2016年7月26日火曜日

船がきた エルミタージュに スリ5人

昨日に続き、今日も雨です。ある意味、雨の日は美術館観光にはうってつけだよなってことで自分を納得させます。


朝10時過ぎ、エルミタージュに着いてみるともの凄い行列が。チケット買うのに2時間、そこから入場するのにさらに1時間って感じらしい。それじゃあ若冲展じゃないの。ロシアまで来て若冲展の行列苦なんてあり得ないよー。私、東京の若冲展はパスしましたから。

しかしウチらのガイド、パーシャは「ちょっと待っててください」と言い残すと群衆をかき分けて別の若い男(ガイド仲間らしい)に近づき、その男と何か一言二言話すと、男からチケットを受け取って戻ってきました。

「はい、お待たせしました。このチケットで入れます」

パーシャ、ナイスガイすぎる。まあでも、それが仕事だもんね。

エルミタージュのエントランスはとても不案内です。入り口が2つあるのですが、どっちが何の入り口なのか書いてない。あとでパーシャに聞くと、正面入り口が一般客用で、正面から右側にある入り口が、団体ツアー専用入り口なんだそう。


我々が正面入り口に向かっていると、日本人の家族が追いかけてきてパーシャに質問を浴びせます。

「ちょっと教えてください!インターネットでEチケットを買ったんですが、どこから入ればいいですか?」

「Eチケットは、向こうのカウンターで入場チケットに交換しなくてはなりません。私がご案内しましょう」

「ありがとうございます!ありがとうございます!」

実は、エルミタージュにあまり並ばずに入場する裏技は、このEチケットの他にもうひとつあって、それは自動券売機を利用する方法です。正面入り口のチケット売り場の裏手に自販機があって、そこなら4〜5人しか並んでいません。何でみんな自販機使わないんだろってぐらい空いているんですよ。

エルミタージュは10時半から開場します。この日は2時間半ほどでおいしいところをつまみ食い作戦。


金ぴかの豪華絢爛な舞踏室とか、謁見の間とか、エカテリーナの寝室とか、マイセン焼きの暖炉とか、黄金の孔雀が時を告げるカラクリ時計とかを駆け足で眺め、ひときわ観客の多い部屋にたどり着きました。


そこでガイドのパーシャくんがボソり。

「この部屋にスリが5人いますね。そのうち2人は女性です」

キタキタ! イタリアから出稼ぎのスリ団か。

「それどれ? どの人がスリ?」

「もし、彼らが近くに来たら、顔を教えますよ」

このひときわ観客の多い部屋は、イタリアがテーマのホールです。イタリアホールにイタリアスリ団w


なんと、ダ・ヴィンチが2枚ありました。「リッタの聖母」と、「ブノワの聖母」です。

ダ・ヴィンチの隣の部屋には、ラファエロが2点ありました。

イタリアホールはごった返しているんですが、その混雑は、中国人ツアー客の他に、豪華客船の下船客がどっちゃり訪れている影響とのこと。前日サンペテ港に着いた、3500人乗りの豪華客船から来た客だと。

さらに大きな5000人規模の客船が入港することもあり、サンペテの観光施設の混雑具合は、この客船から来る客の影響をモロに受けるんですね。スリも書き入れ時だわな。

船が来る前日はエルミタージュもガラガラだったとか言ってるので、豪華客船のスケジュールを把握してからエルミタージュに行く日を決めるってのが、もっともスマートなやり方かも知れませんね。

さて、一連の絵画群のなかで私が気に入ったのは、これですね。


ペルジーノの聖セバスティアヌス。サン・セバスチャンか!

矢が刺さって、キョトンとするの図w

よく見ると、刺さった細身の矢にペルジーノの署名があります。ヤルじゃん。広告代理店の仕事みたいです。

あとこれこれ、レンブラント。「放蕩息子の帰還」


レンブラント晩年の代表作です。英題は「Return of the Prodigal Son」。ドラマを感じますねぇ。客が群がってます。この絵は貸し出ししてないそうです。エルミタージュにレンブラントは24枚あります。

さすがです、エルミタージュ。美術史に燦然と輝く巨匠の作品がゴロゴロ転がっています。

そうそう、転がっていたといえばこれ。


ミケランジェロの未完の彫刻「うずくまる少年」です。未完のままヴァチカンだかどこかに放っぽられていたのを、大帝が買ってきたとか。

今回は行きませんでしたが、エルミタージュには別館もあって、そっちには印象派の絵画がたんまりあるそうです。マネとかモネとかセザンヌとかゴーギャンとか。

そもそもエルミタージュには300万点のコレクションがあり、うち100万点は倉庫で眠っているんだそうです。うーむ。全部見るには2年半かかるとガイドのパーシャが申しております。

我々はたったの2時間半でしたが、それでもかなりお腹いっぱい。ベルサイユ宮殿→ルーブル美術館とハシゴしたような気分。ここには、またいつか戻ってこよう。もっとお客が少ない時に。

結局、スリの顔は教えてもらえなかったなぁ。何も盗られなくて良かったけど。

大混雑のエルミタージュを脱出すると、入場待ちの行列はさらに凄いことに。雨の中、ご苦労さまです。

明日は、木造の正教会が聳えるキジ島へ向かいます。



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