マラケシュからワルザザートへとレンタカーで向かう途中、アイト・ベン・ハドゥという所に立ち寄りました。ここは、世界遺産にもなっている古いカスバ(城塞都市)で、「シェルタリング・スカイ」や「グラディエーター」なんかが撮影されたことでも有名。
追記;
翌日は、ワルザザートで映画スタジオを訪問予定なんですが、実はモロッコ南部は、往年の名作映画のロケ地だらけなんです。
N9号線を外れて、舗装の悪い道を15分も走ると、ドドーンと城塞が迫って来ます。カスバが見えてきてから、そこに辿り着くまでがかなり不案内なのですが、まあ何とかなりました。
これが午後4時ぐらいの日差しです。西日を浴びるカスバがビューティフォー。アイト・ベン・ハドゥに行くなら、夕方がオススメです。
思わず、iTunes Storeで坂本龍一の「シェルタリング・スカイのテーマ」を購入。
お土産屋さんが数軒営業していて、お店の人たちは、このカスバに住んでいるそうです。でも、ほとんどは廃墟なので、人口は数十人って感じです。
上から見たカスバ。
てっぺんはこんな感じ。パノラマでドン! シェルタリング・スカイのテーマ、再生w
若者がまったりしています。時間の流れが、実にゆっくりです。
ワルザザートまで行かずに、ここで1泊ってのもアリでした。そうすれば、あんな事件にも遭わずに済んだのに……。
日が暮れてきたので、アイト・ベン・ハドゥを後にし、30分ほど走ってワルザザートへ。これが今晩の宿、ベルベル・パレスです。日本人団体もいる!
ということで、事件の話はまた次回。
追記;
日本に帰ってから、「シェルタリング・スカイ」のDVDを改めて見直して驚いたことには、アイト・ベン・ハドゥと思しきシーンが全然出てこない! DVDの映像特典に、ベルトルッチ監督や脚本家によるオーディオ・コメンタリーが収録されていたので、そちらを聞きながらもう一度本編を見てみました。すると、主なロケ地は、タンジェ、テトゥアン、ザゴラ、タムヌガルトであることが分かりました。さらに、映画の中盤過ぎ、砂丘のシーンが印象的なシークエンスに差しかかると、衝撃のコメンタリーが。「告白しよう。このシーンはモロッコじゃなくて、アルジェリアで撮った。ベニアベスという場所だ」。
気になってWikipediaで調べると、映画の原作者ポール・ボウルズは、ずっとタンジェに住んでいたんですよ。
なーるほど。そういうことでしたか。モロッコ情報、結構いい加減だなあ。このエントリのタイトルも変えた方がいいかもなあ。……いや、敢えて変えませんが。
ま、いずれにせよ「シェルタリング・スカイ」は、今回のモロッコ旅行の重要なメタファーであったということにブレはありません。たとえ、実際にロケがそこで行われていたかどうかは二の次ですから。
それにつけても、ヴィットリオ・ストラーロの撮影が素晴らしい。月明かりに浮かぶ青い砂丘や、スークの迷路をステディカムで移動する時の光と影の具合とか。プロの仕事ってこういうもんだよなとため息を一つ。
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