いま、神楽坂のすべての書店では、(2018年)1月末に発刊された「(帰ってきた)神楽坂本」というムックが平積みになっています。私たちも1冊購入してみましたが、知らないお店(レストラン)がけっこう載っています。比較的新しいお店が中心ですね。
その中で「ここは!」というのが1軒あったので、早速ネットで予約してみることにしました。そのお店は「SECRETO」。スペイン語で「秘密」という意味です。エルブリの流れをひく分子ガストロノミーの店。神楽坂にも分子料理がやって来たんです。
予約は3カ月先までいっぱいなんですが、キャンセルが出たんでしょう、比較的近い日程に2席の空席を見つけました。即予約。
当日がやってきました。お店の場所がなかなか分かりにくい。レストランというよりは、マンションの一室みたい。客席は10席、メニューはおまかせコースのみ。19時スタートの1回転のみ。分子料理ではおなじみのスタイルです。
店内は、中央の配膳台を半円形のカウンター席が取り囲むレイアウト。けっこうこぢんまり。
さあ、シェフがご挨拶。ショウの始まりです。「グレイテスト・ショーマン」のミュージックが頭の中で鳴り響きます(実際の店内には、ラテン風味のラウンジミュージックがけっこうなボリュームで鳴っています)。
1皿目「秘密のオリーブ」
このオリーブみたいに見える果実は、実はイチゴでした。殻をオリーブ色に作ってある。つかみはOKですね。隣に白い直方体の箱が見えます。絶対、中に何か入ってるなと予想できます。
2皿目「未来寿司」
しかし、白い箱は何も入っていません。これは、料理を置く台(お皿)でした。
未来寿司、土台はおこしみたいなお米のフライで、魚の昆布締めの香りがする泡が乗っかっています。確かに寿司っぽい食感。楽しい&美味しい。
3皿目「ウニ・カニ・キャビア」
黄色いところがウニ(&生クリーム)、黒いのがキャビア、真ん中がカニ。これもうんまい。
4皿目「フォアグラの雪」
フレンチトーストに、液体窒素で凍らせたフォアグラを、目の前で削って振りかけてくれます。
5皿目「鴨58℃・燻製」
ビン状の容器には煙が入っていて、フタを開くとスモークのいい匂いが立ちこめます。
こんなビンに入っている食材を食べるには、お箸に加えてピンセットも使います。しかしこのピンセット、食事用なんですかね?
6皿目「カボチャ・エスプーマ」
カボチャのムースの表面を液体窒素で凍らせたもの。奥に見える貝殻のスプーンで殻をカツっと割っていただきます。
7皿目「牛蒡カプチーノ」
これ絶品。牛蒡のスープに、牛乳ベースの泡の組み合わせが最高にマッチ。不思議にうまい。
8皿目「ハタ・サフラン」
ハタとサフランソースが相性抜群ですね。見た目もあでやかでグー。
9皿目「包まれたりんご・フラワー」
リンゴの果汁が透明な皮膜に包まれています。口に入れてプチっとかめば、リンゴと花の香りがジュワっと広がります。
10皿目「和牛・富士山の薪・クリスタルポテト」
58℃で6時間熱したという和牛。そういえば前に出た鴨も58℃って名前ついてたな。牛肉に乗っかっている透明な物体はポテチです。透明なポテチ、おもしれえ。
11皿目「リゾット・アカモク」
締めの炭水化物ですね。アカモクという海藻は、オーナーの藪中シェフの出身地、石川県の名産だそうです。食感が抜群。
12皿目「チーズケーキ」
デザートその1です。粉と破片たちを口にいれると、あ〜ら不思議イチゴ味のチーズケーキが。
ここまで終了したところで、客全員が中央の配膳台に集合させられます。そこでは、シェフが煙を魔術師のようにあしらっています。
13皿目「蜂蜜・ミルク・−196℃」
シェフが客の目の前で液体窒素、ミルク、蜂蜜でアイスクリームを作ります。口に含むと、一瞬で溶けてしまうはかないアイス。
14皿目「吐息」
最後。メレンゲを液体窒素で凍らせたものを口に入れて鼻から息をシュウォーって吹き出すイベント・デザートでコース終了。
およそ2時間半のエンターテインメント・分子ディナー。それぞれの料理は、ワインやカクテルなどのアルコールとカップリングされていて、おひとり様1万6000円。飲み物込みでこの値段はかなり良心的と感じました。アルコールなしもチョイス可能です。
SECRETO、かなり美味しかったですよ。分子料理の奇抜さに、料理の味が負けてない。思ったより旨かった印象。
さあ、次はどの店に行こうかな。「帰ってきた神楽坂本」で探してみよう。
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