2016年10月24日月曜日

最後にリンチも!デビッド・リンチ「Festival of Disruption」に関する覚え書き・その2


デビッド・リンチの「Festival of Disruption」は、ロサンゼルスの3会場で行われています。メイン会場であるエース・ホテルのシアターでは、連日正午から深夜までステージが。

残りの2会場では朝10時からインスタレーションが行われています。いずれも19時に終了。


こちらは、The Wellというギャラリーで行われていたリンチの写真展。リンチの他に、クリス・ステイン(ブロンディのギタリスト)の写真展や、短編映画の上映なども行われています。

もう一箇所、BOLDという場所で行われていたのは、VRのデモ。こちらは例のゴーグル状のヘッドセットでVRムービーを体験するという今どきのインスタレーションです。この会場では、VR+瞑想のデモがあって、個人的にはそれを体験したかったのですが、朝イチで行ったら「セットアップ中だから10分待ってて」と言われ、他のよくあるVRムービーを見たりして待ってたんですが、ちっともセットアップされないので、諦めて帰ってきた次第。VRって、セットアップに時間がかかるんだよねえ。

さて、エースホテルに戻り、午後のセッションに参加します。エース・ホテルの中には売店もあって、「ツイン・ピークス」などのリンチグッズが売られています。


◆フランク・ゲーリーのトークセッション
ちなみにフランク・ゲーリーは、今回の会場の近くにある、こんな建物(ディズニーのコンサートホール)などを建築している世界的な建築家です。


これがメンツ的に一番不思議だったんですよ。リンチとフランク・ゲーリーってどこで繋がってんのと。答えはポーランドにありました。2010年に、ゲーリーがポーランドのウッチという都市でカルチャーセンターの建築をやってた。建造されない可能性が高くなってきたところで、リンチがこのプロジェクトの支援を表明し、自分のTwitterでフォロワーに呼びかけたということがあったようです。06年に、リンチはウッチで「インランド・エンパイア」を撮影してたんですよね。

◆TM瞑想のセッション
今回の「Festival of Disruption」の収益は、全米にTM瞑想を普及させる活動を行う「デビッド・リンチ・ファンデーション」に寄付されます。この日は、ファンデーションの代表ボブ・ロスによるTMのプレゼンテーションもありました。いわく「瞑想には3つのタイプがある。意識にフォーカスする瞑想、マインドフルネスやヨガの瞑想、そしてTMだ」(中略)「この会場で、瞑想やったことある人は?」→6〜7割ぐらいが挙手。「毎日瞑想している人は?」→1〜2割が挙手。その後、会場全体で3分間の瞑想をやって終了。


この写真は、エース・ホテルの部屋に置かれていたカードです。ドント・ディスターブ・カード。リンチのサインが入ってる。

◆「ブルー・ベルベット・リビジテッド」上映
これは、「ブルー・ベルベット」のメイキング映像をかき集めて1本のドキュメンタリーに仕立てた新作映画です。IMDBにも作品情報は載っていて、このエース・ホテルでの上映が北米プレミアってことでした。ノースカロライナのウィルミントンって町でののんびりしたロケ撮影の様子が、見る者をほのぼのとさせます。

◆ローラ・ダーン&カイル・マクラクランのトークセッション
「ブルー・ベルベット・リビジテッド」の上映に続いては、ローラ・ダーンとカイル・マクラクランのトーク・セッションです。「ブルー・ベルベット」の主演女優&主演男優ですからね。同作の撮影当時のエピソードを中心に、デビッド・リンチとの映画作りが、いかに家族的で楽しいかっていう話が語られていました。一番最後、司会がカイル・マクラクランに、「で、今年またリンチと仕事したわけだよねえ?」と振ると、会場はヤンヤの大喝采。「ああ、とても素晴らしかったよ。とてもアメイジング」。以上です。やはり「ツイン・ピークス」の内容については何一つゲロしませんよね。


途中でシアターを出てみたら、ホテルの前がお祭り状態に。通りを封鎖して、イスラム教徒のお祭りが繰り広げられていました。黒づくめのムスリムと「ツイン・ピークス」の看板という、何ともシュールなコンビネーションがナイス。


◆Rhyeのパフォーマンス
エース・ホテルの周りは、あんまり食事する場所がありません。この日は「UMAMI BURGER」のテイクアウトでディナーを済ませ、夜も更けたところでRhyeの舞踏パフォーマンスを見に来ました。これが見たかったというわけじゃなく、次の「The Music of Twin Peaks」のためにいい席を確保するためって感じ。パフォーマンスは別にどってことなかったんですが、ステージ上の女優のひとりが、いきなりおっぱい出して芝居してたのがサプライズでしたね。

◆The Music of Twin Peaks
さあ、本日の、というか2日間のファイナルステージ「The Music of Twin Peaks」が近づいてきました。22時30分スタートに向け、30分ほど前から場内がごったがえしています。ロビーのバーも大行列。そして、開始の7分前に突然場内が真っ暗に!

スポットライトがステージ中央を照らすと、そこには銀髪のデビッド・リンチの姿がありました。


観客総立ちでスタンディング・オベーション。当然ね。

「ありがとう、みんな。君たち全員に感謝の気持ちを伝えるためにやってきた」

イェー!&拍手。

「それに、新しい『ツイン・ピークス』の秘密の情報も伝えなきゃいけないしね……」

ウォォ〜!&拍手喝采ヒューヒューの嵐!が1分続く。

「……あ、ごめん。もう時間になっちゃった。みんなありがとう!」

リンチ退場。悲鳴と爆笑が1分続く。

2日間のフェスの中で、リンチが姿を見せたのはたったこれだけです。ステージにいた時間はおよそ2分。それでいいんか?

その後、XIU XIUとかクリスタ・ベル、スカイ・フェレイラ、そしてアンジェロ・バダラメンティが次々登場し、15分ぐらいずつ「ツイン・ピークス」や「ブルー・ベルベット」などリンチ映画の楽曲を演奏します。

そして大トリはレベッカ・デル・リオ。「マルホランド・ドライブ」で「シレンシオ」のシーンで出てくる歌手ですね。「マルホランド・ドライブ」同様、「ジョランド」を熱唱して2日間のイベントは終了しました。


この日は、シェリーことメッチェン・アミックも娘同伴で来ていたのがSNSで確認できましたが、姿を見かけることはありませんでした。残念。ルーシーことキミー・ロバートソンは間近で目撃しましたが。

ところで、初日のレジスターの際に「来年のフェスの情報を知りたかったら、ここにメルアド書いておいてね」と言われたので、恐らくこのイベントは来年もあるのでしょう。来年は「ツイン・ピークス」もオンエアされるので、またイベントやる可能性は高いですね。稼ぎ時だもんねえ。

じゃあ、来年また来るか?と聞かれるとなかなか微妙です。リンチの出番をもう少し増やしてくんないとねえ。プラス、新「ツイン・ピークス」の出来次第ってことでしょうか。


いずれにせよ、ひとまずミッション・コンプリート。明日はマリナ・デル・レイの寿司屋を訪ねます。 

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