初のクルーズシップの旅を、飛鳥IIIで体験しました。内房にある自宅から、朝日に光り輝くクルーズ船を何度も目撃し、「自分も乗らなきゃ」って思って、この秋に実現することができました。
私たちが乗船したのは「秋の瀬戸内 岩国・小豆島クルーズ」というツアーで、2025年11月15日から21日までの6泊7日の旅。
クルーズから帰った後も「また船に戻りたい」という気分が続いているのですが、取りあえず、次回乗船のために感想やTIPSを覚え書き形式でまとめておこうと思います。
客室が、思ったより狭い
乗船して、予約した部屋に案内されてまず最初に思ったことには、「部屋があんまり広くないなあ」でした。
この部屋、バルコニーを含めて22平米だそうです。ご覧のように、ベッドの先端のスペースがとても狭い。ただしお風呂にはバスタブがあって、ベッドとバルコニーの間にはソファとデスクも一応あります。しかし、「部屋でのんびり過ごそう」とはあまり思いません。いつかはスイートに乗ってみたいと強く思いましたね。
年齢層がけっこう高い
あくまで個人的な印象ですが、今回のクルーズの乗客は、70歳〜75歳ぐらいがボリュームゾーンな感じでした。ご夫婦、母娘という組み合わせがほとんど。おひとり様女子も数名いましたが、男子でソロの乗客はいなかったみたいです。
レストランはオールインクルーシブで超便利
飛鳥IIIには、レストランは6つ。朝6時から深夜まで開いている「EMSガーデン」、洋食中心の「フォーシーズンズ」の2つは予約なしで入れます。銘柄指定のワインやウィスキー以外は、お酒も含めてオールインクルーシブ。食べ放題飲み放題です。ついつい食べ過ぎてしまいます。
高級レストランの予約は、やや難易度高し
フレンチレストラン「ノブレス」、イタリアンの「アルマーレ」、和食の「海彦」、グリル料理の「パペンブルグ」はいずれも予約がマストです。私たちは「海彦」以外はすべて予約できましたが、それでも各レストラン1回限りでした。乗船前の予約は、1回のみしかできません。また、「アルマーレ」と「海彦」は席料が1人1万円かかります。ただし、お酒以外はオールインクルーシブです。
大浴場、最高。とくにサウナ!
飛鳥IIIは、デッキ12(12階)にグランドスパがあって、大浴場とサウナが楽しめます。ガラス張りの窓から海を眺めながらの船サウナは最高。しかし、サウナは3名分しかスペースがないので、混雑を避けるために毎朝6時のオープン目がけて突撃していました。
スターリンクでネットも快適。あとは会議用の個室が欲しい
飛鳥IIIはWiFiインターネットも快適です。乗客は、スペースXのスターリンクが無料で使えます。
スターリンクは下りで200MB程度出ますので、オンラインMTGも余裕です。しかし、船内に密閉された個室はなく、デッキだと波の音が、ラウンジやライブラリーだとBGMや生バンドが邪魔になりました。ノイズの入らない個室があったら嬉しいなあと。あと、WiFiは6時間で切断されるので、ログインし直しが必要。1人で端末5台まで接続可能です。
寄港地のお出迎えが嬉しい
今回のクルーズでは、岩国と小豆島に寄港しました。岩国は港に接岸、小豆島では沖にアンカー停泊し、ボートで上陸です。
寄港先では、小学生の鼓笛隊によるお出迎えや、火縄銃の鉄砲部隊の射撃実演など、飛鳥を歓迎するためのイベントが色々ありました。「飛鳥が来る」って、当地の人たちにとってはかなり特別なことみたいです。
寄港地の日帰りツアーが絶妙
岩国では厳島神社へのツアーに参加しました。朝9時に飛鳥で港について、送迎バスで宮島の最寄り港まで移動して、定期船に乗って厳島神社へ。お昼12時ぐらいにツアー終了で飛鳥に戻ります。
小豆島では、ロープウェイに乗って寒霞渓への紅葉見学ツアーに参加しました。さらにこの時はツアー終了後に、別途醤油蔵の見学や、オリーブ園など島の観光地をかいつまんで見学することができました。
こうした寄港地ツアーは、別途ツアー料金を支払って参加するのですが、東京から鉄道・飛行機などで移動して訪れるのとは違って、「ついでに回る」的な効率の良さを感じます。一方で、「土地の美味しい食事を楽しんで、温泉に入って宿泊する」という楽しみ方ができません。まあ、一長一短ですかね。
船にはアートが満載
飛鳥IIIの船内は、客室や廊下、レストラン内などなど、アートもゴージャスです。
写真は、階段室を下階から上階まで貫く絵画です。船内に吊られているアート作品は、購入も可能なんだそうですよ。こうした船内のアートを、ガイド付きで案内してもらえる船内ツアーもありました。
下のフロアは、やや騒音と揺れが大きい
乗客が活動するのは、デッキ5から13までですが、もっとも下階のデッキ5で食事していたら、ゴゴゴゴゴ〜とエンジン音みたいな騒音と揺れを感じることが時々ありました。
映画は微妙、ステージも微妙
飛鳥IIIには「リュミエールシアター」という劇場があります。今回のクルーズで上映された映画は「ローマの休日」「007 カジノロワイヤル」「トップガン マーベリック」の3作品でした。映画以外にも、ダンサーが登場するパフォーミングアーツや、30分ほどのイマーシブなフッテージ上映などの演目があります。まあ、映画はちょっと古いかな。イマーシブアーツの上映も、あんまり没入感はありませんでしたよ。
「飛鳥IIとは全然違うんですね」の声も
私たちは、飛鳥IIIがクルーズシップデビューだったのですが、今回の乗客の中には、飛鳥IIの常連さんも多く乗っていたみたいです。「漫才も落語もなくて、ステージの出し物が今ひとつよね〜」とかこぼしているオバちゃんがいて、ちょっと笑っちゃいました。
クルーの方が、いろいろ教えてくれる
レストランで食事の際に、日本人クルーの方に色々とお話を聞くことができました。「今回、乗船率は60〜70%ぐらい」「クルーは4カ月連勤で、2カ月休みです」「クルーのうち、フィリピン人が70%ほど」なんかは、非常に興味深かったですね。
あと、プールや大浴場などの水は、海水を濾過して使っているんだそうです。これは飛鳥IIも同様とのこと。さすがですね〜。
船からの絶景が格別。船内放送でお知らせが
乗船中、船内放送が度々あって、その主な内容は船長からのロケーションのお知らです。「本船は間もなく、瀬戸大橋を通過します」とか「ただ今、左舷前方に虹がかかっているのを見ることができます」なんて、クルーズ船じゃなければ聞くことのできない放送ですよね。
この船内放送が流れると、デッキには乗客がウワっと集まってくるわけなんですが、「虹が見えます」の放送の時には、生演奏が「虹の彼方に(オーバー・ザ・レインボー)」を奏でたりするなど連携プレーもお見事でした。船からの絶景は、毎日、何かしら見られましたね。ずっとお天気に恵まれたのはラッキーでした。
てなわけで、初の飛鳥クルーズは大変忘れがたい経験になりました。これはクセになりますね。また来年も、クルーズの旅に行こうと色々作戦を考え中です。もちろん、飛鳥IIIにはまた乗りたいですし、他のクルーズ船も乗ってみたい。実に久々に、旅の夢が広がる、ステージが上がった感じを覚えます。飛行機の旅より全然楽しいですよ、船の旅。
まあ、それなりにお金はかかりますけど、その価値は十分にあります。クルーズ船を運行する会社も、いろいろ周到に考えているんだなってことが、今回の旅で大いに分かりましたからね。
船はゆっくり進むわけで、その航海は数日にわたって続きます。その間、いかに乗客を退屈させないか? いかに乗客を楽しませるか? いかにまた乗ってもらうか? なんてことを、日々考えているのだと思います。
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