2015年1月15日木曜日

今日も雨だよスリランカ。8 スリランカ雑感

今回、初めてスリランカに行きました。スリランカという国と、そこを旅した印象について、思いつくまま記してみます。

スリランカの印象は、インドに行ったことがある人とない人では全然違うと思います。私の場合、スリランカはひと言で言えば「マイルドなインド」です。文化的、民族的にインドに近いんですが、国はこじんまりとしていて、町はインドより清潔です。

インドでは、北部に比べ南部の方が人々も優しく穏やかでマイルドですが、それをさらにマイルドにした感じ。


逆に言えば、インドは「えげつないスリランカ」って表現もできますね。もちろん、インド人にもいろいろいますので一概には言えませんが。少なくともスリランカでは、露骨に人を騙そう、搾取してやろうという人には出会いませんでした。

食事に関して言えば、インド同様カレーばっかり。だけど、生野菜が食べられるというのが嬉しい誤算でした。インドじゃ生野菜食べられませんからね。あと、酒が飲める。肉も食える。その分、食事もインドに比べてバリエーションに富んでいて美味しいと感じます。


インドのようなヘビーなカースト制もないようですし、人々は総じて穏やかで、貧富の差もあまり感じませんでした。道中、ハードコアな物乞いにもほとんど遭遇しなかったし。インドにいくと、腕や足や片眼のない人が「金くれ金くれ」って観光客ににじり寄ってきて大いに困るんですが、スリランカでは、ゴールという町以外では一切この手の物乞いに遭遇しませんでした。マイルドなのはボチボチいます。


スリランカは病院タダ、学校もタダだそうでかなりの福祉国家です。いい国ですよねえ。正式国名はスリランカ民主社会主義共和国です。だけど、政権を執ってるのは共産党ではありません。

これで、地震はないわ台風も来ないわ(大雨はありますが)ときたら、「シニアな日本人のリタイア移住先の有力候補のひとつでは?」と考えちゃいます。気温も、年間通じて25度から30度ぐらいってことは、ハワイと同じなんですよ。そこら中にバナナなどの果物が自然にぶら下がっているので、ホームレスがいたとしても飢え死にはしませんよね。


そして、何といっても国教が仏教。仏教徒が70%。残り30%が、ヒンドゥー、イスラム、キリスト教(今週、ローマ法王がスリランカを訪ねてましたね)。仏教徒が多いので、原則、日本人にはシンパシーがあります。そして中国人のことはあまり快く思っていない。先日(2015年1月8日)の選挙で敗れましたが、ラジャパクサ大統領がかなり露骨に中国に接近し、政権内部がチャイナ・マネーでズブズブになっていたそうで、コロンボあたりに行くと中国人観光客もたくさんいるんだって。

新しい政権は、インド・中国・日本のアジア3大大国と、等距離で外交を行っていくと宣言しています。

仏教と言えば、スリランカ人がお寺に行くのは満月の夜だそうです。満月の日は、会社も学校も休みになるんだとか。そして、酒も肉も売ってはいけないホーリーな日だそうです。次回は、満月めがけてスリランカに行ってみたい。

帰ってきて、また行きたいと思った国のひとつですが、とにかく交通インフラをどうにかしたいですね。道路はもっと水はけよくして、擁壁工事も行ってがけ崩れ対策したいし、高速道路ももうちょい欲しいし、鉄道網も欲しい。とにかく、車がないとどこにも行けないんです。そして、とっても時間がかかる。

今回、ドライバーのカヴィちゃんをずっとキープしていましたが、国民の足は路線バスとスリー・ウィーラー(トゥクトゥク)。バスは事故が多いし、トゥクトゥクは料金交渉が面倒で、いずれも観光客はよう使わんって感じです。最大の課題は交通インフラ。


スリランカって、2008年ぐらいまで中部〜北部が内戦状態にありましたから、観光客が気軽に行けない国だったんですよ。こんないい国なのにね。

今回、治安もまったく問題なかったですよ。もし強盗とかに襲われそうになっても、般若心経のひとつも唱えたら無事に解放されるんじゃないかと。そんなことないか。

あ、そうだ。ジェフリー・バワのことも。

今回、スリランカに行こうと思った理由のひとつが、ジェフリー・バワの建築を訪ねることでした。アマン・リゾートに大きな影響を与えた、スリランカを代表する建築家です。スリランカのガイドブックにも、必ず名前と建物が載っています。私は「アマン伝説」という本を読んだときにその名を知りました。

バワの作品は、スリランカ南方の海沿いにその多くがあって、今回の我々のルートだとあんまりたくさん訪れることができません。

なので、ヘリタンス・カンダラマ、ジェットウィング・ライトハウスと2箇所、バワの手がけたホテルに宿泊し、コロンボでNo.11(ナンバーイレブン)を訪問することにしました。

ヘリタンス・カンダラマは、別のエントリーでも書きましたが、とにかく居心地のいいホテルでした。次は1週間ぐらい滞在したい。

ジェットウィング・ライトハウスは、ゴールの海沿いに立つ大ぶりのホテルです。海をのぞむ開放的なレストランと、スパが人気です。2004年のスマトラ沖地震の時は、ゴール旧市街の要塞が防波堤の役割を果たしたので、奇跡的に無事だったというホテルです。


インフィニティ・プールはありませんが、海をぜいたくに感じることができる気持ちのいいホテルです。

バワお気に入りのイスもあちこちにさり気なく置かれています。


コロンボにあるNo.11(ナンバーイレブン)は、バワの住居兼オフィスだった建物。

1日3回ほど設定されている内覧ツアーがあって、見学の予約をすると中に入ることができます。さらに1日1組限定ですが、宿泊することもできます。


恐ろしく趣味のいい、上質な空間です。次は是非泊まってみたい。

できれば、ルヌガンガにも行きたかったんですが、それは次回のお楽しみです。

あと、紅茶のことを忘れちゃいけませんね。

スリランカで飲む紅茶は、とても美味。私も滞在中はコーヒーを一度も飲まず、ずっと紅茶を飲んでました。スリランカの人は、朝はミルク入り、それ以外はストレートで飲むんだそうです。


日本に持って帰るおみやげに、鉄板のアイテムです。

最後に、スリランカの公用語シンハラ語について。

シンハラ語は、くるくるっと丸い不思議な文字です。このCHURCH STの看板は、英語の上がシンハラ語で、下がタミル語です。


タミル語の方はまだ直線が見られますが、シンハラ語はすべてが曲線、しかも渦巻きで構成されているという珍しい言葉です。

話しているのを聞いても、「ぐるぐるぐる……」って感じの音感で面白かった。

観光客が行くところは、英語がよく通じます。インド人みたいにクセが強くない、聞き取りやすい英語を話す人が多いですね。

最近は、日本人の若い女の子が、1人とか2人でスリランカにやって来て、カヴィちゃんみたいなドライバーを雇って何日も観光するんだそうです。

スリランカ、来てますよ。これからもっと人気でると思うな。


アマン伝説




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