2013年6月9日日曜日

想定外のスペクタクル。松島遊覧船の秘密

5月の終わり、1泊2日で松島に行ってきました。仙台エリアに行くのは、およそ10年ぶりです。

新幹線で仙台まで行き、レンタカーで松島へ。やや渋滞もあり、およそ1時間の道のり。遊覧船乗り場を目指します。

遊覧船は1時間に1本です。次の船まで時間があるので、瑞巌寺近くのコインパーキングに車を停めて、付近を散策しましょう。


五大堂を見学し、人気の雑貨屋(せんべい屋)をのぞいてみます。店内には「ここまで浸水しました」のサインが。


同様のサインは、いくつかのお店に見られます。それでも松島エリアは、沖に浮かぶ島々が防波堤の役割をしたおかげで、比較的津波の被害が軽く、復興も早かったそうです。周辺に暮らす人々のために、なくてはならない島々なんですね。まさに。

せんべい屋さんの供する無料のお茶で喉をうるおし、遊覧船乗り場へ。

遊覧船は、松島湾内を一周するルートのものと、塩釜港から出て松島へ到着するルートのがあります。我々が乗ったのは仁王丸というもっともポピュラーな船で、湾内一周コース。大人はひとり1400円。

船に乗ってみて驚いたことには、みんながこれを買ってます。


かもめのエサ。100円。

よく見ると、かっぱえびせんです。普通に市販しているもの。

かもめはかっぱえびせんが好物なのか?と半信半疑に思っていると、船が出航しました。
すると、エサを手にした人々はデッキに集まり、手すり越しにえびせんを空に向けてさし上げはじめます。


おおー。かもめが群がってきます。

そして、指先のえびせんを器用にくわえて飛び去って行くではありませんか!

こりゃ楽しそう! 我々もえびせんを買うしかありません。


飢えたかもめが、えびせんに食らいつく瞬間を激写!

すげえ。ていうか、かもめ、人に慣れ過ぎ。

次々とやって来ては、えさ(えびせん)をくわえて飛び去るかもめショーがあちこちで繰り広げられています。

誰も島なんか見ていません。

「かもめと遊ぶのは楽しいけど、こんな遊覧船ってアリなのか?」

大きな「?」が頭に浮かびますが、やがて船が沖合に向かうにつれ、かもめは船の周りからいなくなりました。

やれやれ。ようやく観光タイムです。沖の島々に目を移すことにしましょう。


残ったえびせんを食べながら、テープで流れる説明に聞き入ります。

見所の説明の後に、震災時の話が続きます……。地震発生の時も遊覧船は運行していたそうで、その後の津波到来から復興が始まるまでにいたる一連の話が聞くものの胸を打ちます。

帰りがけに、またしてもかもめがやって来ますが、帰路のかもめは、かっぱえびせんよりも、もっぱら海の魚を狙っていました。

よかったよかった。この辺りのかもめはえびせん漬けになっているのかと思いきや、きちんと野生を保っているようです。

およそ50分のクルーズには、風光明媚な島めぐりと、それよりも遙かに非日常的なかもめショーという2種類のスペクタクルが詰まっていました。さらに震災のエピソードの語り。

松島を訪れる方には、必須のアクティビティーだと断言しておきましょう。

もしも船酔いが心配で、遊覧船に乗るのが不安だという方も、是非、えびせん片手にデッキに出て下さい。そして、かもめと戯れてください。この船で、船酔いしてる人なんか一人もいませんから。


本日の宿泊は、岬の先にある旅館「松庵」です。なかなか素敵な宿ですねえ。楽しみだ。

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