2014年4月8日火曜日

ホーチミン燃ゆ 狂乱のドンコイ通り

ちょっと昔の旅行記をアップします。かつてミクシィに投稿していたのを、今日偶然みつけまして。軽くリライト。

2008年12月28日、アンコールワットを目指す私たちはベトナムのホーチミンにいました。

マジェスティック・ホテルに投宿したところ、開高健が泊まった部屋がアサインされました。部屋に開高健の写真飾ってあってビビったw

翌日朝の便で、シェムリアップへと飛ぶ旅程です。ホーチミンは1泊だけ。

夕食を終えて、夜景でも見ながらカクテルなど啜ろうとカラベルホテルにあるバーのオープンテラス席に陣取ったのは、8時半を少し過ぎた頃でした。テラスから見おろすドンコイ通りに、心なしか活気がないように感じられるのは、日曜の夜だからだとばかり思っていました。


ところが、活気がないというのは甚だ不正確で、この時点で町はゴーストタウンのように静まり返っていたのです。上の写真の通り、車もまばら。

実はホーチミンの人々には、町に出られない理由があったんです。

私たちは、何も事情を知らずグラスを傾けていました。

すると、時計が8時55分を指した頃、突如町中から「ウォー!」という咆哮が。間髪いれず、私たちのいるバーでも歓声が轟きました。

町全体にスイッチが入った瞬間です。


たちまち、ドンコイ通りにはクラクションをけたたましく鳴らしまくるオートバイの洪水が押し寄せてきました。


オートバイの後部座席にいる者は、皆ベトナム国旗を振りかざしています。


何なの何なの? いったい、何が起きたの? 革命でも起こったの?

そのオートバイの洪水からは、殺気だった雰囲気はありません。むしろ、祝祭感がみなぎっています。


バーの人だかりの視線の先を見て、すべて理解できました。

サッカーです。ベトナム代表が、サッカーの試合に勝ったんです。

正確には引き分けでした。

テレビには「VIETNAM 1 - 1 THAILAND」の文字がデカデカと映され、次の瞬間、代表チームの監督と思しき外国人が胴上げされていました。

これは「スズキカップ」という大会で、東南アジアナンバーワンを決めるべく、2年に一度開催されているものだそうです。

ベトナムは、このスズキカップに初優勝したんです。ベトナムサッカー史に刻まれる、歴史的快挙ですね。そりゃあ町中がひっくり返ったような大騒ぎにもなるよね。

もう、ホーチミンの町は完全にお祭りです。国旗の数がどんどん増えています。道ばたで旗を売るおばさんまで現れた。

私たちも町へ繰り出します。


試合そのものはハノイのスタジアムで行われたようで、ハノイの町はもっと凄かったようです。翌日の新聞に、死者が出たって報道されてた。

FIFAランキング155位(当時)のベトナムが、一気にサッカーバカ先進国の仲間入りを果たした瞬間ですね。

この優勝の立役者が、昨年コンサドーレ札幌にいたレ・コン・ビンだそうです。もう退団してベトナムに帰っちゃったんですね。

さてと、今年はブラジルにワールドカップでも見に行こうかな。

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