2016年5月2日月曜日

分子料理週間。「ノーマ」の映画を見て「セララバアド」へ

先週は、思いがけず「分子料理週間」となりました。

まずは、ドキュメンタリー映画「ノーマ、世界を変える料理」を鑑賞。

デンマークにある、世界ナンバーワンレストランに4度輝いたレストラン、ノーマと、そのオーナーシェフ、レネ・レゼピに密着したドキュメンタリーです。


3年ほど前に、スペインにあったエル・ブリを描いたドキュメンタリー「エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン」という映画がありましたが、あれに比べれば随分地味な印象です。エル・ブリの映画は、いわゆる分子料理の開発過程や派手なプレゼンテーション、最後の営業にセレブがヘリで次々やってくる映像など、結構なシズル感がありました。


ノーマの場合は、実はちょっとコンセプトが違います。北欧(スカンジナビア)の食材を、その旬の時期に具すことを旨とする。だから、まずは食材ありき。シェフのレネ・レゼピは野に山に海に、今が食べごろの食材を求めて駆けずり回る。


アリを使った料理も登場します。ビックリ。これ、みんな食べるんだろうか?

興味深かったのは、レゼピがマケドニアからの移民であること。親の事情でデンマークに移住したのですが、幼少の頃はワイルドなマケドニアの自然の中で育ち、その時期の食体験が創作の源になっています。

そしてレゼピはけっこうエゴイスティックで、スタッフに厳しいんだよね。怒り爆発! その分気遣いもぬかりない。このシェフが欠けたら、店は続かないでしょうね。ワールドクラスのレストランって、とっても俗人的。

代々木上原のセララバアドのシェフに見せたい映画だなあと思っていたら、セララバアドからメッセージが!


そうなんです。実は4月30日に4席予約していたんです。何というタイミング! 前回の訪問が1月9日ってなってるので、およそ3カ月半ぶり。

この日は、春仕様のメニューとなっていました。


まずは「鯛茶漬け」。通常なら締めの一品になりがちなメニューを一皿目に繰り出してきます。出汁がゼリー状に固められ、あられがふりかけられてます。鯛の身と併せて一口で。


続いては「枯山水」。右下のコケみたいのは、泡状のバジルです。真ん中の石は、割るとイモになってます。黒い3個の石は食べられません。敷いてある白いのは岩塩です。


こちらは「春の高原」。チーズ、ハチミツ、バラ、泡。周辺に草がたくさんありますが、草は食器の内側に入っているもので、食べるものではありません。

こんな感じで全13品。とっても春を感じさせるメニューで大満足。

食事が終わったところでシェフがやってきたので、「ノーマ」の映画を知っているか聞いてみました。

「見ましたよ。(映画会社から)感想を教えてくれって言われてるんですけど、忙しくて返事ができてないんです」

なるほどぉ。ノーマ、行ったことありますか?

「ええ。開店する前に手伝いに行ってましたよ」

さすがです。橋本シェフ。日本からノーマに行くのは大変ですが、私たちには上原のセララバアドがありますよ。予約が入るのは、3カ月後ですけどね。

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