今回の渡米の主な目的は、デビッド・リンチがキュレーションする、映画、音楽、トークのイベント「Festival of Disruption」に参加することです。ロサンゼルスのエース・ホテルで行われる。
今年の6月下旬にリンチ本人のTwitterで同フェスティバルの開催が告げられると、チケットが即完。イベントが実施されるのは、折しも「ツイン・ピークス」の新シーズンがクランクアップしたばかりというタイミングでもあって、大いに盛り上がるのは確実視されていました。
私は2日間の合計17ステージのうちおよそ半分ほどを見てきました。その覚え書きを残しておきます。
1日目(10月8日)
◆「エレファント・マン」リバイバル上映
スクリーンで「エレファント・マン」を見るのは初めてです。私は、何でこの映画がアカデミー賞(作品賞、監督賞ほか8部門)にノミネートされたのかさっぱり分かりませんでしたが、いまこうして見てもさっぱり分かりません。まあしかし、デビッド・リンチの名声を高めた1本であることは間違いないですね。
◆メル・ブルックスのトークセッション
その「エレファント・マン」のプロデユーサーは、往年の名コメディアンであり、映画監督でもあるメル・ブルックスなわけですが、御年90歳のメル・ブルックスが登壇し、35年前にこの映画を製作するに到った経緯などを語ります。
「もうひとりのプロデユーサーと一緒に、『エレファント・マン』の監督候補の作品を見に行こうって誘われて『ピンク・フラミンゴ』を上映している映画館に行ったんだ。でも私は、『今日限りの特別上映』ってなっていた『イレイザーヘッド』の方が見たいって言ったんだよ。そして、監督がデビッド・リンチに決まったってわけさ」
ちょっとした衝撃でした。もしも「ピンク・フラミンゴ」のジョン・ウォーターズが監督していたら、もの凄い「エレファント・マン」が出来上がっていただろうし、いまのデビッド・リンチの存在もなかったかも知れません。
◆ジョン・マルコヴィッチの短編&トーク
マルコヴィッチが、リンチ作品の重要なキャラクターに次々扮して小芝居を披露する短編「Psychogenic Fugue」に続き、マルコヴィッチ本人ならびに制作スタッフ4人が登壇して制作秘話を語るセッション。短編はまずまずでしたが、トークはちっとも面白くなかったです。
◆ジョン・ホプキンス(ライブ)
夜はミュージック・セッションの連発です。このジョン・ホプキンスは、ブライアン・イーノやコールドプレイとのコラボレーションで知る人ぞ知る存在。単独の楽曲を聴くのは初めてでしたが、このステージはなかなか良かった。日本に帰ってから、Spotifyでヘビロテ中です。
◆セント・ヴィンセント(ライブ)
セント・ヴィンセントはブルックリン・ベースの女性インディーズアーティストですね。ちょっと4ADっぽいかもと思って聞いていたんですが、4ADからもアルバム出していました。特に印象には残りませんでしたが。
◆ロバート・プラント(ライブ)
この日の締めで、もっとも客が多かったのが、このロバート・プラントのステージです。夜10時半から12時近くまで、ツェッペリン・ナンバー含め10数曲歌ってくれました。「ロックンロール」とか「ホール・ロッタ・ラブ」とか。さすがに「天国への階段」はなかったけど。
このシアター・アット・エース・ホテルは、ユナイテッド・アーティスツが経営していた古い映画館を改装した劇場です。天井がバカ高く、内装も超絶クラシックで、洞窟みたいな佇まいです。
今どきの照明に照らされて、雰囲気は抜群です。明日も楽しみだってば。
ところで、このイベントを通じて疑問に思ったのは、出演者とリンチとの関係ですね。瞑想繋がりがメインなのかと思ってググってみたら、TM瞑想してる人のリストがWikipediaに見つかりました。あとでリンク貼っておきます。
でも、ロバート・プラントはリストにないんだよねえ。別の接点があるんでしょうか。ジョン・ホプキンスはリストにありました。
ちなみに、このイベントのタイトル「Festival of Disruption」は、TMの創始者であるマハリシ・マヘーシュ・ヨギのお言葉から取られてるっぽいですよ。
LIFE IS A FESTIVAL OF DISRUPTION.
-Maharishi Mahesh Yogi
人生とは、混乱の祭りみたいなもんだってことで、2日目に続く。
ちなみにこの日、リンチ本人は現れませんでした。
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