになるのかも知れませんが。


八重洲線の分岐のところは、紅白のバリケードで封鎖されてました。いや〜、ホント残念。毎週走ってたんですよ、この道路。

  1. アクアラインの料金体系見直し。休日は400円、800円、1600円の三段階に
続いては、アクアラインの料金が変わった件。2年ほど前から、アクアラインは上り線(木更津→川崎方面)の休日の通行料金を、時間帯によって微妙に変化させていました。しかしそれであんまり効果が出なかったということで、今回、ドラスティックに料金を変えてきたというわけです。


デフォ:上下線とも800円
上り線(土日祝) 0時~04時、20時~24時=400円 13時~19時=1600円
下り線(土日祝) 0時~04時=400円 05~07時=1000円
平日は上下線ともに800円

13時から19時の間に木更津(金田)から東京方面に向かう場合は、1600円に値上げです(これまでは1200円だった)。通常が800円なので、2倍ってことですね。


経験上、土日のアクアライン上り線は14時過ぎには確実に渋滞するので、13時ぐらいには金田入口を通過するという習慣にしています。だけど、16時とか17時に金田に入って、渋滞なしで18時ぐらいに東京の自宅に帰れるのなら、料金が高くてもそっちの方が全然いいです。この新しい料金体系で、劇的に渋滞が緩和されると嬉しいのですが、まあしばらく様子見ですね。「多少の緩和」レベルではあんまり意味がないので。

新料金ですが、今回、下り線(川崎→木更津方面)にも手を入れましたね。休日の05時〜07時が1000円と、通常の200円アップとのこと。これはあんまりワークする感じはないですが。あと、0時〜04時が400円ってのは「ヤンキー割」みたいな主旨ですかね? ちょっと下り線の方は意味がよく分かりませんでした。

以上、高速道路に関するけっこう大きな改変が2件重なって、房総方面はちょっとザワザワしそうです。次の週末は、新しいルートと新しい料金の房総ドライブに突撃するつもりです。

2025年3月31日月曜日

お花見もいいけど、ご神木もなかなか味がありますよ

 2025年3月末の週末は、2週連続で房総におりました。花見に行く気満々でしたが、あいにく22日〜23日の週末は桜が間に合わずで、ちょっと趣向を変えて「房総のご神木」を訪ねることにしました。

まず向かったのは、富津市の東大和田「興源寺」の「環の大樟(くすのき)」という巨木です。興源寺は「酒匠(ソムリエ)の館」の看板で有名な小泉酒造の近くにある真言宗のお寺で、その入口の階段あたりにこのご神木が聳えています。


中央部がパックリと穴になっています。富津市のウェブサイトに説明がありました。

主幹はすでに枯死して中心部が大きな空洞となっているが、切り株から伸びた2本の「ひこばえ」が大きく生長し、あたりを覆っている。

樹高は約23m、根回り約20.7mで、千葉県内の樟の中では最大のものである。昭和10年(1935)、県指定天然記念物の第1号として指定された6件のうちの一つである。昭和3年の報告では、その時点ですでに主幹が腐朽して空洞となっていたようである。

「ひこばえ」という言葉は初めて目にしました。樹木の切り株や根元から生えてくる若芽のことだそうです。

次に行きましょう。次は君津市にある「賀恵渕の椎(かえふちのしい)」です。



君津市のWebには「八坂神社境内にあって、樹高20.7m、目通り8.5m、枝張り最大21.0mもある巨木です」とありますが、神社っぽい佇まいはなくて、畑の中に突然現れる感じ。「新日本名木百選」に選ばれ、君津市指定の天然記念物でもあるそうです。

こじんまりした社務所はありましたが、周辺にブランコや滑り台などあって、子どもの遊び場の一部って感じですね。



色んな角度から眺めることができますが、これは確かにデカい木です。地球の歩き方「日本の凄い神木」によれば、「房総ナンバーワンの異相」と紹介されています。樹高19メートルに対して、枝張りが南北に33メートルと書いてあって、君津市の説明とは数値が違っていますね。



長年に渡り、強風から周辺の田畑や集落を守ってきたのでしょう。まさに守護神のようなご神木ですね。

クスノキと、シイのご神木を堪能したあとは久留里まで足を伸ばし、ランチを摂って帰宅。その途中、いつも水(ご神水)を汲む「古船浅間神社(こせせんげんじんじゃ)」に立ち寄ります。


ここに生えている2本の銀杏の木も実に見事。両方とも樹齢は310年以上と推定されており、左の木は高さ約24.5m、幹周り約5.7m。右の木は高さ約24.5メートル、幹周り約3.4mの大木です。

ご神木巡りはここまで。その翌週3月30日には、館山の城山公園に桜を見に行きました。



満開やや手前ですね。7分〜8分ぐらいの仕上がりでしょうか。次の週末あたりがベストかも知れません。



館山城からの帰り、坂道を下っていると、城山公園内にもこんなご神木がありましたよ。何本もの幹が合体していてただならぬ気を感じます。根が異常に太くて長くて不気味な感じもありますね。

次は神奈川県とか静岡県あたりにご神木を訪ねてみたいと思っています。

▼ 日本の凄い神木: 全都道府県250柱のヌシとそれを守る人に会いに行く