2013年1月19日土曜日

ちょっと待ってよ!アトラス越えは前途多難

翌日の朝10時ぴったり。日曜日で車はまばら。初めて車で走るには絶好のコンディションです。さっそく昨日探し当てたAIR CARの事務所に突撃です。と、建物からオッサンが客2人と出てきて、すれ違いざまに「レンタカーの客か? ちょっと待ってて」と声をかけてきました。先客に車を渡すようです。

良かった。日曜だけど、ちゃんと営業してた。

5分ほどしてオッサンが帰ってきて、我々を建物の2階にある店(事務所)に招き入れます。30平米ぐらいのガランとした事務所に、机が2つだけ。はがれかけた観光地のポスターが何とも哀愁です。オッサン、どうやら1人旅行代理店ですね。

「いま、車は空港からこっちに向かってるから10分待ってて」

「分かった。GPS(カーナビ)はちゃんとついてる?」

「ん? GPS要るのか(ちゃんとネットで頼んだのにぃ)。ちょっと待ってろ(携帯でどこかに電話をかけ始めつつ)。1日100ディルハム(1000円)かかるけどいいのか?(いいよいいよ。それぐらい払うから)」

1分後、どこからかお兄さんがやってきました。ちっちゃいGARMINを手に持ってます。あっちゃー。

「ああ、そんな小さいんならいいや。iPhoneでGPS拾うから。お兄さん、せっかく持ってきてくれたのにゴメンね」

オッサン、またどこかに電話をかけてます。

「もっと大きいGPSがあったよ。20分待ってて」

待ってる間の会話。「どこに行くんだ?」「ワルザザード。アトラス超えて」「おおー、山超えて行くのか。山の景色はいいぞ、スペクタクルだぞ」「山越えの道路は危なくない?」「大丈夫だよ。危ないところは、みんな慎重に運転してるから」

よし。裏取れた。そんなにリスクは高くない。

「ワルザザードまでどれぐらいかかる?」「ノンストップだと4時間。あちこち見学するなら5時間みといた方がいいよ」「途中、食事できるところはある?」「もちろんあるよ。XXXXってところがいい」

そうこうするうち小一時間が経ち、やっと車が到着しました。


これ。スズキのCELERIO。日本ではスウィフトでしょうか。しかしボロいなあ。9万キロ走ってます。ボディも傷だらけ。写真では分かりませんが。

しかも……。

クラッチがクッソ重い! おまけにブレーキを踏むとスコっと床まで抜ける感じ。ゾゾォ~。2、3回踏むと踏みしろが出てきますが、こりゃアブねえなあ。

カーナビは思ったより大きいのがついてました。GARMINです。これはグッド。


ん? あれ? ちょっと待って。ガソリンが空っぽじゃん! エンプティ・ランプ点灯しちゃってるし。

「ガソリンは空っぽで渡して、空っぽで返すシステムなんだよ。この交差点の先の右側にガソリンスタンドがあるから、そこで入れてけば?」

ん~。ますます珍道中の予感。つか、こりゃ試練ですね。この車危ないじゃん! もう、失敗した! 空港のHertzに行くんだった!

しかし、出発予定時間を1時間半過ぎており、ここから新たな車を調達するのは現実的ではありません。山を走ってる途中に日が落ちて暗くなったら、途中で遭難の恐れさえあります。

腹をくくって走り出します。GARMINに目的地を設定して……。

何これ! ちょっと待ってよ。カーナビの表示が全部ドイツ語じゃん! もう!

こんなんでアトラス越えられるのか? うーむ。

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