2017年1月10日火曜日

誰がためにSIMは鳴る キューバでネットは一苦労

キューバにやって来ました。2016年の年末の休暇を過ごすのです。


なぜ、今回、キューバなのか? 

2014年末に、オバマ大統領とラウル・カストロがアメリカとキューバの国交回復を宣言して以来、アメリカのキューバに対する禁止措置がどんどん緩和されています。

15年には相互に大使館が設置され(54年ぶり)、16年3月にはオバマがキューバを訪れ、ローリングストーンズはハバナでコンサートを行いました(観客が120万人集まったそうな)。

数年のうちに、アメリカ人がキューバにわんさかやってくるようになるのは明白です。キューバの街を走る、あのクラシックカーのようなアメ車の数々も、新型の無個性なフォードやGMに置き換わってしまうことは間違いないでしょう。

年末にかけて、トランプが当選したり、フィデル・カストロが亡くなったりと、いろいろ未来を不確実にしそうな出来事はありましたが、いずれにしても「古き良きキューバ」を十二分に体験できる機会は今しかないと踏み、アエロメヒコのチケットをチャチャっと手配。12月21日に成田を出発し、メキシコシティを経由しておよそ23時間かけてハバナにやって来たのです。


海外旅行に行った際は、必ず現地キャリアのSIMを入手し、日本から持参するSIMフリーiPhoneでネットに繋がって行動するというのが我々の旅のスタイルなのですが、今回はちょっとこの作戦が使えません。キューバの携帯電話キャリアがダメダメなんです。

一応、CUBACELという国営の携帯キャリアがあるにはあるのですが、パケが使い物にならないようです。キューバの電波、どうやらまだGSMっぽい。3G以前。

現地で聞いた話だと、08年、フィデル・カストロが引退してラウル・カストロの時代になり、キューバ国民も携帯電話を所有してOKになったのですが、まだまだ普及率が低い上に1社独占の国営企業なもんで、インフラ敷設ものんびりなんだそうです。

キューバでは、ガラケー時代をすっ飛ばしてスマホが普及している最中ですが、安い端末でも100ドルはするので、月収20ドル程度(!)の一般的キューバ人にはそう簡単に買える代物ではない(この、キューバ人の月収が20ドルという衝撃情報が旅行中忘れられなかった)。それでもみんな携帯が欲しいので、けっこう無理してスマホを買うんですが、パケが使えないのでもっぱら通話とSMSしか使えてないってことです。

では、キューバではどうやってネットに繋げるのか?

これを使うんです。


WiFiカードです。ETECSA(エテクサ)という公衆電話公社が発行主です。

1枚2CUC(「クック」とか「セーウーセー」と発音。1CUC=1米ドル)で、1枚につき1時間20分WiFiが利用可能です(半年前は4.5CUCで1時間だったらしい)。

私たちが泊まっていたHotel Parque Centralでは、ロビーでも部屋でもWiFiが利用可能でした。ホテル1Fのバーでこのカードを買い、PWD部分のスクラッチを削って使います。

しかしこのIDとPWDがいずれも12桁とクソ長い。しかも、カード1枚で端末1台しか使えないので、超絶不便。

おまけに、カードは早く買わないと売り切れてしまうことがあります。我々のホテルでは、朝7時から販売開始だったので、毎日朝イチでバーに行って、一度に3〜4枚買ってました。


このカードは、町のETECSAの営業所でも買えます。オールドハバナのETECSAはごらんのような大行列ですけど。

ハバナ市内の主要なホテルや、公園なんかがWiFiスポットになっていて、WiFiスポットの周辺ではカードが売られてます。ある公園で、ダフ屋みたいなオバさんに「WiFi?」って声かけられたことも。WiFiダフ屋が暗躍するという謎の国。


こんな感じで、大勢の若者がスマホ画面見ながら座り込んでるポイントがあったら、そこがWiFiスポットです。ここは、ヘミングウェイが定宿にしていたアンボス・ムンドスというホテルですが、ここもメジャーなWiFiスポットのひとつです。

とにかく、キューバを旅する際は、ETECSAのWiFiカードを切らさないようにするのがポイントです。このカードがないと、ネットに繋がることができません。情弱への道まっしぐらw

次回は、そんなネット後進国キューバで超絶便利だったアプリをご紹介。


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