2013年10月24日木曜日

映画「ゼロ・グラビティ」の超絶映像にシビれる

今日は、朝から「ゼロ・グラビティ」の試写に行ってきました。

いま、北米で大ヒットしていて、日本でもこの正月の本命作品になりそうな雰囲気。日本でも、すでに見た人たちが騒いでいるので、早く見ておかないと、どんどん「見た気になってしまう」わけで。

主演はサンドラ・ブロック。共演がジョージ・クルーニー。2人とも、NASAの宇宙飛行士を演じます。

宇宙空間の無重力状態の中、船外活動していた宇宙飛行士が、デブリ(宇宙ゴミ)の襲来によって、母船から切り離され、宇宙空間に放り出されてしまう。果たして、その状態から無事に帰ってこれるかどうかというのが映画の大まかなストーリーです。

「アポロ13」を思いだしますね。

「ゼロ・グラビティ」はフィクションですが、「アポロ13」は船内、今回は船外ってことで、はるかに帰還までのハードルが上がっています。



オープニングから、凄くつかみの強いプレゼンテーション。

地球の上空60万メートル。
温度は摂氏125度からマイナス100度の間で変動する。
音を伝えるものは何もない。
気圧もない。
酸素もない。
宇宙で生命は存続できない。

「エイリアン」をも彷彿させる不気味さをもかもしています。

だけど、「エイリアン」から実に34年、「アポロ13」からは18年。映画の技術も激しく進化していました。

とにかく、この「ゼロ・グラビティ」は映像が凄いんです。アクションシーンが凄いとか、爆破シーンが凄いとか、そういうレベルではありません。

「どうやって撮ったか分からない」んです。

ちょっと映像を見てみましょうか。例えば、この予告編をご覧ください。



スマホの方は↓のリンクから。
http://www.youtube.com/watch?v=12ZRnBfASNA

冒頭の、地球をバックにデブリが飛んでくるシーンから、シャトル周辺で船外活動中の宇宙飛行士を映し、破片がシャトルにあたって博士(サンドラ・ブロック)がベルトを外して宇宙空間に放り出されるまで、カメラは縦横無尽に動き回りますが、これが何と1分半あまり全編ワンカット。 

次の予告編はもっと凄くて、最初はサンドラ・ブロックの視点だったカメラが、いつの間にか彼女のヘルメットを飛び出して宇宙空間で第3者視点になってる。これも最初から最後までワンカットの映像。



http://www.youtube.com/watch?v=1Z8o5xc26DQ

もう、何が起きてんだ? どうすりゃこんな画が撮れるんだ?って感じで、ゾクゾクしっぱなしですよ。 

昔「アポロ13」のメイキング映像を見たときに、旅客機で急降下するときに生まれる無重力に近い状態での撮影を、何度も繰り返したというのを思いだしますが、「ゼロ・グラビティ」は無重力のレベルが全然違う。この予告編見ただけでも、無重力状態の描写がハンパないのがお分かりいただけるかと。

何だかもう、全編マジックを見せられているみたいな感じですね。

まあ、よく考えれば、デスクトップで合成してるという結論しかないんですが、それにしても生半可なお仕事ではないですね。映画を見終わって、久々にプレスキットを精読しました。

そしたら、この映画は撮影もさることながら、照明がまたイノベーティブなんだと書いてある。

うーん。もう1回見るしかないですね、これは。

撮影のことばかり書きましたが、もちろんストーリーもよくできていて、しかもオリジナル脚本だというのがまた意義深い。映像の革新性については、「アバター」を引き合いに出す人もいますが、「ゼロ・グラビティ」はファンタジーじゃないってところもいい。実にリアルなんですよ。

来年のアカデミー賞の有力候補作品なんですが、撮影賞と編集賞と、音響効果賞あたりは鉄板ですね。絶対に間違いない。あとはサンドラ・ブロックの主演女優賞もかなり確率が高い。

問題は作品賞だな。これまで、SF作品が作品賞を取ったことはないらしいので。でも、もしもこれが作品賞取ったら、デスクトップ・ムービー初のオスカー作品ということになりますね。

それにしても、監督のアルフォンソ・キュアロンは変態ですね。よくぞこんな映画を思いついたもんだ。

いやあ、久々に痺れる1本でした。12月13日公開。

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