2015年12月9日水曜日

早くも来年のベストワン候補。映画「オデッセイ」について書いておく

ちょっと公開までには時間があるのですが、賞レースでぼつぼつ名前があがっていますので、ちょっと「オデッセイ」のレビューを書いておこうと思います。

個人的には、早くも来年のベストワン候補です。公開は来年の2月5日です。


設定はこんな感じ。最後に予告編も貼っておきます。

NASAの火星探索船のクルー6名が火星に降り立ちますが、探索中に激しい嵐に見舞われて撤退を余儀なくされます。
しかし、6人のうち1人が行方不明になってしまい、船長(ジェシカ・チャステイン)の判断で5人で地球に帰還することに。
残された飛行士マーク(マット・デイモン)は、嵐に吹き飛ばされて死亡したものと思われていましたが、実は奇跡的に生存していました。

彼は、火星の地上に設置された探索基地で、たったひとりでサバイバルを試みます。

しかし、次の火星探索船がやって来るのは4年後。食料は31日分しか残っていません……。

いったい、どうやって生きのびる???

「ゼロ・グラビティ」ミーツ「キャスト・アウェイ」とか言われていますが、個人的には「アポロ13」の長期間版というのが近いと思います。

「ゼロ・グラビティ」にしても「アポロ13」にしても、宇宙船で問題が起こり、「宇宙空間から地球に帰って来られるか」っていう話でしたが、今回は火星の地表が舞台。自力で帰れる術はなく、「帰る」以前にまずは「生きのびる」というのが主眼となるのです。

飛行士マークは、まず「生きのびる=餓えをしのぐ」方法を発明しなくてはなりません。次に「自分の生存を知らせる=地球に連絡する」方法も考案しなければならない。この2つが彼のミッションです。ミッションというか、生き残るためのマスト事項。自力では帰れないので、自身の無事を知らせ、救援を待つしかない。一方、地球側(=NASA)のミッションは、マークの現状を正確に把握し、彼を救出するためのあらゆる手段を検討し、ベストな方法を実施することです。

いずれのミッションもとてつもなく難易度が高く、しかも両者が完全に連携しないとクリアできないという、まさに「史上最大の作戦」です。「ミッション:インポッシブル」でもいい。いや「グレート・エスケープ」かな。何しろ、火星と地球の距離は2億キロ以上ある。

とにかくまあ、見終わった後の達成感が半端ない映画です。アメリカの映画館では、各地でスタンディング・オベーションが起こっていたことでしょう。間違いなく。


もうひとつの特長は、観客も飛行士マークになって、あるいはNASAのスタッフになって、問題解決の方法をともに考え、行動を見守るという「参加している感」が非常に強いんです。次々と起こる想定外のアクシデントを、皆が協力し、驚くべきフレキシビリイティで解決していく。

そして、映像は徹頭徹尾リアルです。原作はオンラインで連載された小説なのですが、脚本から撮影までNASAが全面的に協力し、コンサルしています。興味深いのは、宇宙飛行士の記録用というか日記がわりの映像を撮るためにGoProがあちこちに設置してあって(下の写真でもヘルメットにGoProが)、その映像がところどころに挿入されている点。これもまたリアル感を演出しています。この映画に登場する宇宙船は、「インターステラー」や「2001年宇宙の旅」のように、ワープなんかしません。「火星から地球まで、宇宙船で4カ月」という現実的な距離感に忠実に物語は進むわけです。


そんなこともあって、アメリカ人の中には、この映画が「実話」だと思っている人もいるんだそうです。

……いくら何でもそれは、ねえw

それでもいま、人類は居住の場所として火星を調査していますし、実際に移住する人間も募集しているわけですから、火星での生活がどんな感じなのかは、この映画を見れば大体想像できますよね。

予告編はいくつものバージョンがありますが、もっとも説明的なものを貼っておきましょう。


あまりに面白かったので、公開されたら映画館でもう一度見ようと思います。この映画は2Dでオッケーですね。

ちなみに、映画の原題は「The Martian(ザ・マーシャン)」、原作も同じで、原作の邦題は「火星の人」です。映画の「オデッセイ」って邦題は「2001年宇宙の旅」の原題「2001: A SPACE ODYSSEY」からの引用なんでしょうかね。「マーシャン」だと「マージャン」みたいだしなあw

2016年、2月5日公開です。必見。


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