先週の金曜日(日本時間2017年12月15日)、ディズニーが21世紀フォックスの映画関連部門(以下FOX)の買収を発表しました。折しもこの日は、日本における「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」の公開日。なんと感慨深い巡り合わせでしょう。
かつて、「スター・ウォーズ」は1作目から6作目までFOXの配給でしたが、ルーカス・フィルムをディズニーが買収したことで、7作目の前作「フォースの覚醒」から、配給はディズニーに移っていました。
で、今回のディールによって、FOXの「アバター」とか「X-MEN」とか「デッドプール」とかもディズニーに移ることになるわけですね。なんか違和感しか感じません。
ディズニーのCEO、ロバート・アイガーはテレビのインタビューで、「huluの株式を60%保有できることが最大のメリットだ」と語っていました。実はフォックスのブランドは二の次で、SVOD大手のhuluを手に入れることがこのディールのキモなんですよね。
実は、このディールが発表される前段階で、ディズニーはすでに自社のコンテンツをNetflixから撤収することを表明しています。FOXを手に入れたら、FOX作品も全部撤収することでしょう。
ちなみに、現時点でのhulu(US)の株主構成は、ディズニー30%、FOX30%、ユニバーサル30%、ワーナー10%です。これが、今回のディールでディズニーの持ち分が60%になる。過半数を握るので、編成も自由自在になるってことですね。今後、ユニバーサルとワーナーがどう出るかってのも見物です。
この後起きる「Netflix vs ディズニーVOD(+hulu)」。それって、つまるところ「シリコンバレー vs ハリウッド」のようにも思えますが、ディズニーはスポーツ専門のESPNなんかも傘下にあって、ここもオンデマンドが好調なんです。なので、今回のディールは「ディズニーがオンラインのプラットフォーム企業になる」っていう認識の方が正解じゃないかなと個人的には思っています。
さて、「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」ですが、前作に比べてはるかに面白かったですね。正直、前半の1時間はかなりタルくて、ガム噛んだりしながら見てましたけど、後半の密度がなかなか濃密。驚くべきは、シリーズを通じてもっともスピリチュアルな「スター・ウォーズ」に仕上がっていたことで、これは結構意外でした。
しかし、根本的なネタ切れ感は否めず、ストーリーがループ状態になっているのは明白。次作ではレイが恋愛するか、妊娠するか、出産するか、のうちどれかが描かれないと、シリーズが続きません。
ジェダイ&レジスタンスの被害も甚大で、犠牲者が多すぎる。こちらも、少子化をなんとかしないといけません。「スター・ウォーズ、生めよ増やせよ運動」やんないと、もう続けるのは無理です。
しかも、次の9作目の監督は、またしてもJ・J・エイブラムスなんだよね。今のところ、悪い予感しかありません。まあでも、次も公開初日に見に行っちゃうんですけどね。
そうそう、今回の「最後のジェダイ」で、もっとも多くの見せ場をさらうのはBB-8です。もう断トツに美味しいとこ取り。この新しいスター・ウォーズ・シリーズにおける最高のイノベーションは、BB-8で間違いありません。
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