2017年1月31日火曜日

キューバの桂林 ビニャーレス渓谷へ2泊3日で行ってみた

ハバナに5連泊した後は、ハバナから西に180キロ離れたビニャーレス渓谷に移動し、2泊します。ビニャーレスは、中国の桂林にあるような岩山に囲まれた風光明媚なエリアです。 

ネットで調べてみると、ハバナから日帰りツアーが出ていて、多くの旅行者はそのツアーに参加するのがポピュラーなようです。


しかし、こんな風景を写真で見た時に、「ここは日帰りじゃない。宿泊するしかない」と直感が告げたので、断崖の上に立つ、景色の素晴らしいホテル・ロスハスミネスを2泊分予約しました。

ところが。

出発の1週間ほど前に、予約した旅行サイトから「ロスハスミネスは満室だ。同じ値段でそれよりもグレードの高いホテル・サンビセンテを用意できるがどうする?」というメールが来たのです。

「何だそれ。最初っから予約エンジンに満室フラグつけといてよ!」って話で、あきれるしかありません。後で現地の人に聞いた話では、キューバのホテルは予約エンジン以前の状態で、しかも3~4日に一回しかメールチェックしないので、色んな行き違いが起きるそうです。IT化、激遅れ。

ビニャーレスには、ホテルは3軒しかありません。チョイス、少なすぎです。仕方ないので、旅行サイトの提案に乗って、景観は諦め、斜面にコテージ風の客室が点在するリゾートホテル、ランチョ・サンビセンテで妥協することにしました。

次はハバナからビニャーレスへの足。これについては、現地に着いて交通事情を肌感で把握した上で、レンタカーを手配する作戦でした。現地でバスとかタクシーなどの自動車に乗って、自分で運転する自信があるか確信してから決定する。


ハバナに着いた翌日、町をひとまわりし、車の運転はそれほどハードルが高くないと踏んだ私たちは、レンタカー作戦を決行すべく、泊まっていたホテルの中にあったレンタカーオフィスを訪ねます。

ところがところが。

「セニョール! 車はないよ。今日だけじゃないよ。12月いっぱいは、貸せる車は一台もないんだ」

ガーン! 甘かった。日本でネット予約するんだった。せっかく、国際免許や車載用のiPhoneラックとか充電セットも持参してあったのに、無駄になっちまった。

何だか、ちょっと相性の悪いデスティネーションです。

速やかにプランBに移行しましょう。ホテルのフロントでバスでの行き方を教わって、当日の朝9時出発のバスでビニャーレスへ突撃しました。


途中、ピニャ・デル・リオという町を通過した際に、フリーメイソン関連の家を偶然目撃。LOGIAって書いているので、ロッジなんでしょうね。メイソンのコンパス紋章は、キューバ滞在中3〜4回目撃しました。

バスは4時間ほどで(休憩含む)、ビニャーレスに到着です。到着前、バスの添乗員が席までやってきて、どこで降りたいのか聞くので、「ホテル・ランチョ・サンビセンテ」と告げます。どうやら、ホテルまでバスが連れていってくれるようです。

バスはまず、ビニャーレスのダウンタウンのバス停に着きました。乗客たちは、なんと私たち2人を除いて全員がここのバス停で降りました。ビニャーレスには、ホテルは3軒ですが、カーサ・パルティクラルという民泊施設が800軒あるんです。そのほとんどがダウンタウンに集中しています。ヨーロッパのバックパッカーに人気の町だと、現地で知りました。ほらね、やっぱ泊まりで正解じゃないの。


これが私たちの今晩の宿です。平屋のと2階建てのが数十軒建っています。写真の建物の2階の右側の部屋に泊まります。ほったて小屋風だけど、それなりに雰囲気あるんじゃない。

ホテルの周りには何もないので、バーで軽い昼食を摂ったあと、ダウンタウンに出かけようとフロントでタクシーを呼んでもらいます。

「タクシー、5分で来るわよ」

しかし、待てど暮らせどタクシーは来ません。

ビニャーレスの5分=45分です。タクシー頼んでから、45分後にやっとこ来たよ。

この日は、ダウンタウンでブラブラしたあと、当初泊まる予定だった景色の素晴らしいホテル・ハスミネスのカフェでまったり。


夕景も素晴らしいんですが、1本だけ生えているヤシの木がじゃまです。オレがロスハスミネスのオーナーだったら、この木、絶対切り倒すけどなあ。

暗くなったところでダウンタウンへ戻り、イタリアンレストランで夕食を摂って、ホテルに帰ります。基本、移動はタクシー。どこへ行くにも10CUCから15CUC。乗る前に交渉ありきです。

夜も更けたので、バンガローの部屋に戻ります。あとは寝るだけ。

ところがところがところが。

全然寝られない。この部屋、なんなんだ……。

エアコンが轟音をあげてフル稼働しています。工事現場並みにうるさい。
しかし、エアコンの消し方が分からない。リモコンのボタンも一切効かない、コンセント(電源)も見あたらない
ええい、しょうがない。ブレーカーを落としちゃえ!
エアコンが切れたのはいいんだが、隣の部屋のイビキが凄いんですけど
トイレの水が流れなくなった。ブレーカーは給水ポンプも兼ねているのか
朝、シャワー浴びられない、トイレも使えない

ビニャーレスとオレたち、相性悪すぎです。

トイレの問題は、ブレーカーとは無関係で、あとでホテルの人が修理しに来て直りました。それにしてもここはなかなか厳しいホテルです。


2日目は、葉巻農家を訪ねたり、洞窟をボートでめぐるビニャーレス堪能ツアーに参加して、この渓谷の町を満喫しました。このツアーは2人で82CUC(=82ドル)。


ホテルのフロントスタッフやツアーデスクのオバちゃんは超フレンドリーでみんないい人です。そこは良かったんだけどなあ。部屋がなあ……。エアコン、ウルさすぎ。

2泊目もブレーカーをガツンと落として就寝。

3日目は、ハバナに帰る日ですが、バスは14時出発。少し早起きして、ダウンタウンまで徒歩で行ってみました。およそ7キロ、1時間半の散歩です。

朝は涼しくて快適だったのですが、日が昇るにつれて、どんどん暑くなります。


道端の木がいい感じ。道路の端には、馬用の道もあります。

歩き続けていると、色んなものに遭遇します。


馬に荷車引かせてます。これはけっこうよく見かける。


お兄さんがニンニクを自転車にぶら下げて売っています。

葉巻工場の入り口が開いていたので、ちょっと覗いてみましょう。


葉巻は、完全に手作業で作ってるんですね。

ダウンタウンでランチを済ませ、おんぼろラーダのタクシーに乗ってサン・ビセンテに戻ります。2泊3日のビニャーレス観光が終了しました。

次にキューバに来ることがあれば、今回泊まれなかった、ホテル・ロスハスミネスに是非泊まりたい。ただ、このホテルも案外シャビーです。ロケーションがいいんだから、もっとゴージャスなリゾートホテルに改装すればいいのにね。


帰りのバスは、14時にビニャーレスを出発しました。私たちは一番最初にバスに乗れたので、一番前の席(運転席の直後の席)を確保します。それで気づいた驚きは、道中、バスは高速道路を走って帰りますが、現地人のヒッチハイカーがあちこちにいること。バックパッカーじゃないですよ、明らかにキューバ人のハイカー。私たちのバスに向けてもガンガン手を挙げてアピールしてきます。

これ、かなり確率は低いんじゃないでしょうか。社会主義の国だから、そうでもないんですかね? 現地の人たちの長距離移動は、なかなか大変そうです。 

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